挙筋法の手術がややリスクが高くなる理由の一つですが、ミュラー筋をいじることにあると言えます。しかも長期的に(10年後とかに)眼瞼痙攣が発生するリスクがあって、ミュラー筋の中にある神経に影響していることが原因と考えられています。
確率としては少ない副作用ではあるのですが、眼瞼痙攣が出てしまうと原因不明として片付けられてしまって泣き寝入りする症例ケースもあるため、美容外科医でもお手上げ状態になってしまうこともあります。そうなれば最悪です。
形成外科専門医では無い外科医が埋没法手術を行っているケースも多々あり、そうなると、解剖学的に眼瞼下垂症を診ることが出来ない美容ドクターがとりあえずなんとなく埋没法をしてしまっているケースもあるのです。
例えばもともと隠れ眼瞼下垂症の人に挙筋法での埋没法を行ってしまうと瞼を十分に開ける力が無いのに、更に症状が悪化して黒目の開きが悪くなったり、ミュラー筋をいじることで眼瞼痙攣のリスクも出てきます。
ミュラー筋は不随意で動く筋肉に似ているので、周囲の筋肉の緊張を自律的に調整している役割が考えられます。なのでここに埋没法での負荷をかけてしまうと、リスクが増大します。
万が一、眼瞼痙攣が強く発生した場合には埋没糸の抜糸、それでも改善しなければ、ミュラー筋の緊張を低下させる外科手術となります。リカバリーは非常に難しい修正です。