72例の脂肪吸引術後の重篤な合併症の研究結果からわかること~太ももや二の腕、お腹の脂肪吸引 | 失敗しないための美容相談所~整形ブログ・名医の条件

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全国美容外科の医師選びを解説中。
①症例写真が綺麗=技術が高いは間違っている
②美容外科学会には2種類ある
③選んではいけない美容外科とは

学会報告されていた美容外科レポートの失敗例。今回は太ももや腹部での脂肪吸引編です。

脂肪吸引の死亡理由(72例の脂肪吸引術後の重篤な合併症)

・壊死性筋膜炎

・細菌感染

・出血

・腹腔内臓器穿孔(せんこう)

・肺血栓塞栓症

などが報告されています。

 

美容外科医の中には形成外科専門医の資格を得ずに美容外科医として勤務していることがあるのですが、多くの場合には、粗雑な医療を提供している可能性が高いです。大手チェーン店の美容外科医の出身経歴を見ると、研修医上がりだったり、皮膚科上がりでメスを握っている美容外科医もいます。これは大変危惧されるべき問題です。

 

現に、東京都内では特に、多くの救命救急センター外来に緊急搬送されてくる患者さんがいるということを、日救急医会関東誌では報告されています。

 

主訴としては、ふらつき。めまい。脱力感。脳卒中疑いの構音障害などがあったということで、全症例が全身麻酔後にトラブルが発生している。部位は二の腕・太もも・腹部・顔などの個所で、ばらつきがあったようです。

 

脂肪吸引後の重篤な合併症の多くは出血が問題で引き起こされるものとなります。

脂肪吸引量が2,500ml以上で手術時間が3時間以上の症例で重大な出血が起こる可能性が高くなるとドイツの研究結果では伝えられています。アメリカではそう脂肪吸引量は5000cc未満、手術時間は6時間以内でなければならないとしています。

*研究によって誤差があるようです

 

今回の臨床で緊急搬送された患者さんの半数が輸血を要するほどの出血があったということ。

全例で入院診療が必要となったとのこと。

 

これから美容外科での整形手術を受けられる方は、ぜひその施設に麻酔科の専門医師がいるかどうかを確認してください。

もしも麻酔科医がいない状況で全身麻酔をかけているクリニックがあるとしたら、管理体制上の欠陥ということになります。