脂肪注入豊胸はバストアップに有効であり、治療計画として推奨されています。
有効性→あり
安全性→比較的安全である
承認状況→承認機器がある
エデビンスレベル→A:0 B:4 C:4
とされています。
世界的に主流となっているのはコールマン法で、脂肪移植の生着率を高めるためには、
・医師の腕が大変重要
・多方向へ少量ずつ注入するべき
・皮下、大胸筋下、乳腺下と多層注入すること
・乳腺組織内には注入してはならない
また、ブラバや幹細胞(ASCs)を添加して注入することもあるとしてこれについては特に否定されているものではありませんでした。全体としての脂肪注入豊胸の術後 12 か月~18 か月時点での移植脂肪の生着率は62%ということになっています。
合併症、後遺症の内訳ですが、しこり33%、疼痛25%、血種16%、気胸0.1%となっています。
全体のうち17%で合併症が認められています。
定着率を高めて、バストアップするためには、脂肪移植を熟知して、丁寧な脂肪吸引から脂肪注入までを行うことが求められます。時短手術で雑に脂肪注入をされてしまうと、生着せずに吸収されてしまったり、しこり化してしまうこともあります。
脂肪壊死の結果として、嚢胞や石灰化、腫瘤性病変が生じて乳がんとの区別がつかなくなってしまうといったリスクもありますので、アフターケアで画像検査を続けていくことは推奨されています。形成外科医や放射線科医の連携がきちんとできている病院であれば、悪性腫瘍との鑑別は可能です。