挙筋腱膜の位置を正しい位置に戻す手術が眼瞼下垂手術となりますが、この内部処理の中で、眼瞼下垂の手術中に腫れが原因で正確なデザイン設計ができない失敗例があります。
何ミリ挙筋前転したのか、左右で全く同じ量の前転させたからと言って左右で同じだけ目が開くようになるとは言えないところがこの手術の難しいところです。ヘリング現象で片目を操作して、反対側の目を手術すると、やったはずの目の方のデザインまでも変わってしまうこともあります。
そのため、眼瞼下垂は美容外科医のトレーニングプログラムの中でも最後の方のフェーズで教わることが一般的なのです。
逆に言えば、埋没法専門医や目頭切開専門医とかクマ取り専門医とかは、まるでこれらのトレーニングを受けていないことが証明されています。
技術が高い美容外科医師の中には、アジャスタブル縫合と言って、眼瞼下垂の手術において効率的に挙筋腱膜を瞼板に固定する術式を採用していることもあります。瞼板の変形を最小限に抑えることができる術式を取っている方が、ドライアイといった後遺症も発生しづらいです。
美容外科の中でも、ミュラー筋に負担を加える医院はリスキーな手順を踏んでいると解釈ができます。
ミュラー筋を操作する眼瞼下垂手術は、違和感や痛みや眼瞼痙攣を発生するリスクが上がるためです。
ミュラー筋タッキング法の危険性をまとめます↓
・修正手術が困難
・眼瞼痙攣
・後戻りが割合多い(10%と言われている)
・過矯正にもなりやすい
眼瞼下垂症の過矯正の修正手術について
左右差、過矯正、再発の原因にもなるために、注意したいところなのですが、この微妙な差が見た目に大きく影響を及ぼしてくるのです。明らかに開きすぎの失敗症例では、瘢痕組織の癒着が剥がすという難易度が高い処置を行います。
そのため、できる限り癒着がついてしまう前に修正をした方がリスクや正確性が上がるのは言えるでしょう。
ミュラー筋に手を加えている眼瞼下垂手術では、ミュラー筋自体が挙筋腱膜組織と違って瘢痕による変形や癒着を引き起こしやすいので、早期に再手術や修正手術を提案されることがあります。