失敗しないための美容相談所~整形ブログ・名医の条件・山口

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全国美容外科の医師選びを解説中。
①症例写真が綺麗=技術が高いは間違っている
②美容外科学会には2種類ある
③選んではいけない美容外科とは

脂肪豊胸で乳首が下を向く? それデザインミスです

脂肪豊胸で起きる失敗のひとつに「乳首が下を向く」「皿型の胸になる」というものがあります。しかも厄介なのは、術者側が失敗と認識していないケースがあることです。問題の本質はテクニック以前にデザイン設計にあります。

 

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なぜ起きるのか

解剖学的に乳腺は乳房内に存在し、鎖骨直下のいわゆるデコルテ最上部にボリュームはほぼありません。ここに過剰に脂肪を入れると、本来なだらかに落ちるべき上胸が不自然に張り出します。その結果、トップとデコルテの高低差が消え、重力方向の自然な傾斜が失われます。すると乳頭は相対的に下向きに見え、胸板のようなフラットなシルエットになります。

天然の大きな胸は、寄せない状態では重力で下方にボリュームが集まります。トップが最も突出し、デコルテは控えめ。この高低差こそが自然さです。

2カップアップの現実

経験的にも文献的にも、2カップ程度のボリューム増加は劇的な高さ変化ではありません。

変化項目 目安
前方突出の増加 約2cm
アンダー周径増加 約5cm
デコルテの厚み変化 本来は最小限

ここを誤解してデコルテにまで盛ると、トップとの差が消え、皿型になります。

文献的エビデンス

脂肪注入豊胸に関する代表的報告では、適切な層への分散注入と過剰ボリューム回避が安全性と自然な形態維持の鍵とされています。

学会・論文 主な示唆
ASPS Fat Grafting Task Force Report 層ごとの微量分散注入が基本。過量注入は合併症と変形リスク
Coleman SR, Plastic and Reconstructive Surgery 小量多点注入で血流確保と形態安定を重視
Khouri et al., PRS 組織拡張と血流環境を整えた上での容量管理の重要性

いずれも共通しているのは「入れれば入れるほど良い」ではないという点です。

失敗パターンの比較

正しい設計 失敗設計
トップが最突出 上胸が最突出
デコルテは緩やか デコルテが過剰に膨隆
乳頭は正面向き 乳頭が下向き
重力を意識した形 胸板のような形

外科医選びのポイント

脂肪豊胸は「量」より「設計」です。デコルテを盛れば若く見えるという短絡的な発想は危険です。解剖理解、注入層の選択、ボリューム配分、この3点を理解していないと皿型バストになります。

カウンセリングで「どの層に、どれくらい、どこを一番高く設計するのか」を具体的に説明できない医師は避けるべきです。SNSでのキラキラ症例ばかりを挙げている美容外科医ではなく、解剖とデザインを語れる外科専門医を最低限にして病院選びをしてください。

 

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糸リフトと若年バッカル除去が危険だよねって話

糸リフト後は定期的なメンテが大変なので、コスパで考えるのが良いとして、問題はバッカルです。
若い世代へのバッカルファット除去は、美容外科医の中でも賛否が強く分かれています。

否定派の主張は構造の話です。


否定派医師が指摘しているリスク

指摘内容 実際に起きうること
輪郭が変わる人は稀 皮下脂肪や骨格が主因だと変化は限定的
不自然な筋が入る 癒着やボリューム欠損で線状陥没
ムンク様変形 口角横のコケが強調され老化印象
若年は非推奨 将来の脂肪減少で過度なコケ
顔の基盤脂肪 深部脂肪減少は修正困難
 
バッカル除去と若年美容リスク

学会レベルでの指摘を考察してみる

バッカルファットは咀嚼筋間の深部脂肪体で、顔面支持構造の一部です。
形成外科学の文献では、若年者での過剰除去は中顔面のボリュームロスを早期に誘発する可能性があると指摘されています。
Aesthetic Surgery Journal や Plastic and Reconstructive Surgery でも、適応は慎重に選ぶべきとされています。
特に将来的な顔面脂肪萎縮との関連については議論が続いていますが、安全側に倒す意見が主流です。

要するに、誰でも小顔になる魔法の手術ではありません。


糸ディンプルとバッカル取り過ぎの見分け

状況 可能性が高いもの
術後数週で局所的凹み 糸牽引による一時的ディンプル
無表情でも広範囲コケ バッカル過剰除去疑い
線状で硬い引きつれ 糸固定過強

現時点が術後1から2週なら、まだ結論は出せません。


主治医が形成専門医かどうかは重要か

結論、かなり重要です。
顔面解剖を専門トレーニングしているかどうかで、脂肪量の判断と除去層の精度は変わります。
経験の浅い医師やいわゆる直美系ドクターでは、深部脂肪の扱いが雑になるリスクがあります。
若年の顔はまだ変化途中です。将来まで設計できる医師かどうかが分岐点です。

 

・若年バッカルは適応がかなり限定的
・取り過ぎは修正が難しい
・論文レベルでも慎重派が多い

 

最終的に差が出るのは施術名ではなく医師の設計力です。価格やSNSの知名度で決めないでください。
キラキラ美容外科医ほど地雷ですし、失敗例を掛けないように誓約書を一筆書かせている病院もタレコミが来ています。

 

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グラマラスライン形成やハムラ法の三白眼修正

グラマラスライン形成やハムラ法の術後に三白眼様になる症例がある。原因の多くは下眼瞼皮膚の過剰切除や前葉短縮による下眼瞼外反、下制過多。いわゆるアッカンベー状態で、眼球下方の強膜露出が目立つ失敗。

下眼瞼は前葉 皮膚眼輪筋と後葉 結膜瞼板で構成され、どちらかが短縮すると支持バランスが崩れる。皮膚を切り過ぎると前葉短縮となり、閉瞼不全や流涙、角膜障害を伴うこともあります。

 

グラマラスライン形成失敗例:三白眼、眼瞼外反

なぜ修正が難しいか

一度切除した皮膚は戻らない。単純植皮は拘縮しやすく、再下制や後戻りを起こしやすい。特に下眼瞼は動的部位で瘢痕収縮の影響を強く受けます。

過去の報告でも、単純植皮のみでは長期安定が得られにくいことが示されています。

修正術の選択肢

方法 適応 長所 問題点
全層植皮 前葉短縮 比較的容易 拘縮再発
真皮脂肪移植 軽度短縮 ボリューム補填 吸収変動
耳介軟骨移植 後葉支持強化 支持力が高い 硬さ
Hard palate graft 後葉延長 長期安定 口腔採取侵襲

耳介軟骨移植の位置づけ

耳介軟骨は支持力があり、下眼瞼後葉の補強材として用いられる。瞼板延長の目的で挿入し、下眼瞼を上方に押し戻す。類似概念としてtarsal spacer graftがあり、Har-Shaiらの報告では軟骨系スペーサーは安定性が高いとされる。Patelらのreviewでも後葉延長材料として耳介軟骨や硬口蓋粘膜が選択肢に挙げられています。

ハムラ法との関連

ハムラ法は眼窩脂肪再配置が本質だが、過度な皮膚切除や支持低下があると外反リスクが上がる。近年は皮膚温存、外眼角支持強化、canthopexy併用が推奨されています。

医師選びの推奨

三白眼化は単なる見た目の問題ではなく構造破綻。単純植皮では不十分なことが多いです。
支持再建として耳介軟骨移植は一つの選択肢だが、適応判断と層の理解が不可欠なので、他院修正をやっている外科医でなければ治すことは難しい・・。

 

やってはならないのが、なんちゃって美容外科医を選択してしまう事。

 

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