失敗しないための美容相談所~整形ブログ・名医の条件・山口

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全国美容外科の医師選びを解説中。
①症例写真が綺麗=技術が高いは間違っている
②美容外科学会には2種類ある
③選んではいけない美容外科とは

脂肪豊胸における「乳首下向き失敗」と皿型バストの原因

脂肪豊胸は、自身の脂肪を用いて自然なボリュームアップを目指す手術です。シリコンバッグに比べて柔らかく自然な触感が得られ、定着すれば長期的な維持も期待できます。
しかし、術後のデザインを誤ると「乳首が下を向いてしまう」「胸板のようなバストになる」といった深刻な失敗につながります。これらは術中には気づかれにくく、術者自身も問題を認識していないことが少なくありません。

今回はこの現象を、解剖学的背景とバストデザインの原則から解説します。

 

脂肪豊胸の失敗例:皿型バストと乳首下向き

解剖学:デコルテには乳腺が存在しない

まず前提として、乳腺組織はバストトップ付近に集中しており、鎖骨近くのデコルテ部分には存在しません。
解剖学的に乳腺は第2〜6肋間に位置し、乳頭から扇状に広がる形で分布しています(Cooper’s ligamentにより支持される)。
一方で、デコルテ部分は主に大胸筋と皮下脂肪から構成されており、乳腺のボリュームはゼロに近い領域です。

そのため、デコルテに過剰に脂肪を注入すると、「存在しない場所に人工的なボリューム」を作ることになり、本来のバストの自然なドロップラインが消失します。

参考文献:
Hall-Findlay EJ. Aesthetic Breast Surgery: Concepts & Techniques. Elsevier, 2010.


デコルテを膨らませすぎると「皿型バスト」に

天然のバストは、寄せていない状態では重力により下方へ垂れ下がります。
この状態を横から見ると、デコルテ部は比較的フラットで、トップに向かってボリュームが増す形状です。

しかし、脂肪をデコルテにまで均一に注入してしまうと、トップとデコルテの高さの差がなくなり、「皿型バスト」あるいは「胸板バスト」が形成されます。
ボディビルダーが大胸筋を極限まで鍛えた時のように、胸全体が平坦で硬い印象となり、女性らしい丸みが失われます。

特に胸上部が盛り上がると、バスト全体が上向きに見え、結果として乳首が下向きに見えるという現象が起こります。


乳首が下向きになるメカニズム

乳首が下向きになる失敗は、以下の2つの要素が関わります。

  1. デコルテの過剰なボリュームアップ
    ・上部が厚くなることで、トップの位置が相対的に下がる
    ・視覚的に乳首が下を向いたように見える

  2. トップに十分なボリュームが入っていない
    ・脂肪注入が均一すぎると、バストの中心が強調されず、全体が平らになる
    ・バストトップがデコルテと同一平面に近づき、皿型になる

つまり、上が盛りすぎ・下が足りないという「逆三角バスト」になることが原因です。


理想的なバストラインと2カップアップの目安

一般的に、ブラジャーで2カップアップする際のサイズ変化は以下が目安です。

  • 高さ(前後方向):約2cmアップ

  • 周径(バスト周囲):約5cmアップ

この増加分をどこに配分するかがデザインの要です。
理想は、トップ付近に最大のボリュームを集中させ、デコルテは控えめにすること
これにより、デコルテとトップに明確な高低差が生まれ、女性らしい丸みを再現できます。

参考文献:
Tepper OM et al. "Three-Dimensional Imaging Provides Objective Data of Surgical Outcomes in Breast Surgery." Plast Reconstr Surg. 2009;124(6):2122-2130.


デザイン失敗を防ぐためのチェックポイント

  1. カウンセリング時に横からのシルエットを確認
    ・立位で横から見て、デコルテ〜トップの高さが滑らかな曲線かをチェック

  2. 「胸上部を盛りたい」という希望は慎重に伝える
    ・胸上部はあくまで軽く自然に、トップに重点を置く

  3. 医師の過去症例を確認
    ・皿型バストや胸板のような仕上がりが多い場合は注意

  4. 注入量と注入部位を細かく確認
    ・「デコルテには入れない」「トップ中心に注入」など具体的に伝える


脂肪豊胸の心得、失敗しない医師選び
 

脂肪豊胸は自然な仕上がりが魅力ですが、デザインを誤ると皿型バストや乳首下向き失敗が起こるリスクがあります。解剖学的にデコルテには乳腺が存在しないため、ここを過剰に膨らませると不自然な胸板型になり、女性らしい丸みが失われます。

 

自然な巨乳を実現するには、デコルテとトップに明確な高低差を作ることが最重要ポイントです。脂肪注入は「均一に」ではなく、「どこを強調するか」をデザインする医師のセンスと技術が問われます。解剖学的に精通していない外科医は回避しましょう。

 

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整形手術の痛みは「施術中の痛み」「術後のダウンタイムの痛み」で性質が違います。
ここでは「術後1〜2日目が最も痛いタイミング」を10段階で比較しました。
(※麻酔は適切に使われている前提、あくまで目安です)

 

美容整形 術後 痛み レベル 比較

 

施術名 痛みレベル(10段階) 備考・特徴
インモード 2 / 10 チクチク熱い感覚。輪ゴムで弾かれるような痛み。麻酔なしでも耐えられる人が多い。
オリジオ 3 / 10 RF系でインモードより少し強い熱感。熱い+ジーンとする痛み。
二重切開 5 / 10 手術中は局所麻酔で痛み少なめ。抜糸後2〜3日目までズキズキ感あり。
眼瞼下垂 6 / 10 切開+挙筋操作で二重切開より強い。目を動かすと痛む。腫れも強め。
ハムラ法(裏・表) 5〜6 / 10 裏ハムラは比較的軽い。表ハムラは皮膚切開があり少し強め。目の奥に鈍痛。
下眼瞼脱脂 4 / 10 腫れは軽いが、術後2〜3日は鈍い痛み。
鼻プロテーゼ 5 / 10 鼻筋の圧迫感がメイン。呼吸がしづらく違和感強め。
鼻中隔延長術 7 / 10 鼻先〜鼻中隔を大きく操作するため強い鈍痛。口を動かすと響く。
小鼻縮小 4 / 10 表面切開のみなので痛みは軽い。ヒリヒリ感。
エラ削り 9 / 10 顔面骨手術の中でも強い痛み。口が開かず、食事時に特に辛い。
頬骨削り 8 / 10 エラよりはやや軽いが、こめかみや頬に強い鈍痛。
オトガイ削り(顎) 8 / 10 顎先なので痛みは強いが、頬骨・エラよりは少しマシ。腫れが目立つ。
切開リフト 6 / 10 耳周りの引きつり感。ズキズキというより突っ張り痛。
シリコン豊胸 8 / 10 胸を大きく開くため、術後は呼吸・起き上がり動作がかなり痛い。1週間は強い痛み。
太もも脂肪吸引 7 / 10 動くと強く痛む。立ち座り・歩行時に辛い。広範囲なので特に重い。
二の腕脂肪吸引 6 / 10 太ももより範囲が狭い分、やや軽い。圧迫着が擦れて痛む。

骨を削る手術(エラ・頬骨・オトガイ)>豊胸>脂肪吸引>まぶた・鼻>レーザー系の順で痛みが強い傾向
・まぶたの手術は見た目の腫れは派手でも、痛み自体は軽〜中程度
・脂肪吸引は動いた時に強い痛みが出やすく、安静時は鈍痛
・豊胸や骨切りは「ジーンと響く」「動くと激痛」というタイプの痛みが特徴的


痛みの目安

・日常生活にほぼ影響なし → 1〜3
・痛み止めで普通に生活できる → 4〜6
・痛み止めがあっても生活に支障 → 7〜8
・強い鎮痛剤必須、入院レベル → 9〜10

 

 特に全身麻酔や静脈麻酔での整形手術を考えている場合は、麻酔科医が常勤している病院やクリニックを強くおすすめします。 トラブル時の対応、術中管理、術後回復すべてに直結 しますので、 局所麻酔メインでも、バックアップとして麻酔科医がいると安心度が高いです。

 

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整形をしまくると顔整え感が出てしまうというのは当然ですが、肌管理でも要注意です。
肌管理施術でも、 レーザーやリフトアップ系を強くやると整形級の変化に見えることがあります。
 
ツヤ肌とリフトアップ施術の比較
 

特に都会の妖怪って呼んでるんだけど、

光が当たると反射してテカテカする+真っ白な肌

例:水光注射、リジュラン、スネコス、サーモン注射、女優注射

  • 肌のハリとツヤが急激に出ると、光の反射で顔立ちまで変わったように見えることがあります。

  • 特におでこや頬のツヤ感が強すぎると、ヒアルロン酸を入れたように見える場合も。

頬や顎下が急激にスッキリ

例:ウルセラ、サーマクール、ハイフ、インモード

  • たるみが急に引き締まると、輪郭が急激に変化して「糸リフトや骨切りをした?」と思われやすい。

  • 特にフェイスラインや口横(ジョールファット)がスッキリしすぎると、整形疑惑が出やすいです。

このコンビネーションは「顔整え」感が出やすいです。

執刀する医師が整形顔であれば辞めたほうが良いのか ?

整形顔の医師にありがちなパターン

自分の理想を押し付ける
整形経験がある医師は、自分の顔に強いこだわりを持っていることが多く、
その美的感覚を患者にも押し付けることがあります。
→ 仕上がりが「自然」ではなく、医師自身の顔のテイスト寄りになりがち。

 

 SNS集客がメイン
自分自身が整形モデルとしてSNSに登場する医師は、
「広告塔」としての役割が強く、症例写真よりもフォロワー数を重視しているケースがあります。
→ 手術の技術力が伴っていないことも。

 

学会や資格、経歴
・形成外科専門医かどうか
・鼻・骨切りなど専門性が高い分野の経験年数 

 

医師の美的センスが反映されやすいのは事実です。形成外科専門医に絞り込みたいのは、こうした異常なデザインを常識的な医療モラルをもって判断することが出きるからです。やらなくてもよい施術を回避できます。逆にSNS映え重視・リスク説明が曖昧な医師は要注意です。

 

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