今日はTOHOシネマズ新宿で「佐藤さんと佐藤さん」を。
愛おしくて遣る瀬無くて、ヒリヒリとした人間模様を描く物語は、時に生まれてしまう衝突や軋轢だったり、傷付いたり、傷付けてしまうその姿と光景があまりにもリアルで、抜群の面白さだった。
日常生活の中でのそれぞれの役割や既存の価値観を改めて考えるには最高の映画だったし、その中で感じる無自覚さだとか、傷付いたり傷付いたりするその行いや姿は、自分は勿論、生きている以上誰にでもあるからこそのリアルをとても丁寧に捉えながら描かれていたのが素晴らしかった。
2人の関係性を描く物語の抜群の面白さを楽しみながら、ユーモアを忘れずに、時に繊細で時にガツンと来るあの描き具合に完全にヤラレたし、故郷でのあの描き具合は帰省あるあるのリアルぶりには、もう納得しかなかった。
相手があるからこそという所で、その行いや物語に滲む感情がすんごいよく分かるし、身に覚えがあるという所をヒリヒリと描いて行く素晴らしさはたまらない物があったし、すんごいよく分かる様々な事柄を丁寧に可視化して物語として描いて行く事の面白さが溢れていた。
後で思ったのは、物語が始まってすぐに捉えていた窓にいる物と言えば良いのかな?
あとたもつが喫茶店にいる時に外から窓越しに捉えるあのカットを思うと、たもつが感じている気持ちが言葉じゃない所でしっかりと提示されていたんだなと思ったし、だからこそああいう風になってしまうのも納得だった。
軋轢が生み出されて行く事で少しずつ蝕んで行くあの感じだったり、その中で愛おしく思える瞬間もあるけども、お互いの選択を通して行き着いたその結論には遣る瀬無いけど、なんかそうなるのも当然だよなと思った。
2人のやりとりを観ていて、思わず泣けてしまったし、一緒に同じ時間を共にするからこその痛みだったり、生きる苦さだったり、身近な所にしっかりと寄り添いながら描いて行く物語は気が付けばあっという間だった。
久し振りに岸井ゆきのさんを観て、相変わらずとても良いなと思ったし、身近な所で当事者として考えさせられるリアルな面白さをエンタメとして描いて行く面白さが最高だったし、俳優陣の演技や存在感、天野監督の作家性を存分に堪能する事が出来て、素晴らしい作品でした。

