今日の朝は渋谷Bunkamuraル・シネマ宮下で、エドワード・ヤン監督「ヤンヤン夏の想い出」4Kレストア版を。
それぞれの日常と人生、人間模様を描いて行く物語は、人生の一コマ一コマを丁寧に紡いで行きながら、時に語るその言葉は哲学的で、時に画の構図でさりげなく魅せるその芸術性には、釘付けにならずにはいられない凄まじさが溢れていて、全てに於いて素晴らしい作品だった。
あのドタバタ感はある種の喜劇と悲劇という感じで描かれていたのが面白かったし、子供達の日常を丁寧に掬い取りながら、現在を生きているその姿や感情を丁寧に映し出していて。
着飾る事のない普遍的な現実に寄り添いながら描かれていて、只々最高だったな。
時に哲学的に語られる数々の台詞は、心にしっかりと留めておきたい言葉でもあって、思わず釘付けにならずにはいられない瞬間でもあった。
その哲学的な台詞は時を超えた所で問いがあったし、核心を突いていたように感じられて。
一つ一つの場面を音で重ねて合わせて物語を結んで行くかのようなあの紡ぎ具合が抜群の素晴らしさだったけど、人を描く事と人生は多面体で、誰かにしっかりと寄り添っているのだと思わずにはいられなかった。
イッセー尾形さんの演技と存在感の素晴らしさを存分に楽しむ事が出来たし、あの台詞の語り口の素晴らしさもまた最高だったし、とても良い物を観る事が出来た。
音楽に纏わる会話がとても良かったし、まさかエドワード・ヤン監督の映画で音楽に纏わる事を聞けるとはと言う驚きもあったけど、あの語りは間違いなく核心を突いてた。
途中、2人が再会して過ごす時間は愛おしくもあり、痛々しくもあり、生きる事の愛おしさと苦さが見事な形で溶け合っていたのが素晴らしかった。
画の構図の素晴らしさで言えば、あの引きのカットで魅せる素晴らしさはたまらない物があったし、窓を使って魅せるそのカット割りは人々の中にある心の光と闇の狭間で生きる人の姿がそこにあるかようで。
呑みながら語るあの場面でのとある台詞は、エドワード・ヤン監督作品の面白さとその魅力、そしえこの映画の核心を突いていたように感じたし、だからこその普遍性がここにあるのだと実感せずにはいられない凄まじさがそこにはあった。
生きて行く上での愛おしさや尊さ、滑稽ぶりや葛藤だったり、喜劇や悲劇も引っくるめての多面体の人生と人間模様を描く物語は色褪せる事なく、今までもこれからも輝き続けるのだと思うし、公開時に観た時は響かなかったけど、こうやって改めて観て楽しむ事が出来て嬉しかった。
生きて来て良かったなと思えた。
全てが最高で、全てに於いて素晴らしい映画でした。




