今日は藤井麻輝「麻輝/棘」@ LINE CUBE SHIBUYAのライブを。

藤井麻輝さんライブ活動引退となるこのライブ、唄と音と光で織り成す唯一無二の圧倒的な空間は、荘厳な音圧のその先にある美しさや優しさや温かさを時に感じながら、現在の藤井麻輝さんの凄さを改めて実感するライブで只々素晴らしかった。

凄まじい音圧が空間を作り上げて行く中で、その音圧を体感するからこそ、今ここで生きている事を改めて実感するし、荘厳で凶悪なのに、絶対的な美や人柄が感じられる唄と音と光の芸術空間にどんどん引き込まれて行くしかなかった。

麻輝さんのキャリアの中で特にベストな曲達を揃えた上での、唯一無二の世界観を歌い奏でていたように感じたし、闇の暗さは沼の深さで、その沼の深さが唄と音で光で織り成す事で奏でられて行く夢のような世界観にひたすら魅了されて行く。

「それはもはや沈黙として」の時に、光の演出によるSF的な物を感じつつ、どんどんその世界観が深まりを魅せて行くその過程で画になるその一瞬はまるで映画のようで。

「この話の続きが聞きたいか」の時に、ツインドラムは赤いライティングで、中央に立つ麻輝さんは青いライティングで、このステージを唄と音と光で描いて行くその構図の素晴らしさがあまりにも最高過ぎて。

「drop」では凄まじい音圧から感じる荘厳さ、激しさを身体でしっかりと受け止めながら、その荘厳さと激しさの先にある美しさや優しさを感じる事が出来て、とても嬉しく思った。

爆音と音圧による巨大な空間が生み出されて行く中で、それだけじゃない絶対的な何かが宿る瞬間を体感出来るからこそ藤井麻輝さんの世界観は唯一無二だし、誰よりも美しく、芸術的でもあるのだと思う。

そして麻輝さんが唄う中でその手の動きから感じられる豊かさがたまらなく好きだし、優しさや温かさや激しさもひっくるめての、様々な感情が伝わって来るあの感じに釘付けになるしかなかったし、グッと来る所でもあった。

個人的に睡蓮の曲達はあまり知らないのだけど、沼の深さは果てしない物があったし、美しく凄まじく研ぎ澄まされた世界観が圧巻だったし、ひたすらどっぷりと唄と音を浴びながら、この空間に何処までも深く浸る事が出来て嬉しく思った。

そして「ヨハネインザダーク」での麻輝さんの歌声の美しさ、何処までも激しく噴き出す激情の凄まじさに只々釘付けになるしかなかったし、ある種の頂点へと昇り詰めて行く麻輝さんの魔王ぶりが唯一無二の存在感を放っていて、もう完全に言葉もなく心打ち震えるしかなかったな...。

Yuumiさんと山口美代子さんのツインドラムがステージを去り、最後に麻輝さん一人で1曲演ってたけど、これまで観て来たライブと変わらない物を感じつつ、絶対的な存在感、その凄さが中央にある事のデカさを改めて感じずにはいられなかった。
ある種ここまで突き詰められたライブを魅せられて、体感させてもらえた事を思いながら、余計な感情を受け付けない潔さが本当に凄いよなあと強く実感する、全てが素晴らしいライブだった。

minus(-)の活動が始まった事で藤井麻輝、森岡賢さんと再び再会する事が出来て、作品に触れたりライブに通う事で新たな価値観を作ってくれて。
そのおかげで音楽と映画をより楽しめるようになったし、現在の音楽と映画に対する価値観、その基盤はminus(-)を、藤井麻輝さんを好きになったからこそ持ち得る事が出来たし、只々感謝しかない。

藤井麻輝さんのライブに通う事で現在をアップデートする事が出来なくなるのは悲しいし、寂しいけど、また新たな作品がリリースされる時にはちゃんと聴きたいし、音源を通して麻輝さんの今後の活動を追って行けたら良いなと思う。
数々の素晴らしいライブをありがとうございました。