夕の空 (朱音の空想想像小説) -190ページ目

『赤炎』 プロローグ

P.

あ、つ・い……

力を使った後は、必ずその炎が身を焦がす。
それは、表皮を焼くようで、実の事、己の内側を焼いているのでした。


レイディンは、一人、裏小路をふらふらと歩いていました。
脳内をも焼き付くさんがばかりの熱に、思考のほとんどは奪われています。
レイディンには、今居るここがどこなのかすら分かりませんでいた。

朦朧とした中、トン、と何かにぶつかります。

レイディンには、それが何かさえ、もはやどうでも良いことでした。
うつろに開いた視界が、歪んでいました。

「なんだ、テメェ」
遠くに音が聞こえます
「何だ、このガキ。……やっちまえよ」
レイディンの意識は、そこで途切れたのでした。



「何やってんの!?あんた達!」

アサリーが通りかかった時、少年はごろつき達にぼろぼろにされていました。
その声にごろつき達が路地から走り去ります。

アサリーは取り残された少年に駆け寄りました。

「ちょっと、アンタ、大丈夫?」

アサリーが少年の肩をゆすりますが、少年ぴくりとも動きません。
そんなに怪我が酷いのかと、のぞき込むと、少年の頬をペチペチ叩きます。

「大丈夫?……て、ちょと、アンタすごい熱じゃない」

目を見開いたアサリーの前で、少年は熱く浅い呼吸を繰り返すばかりで、微動だにしませんでした。

「……もう、どうしろって言うのよ」
アサリーの声は、夜を迎えようとしている空を仰ぎ、途方に暮れたのでした。




『赤炎』1ノ1へ
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ふふ。
どうしても、レイディンが書きたかった。
書き手の我が儘。


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