前回は冬場に日射取得はどんだけ得になるかを計算してみました。



今回は東西面の必要性に書いてみます。

パッシブハウスは南面に大開口、東西北面は小さい窓が基本スタイルです。



今回もこちらを参照します。


この図を見て分かるのは夏になると太陽高度が高くなるので南面より東西面や水平方向が日射量が多いことが分かる。

つまり夏の日射遮蔽するのは東西面の窓と屋根が重要なことが分かる。

そして屋根断熱の記事はこちら『屋根断熱の重要性』前に買った家は夏の2階は暑くて、冬は1階が寒いと言うローコスト住宅でした『☀️新居での初めての夏☀️』ついに夏になってきました!!もう少しで庭でプールができる…リンクameblo.jp



1.日射取得で比較

それでは東西面の日射量はこちら


夏至 

・東面の日射は5時〜12時(7時間)でおそよ2300W

・西面の日射は12時〜19時(7時間)でおよそ2600W


冬至

・東面の日射は7時〜12時(5時間)でおそよ700W

・西面の日射は12時〜17時(5時間)でおよそ700W



これを見ると夏の西日は暑く感じるのが理解できます。
そして西日の時間帯は昼以降なので気温も上がっている時に更に追い討ちをかけるよるに暑くなっていくので、

夏の窓の日射遮蔽の優先順位は
西窓→東窓→南窓→北窓
の順になります。

そして南面に関しては太陽高度が高いので、軒や庇で対応できますが。東西面は太陽が上り沈むまで対応しなくてはならないので、窓の上から遮蔽しても意味がないので窓の外の全面をカバーする必要がある。

こちらで述べたようにアウターブラインド、スダレ、グリーンカーテン、シャッターなどの対策が必要になる。


少しでも有益な使い方としては夏は上記のようなものでしっかりと遮蔽、冬は少量(700W)ですが日射エネルギを取得して暖かい家にする。



もちろん東西面は日射遮蔽型の窓一択になる。
日射取得率を比較すれば
日射エネルギー → 窓で遮蔽された後のエネルギー → アウターシェードで遮蔽され、窓でも遮蔽されたエネルギー

APW430  30%
夏至 2300W → 690W → 82W
冬至 700W → 210W → 25W


APW330  40%
夏至 2600W → 1040W → 124W
冬至 700W → 280W → 33W


窓だけでも十分遮蔽されていて問題なさそうだが、アウターシェードをつけることによって日射取得率が全然変わった!!


日射取得の関係で言えばAPW330からAPW430へアップグレードするより窓の外で遮蔽を考えるのが1番手っ取り早いだろう。
スダレなどは安価なので定期的に買い換えるのもありだ。グリーカーテンは手間や失敗、遮蔽率が低い可能性もあるが家庭菜園すれば一石二鳥かもしれない。



2.熱貫流率で比較
上記では日射遮蔽、取得について考えていたがそれだけではなく。熱貫流率があって外気の熱をどれだけ通すかって数字です。
外気温度→ 室内温度25度で比較します。

APW430
35度 → 25.9度
0度  → 22.7度
-7.5度 → 22.0度


APW330(ペアガラス)
35度 → 26.4度
0度  → 21.4度
-7.5度 → 20.3度

と言った結果になりました。
※窓の大きさによって数値は前後します

夏に関しては0.4度の差で気にならないですが、0度以下になってくると1度以上の差があることが分かる。
もう少し細かく見ていくと


外気温 -7.5度

APW430 -3.8度

窓の室内側 19.8度

室内 22.0度



外気温 -7.5度

APW330 -7.5度

窓の室内側 17.1度

室内 20.3度


と言った感じになります。

窓際の温度比較すると外気温が-7.5度の場合だと2.7度の差がある。
どうしてもAPW330の方が窓から冷気を感じてしまうと言うことです。


まとめ

・東西面は日射取得率はAPW430、330でそこまでの違いは無かったが室外側で遮蔽することが大事

・熱貫流率は夏場ではそこまでの違いが無かったが、APW330の方が冬場になると窓からの冷気を感じやすい

・窓→壁にすると泉北ホームプレミアムパッケージの仕様だと外気温度-7.5度→室内温度23.5度になる。