人生の乱気流を生きるのが俳優 | 工房長のぼやき

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チームスチームパンの工房長、安達俊信の日々是之。
思いついたことをカタカタ書いています。

俳優が持つ特性は、共感力。

役の気持ちなどを自分のものとして感じることができる。

くじに当たれば喜びを感じ、ケーキを落とせば悲しみを感じ、全て自分事に変換してしまう。

人の気持ちを実感として感じられるのが俳優。


物語は、人生のターニングポイントを描く。

人が注目したくなるドラマがそこにあるから。

仕事で挫折し、しかしそこで歯を食いしばって東奔西走することで画期的なアイディアや、助けを経て大どんでん返しするのは、池井戸さんの作品のパターン。

ここぞという大一番を描くのが物語。


ただ、僕らの人生は、そんなにターニングポイントは多くない。

そんな窮地に陥ってばかりでは、身が持たないし、波風のない安定した人生が、安心・安全が確保されて良いと思ってます。

GWだから、なにか新しいことや旅行に出かけることで、ターニングポイントを作り出そうとする人と、変わらない生活を望む人がいる。ターニングポイントを作り出そうとする人は、日常が安定しているからできる余裕のある人たちです。

劇的なできごとは、生み出そうとしてもそんなにない。


物語を演じる俳優は、毎回劇的なターニングポイントを演じる。

それを共感して演じるものだから、身も心もズタボロになり、身が持たなくなってくる。

名探偵コナンは、毎回殺人が起きて……。

大きな変化を過ごすのが俳優は、ズタボロです。


そんな芝居を生き残れるのは、共感力を持つサイコパス。

普通の人ではない、安定から縁遠い人といえる。

超人的に客観視する力のある人、もしくは、どこかズレている人です。

白熱した会議の中でも、空気を読まずに、忖度なく冷静に事実を指摘できる人や、何も考えないバカであるか。

ある種、超人が俳優として生き残っていく。



普通の人では生き残れないのが、アーティストの世界。

人生の乱気流の中で生きるのは、非常にしんどい。

芸剤的生活苦が確実な中でも、なんとか生み出そうとする人たち。

そんな人たちを、支えてほしい、と強く思います。