五感に訴えるためのヒントを発見 | 工房長のぼやき

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チームスチームパンの工房長、安達俊信の日々是之。
思いついたことをカタカタ書いています。

演劇の稽古で、直すときに指示することを “ダメ出し”と言います。

 

個人的に、“ダメ出し”は嫌い。

ダメ出しを言う人が偉そうに見えるし、

人間否定をする人は最低だと思うから。

愛情のあるダメ出しは、許容はしますが基本的に嫌い。

 

だから、俳優の北見敏之さんが演出のときに使われる“サジェスチョン”

という言葉を使います。

 

 

 

 

良いものというのは、

どんなものでも五感に訴えます。

 

ならば、その五感に訴えるためにはどうしたら良いか。

 

 

まず、見た目でしょう。

「人は見た目が9割」という本がバカ売れしたのを覚えている人も多いでしょう

 

まずは、視覚とても大切なことです。

 

 

 

 

初対面では、かっこいい、美人、可愛い人が、とても有利です。

だって、単純にそんな人に会えて嬉しいですもの。

人間心理です。

 

長く付き合っても、美人とか関係なく、

姿勢や、動き、所作、表情といった身体的部分が

きっちりとしている人の方が好感を持てます。

 

 

芝居の稽古でも、稽古で小道具類は、仮でいいから用意したりするのは、

視覚部分が大きく関わるところです。

 

感覚的なことは、人によって大きく異なるので、

舞台的な視覚触れる部分が一番わかりやすく、直しやすい。

 

 

で、なんでそんなに視覚なの?

 

 

というのは、人の情報判断は、

視覚が87%という結果が出てるからです。

 

 

人が何かを判断するとき、視覚情報が87%

他の五感の割合は、聴覚7%、触覚3%、嗅覚2%、味覚1%。

 

 

 

 

見るからに、視覚が一番大きいです。

 

 

 

 

見た目が変わるだけで、大きな違いを生むなら、そこから、手をつけるのが妥当でしょう。

一番効率の実感も得られるし。

 

変化したいなら、姿勢、美容、ファッション、作業環境とか、

視覚的な要素をいじればいい。

簡単に変化を起こせ、実感できます。

 

 

視覚なことは誰でもできる基礎。

視覚については、誰でもすぐに直せます。

 

アクションやダンスとか、別の訓練が必要なものは別口で。

 

 

演技とかでは、誰でもできることで必要十分。

 

そのため、基礎としてやるべきことは身体訓練です。

誰がやっても変わらないレベルになります。

 

 

視覚以外が違いを生む

 

シャウエッセンのウインナーのCMで、

「美味なるものには音がある。」

という有名なフレーズがあります。

 

本格的なものには、視覚的要素以外が訴えてくるというのが、

当時CMを見た人から同意されたため、

これだけ有名になったんでしょう。

 

 

 

舞台作業をしていて、良い物を作ると、美味しそうに見えます。

可愛い子を「食べちゃいたい」という表現もこれに当たるでしょう。

 

いいものを生み出すのは、視覚要素はもちろん、それ以外をもキャッチしているときでしょう。

 

 

視覚の次は聴覚

顔出しが増えている声優さんは、見た目もかなり大事です。

 

ただ、朗読劇、リーディングで共演するようになり、

「声のプロフェッショナルとはこういうことか」、

という実感をしたことがあります。

 

 

人に与える情報で聴覚は7%で、視覚情報の12分の1程度ですが、

 

 

 聞いた音から人にイメージを与える

 

    ↓

 

 そのイメージが視覚情報へ変換される

 

    ↓

 

 視覚と聴覚の情報94%の情報を人に与える。

 

本当の声のプロフェッショナルな人は、レベルが違います。

 

 

なら、聴覚のみを訓練すれば?

実際それは無理。

 

声優の訓練も俳優の訓練も基礎は同じ。

視覚的イメージがなく発せられた言葉は、イメージができない。

 

視覚的なイメージは、普段の所作から生み出されるため、

俳優の演技と同じ訓練を必要です。

 

 

視覚、聴覚を訓練していくと見えてくるもの

 

視覚、聴覚を鍛えると、

相互作用で、触覚にも影響を及ぼします。

 

芝居を見てて、俳優が触っているモノを感じたり、

臭ったり、味を想起させられると成功してます。

 

体全体で言葉のエネルギーを感じとっているからでしょう。

 

人が感動する時は、最終的に、五感全てに訴えてくるものということになります。