仲代達矢「未完」 | 工房長のぼやき

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チームスチームパンの工房長、安達俊信の日々是之。
思いついたことをカタカタ書いています。

父からの勧めで読みはじめた本に、仲代達矢さんの「未完」があります。

イヨネスコの「授業」を初めて見た感想から、いつかやろうと決め、時間が過ぎ去っていたことが書かれていました。

面白いなぁというか、参考になるのが、あの80歳になる仲代達矢でも、本番前のソワソワ感は昔から変わらないということです。
老練になればなるほど、本番前のソワソワはなくなるだろう、と思ってましたが、そうではないらしいです。
じゃ、自分がソワソワしててもしょうがないな、と諦めました。

しかし、若いままの演技ではありません。
老年になるとなにが修練されていくんだろう。
本人で自覚できることとできないことがあるだろうと思います。
いつの間にか達している境地職人の世界。
それが俳優なのでしょう。

80歳の仲代達矢が俳優もリタイアがあってもいいと言ってます。
というのも歳をとって舞台上で死ぬと、本番に関わった方々の迷惑になるからだ、そうです。
その通りだ。
舞台上で死なれて、大往生、見事!
となるのはあとあとになってからで、その場に居合わせてら血の気が引くでしょう。

そんな心配はせずとも、私は80歳になるまでにまだまだやれることがあるので、やれることを一個ずつ、舞台一つずつを大切にやろうと思います。