桟敷童子「蝉の詩」 | 工房長のぼやき

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チームスチームパンの工房長、安達俊信の日々是之。
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桟敷童子「蝉の詩」の初日を観劇。

僕が観た桟敷童子の作品の中で一番面白い作品だった。
という感想。


以下、ネタバレあるかも。

戯曲自体は東さんの作品だったという感想。
戦後世界の栄枯盛衰。
これまでの炭鉱三部作にも似て、個人的に好きな話でした。


で、まず面白かったのは俳優陣。
脇の役まで神経が行き届いた作品はなかなか会えないのですが、この作品は脇の役までしっかり詰まってます。

その俳優陣に加え、舞台セット。
大掛かりな仕掛けが桟敷童子のすごいところなのですが、今回は注目はアクティングエリアの作り方。
って一般的に気にしないでしょうが、気にならないように、見せるところを見せるように作られている。
多数いても、少数がいても、舞台空間がキュッと詰まっています。
また舞台美術にエゴがなく、舞台のための、作品のためのセット。
作品の助け、そして、俳優の助けになっている舞台セットです。

それでもって、照明。
季節が夏だ、冬だと変わるのをしっかり見せる。
また時空を超えることも。
場面転換させる速さが尋常でないのは、照明あってのも。

音響は、今回は詩とあるだけに聴きどころです。


全部まとめて、なかなか観られない作品に立ち会えてよかった。