オギャ~と生まれたてのチビを四日後にようやく
産院で眺めてはみたものの 途方に暮れた親がいる
さてどうしたものかと考えて さまざまなへ理屈を
ならべ 育児放棄をもくろんだ
「オレが忙しいのはオマエも知ってるよな チビは
任せた 何たって子育ては母親が一番だ」
「オレは天下のお役にたつことをする オマエはオレが
お役にたてるようにウチの中を仕切れ 役割分担だ
オマエも これからは晴れて一国一城の主だ
おぉナンという すばらしき人生かな」
しかし残念だが 完全育児放棄とはいかなかった
一国一城の主には 所詮負け犬の遠吠えだった
『何言ってんの 毎日好き勝手なことができたのは
誰のおかげなの私がいたからよね 協力しないなら
姿かたちが見えなくなるような 地の果てで独りで
暮らせばいい もう帰ってこなくていいから』
主のその言葉をきいて 無駄な抵抗だと悟ったのだ
恐妻家ではないが モノわかりがいいフリをして
透通しのガラス張りのごとく すべての収入を主に
差し出していたからだ
「天下のため~」と 大言を吐いたテテごは後悔した
「デケぇクチ叩くんじゃねぇ オマエのツラぁナンカ
見えねぇとこでセ~セ~すらぁな」と タンカきる
余裕すら消え失せ 完全育児放棄は「忘却の彼方」で
意気消沈のテテごは「座敷牢の囚人」のようなモンだ
サルのようなカッパのような チビの顔を眺めて
青息吐息で サボりながら子育てに参加するハメに・・
★格言だ 女房には収入のすべてを明かすことなかれ
なぁにがカワイイだ オレからみりゃあまるで
地獄からの使いだよ
『私 買物いくからメンドウ見てて』と言われたが・・
これもウッカリと返事をして 後悔あとの祭りだ
メンドウ見てほしいのは こっちだワィ
体力を使えるだけ使わされる ゲソッと痩せたのだ
★格言だ ダイエットするなら育児放棄するべからず
オマエは テレパシ-能力でもあるんか・・
本が読みたいジャマだ 寝かせようと思うと 泣く
主が『笑ったよ カワイイ』・・なぁにがカワイイだ
オレの顔見て知らぬ存ぜぬメンゴクねぇと睨みつけると
クチの両端を伸ばさずに 下唇だけをペリカンのように
開けて・・笑ったのかょ 心底じゃねぇなコケにすんな
ケツでも引っ叩いてと思ったとたん 敵は両手両足を
バタバタと動かし始めた
★格言だ 赤ん坊は超能力を備えている と思うべし
三つ子の魂ナントカ・・と言うではないか
「こいつメ」と思っても イヤ「思う事さえ」相成らぬ
(2へつづく)