空き家の仲介手数料問題 | 高橋正典オフィシャルブログ「価値組日記」

空き家の仲介手数料問題

空き家の流動化を妨げる一つの要因とされる

 

のが、不動産会社にとって「儲からない」

 

という事実だ。

 

不動産の仲介手数料は、その取り扱う物件


の価格により上限額が決まっている。

 

物件価格が200万円以下の場合は5%

 

物件価格が200万円を超える場合は

 

その超えた部分から400万円以下が

 

4%である。

 

ちなみに、400万円を超えた部分は一律3%


となる。

 

400万円以上の不動産がほとんどの現在

 

仲介手数料=3%というイメージになった

 

のはこの計算式による。

 

 

さて、では具体的にもし300万円の空き家を

 

売買した際に受け取れる仲介手数料はいくら

 

になるのか?

 

300万円の物件価格を200万円以下の

 

部分と、200万円超400万円以下に分解

 

して計算するので、

 

200万円×5%=10万円

 

100万円×4%=4万円

 

ということで14万円だ。

 

支払う方からすれば、相応の金額である

 

ものの、ビジネスとしての旨みは残念

 

ながらない。

 

 

これでは、誰もやりたがらない・・・と

 

空き家に限り、その金額を18万円まで

 

受領していいと改正されたのが2018年。

 

最近の出来事である。

 

しかし、お分かりだと思うが、この程度の

 

上限引き上げでは、効果も限定的。

 

ということで、その上限額をさらに30万円


まで引き上げるという。

 

うん、これなら少しやれる業者も増える

 

かと思う。

 

そして、さらには2018年の改正では空き家

 

を売る「売主」から領収する仲介手数料に

 

ついてのみ18万円までOKとされていたものを

 

今回は「買主」からも30万円頂けることに

 

なる。

 

これなら、積極的に取り組み業者も出よう。

 

しかし、何年かけてようやくだという印象は

 

拭えない・・・

 

 

さて、そもそもこの仲介手数料が200万円とか

 

400万円とか、現在の不動産価格と釣り合わ


ないのかと言えば、

 

この金額が決められたのが1970年であり、それ

 

から全く変わっていないからである。

 

ちなみに、1970年は私が生まれた年(^^;;

 

それまでの仲介手数料は地域によって決めら

 

れていて、全国に10種類ほどあったそう。

 

それを全国均一の計算にしたわけだが

 

そもそも、当時の不動産価格は500万円前後

 

で、高嶺の花であった新築分譲マンション価格

 

が1,000万円に向かって上昇していた頃。

 

これに手をつけずにきたことが現在の矛盾を

 

生んでいるということだ。

 

そういう点において、今回の改正を喜ぶだけ

 

ではなく、解決すべき根本的なことに誰か

 

逃げずに向き合ってくれないかなぁと、また

 

一人ボヤいているわけであるw