今もなお続く昭和の伝説 | 高橋正典オフィシャルブログ「価値組日記」

今もなお続く昭和の伝説

私が理事を務めている

 

(一社) 住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会

 

では、「住宅履歴マイスター制度」という

 

資格を発行しています。

 

昨日は、その内容についての修正等

 

見直しについての会議を行いました。

 

 

見直し内容の一つに「住宅すごろく」という

 

言葉がありました。

 

これ、我々の世代には通じますが、現代では

 

もはや死語?笑

 

この「住宅すごろく」とは、戦後の人生の

 

成功モデルを表現したもので、まず大人に

 

なると、ワンルームに暮らし、結婚を機に

 

2DKアパートに住み、その後2LDKのマンション

 

を購入し、最後は夢の一戸建てを手に入れて

 

ゴール♪ というもの。

まぁ、マイホームを持つことが成功であり

 

人生の目標と化していた昭和の時代のカタチ

 

です。

 

しかし、今となっては多様な生き方、暮らし方

 

の中、このモデルが=成功とは限らないこと

 

は誰もが理解しているところです。

 

従いまして、この資格でも「住宅すごろく」

 

を成功モデルとして紹介しているのではなく

 

そこからの脱却が重要であるという比較の

 

意味で用いています。

 

ただねぇ・・・比較にしても、そもそも

 

その言葉が死語となっては、意味もないので

 

消すことにしました。

 

 

さて、住宅・不動産業界ではこうした昔

 

からある神話というかパターンがあります。

 

今朝の日経にはこんな記事がありました。

 

9月に国土交通省から公表された「基準地価」

 

では、過去最高の1990年の地価を全国85の

 

市町村で更新したというものです。

 

私が読み解く地価上昇の理由は、大きく3つ。

 

①子育て環境の整備・充実

 

②新規工場等の誘致

 

③インフラ未整備地区の改善

 

この三つのどれもが、私からすると昭和の

 

地価上昇ストーリーの極みだと断言します。

 

すなわち、これらを起因とした地価上昇は

 

数年後、数十年後に下落するリスクを

 

抱えているということです。

 

③のインフラ未整備地区が、交通網などの

 

整備で地価が上がる。

 

これは当然のことです。

 

問題は、その人口が数十年後も持続して

 

いるか?という点については、これから

 

次第だということです。

 

そして、②の新規工場等の誘致については

 

バブル期の山梨県、もっと詳細に言えば

 

上野原や甲府の現状などを見れば、これも

 

また永続性の保証はないことがわかります。

 

特に、産業は日進月歩・・・

 

今の需要が何十年後にもある保証はない。

 

そして、最後の①子育て環境の整備・充実

 

最も地価の保証がないものだと言えます。

 

過去を紐解けば、大型団地はなぜ崩壊した

 

のか?

 

答えは簡単、「高齢化と空洞化」です。

 

では、なぜ「高齢化と空洞化」が進むのか?

 

それも答えが出ています。 それは、

 

多くの人が「一つの場所に住み続ける」

 

からです。

 

欧米では、ライフスタイルの変化に合わせて

 

居住地を変えます。

 

例えば、子育て重視の期間は、子育ての充実

 

した街に住む。

 

そして、子育てを終えると、次は自分たちの

 

暮らしに合う街に転居する。

 

そして、転出された子育てに適した街には、

 

次の子育て世代が引っ越してくる。

 

こうして、街の力が世代から世代へと継承され

 

街の力が保たれるのです。

 

だから地価は安定する。

 

米国では、学力の差は地域の差であるとも

 

言えます。

 

しかし、こう書くと日本人的には「地域格差」

 

とか「生まれ持った環境」で決まるかのよう

 

な差別に取られがちです。

 

しかし、欧米では選択するという自分の

 

権利を大事にします。

 

優秀な教師が集まり、スクールタックス

 

という税金が高い街もあります。

 

もっと芸術的な観点で優れた街もあります。

 

全ては、選択です。

 

 

さて、こうした選択できる循環を実現するため

 

に必要なことは

 

”中古住宅売買市場の健全化” に他なりません。

 

私がいう健全化とは大きく分ければ2つに

 

集約されます。

 

「情報の非対称性の解決」

 

「価格の適正評価手法の確立」です。

 

「情報の非対称性の解決」とは簡単に言えば

 

情報公開です。

 

「事業者」と「消費者」の間における

 

「情報格差」があるうちは、正常な市場は

 

形成されません。

 

そして「価格の適正評価手法の確立」とは

 

築年数によらない建物価格の評価、そして

 

維持管理や性能向上、修繕履歴の有無が

 

正しく評価される市場です。

 

 

さて、こうして書いていくと当社が創業以来

 

ずっと言い続けて、取り組み続けてきたこと

 

なのだと改めて気づきます。

 

まだまだ、まだまだ道半ば・・・

 

しかし、諦めるわけにはいかないのですw