「の」の字の法則 | 高橋正典オフィシャルブログ「価値組日記」

「の」の字の法則

値上げラッシュのここ数年、しかし循環する

 

経済においては、上がり続けるもの

 

需給調整で上下するもの、そして供給過剰

 

であったりシュリンクする市場などで

 

下落していくもの、それぞれがありその

 

見極めは大切である。

 

今朝の朝刊には、需給調整で上下する

 

値下げのニュースがあった。

 

一つは、我が業界にも影響のある

 

輸入産材の値下げである。

 

 

そして、もう一つはワインの値下げ記事。

 

 

「値上げ、値上げ」の日々からは、少しだけ

 

ホッとするニュースである。

 

 

さて、需給調整といえば、わが不動産業界

 

では、徐々にその価格の下落の足音も聞こえ

 

始める。

 

この業界には『「の」の字の法則』という

 

ものがある。

 

不動産価格の上昇の順番が地理的に

 

「の」の字を描くように動くからである。

 

例えば、首都圏では

 

都心→神奈川→都下→埼玉→千葉

 

という順番で動く。

 

ちなみに、価格下落局面ではこの逆の

 

動きになる。

 

つまり、千葉あたりから下落が始まる

 

ということ。

 

また、これは23区内でも同じことが

 

言えて、主に都心の真ん中から価格上昇

 

が始まる。 ざっくり言えば、

 

都心(港・中央・千代田・新宿)

 

→品川・目黒→世田谷・杉並→中野・練馬

 

→板橋・北→足立・墨田→葛飾・江戸川

 

こんな感じか。

 

 

では、現在の市況はどうか?

 

首都圏では都下まで下落が始まり、神奈川

 

でも下落局面に入っている。

 

23区内で言うと、板橋あたりまで下落の

 

兆候が出ている。

 

しかし、これを以て価格下落が進むか?

 

と聞かれれば、それはNoである。

 

いわば、想定内の価格調整だろう。

 

今後、金利動向には注視する必要がある

 

ものの、一定の価格で下げも止まると

 

考えている。

 

ただ・・・

 

問題は、価格が下落しないことと、

 

売れ行きが好調なことが連動しない

 

という問題である。

 

冒頭に書いた、

 

上がり続けるもの、需給調整で上下する

 

もの供給過剰やシュリンクする市場など

 

で下落していくものという3つの値動きに

 

加えて、供給過剰やシュリンクする市場に

 

おいてもなお価格が維持されるもの

 

も出てきた。

 

ちょっとしたインフレ環境にも似ているが

 

従来は、販売が好調だから価格が高くなる

 

そんな純粋な需給バランスで決定していた

 

が、ここ数年はそうではなくなった。

 

極論、売れなくても価格は一定の水準を

 

保つということである。

 

このある意味矛盾した市場の中で勝ち抜く

 

ために、我々事業者が考えるべきこと

 

やるべきこと、そして変わるべきこと。

 

ここがこれからの分かれ道である。

 

さらに難しくなる市況において、

 

我々経営者は常に試されていると

 

言えるだろう。