【日記】なぜこのアルバムが生涯気になって惹かれて聴くのか | Jazz@Saku

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会社員でジャズベーシストのJazz Man BSakuの日常を暴く!(笑)

ブログを書くときは何かを整理したい時だ。明日に〆切が迫りくる企画書や提案書・報告書の類の仕事を脇に置いて書いている。いや書きたいから書いている。

 

クラリネットを奏でる親友(と勝手に思っている)とバンドの参考にならないかなという意図で購入したCD「Don Byron/Tuskegee Experiments」を先ほどから何度も聴きかえしている。

 

 

私は、購入した1993年前後から今(2022年)までの29年間もの間この作品を制作したMr..Don Byronを始めとした作品の意図を知らなかったことを、悔いている。

 

4曲目のNext Loveがとにかく凄くて、何千枚もジャズのレコードを聴いている(一応自負はある)自分の音経験の中でも、めちゃくちゃ印象に残っている演奏なので、覚えているのだ。

 

私は最近、様々な点でとっても迷っているので、自分の鏡である音楽をCDの棚から探し出そうとして、このアルバムを見つけた。

 

そこには、理不尽と抑圧と命の尊さが語られていたのだった。

 

SdiqのPoetは、鮮烈だし、

Don ByronもBill Frisell もLonnie PlaxicoもRalph Petersonも凄いメッセージ性が高くて、なんだろう、迫り来るのだ。

 

タスキギー実験という人類最悪と言われる人体実験に対する激しい主張が、曲にも演奏にも表現されていると思えて来て、普段音楽の事について話をしない妻にその感動を伝えしまったりした。

 

インフォームド・コンセントや臨床研究には倫理委員会を設置しなければならないと言う、今では当たり前のルールが定められるきっかけになった「タスキギー梅毒実験」

 

30年前に手に取りながら、しっかり調べず、英語の詩も確認せずに聞き流していた若き自分を恥じながらも、今、ここでこの主張に気付けたからには、何かしたいとも思う。

 

タスキギー実験の被害者との直接の対話はかなえられないかと思うけど、間接的にDon Byron氏が伝えてくれたこの不条理をとらえて、これからの人生を歩みたいと思っている自分がいる。