⑭進退せめぎ合いを味わう毎日です | 甲状腺未分化がん闘病記

甲状腺未分化がん闘病記

甲状腺乳頭がんから未分化がんに転化り患した、超特急がんサバイバーのリアルながん情報を生存中に書き残します。

こんにちは。

いつもいいねくださりありがとうございます。

読んでいただく中で、お役に立つ情報があったでしょうか?

 

 

甲状腺乳頭がんから非常に悪性度の高い未分化がんに転化して、分子標的薬を服用しながらも進退せめぎ合いを味わう毎日ですが、私が診察室で医師に伝えきれなかった日常の体験を、これからの医療側と患者様のお役に立てばと思って日々綴っています。

 

 

私が服用している分子標的薬はタフィンラーカプセルとメキニスト錠で、既にメラノーマの患者様には処方されていた薬ですが、甲状腺には昨年11月に保険適用になったばかりです。

そのため、ただでさえ症例が少ない甲状腺未分化がんでの分子標的薬の効果についての情報が、ネット検索してもほとんど見当たりません。

 

とはいえ、表面的には噂に違わぬ劇的な効果を発揮しました。

服用した翌日にはその効果を実感しだして、多少の一進一退を週単位で繰り返しながら、早いものでたいした副作用も無いままに本日10週目を終えるところです。

 

この一進一退の「一退」は恐怖の期間です。

最初の一退は3週目にやってきました。

年始に実家で宿泊した際に、2~8℃で温度管理が必要なメキニスト錠が冷えすぎた可能性があります。

それまで快調だったのに、急に日ごとに体調が悪化していって「薬が効いていないかもしれない」と恐怖した数日間を味わいました。

「このぶんだと1か月かな・・・」

自宅に戻ってから冷蔵庫に保管していた薬を服用したら、再び上向いてきたので、薬の温度管理は慎重に

 

 

一度は早々に死期を悟って、これまでの人生のなかでご縁をいただいた方々にお別れを告げたのに、分子標的薬のお陰で快方に向かったことで「死」を忘れてしまうほどに元気を取り戻し、逆に再びあの逃れようがない死期迫った日々を絶対にもう一度味わう時がくるということに恐怖を感じてしまいました。

 

贅沢だけれど、「そのまま成り行きに任せた方がよかったのではなかろうか・・・」という後悔は少なからずとありました。

 

いつとはわからなくても、あなたは自分の死に方を決めていますか?

 

 

 

 

手術を行った大学病院が遠方なので、この先の急変にそなえて先日最寄りの赤十字病院へ転院になりました。

「生命維持の延命はしない」という希望を、自分の意志で伝えられるうちに転院先で地固めをした方がいい という医師の判断でした。

それほどに、急変というものは自分の意志さえも伝えられないまま、救急措置をされるということなのですね。

 

・最初は甲状腺があったから甲状腺まわりから腫瘍ができていったけれど、分子標的薬の効果でいったんがんが消えたとしたら次はどこから癌が育っていくのか?

・腫瘍で呼吸ができなくなったらどうするのか?気管切開するのか?自宅には帰れないのか?

・腫瘍で食道が圧迫されて飲み込めなくなったら、胃ろうになるのか?それは自宅でできるのか?

・それとも、臓器転移で衰弱していくのか?

 

うまくいけばPET検査にも写らないほどに回復するというけれど、完治するわけではないし、異常な細胞の増殖が抑えられているだけで、遺伝子の異常が改められたわけではないから、治ることもない。

だからどこか不快感が残ったまま、いまは一進一退のせめぎ合いを実感する毎日です。

 

「明日はもう、効果がない1日目を迎えるかもしれない」

 

やがてやってくる期限のために、今のうちに医療側と経過観察をおこないながら、相談しておくことがたくさんあります。

 

 

先日も葬儀や仏壇、納骨のことまで、家族と話し合うべきことが山積みで、おちおち死んでいられない・・・ と思ってしまいました。。。

 

 

普段は目を向けたくないことだけど、家族に負担は残したくないからね。。。

でも、少しずつ意思を伝えながら相談してますよ、先生。

 

 

 

 

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残された時間に限りはあるけれど、私の体験が少しでも後につながり、役立つように。

そして、様々ながんサバイバーのみなさまの一日一日が少しでも幸せでありますように。

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令和6年2月27日  ★b-raugh-yousei★