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第25話「光の組織と闇の組織」
闇の組織から核兵器を奪取するため、偽装作戦を仕掛けることにした神々。
その作戦の代表者である狡知の神ロキに、スサノオが助っ人を名乗り出た。
「君が参加してくれるのは心強い。だが言っておく。この作戦は魔族に一旦仲間のふりをして偽のテロを起こす。魔族を裏切ることになるし命がけだ。それでも参加するかい?」
ロキが確認すると、スサノオは大きく頷いた。
「ああ、もちろんじゃ。それに今回の作戦にはお主も出るんじゃろ?ならば尚更のこと、ワシも参加したいのじゃ。久しぶりに腕が鳴るわい!」
スサノオとロキはタイプは違うものの酒好きな所、そして「悪戯好き」という厄介な共通点があった。
スサノオは結婚してからは落ち着いていたが、2人で一緒に悪戯をし天界中を巻き込んだことは数知れずあったのだ。
2人は親友でもあったのだ。
そんな彼らが久々にタッグを組むことになり、お互いにワクワクしている様子だった。
「いいね、僕達2人が組めば最強だね」
ロキが言うと、スサノオは嬉しそうに笑って答えた。
「うむ、そうじゃな!ところで、どうやってあの連中を騙すつもりなのじゃ?」
するとロキは少し考えた後でこう切り出した。
「まずは彼らと接触して信頼を得るところから始めようと思う。彼らに上手く取り入って油断させるんだ。それに…」
ロキは不敵な笑みを浮かべこう続けた。
「人間にも協力してもらうつもりさ」
それを聞いたスサノオは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに納得したように頷き、愉快そうに笑い出したのだった……。
***
時は同じくして。
キリストや釈迦、セントジャーメインなどアセンデッドマスター達が集まっていた。
「人間界を牛耳る闇の組織…彼らは魔族が背後にいるが、光の組織も暗躍している。我々は闇の組織を解体するために何世紀に渡り、慎重に準備を進めてきた。そして、人間達で構成された光の組織を作り、彼らに協力してもらうことになったのだ」
彼らのリーダー的存在であるキリストが言った。
「彼らは闇の組織により時に悪役に仕立てられ、地位を引きずり下ろされた者もいる。だが彼らは決して正義の心を忘れることはなかった。今回の作戦も彼らに協力を仰ぐつもりだ」
釈迦が続けて発言した。
それを聞いて皆一様に頷いていた。
「ライトワーカーとライトウォーリアの覚醒も急速に進んでる。人間界に光は増え始めている。闇の組織、そして魔族は人類を恐怖に陥れるイベントを起こすつもりだろう。だが新型ウィルステロの二の舞にはならないはずさ」
そう言ったのはセントジャーメインだった。
闇の組織に対抗し、彼らを阻止するために結成された光の組織。
しかし、その活動は表立って公表されることはなかった。あくまでも秘密裏に進められていたのだった。
第26話に続く・・・
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