姫路の整理収納アドバイザー・整理収納教育士、よしなかなおこです。
ご訪問ありがとうございます。
暗記用の緑のペンと赤いシート。
歌番号1番から順に覚えようとしているようですが、このやり方だと覚えにくいんじゃないかな……?
休み明けには学校で大会もあるとか。
1枚も取れなかったらカッコ悪いぞ。
私は昔から百人一首は得意で、今でも90首近くは暗唱できるんですよ。
数少ない特技の1つ。笑
そこで、甥っ子くんにまずはこの7首を覚えてみてはどうかと勧めてみました。
得意な方は共通点をご存知ですよね。
むらさめの
すみのえの
めぐりあひて
ふくからに
さびしさに
ほととぎす
せをはやみ
む・す・め・ふ・さ・ほ・せ
これらの文字で始まる札は1首ずつしかないので記憶に残りやすし、競技でも役に立つのです。
次に勧めたのはこの6首。
あさぼらけ
きみがため
わたのはら
最初の5文字が共通している札が3組6首。
6文字目まで聴いてから取らないとお手つきになってしまいますね。
先ほどの7首は1字目で決まるので「1字決まり」、この6首は6字目で決まるので「6字決まり」。
そんな「決まり字」の話をしてから、この13首を漫画を見て覚えて暗唱させてみました。
まだ実家にある私の愛読書だった
まんが百人一首事典
表紙はボロボロになって捨てたんだったかな……?
本はすでに廃刊のようですが、電子書籍ではあるみたいです。
現代版は絵もイマドキですね。
漫画でも何でもいいんです。
覚えたもの勝ちなんですから。
学校が配布した「百人一首の覚え方」のプリントには、上の句と下の句の最初の部分をくっつけて語呂合わせにしたものが書かれていました。
今はこんな覚え方があるのですね。
ただ、これはあくまでも競技で早取りするためのもの。
歌の情景や言葉の意味を知った上で覚えたほうが頭に入りやすいし、忘れにくい。
そして古文の勉強にも役立つのです。
私がいちばん好きな歌は
大江山 いく野の道の 遠ければ
まだふみも見ず 天橋立
作者の小式部内侍は女流歌人である和泉式部の娘。
母に似て美人で歌の得意な彼女を妬む人も多かったそう。
彼女が都で催される歌合せに出ることになったとき、ある意地悪な男性がからかってこんなことを言ってきたんですって。
お母さんはお父さんの赴任先の丹後の国に一緒に行かれているから歌を作ってもらえなくて困るでしょう。
お母さんに手紙は出しましたか?
もう返事は届きましたか?
そう言われた彼女はその男性の袖を掴んで引き止め、即興でこの歌を詠んだのです。
母が住んでいる丹後の国へ行くには大江山や生野地方を越えて長い道のりを歩いていかなければなりません。
それくらい遠いところですから、その地方にある天橋立の地も踏んだことがありませんし、もちろん母からの手紙も見ていませんよ。
「いくの」
生野(地名)・行く野・幾(数多くの)
「ふみ」
文(手紙)・踏み(歩いて訪れる)
当時、小式部内侍は若干15歳。
掛詞を多用した歌を即興で詠んで「いじわる返し」をしたなんて天才ですよね。
ちなみに彼女に意地悪なことを言ったのは、6字決まりの札のこの人。
美しい風景が思い浮かぶ良い歌だけど、彼女の歌には及ばないかな。
と、ここまでが前振りです。
長っ。
百人一首の覚え方と整理収納は似ているんですよ。
多くの物を前にして、ただやみくもに手を付けるのは混乱するだけ。
収納本に書かれているような
○○はココにあると便利
△△はこう収めると見ため良し
それをそのまま取り入れても著者とは家の間取りや暮らし方が違うので実生活では役に立たないことも。
百人一首の語呂合わせが競技では使えても知識にはならない、というのと同じなんです。
服なら服、本なら本、のように物別に進める。
リビング収納のこの引き出しだけ、洗面台下の収納だけ、のように場所別で進める。
そして
その場所にその物がある風景(そこにあることで便利なのか?)を考えてみる。
これが成功の秘訣だと思います。