おはようございます。

 
姫路の整理収納アドバイザー ・ 整理収納教育士、よしなかなおこです。

 

 
 
 
昨年の4月末のこと。
 
義母の葬儀後、金封からお金を出して記録する作業をしていたときに気付きました。
 
 
 
 
表書きの文字が4種類出てきたのです。
 
 
左から順に
 
御香奠 (おこうでん  / ごこうでん)
御香料 (ごこうりょう)
御霊前 (ごれいぜん)
御佛前 (ごぶつぜん)
 
いったいどれが正しいの??
 
いつかちゃんと調べてブログ記事にしよう!
 
そう思っていたら1年も経ってしまいました (笑)
 
 
 
今日は「御霊前」と「御仏前」について。
 
 
 
 
これは弔事全般に使える蓮が描かれた結び切りの金封。
 
 
蓮(ハス)は仏教のシンボルなので、これは神式やキリスト教式には使えず、仏式のみ。
 
神式は無地もしくは水引のみ、キリスト教式は白百合や十字架が描かれた物になりますね。
 
 
 
この商品の包装のウラ面に表書きの一覧表が載っていました。
 
この表を見ると
 
 
葬儀の場合は、仏式、神式、キリスト教式のいずれも
 
御霊前
 
が共通しています。
 
 
 
仏教の場合、「亡くなってから四十九日を迎えるまでは霊の姿で現世をさまよい、四十九日目に仏様になる」ため
 
葬儀は「御霊前」で、四十九日以降の法要は「御仏前」。
 
 
これが一般的で、私も今までずっとそうだと思っていました。
 
 
 
だから、右の「御仏前」と書かれた方は法要と間違えられたのだと思ったのです。
 

 

しかし!!

 

 

 

ここがミソ。
 
 
地域の習慣や宗教(宗派)により使い方が異なるとのこと。
 
 
 
これは義母の葬儀の後で知ったことなのですが……
 
わが家の宗派は浄土真宗。
 
浄土真宗では「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」で、亡くなったら阿弥陀様の導きで即仏様になる。
 
つまり「霊」のステージが無いのです。

 

 

 

なので、浄土真宗の葬儀では右の「御仏前」が正しく、逆に「御霊前」のほうは間違いとなるのです。
 
 
ちなみに「御仏前」と書いてこられたのは夫の親戚の方でした。
 
「往生即成仏」をご存じなのでこう書かれたのですね。
 
「これ間違ってる~」
 
と言っていた私のほうが間違っていました。  笑い泣き ←恥。
 
 
日本では数ある仏教の宗派のうち浄土真宗の割合が最も多いとのこと。
 
また、浄土真宗以外でも「霊」という概念のない宗派もあるようです。
 
お通夜・葬儀に参列する際、仏式であることは分かっていても宗派までは普通は知らないですよね。
 
なので、「御霊前」より「御香奠」と書くほうが無難なのです。
 
ちなみに、キリスト教プロテスタントも「霊」の概念のない宗派があるそうなので、キリスト教式の葬儀でも「御霊前」は避けたほうが無難と言えるでしょうね。
 
 
「御香奠」の「香」はお香やお線香を表し、それらの代わりにお金をお供えするということを意味しています。
 
これは「昔、仏式の葬儀ではお金ではなくお線香やお米などの品物をお供えしていた」ということに由来しているのだとか。
 
なので、お線香をお供えする風習のない神式やキリスト教式の葬儀では「御香奠」は使えず、神式は「御玉串料」キリスト教式は「御花料」と書くそうです。
 
 
 
最後に……
 
「御香奠」と「御香典」、どちらが正しい書式なのか?
 
 
これは正式には「御香奠」です。
 
というのは、辞書でそれぞれの漢字を調べると
 
 
奠(てん) ⇒ 神仏に物をそなえて祭る。 供え物。
 
典(てん) ⇒ 手本にのっとって行う儀式。
 
 
なので、「お香のお供え物」という意味からして「奠」が正しいということになるとのこと。
 
しかし、「典」の項目のいちばん最後に
 
「(「奠」の代用字)供え物。」
 
と載っているので 「御香典」でも間違いではないのです。
 
「奠」は常用漢字ではないので、式典を表す「典」の漢字を代用しているんですね。 
 
 
 
何かご参考になることがありましたら幸いです。
 
弔事用金封の表書きの話は明日に続きます。
 
 
 
 
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