「わ、びっくりした。やめてよJOYさん、いつから居たの」
JOYさんはいつも気配を感じない。気配ってその人の意思だと思うが…
…そういえばこの人は心が読みにくい。
「さっき来たんだ。久しぶりだね」
そういえばそうだ。多分2か月は間が空いたんじゃなかろうか。
店長とコミュニケーション不足のカップルに辟易していた僕は、
JOYさんが黄色い縞しまの安全地帯に見えた。
彼との会話はエグ味がなくて気分がいい。いつもの言葉のやりとりだけで僕の心は軽くなった。
良かったな…最後に会えたのがJOYさんで。そうだな、最後だしね…。
「えっ…ハンターちゃん…もう来ないの?…なんでまた…」
JOYさんにそれを告白したとき、僕らは奥のプレイルームに居て既に全裸だった。
僕はとりあえず、店長と反りが合わないとだけ説明した。JOYさんは少しの間考え込むと
こう切り出した。
「あのさ…じゃあここじゃなくて、どっか行こうか」
意外な申し出だった。JOYさんはハプバーでの遊び方がうまい人だ。
ここで起こることはここだけのこと、と完璧に割り切っているタイプのはずだった。
僕の中の「外に出るなら恋人になる人」というルールは既に崩れてしまったし、
JOYさんならもう少し深く一緒になってもいい。僕はそれを了承し、服を着てカウンターに戻った。
JOYさんは僕より先に店を出て、外で待っていると約束していた。
「ていうかぁ、お前さっきこう言ってたじゃん」
カップルの小競り合いは増すばかりだ。さっきから店長がいちいち会話に入ってくるのだが、
どうもその茶々が2人をおかしな方向に導いているとしか思えない。
こんな自我がグラグラな男をSだSだと囃し立てるから話がややこしくなるんじゃないのか。
やばい…もう30分は経過してる。外はもう寒い、JOYさん帰っちゃったんじゃないかな…。
引き留めようとする男性に、酔っ払って眠いと告げ、店を出て待ち合わせ場所へ走った。
クソ、こんな日にヒール…エナメルのパンプスをガツガツいわせながら構わず走った。
角を曲がると、電柱の隣にポケットに手を突っ込んだJOYさんが見えた。…良かった…まだ居た。
「ごめん…カップルの話終わらせられなかった…こんなに寒いのに…ゴメン…」
僕が息を切らせて言い訳をすると、彼はポケットから手を出した。
「はい」
彼の手には缶コーヒーが握られていた。
「俺は飲んじゃったから、これはハンターちゃんの分」
この寒空の下30分も待たせたのに彼は怒ってなどいなかった。
缶コーヒーは少し冷めていたけど、まだ十分温かかった。
(回収、そして撤収 3へ続く)
ブログランキング参加しています
記事が面白かったらクリック願います
↓↓↓
JOYさんはいつも気配を感じない。気配ってその人の意思だと思うが…
…そういえばこの人は心が読みにくい。
「さっき来たんだ。久しぶりだね」
そういえばそうだ。多分2か月は間が空いたんじゃなかろうか。
店長とコミュニケーション不足のカップルに辟易していた僕は、
JOYさんが黄色い縞しまの安全地帯に見えた。
彼との会話はエグ味がなくて気分がいい。いつもの言葉のやりとりだけで僕の心は軽くなった。
良かったな…最後に会えたのがJOYさんで。そうだな、最後だしね…。
「えっ…ハンターちゃん…もう来ないの?…なんでまた…」
JOYさんにそれを告白したとき、僕らは奥のプレイルームに居て既に全裸だった。
僕はとりあえず、店長と反りが合わないとだけ説明した。JOYさんは少しの間考え込むと
こう切り出した。
「あのさ…じゃあここじゃなくて、どっか行こうか」
意外な申し出だった。JOYさんはハプバーでの遊び方がうまい人だ。
ここで起こることはここだけのこと、と完璧に割り切っているタイプのはずだった。
僕の中の「外に出るなら恋人になる人」というルールは既に崩れてしまったし、
JOYさんならもう少し深く一緒になってもいい。僕はそれを了承し、服を着てカウンターに戻った。
JOYさんは僕より先に店を出て、外で待っていると約束していた。
「ていうかぁ、お前さっきこう言ってたじゃん」
カップルの小競り合いは増すばかりだ。さっきから店長がいちいち会話に入ってくるのだが、
どうもその茶々が2人をおかしな方向に導いているとしか思えない。
こんな自我がグラグラな男をSだSだと囃し立てるから話がややこしくなるんじゃないのか。
やばい…もう30分は経過してる。外はもう寒い、JOYさん帰っちゃったんじゃないかな…。
引き留めようとする男性に、酔っ払って眠いと告げ、店を出て待ち合わせ場所へ走った。
クソ、こんな日にヒール…エナメルのパンプスをガツガツいわせながら構わず走った。
角を曲がると、電柱の隣にポケットに手を突っ込んだJOYさんが見えた。…良かった…まだ居た。
「ごめん…カップルの話終わらせられなかった…こんなに寒いのに…ゴメン…」
僕が息を切らせて言い訳をすると、彼はポケットから手を出した。
「はい」
彼の手には缶コーヒーが握られていた。
「俺は飲んじゃったから、これはハンターちゃんの分」
この寒空の下30分も待たせたのに彼は怒ってなどいなかった。
缶コーヒーは少し冷めていたけど、まだ十分温かかった。
(回収、そして撤収 3へ続く)
ブログランキング参加しています
記事が面白かったらクリック願います
↓↓↓