以下ネタバレです








(私じゃまだまだ手伝えることは少ないだろうけど・・・)

流輝さんが私にとって一番大切な人だから、少しでもカレの力になりたい。

その思いで、流輝さんの隣に移動する。

主人公「あんまり役に立たないかもしれませんけど・・・一生懸命頑張るから、流輝さんと一緒に行動させてください」

流輝 「まあ、当然だな。せいぜいオレの足を引っ張らないように頑張れよ」

主人公「足を引っ張ったら、どうなるか分かってんだろ?ですよね?」

流輝さんの口癖を先に言うと、面白そうに笑う。

流輝 「へー、だんだん生意気になってきたじゃないか。これは、失敗した時が楽しみだな」

主人公「た、楽しみって・・・」

流輝 「オレの口癖、わかってんだろ?」

主人公「・・・お得意の2倍とかですか?」

返事の代わりに意地悪な笑みを浮かべながら、私の頭に手を置く。

(勢いで言っちゃったけど・・・もしかしてまずかったかな)

主人公「あの・・・今までの会話は忘れて、競技に集中しませんか?」

流輝 「んなことしなくても、オレなら優勝間違いなしだからな。ハンデだよ、ハンデ」

  ですよね(;´▽`A``

主人公「そんな余裕でいて、足元見られても知りませんよ?」

流輝 「お前、オレの事を誰だと思ってんだよ。人の事よりも、自分のことを心配しとけよ?○○が敵からしてみれば、穴場なんだからな」

主人公「う・・・そうでした」

流輝 「失敗したら、今夜は楽しみだな」

仮面の男「それではパートナーが決まったところで、種目の説明をさせて頂きます」

流輝 「ああ、頼む」

仮面の男「柳瀬様のように各チームの司令塔が集まるこの種目では、コンピュータでミッションのシュミレーションを立ててもらい、そのシュミレーションをコンピュータ上で計算させて頂きます」

流輝 「なるほどね。それで、優越をつけるってわけか」

仮面の男「そうです。簡単に言えば、ちょっと豪華なテレビゲームといったところでしょうか?」

仮面の男「相手はすでにスタンバイに入っていらっしゃいますので、準備が整い次第、一回戦を開始となります」

(ミッションのシュミレーションか・・・)

(流輝さんなら大丈夫だと思うけど、ちょっと緊張してきたな・・・)

流輝 「なに固くなってんだよ」

主人公「い、いや、いよいよだなと思うと体が緊張して」

流輝 「ったく、しょうがねーな」

そう言うと流輝さんはいきなり私を抱き寄せて、激しくキスをした。

主人公「ん・・、ちょ、ちょっと!」

流輝 「お前が緊張してるからだ。ほら、行くぞ」

主人公「は、はい・・・」

(どうしよう・・・余計に緊張してきちゃった・・・)


部屋には大きなモニターがあり、まだ何も映し出されていない。

仮面の男「一回戦はアルゼンチン代表と日本代表になります。それではこちらをご覧ください」

ピッ

仮面の男がモニタの電源を入れると、間取りが映し出された。

流輝 「これは、なんだ?」

仮面の男「これは私達が設計した美術館の間取り、警備員の配置、宝の場所が示されたものでございます」

流輝 「なるほどな。これを使って、ミッションを組み立てろってわけか」

仮面の男「その通りでございます。タイムリミットは30分。コンピュータにミッションプランを入力してください」

流輝 「なるほどね・・・拓斗がいたら喜びそうなゲームだな」

流輝 「さて、考えるとするか」

主人公「はい!」

(とは言ったものの・・・)

主人公「うーん・・・」

首を傾げながら色々な方向から見ることにする。

流輝 「何、呻き声あげてんだ?」

主人公「う、呻き声って!せめて、唸り声にしてください!」

流輝 「はいはい。なんなら、喘・・・」

流輝 「うぐ」

両手で流輝さんの口を塞ぐ。

主人公「ちょ、ちょっと!なんてこと言うんですか!」

流輝 「まだ言ってないだろ・・・」

主人公「あそこまで言ったら、同じことです」

流輝 「ったく、真面目だな」

主人公「適当なんですから・・・」

流輝 「くくくく、変なところで気が合うな」

主人公「本当に・・・。それよりものんびりしてますけど、考えなくてもいいんですか?」

流輝 「あー、ま、ぼちぼちな」

(あんまりやる気がないのかな・・・)

気を取り直してモニタを見つめる。

入り組んだ通路は美術館ならではだ。

それを守るように警備員が配置されているが・・・

(障害物を避けていけばいいのかな・・・・、となると・・・)

主人公「あ、ここに隙がありますよ。ここを行けばお宝まですんなり行けるんじゃないですか?」

流輝 「・・」

流輝さんは私が出した答えを思案してるようで、黙ってしまう。

受験発表の時のように、緊張してきた。

流輝 「バーカ。そっちは確実にトラップだろ」

主人公「え・・・でも、警備員も監視カメラもこのルートなら避けられますよ?」

流輝 「そう見せかけてるだけだ。オレの答えはこれだ」

主人公「あ、勝手に・・・!」

そう言うなり、自分が立てたプランを入力してしまう。

主人公「でも、それだと警備員に会ってしまうと思うんですけど・・・」

流輝 「いいんだよ。まあ、見てろ」

自信たっぷりの笑みを浮かべ、流輝さんは余裕の態度だ。

そして、30分後。

答え合わせの時間になり、コンピュータがそれぞれのプラン通りの動きをモニタに映し出した。

流輝 「へー、便利だな。これ、うちにも欲しいな」

主人公「・・・マスターのお店、広くしてもらわないと難しいですよ」

流輝 「だよな。そんな甲斐性はなさそうだしな」

主人公「ふふ・・・あ、向こうは私が考えたのと同じだ」

流輝 「まあ見てろ。どっちが正しいのかすぐわかる」

主人公「はい」

言われた通り見ていると、アルゼンチンの方はトラップに引っかかり捕まってしまった。

主人公「あっさり逮捕・・・」

(次が私達の番だ)

流輝さんの考えたプランは、警備員の一瞬の隙をついて宝まで辿り着くことに成功した。

仮面の男「お見事です!それではこの勝負、日本チームの勝利とします」

主人公「すごい、言った通りになった!よく罠だってわかりましたね・・・」

流輝 「ミッション時には何が起こるかわからない。だから、常に最悪の事を考えておくものなんだよ」

主人公「そうなんですね・・・」

(私は考慮が足りなかったのか・・・)

役に立ちたちという気持ちばっかりが先行して、他の事を考えていなかった。

大きな手を伸ばしてきて流輝さんは私の頭を、くしゃくしゃと撫でる。

流輝 「バーカ、そんなんでいちいち落ち込むな。前のお前から見たらちょっとは成長したんじゃねーか?」

主人公「流輝さん・・・」

いつもの口の悪さを披露しつつの褒め言葉に励まされる。

流輝 「さて、この調子で次のステージに行くぞ」

主人公「はい」

仮面の男「引き続き、第二回戦をとりおこないます」

主人公「次も頑張りましょうね!」

流輝「はいはい」

流輝さんのやる気のなさに反比例して、順調に二回戦、三回戦と勝ち進んだ。

主人公「どうして隠されたトラップが分かるんですか?」

流輝 「長年の勘」

主人公「全然、参考になりませんよ、それ」

流輝 「・・・罠を仕掛けるために必要な条件が揃ってるんだよ」

モニタを無為要るように見るけど、私にはまったくわからない。

主人公「そんなのが簡単にわかるなんて・・・流輝さんって、すごいんですね」

流輝 「惚れ直したか?」

  はいっ!(〃∇〃)

主人公「・・・知りません」

  素直じゃないなー( ´艸`)

流輝 「へー、言わないと、言わせたくなるのが男の性だってお前分かってる?」

主人公「え、や、ちょっと・・・」

仮面の男が近くにいるのに、流輝さんの顔がどんどん近づいてくる。

(このままじゃ、キスされちゃう・・・!)

ドンッ!

流輝 「いてっ!」

主人公「もう、時と場合を考えてくだささいよ」

流輝 「だから、休憩時間に迫ってんだろ」

主人公「う・・・」

流輝 「ったく、まだまだ、オレの好みの女には遠いな」

主人公「あれ、どこに行くんですか?」

流輝 「ちょっとそこまで」

追いかけて行くと、目を閉じて休んでいる流輝さんを見つける。

(頭を使ってるから、疲れているのかな・・・)

(こういう時は・・・)

用意された飲料コーナーからコーヒーに砂糖をたっぷり入れ持って行くことにする。

主人公「流輝さん、甘めのコーヒーどうぞ」

流輝 「へー、気が効くな」

主人公「私だってこのくらい推理して、用意できますよ」

流輝さんはコーヒーを一口飲むと、それっきり口を閉ざしてしまう。

(緊張しているのかな・・・)

主人公「いよいよ決勝ですね!私は全然役に立ってないですけど、優勝目指して頑張りましょう!」

流輝 「ああ、そうだな」

(・・・やっぱりらしくない)

空になった紙コップを潰し始める流輝さんは、ヒマを持て余しているというよりも、緊張をぶつけているように見える。

(よし、こうなったら・・・)

驚かせようと、背中を押してみることにした。

ドンッ!

流輝 「おわ・・・」

主人公「なんか流輝さんらしくないですよ。『オレがやるからには優勝に決まってんだろ!』とか言ってくださいよ」

流輝 「まさかお前に励まされるとはな」

流輝 「でもな・・・」

流輝さんは私を抱き寄せ、強引なキスをしてくる。

(と、突然過ぎ・・・!)

流輝 「オレを励ましたいんだったら、これくらしはしてもらわないとな」

主人公「はぁ・・・はぁ・・・。なんだか・・・いつもの流輝さんですね」

主人公「じゃあ、改めて。優勝しましょうね!」

流輝 「オレがやるからには優勝に決まってんだろ」

主人公「ふふ、ですよね!」

流輝 「何、笑ってんだ?」

主人公「いつもの流輝さんに戻って、嬉しいんです」

流輝 「いつものオレが良いってことは、イジメられたいってことでいいんだな」

二人で決意を新たにする。そしていよいよ決勝戦の時間が来た。


競技場に戻ると稲垣さんが待っていた。

主人公「あれ、稲垣さんどうしたんですか?」

仮面の男「ご説明いたしましょう。決勝戦は僭越ながら、私がお相手をさせて頂きます。また、最終戦はコンピュータではなく実際にメンバーにプランを実行してもらうことになります」

流輝 「それで、健至か・・・」

健至 「任せとけ!まあ、流輝が考えたプランなら大丈夫だろ」

流輝 「ったく、気楽な奴だな」

  こんな健至に救われることも多々ありますよね

  中に1人はこういう人がいなくっちゃ!

仮面の男から見取り図を受け取り、流輝さんと稲垣さんは入念に打ち合わせをした。

そして、最終問題がスタートした。

流輝 「聞こえるか」

健至 『・・・ああ、大丈夫だ』

モニタに映し出される稲垣さんは、どこか余裕を感じさせる。

流輝 「ゆっくり階段を進んでいってくれ。何か感じたら、すぐに報告しろよ」

健至 『あいよ』

主人公「見ているだけっていうのは、なんかもどかしいですね」

流輝 「何言ってんだ。何か気付いたら、逐一報告するのがお前の仕事だ」

主人公「・・・はい!」

  こんな状況で仕事を任されるのは嬉しい

  信頼してくれている証拠でもあるもんね(‐^▽^‐)

流輝さんが考えたプラン通りに稲垣さんは動いていく。

2人の息はぴったりで、順調に進んでいくと思った。

流輝 「ストップ。そこから少し周囲を見渡してくれ」

健至 『心配性だな』

流輝 「オレは完璧主義者だからな。少しのミスもしたくないんだよ」

主人公「ふふ・・・」

そのとき突然モニタの画面が揺れた。

ザザザ・・・

主人公「この音は・・・?」

流輝 「ノイズだ。電波が悪いところに入ったんだろ。おい、健至」

健至 『こ・・・い・・・・』

  えっ!?健至?

流輝 「おい、聞こえないぞ」

主人公「流輝さん!モニタも・・・」

鮮明に映し出していたモニタにも砂漠のように画面に線がはいり、ぷつんと音を立てて真っ暗になった。

主人公「何が・・・」

流輝 「おい!健至、返事をしろ」

主人公「稲垣さん!返事をください!」

バンッ!バンッ!

突然大きな音が聞こえてくる。

主人公「・・・流輝さん」

流輝 「この音は・・・銃声だ」

モニタから響く銃弾の音は、途切れることはない。

主人公「一体何が・・・」

流輝 「健至!返事をしろ!」

流輝さんの悲痛な叫び声だけが響き、稲垣さんからの返事はなかった。





つづく---