以下ネタバレです











主人公「い、いつの間にこんな近くに・・・」

健至 「さすが元軍人。このままいったら見つかる可能性が高いな・・・」

主人公「そんな・・・」

(あんな人に攻撃されたら、私なんて一発で退場だよ!)

イワノフ「ブラックフォックスはどこでござるか。お宝は後回しでござる。まずは邪魔者を排除するでござる」

(こ、怖い・・・!)

健至 「アイツもまだお宝は見つけてないのか。さて、どうするか・・・」

主人公「に、逃げる?」

健至 「それも一つの手だけど、敢えてこちらから攻撃を仕掛けてもいいかも。だって・・・」

イワノフ「どこにいるでござるかー!」

(ひっ・・・!)

健至 「な、向こうも大分切羽詰ってるようだし」

スッ、とモデルガンを構える。

主人公「健至!」

健至 「気付くなよ・・・」

ドッドッドッドッドッ・・・・

(う、うわ、心臓が・・・)

健至 「・・・今だっ!」

と、引き金に力を入れた瞬間。

イワノフ「そこでござるか!」

健至 「見つかった・・・!くそっ!」

パァンッ!

主人公「きゃああっ!」

ペイント弾が近くの木に当たり、黄色いペンキを撒き散らす。

健至 「○○!」

健至 「このっ・・・!」

パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!

健至 「○○!絶対にそこから動くなよ!」

主人公「う、うん!」

健至 「はっ!」

パンッ!

イワノフ「おっと」

健至 「くっ・・・軽々と避けるな・・・」

健至 「○○、大丈夫か!?」

主人公「へ、平気!」

(どうしよう、健至ばっかり戦ってる・・・!)

  だって、気持ちはあっても実力が伴わないんだから足手まといになっちゃうし

  だったらジッとしていたほうが健至も戦いやすいんじゃないの?

イワノフ「彼女思いの優しい彼氏でござるな。しかし、ずっとかばっていては拙者には勝てないでござる」

イワノフ「はぁっ!で、ござる!」

パァンッ!

健至 「わっ・・・っぶね!」

イワノフ「ちょこまかとすばしっこいヤツでござるな・・・まるでジャパニーズ忍者だ」

健至 「忍者・・・よし!」

健至 「よく分かったな。そうだ、オレは忍者の末裔だ」

主人公「へ?」

イワノフ「なっ・・・なんだと!?そなたが忍者の末裔!?」

健至 「ああ。現代に合せて表向きは『怪盗』と名乗ってはいるがな。ホラ、怪盗と忍者ってやってるコトはほぼ一緒だろ?」

イワノフ「そ、そう言われれば・・・」

(いやいや、そこで納得しないでよ!)

イワノフ「なんと・・・拙者が夢にまで見た忍者が目の前にいるとは・・・」

イワノフ「であれば一つ聞きたい。誇り高き孤高の戦士であるはずのそなたが、なぜあのお嬢さんといるのだ?」

健至 「え?」

イワノフ「その若さにも関わらずそなたの実力は素晴らしい。だからこそ勿体ないのだ。どう見ても。お嬢さんはそなたの足枷にしか・・・」

健至 「黙れ!」

イワノフ「なに?」

健至 「それ以上○○の事を悪く言うな」

銃口をイワノフへ向ける。

健至 「○○がいて初めて、オレは強くなれるんだ。お前にはわからないだろうがな」

(健至・・・!)

健至 「ここは絶対にお前に勝つ!」

イワノフ「・・・気高き忍者が女にかどわかされたか。残念でござる」

健至 「○○はそんな女じゃない。撤回しろ!」

イワノフ「そなたが忍者であるならば、日本人であるならば優しくしたかったのだが・・・」

イワノフ「お宝のヒントは、情けは人のためならずでござる。これは真剣勝負。いくら拙者の愛すべき忍者だとしても容赦しないでござるよ!」

パンッ!パンッ!パンッ!

健至 「くっ・・・さっきよりも素早い!」

身を翻し、私がいる茂みまでやってきた。

主人公「大丈夫!?」

健至 「ああ・・・」

健至 「ごめん。忍者ってウソをついて油断したとこを撃とうと思ったんだけど・・・○○をバカにされてカッとなっちまった・・・」

主人公「ううん、そんな・・・」

健至 「くそ・・・アイツに一瞬の隙さえあれば・・・」

(隙・・・)

主人公「・・・私がおとりになるよ」

健至 「え?」

主人公「大丈夫。ちょっと痛いの我慢すればいいんだし」

(イワノフさんの言ってることは事実。でも、私だって健至の役に立ちたい!)

主人公「さっき庇ってくれた時、すごく嬉しかった。こんな私でも健至のそばにいていいだって思えたから。ここまで来れたんだもん。私はもう十分。健至なら、一人でも絶対に優勝を狙えるよ」

健至 「○○、なにを・・・」

主人公「じゃあね」

と、覚悟を決めて飛び出そうとすると・・・

健至 「待て!」

健至 「・・・行くな、○○」

主人公「健至・・・」

(でも、じゃあ他にどうすれば・・・!)

クゥ~ン・・・

主人公「え・・・?い、犬?」

健至 「どうしてこんなところに子犬が・・・」

イワノフ「そろそろかくれんぼは終わりにするでござる。大人しく出てくるでござるよ」

(まずい、こっちに来る!)

主人公「とりあえず危ないから私が・・・」

パァンッ!

主人公「きゃっ・・・!」

キャインッ!

主人公「あっ!ダメ、そっちは・・・!」

健至 「○○!」

主人公「えっ・・・」

イワノフ「飛んで火にいる夏の虫とは、まさにこのことでござる!」

(しまった・・・!)

イワノフ「お覚悟!」

健至 「○○ッ!」

主人公「きゃああっ!」

(撃たれるっ・・・!)

犬を抱きかかえ、目を閉じた。

(・・・)

(・・・あ、あれ・・・?)

主人公「痛く・・・ない?」

(けど、このペンキの匂いは・・・)

健至 「・・・○○」

主人公「け・・・健至!?」

(うそ!もしかして私をかばって・・!)

健至 「ってー・・・・ペイント弾って思ったよりも痛いもんなんだな」

主人公「健至!ごめん、私のせいで・・・」

健至 「大丈夫だよ。それよりも、怪我はないか?」

主人公「うん・・・私も子犬も大丈夫だよ。ホラ」

子犬 「ワンワンッ!」

健至 「そうか、良かった・・・」

イワノフ「おっと。お嬢さんの方を撃とうと思ったのに、そなたが出てきたからつい撃ってしまったでござる。でも、そなたさえ始末できれば、お嬢さんは放っておいても大丈夫でござる」

イワノフ「拙者は引き続きお宝を探すでござるよ。ハッハッハ!」

主人公「ごめんね、健至・・・」

健至 「オレこそごめん。○○を守らなきゃって思って体が勝手に動いちまった。これでオレはリタイヤだな・・・」

主人公「そんな・・・」

健至 「それよりも、○○こそ本当に怪我してないよな?見せてみろ」

主人公「ひゃっ!」

健至 「腕は擦りむいてないない・・・肘は?」

主人公「んっ・・・」

抱きかかえられ体の隅々までチェックされる。

健至 「よかった、大丈夫だな」

主人公「ね、ねぇもう離して・・・」

健至 「○○・・・」

主人公「あっ・・・」

きつく抱きしめられた。

健至 「○○に怪我がなくて本当によかった・・・」

健至 「絶対に優勝する!とか言ってたけど・・・でも、○○が無事でいる事、それがオレにとって一番大事なんだ」

主人公「健至・・・」

健至 「もしかして・・・笑ってる?」

主人公「えっ?あ、いや、その・・・嬉しくて・・・つい顔がこう緩んじゃって・・・」

健至 「え・・・・」

(って、笑ってる場合じゃない!)

健至を見つめる。

主人公「ごめんね、健至。本当にごめん・・・」

健至 「もう謝らなくていいから」

そうして二人抱きしめあう。

健至 「あ、○○の服にペンキがついちまったな。悪い」

主人公「ううん、大丈夫」

主人公「そういえば・・・この後って私一人でお宝を探さなくちゃいけないんだよね」

健至 「まぁ・・・しょうがないよな」

主人公「うん・・・・」

主人公「でも、出来る限り頑張るね。助けてくれた健至の分も」

健至 「ああ。頑張れ」

(って、言っても手掛かりなんてゼロなんだけど・・・はぁ・・・)

子犬 「ワンワンワンッ!」

主人公「え?あ、子犬が・・・」

健至 「突然地面に向かって吠えはじめたな。なんだろう?」

(もしかして・・・・)

主人公「健至!ここ掘ってみよう!」

健至 「え、なんで?」

主人公「いいから早く!」

  えーっ!またたっくんの時みたいに失格とか言われるよー!!!

  健至は見てるだけにしてもらった方がいいと思うんだけど?

二人でモデルガンを使って地面を掘り返す。

すると・・・

健至 「・・・ウソだろ」

主人公「信じられない・・・」

中から、一枚の金貨が現れた。

健至 「これがお宝?いやでも、まだそうと決まったわけじゃ・・・」

仮面の男『おめでとうございます!ブラックフォックス様、お宝発見です!』

主人公「ええっ!?」


カジノへ戻ると、早速表彰式が始まった。

仮面の男「おめでとうございます!お二人の力、とくと見させていただきました」

  あ、いいの?健至も掘ってたけど?

主人公「は、はぁ・・・」

健至 「どうも・・・」

仮面の男「こちらが優勝トロフィーになります」

健至がトロフィーを受け取る。

仮面の男「そして、優勝賞品です」

健至 「○○が受け取れよ」

主人公「う、うん」

(意外とちっちゃい・・・ていうか、封筒?)

(なにが入ってるんだろう?)

仮面の男「では、優勝した感想を一言」

健至 「えーと、正直まだ実感はありません。オレ、途中でリタイアしちゃったし。突然犬が吠えだして地面を掘ったらお宝が出てきたので、なんというか、自分の力で優勝した気持ちになれなくて・・・」

主人公「私もです。たまたま運が良かっただけで、私なんてなんの役にも・・・」

仮面の男「さすが日本人。謙虚でございますね。でも、一つだけ間違っていますよ?」

健至 「え?」

仮面の男「優勝できたのは間違いなく実力です。もちろん、お二人のね」

主人公「私も?」

仮面の男「あのヒントの意味、ご存知ですか?」

主人公「ヒントって・・・」

(あの、情けは人のためならず、っていう?)

イワノフ「な、なぜだ!なぜ拙者が負けたのでござるか!情けは人のためならずにしたがって、容赦なく撃ったのに!」

(あれ?もしかしてこの人・・・)

主人公「あの・・・情けは人のためならずの意味、間違ってますよ」

イワノフ「なっ、なんだと!?」

主人公「日本人でも間違えて覚えている人が結構いるんですけど・・・」

主人公「もともとそのことわざには、情けは人のためならず、巡り巡って己がため・・・っていう続きがあって、つまり、『情けをかけることは人のためにならない』ではなく、『情けは人のためではなく、いずれは巡って自分に返ってくるものだから、誰にでも親切にしておいたほうがいい』という意味なんです」

イワノフ「そ、そんな・・・」

  勉強になりましたm(_ _ )m

健至 「げ、オレ間違って覚えてた」

  私もσ(^_^;)

仮面の男「そう、それがこのヒントの本来の意味なのです。相手をおとしめず、子犬を助けたことが巡り巡って宝の在処が分かる・・・そういう仕組みだったというわけですな」

(なるほど、そうだったんだ・・・)

子犬 「ワンッ!」

主人公「ふふっ、ありがとう。あなたのお陰で優勝できたよ」

仮面の男「あなたの優しさがお二人を優勝へと導いたのです」

主人公「はい・・・・」

(そっか・・・私、健至の役に立てたんだ)

イワノフ「なんと・・・まだまだ拙者の修業が足りなかったのか・・・日本語は難しいでござる。もしかして、お嬢さんも忍者の末裔なのではござらぬか?」

主人公「はい?」

イワノフ「素晴らしい!くの一にも会えるとは!動物をも操るその忍術、いつか取得してやるでござるよ!」

主人公「は、はぁ・・・」

イワノフ「では、拙者はもういくでござる。ごっつぁんです!」

(って、最後はお相撲!?挨拶のつもりなのかな)

宙  「ケン兄、○○ちゃん、優勝おめでとう!」

主人公「みなさん!」

拓斗 「ケン兄、なにリタイアしてんだよ」

宙  「しょーがないじゃん。○○ちゃんをかばったんでしょ?」

ボス 「そうそう。結局は優勝できたんだから結果オーライ」

流輝 「ま、なんにせよお疲れさん。おめでとう」

ブラックフォックスのメンバーにも祝福される。

仮面の男「では最後に、このお二人に大きな拍手を!」


健至 「で、もらった賞品ってのが・・・」

ボーッ!

船が汽笛を上げる。

ゆっくりと夜の海を走り出した。

主人公「セーヌ川での豪華ディナークルーズ券・・・」

健至 「あんだけ頑張ったのにこれかよ・・・」

主人公「ま、まぁ、いいじゃん。フランスでこんな豪華なディナーを食べるなんてめったにできないよ」

健至 「まぁ、そうだな。よし、絶対に元を取ってやる!」

  バイキングじゃないよね?


食事後、甲板へ出た。

主人公「うわぁっ・・・」

健至 「へぇ、いい眺めだな」

主人公「セーヌ川の夜景ってこんなに綺麗なんだ・・・」

健至 「まぁいろいろあったけど、来てよかったな」

主人公「うん!大会は優勝できたし、食事は美味しかっつぃ、夜景は綺麗だし。いいこと尽くめだね」

主人公「はぁ、夜風が気持ちいいー・・・」

しばらく二人で夜景を眺める。

主人公「ねぇ・・・健至」

健至 「なに?」

主人公「今日は本当にありがとう。助けてくれたすごく嬉しかった」

健至 「○○・・・」

ぎゅっと強く健至が抱き締めてくれる。

健至 「何言ってんだよ・・・オレが○○を守るのは当然だろ?なんたって、彼氏なんだから」

  いいなぁ・・・守られたい(^▽^;)

主人公「健至・・・」

健至 「それにオレ、良かったと思ってるんだ。もしあそこで○○を助けてなかったら、一生後悔してた」

主人公「そっか・・・私、健至のそういうとこ大好きだよ?」

健至 「オレも動物を助けようとする優しい○○が大好きだ」

主人公「もう・・・」

健至 「・・・綺麗だな」

主人公「え?あ、そうだね、夜景が・・・」

健至 「いや、そうじゃなくて・・・」

健至 「夜景なんかよりもずっと○○が綺麗だ・・・」

主人公「健至・・・」

二人の顔が近づく。

(誰もいないしいいよね・・・?)

そして抱き合ったまま、私達はキスをした。

パチパチパチパチッ!

(えっ?)

周囲の乗客が立ち上がり、私達へ向けて拍手をし始めた。

主人公「な、なに?」

(ていうか、人いたの!?)

  どんだけ二人の世界作ってたのよ~( ´艸`)

健至 「・・・オレ達の事を祝福してくれてる」

主人公「そ、そうなの?うわ、見られてたんだ・・・」

健至 「なに、恥ずかしい?」

主人公「そりゃあ・・・・」

健至 「ふぅん?オレはもっと見せつけたいけどな」

主人公「へ?・・・きゃっ!」

ぐいっ!

健至が私を抱き上げた。

主人公「ちょ、ちょっと!見せつけたいって・・・」

健至 「だって○○のお陰で優勝できたし、オレにはこんなに素敵な彼女がいるんだって、みんなに自慢したいんだ」

  嬉しいけど、ものすご~く恥ずかしい(///∇//)

主人公「な、なに言って・・・」

主人公「○○はオレ達ブラックフォックスの・・・いや、オレの勝利の女神だ!」

主人公「きゃあっ!」

ぐるぐるっ、と抱きかかえたまま回転する。

健至 「ハハッ!大好きだ、○○!」

主人公「もう・・・!」

主人公「私も大好きだよ!」

ワァッ!

歓声が一段と大きくなった。

(ちょと恥ずかしいけど・・・)

主人公「ねぇ、もし来年もあったら参加する?」

健至 「もちろん。オレと○○だったら来年も優勝だよ」

主人公「ふふっ、そうだね」

そうして再びキスをする。

その背景には、セーヌ川の夜景がまるで私達を祝福するかのように、キラキラと輝いていた。







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いつもは健至にはあまりなびかない私ですが・・・

今回は『健至の彼女でよかった~』 ← えっ?∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

こうも素直に発言されるとこっちまで素直になれるといいましょうか・・・

素直になりたいなって、優しい気持ちになれました

(ふだんかなり天邪鬼なので・・・こういうときに浄化しとかないと(^▽^;))