あ~ボスか・・・σ(^_^;)

以下ネタバレです











集  『も、もしもし!うわっ』

主人公「もしもし・・・あの・・・」

ガシャーン!

主人公「えっ・・・今、なにかすごい音がしましたけど・・・」

集  『あいたたた・・・』

集  『着信音で○○ちゃんからの電話だって分かったから、慌てて出たんだけど・・・』

集  『鍋洗ってる途中だったの忘れて、うっかり足に落としちゃったよ。ハハハ・・・』

  忘れちゃうほど嬉しかったてこと?

主人公「大丈夫ですか!?」

集  『ああ。このくらい、いつものみんなの攻撃に比べたらなんてことないよ』

主人公「そうですね・・・」

  ( ´艸`)

(アレに勝てるものはそうそうないかも・・・)

主人公「あ、私からの着信音って、どんな音にしてるんですか?」

集  『・・・』

(あれ・・・返事がない?電波が悪いのかな?)

主人公「聞こえますか?」

集  『ん、ああ、聞こえてるよ』

集  『・・・』

(なんだろう・・・何か言いにくい着メロなんだろうか・・・)

主人公「そんなに変な音なんですか?」

集  『あ、いやそうじゃないんだけど・・・』

主人公「そう言えば集さん、蛭川さんから電話がかかってきた時、ベートーベンの運命が流れましたよね」

  「運命」って・・・( ´艸`)

主人公「柳瀬さんからかかってきた時は、ムーンウォーズのダークベーダーのちょっと怖いテーマでしたし・・・」

  ボスなんだよね?ビビリすぎじゃん?

(稲垣さんはお面ライダー、更科くんはAKPだったし・・・」

主人公「その人のイメージっぽい曲を設定してますよね・・・」

(私の場合はなんだろう。すごく気になる・・・)

  今度隣にいる時に鳴らしてみれば?

集  『あはは・・・って、言わなきゃダメ・・・だよね?』

  別に・・・どっちでもいいかな(^▽^;)

主人公「できればお願いします」

集  『女神のウィンク・・・』

主人公「え?」

集  『松梅田よーこちゃんの、女神のウィンクなんだよ・・・』

集  『あ、いやなんて言うか・・・オレにとって○○ちゃんは女神みたいなものかなーって、特にあのサビの歌詞のところがいいよねーなんて。照れちゃうな・・・ハハハ!』

主人公「集さん・・・」

集  『ん?』

主人公「ごめんなさい、私、その曲知りません・・・・」

  歳の差を感じちゃうわ~( ´艸`)

集  『・・・な、なんと』

集  『そ、そうだよね・・・オレがまだ子供の頃の曲だもんね・・・』

主人公「こ、今度CD借りてみますね!」

集  『あ、いや・・・そこまでしてくれなくても・・・なんかもっと、今風の曲に変えとくね・・・』

(どうしよう、集さんが落ち込んじゃった!)

(あ、そうだ)

(忘れてたけど、クリスマスの話をしたら元気出してくれるかな?)

  さっさと報告しましょうよ!前置きが長い!!

集  『それより、寝る前の電話にしてはいつもより早いよね、今日はどうしたの?何か急ぎの用とか?』

主人公「そ、そうなんです!実は私、クリスマス当日に休みをもらえることになったんです!」

集  『ふーん・・・』

集  『・・・って、ほ、ほんと!』

集  『やったー、よっしゃー!』

(すごく喜んでくれてるみたい。良かった)

集  『あ・・・でも会えるのは夕方からになっちゃうな・・・』

主人公「あれ、クリスマスはお店お休みにするって言ってませんでしたか?」

集  『あ、いや実はね、急に八百屋のおじさんがぎっくり腰になったらしくて、町内会のクリスマスの幹事を代わってあげることになったんだ」

主人公「そうなんですか」

集  『当日は朝から準備しないといけなくてさ・・・」

主人公「それなら私も手伝いますね」

  いい子だ・・・

集  『ほんと?』

集  『いや、そうしてくれると長い時間一緒にいられて嬉しんだけど・・・仕事も続いてたみたいだし、疲れてないかい?』

主人公「私も出来るだけ集さんと一緒にいたいですから、大丈夫ですよ」

集  『じゃ、じゃあ甘えちゃおうかな』

主人公「喜んで」

集  『やったー、朝から○○ちゃんと会えるなんて、嬉しいな~』

ガッシャーン!

集  『いったー!!』

主人公「あ、集さん!?また何か大きな音がしましたけど・・・」

集  『テンション上がって、また鍋を落としちゃったよ。ハハハ!』

主人公「もう・・・集さんったら」

こうして私は、町内会のクリスマス会のお手伝いをすることになった。


クリスマス当日。

黒狐の町内にある公民館へと向かう。

主人公「おはようございます」

集  『メリークリスマス、○○ちゃん。今日はよろしくね」

主人公「はい」

集  「オレ達おじさん組は飾り付けを担当してるんだけど、○○ちゃんにはできればカップケーキ作りのお手伝いをお願いしたいんだ」

主人公「なるほど。任せてください」

集  「ははっ!○○ちゃんは頼もしいねぇ」

集  「あ、エプロンは持ってきてないよね?」

主人公「そうですね・・・調理があるとは思わなくて。すみません」

集  「あ、いやいや、ちゃんと言わなかったオレが悪いんだ。そう思って買ってきたから。はい、これどうぞ」

主人公「ありがとうございます」

集  「○○ちゃんのイメージで選んでみたんだけどどうかな・・・」

(私って、集さんにとってこんなイメージなんだ・・・)

集さんに渡されたのは・・・

フリルたっぷりの、真っ白な可愛いエプロンを渡された。

主人公「こ、こんなに可愛いエプロンを選んでくれたんですか?」

集  「や、なんて言うかそういうの男の憧れだったりして・・・今度それつけて朝ご飯作ってね」

  う~ん・・・( ̄Д ̄;;

主人公「は、はい・・・」

(なんだかちょっと照れちゃうよ)

主人公「じゃ、私は調理場に行きますね」

集  「お願いね」

エプロンを身に着けると、調理場に向かった。


(あ、話し声が聞こえる・・・・)

私が顔を出すと、先に来ていた町内会の奥さんたちが、私の顔を見て不思議そうな顔をしていた。

主人公「あ・・初めまして。私は・・・」

奥さん「あら!もしかしてあなたが噂の、黒狐のマスターの奥さん!?」

  いえ、違いますっ!

主人公「えっ!あの、ちが・・・」

おばちゃん「ん、もう!集ちゃんったらこんな可愛い子を捕まえちゃってさ・・・」

主人公「あの!まだ私、集さんとは・・・」

おばさま「商店街のお店屋さん達が、よく二人で買い物に来てるって話をしててね、可愛い奥さんもらったって、みんな大喜びだったわよ。結婚したなんて知らなかったもんだから、お祝いが遅くなってごめんなさいね!」

  結婚してないしっ!!!!

  やっぱボス編はこうなるのか・・・

  すでに気持ちが萎えた(°д°;)

主人公「違うんです、私まだ・・・」

おばちゃん「こんないい子がお嫁さんに来てくれるなんて良かったね~。私達もこれで一安心だわ」

(ダメだ・・・おばちゃんたち、私の話を全然聞いてない・・・)

集  「おーいおばちゃんたち、こっちは準備終わったよ」

主人公「集さん!」

(ちょうどいいところに来てくれたかも!)

集さんを見たおばさまたちが、次々に質問を繰り出す。

おばさま「ちょっとマスター、結婚したのに黙ってるなんて水臭いじゃないのヨ!」

おばちゃん「そうだよ、集ちゃん!結婚式はいつするつもりなのよ?」

集  「え・・・何の話?」

奥さん「もー、照れなくていいじゃないですか。商店街のおじさんたちから話は聞いてますよ!」

主人公「あの、私、どうやら集さんの奥さんに間違えられてて・・・」

  すっごく嫌なんですけど・・・

集  「えっ、あ、あの・・・そうなの?」

おばちゃん「いや、よかったよ。こんなに可愛い子が来てくれるなんてさ・・・」

奥さんたちは、集さんの肩をバシバシと無意識のうちに叩いたり、腕を掴んでもみくちゃにしている。

集  「おっとっと・・・」

集  「ちょ、ちょっと待って・・・ははは・・・」

その攻撃をひらりとかわすと、集さんが私に耳打ちした。

集  「あのさ・・・○○ちゃん。今日ところはオレの奥さんになってもらっといていいかな?」

(奥さんのフリをしとくっていう事だよね)

(その方がややこしくなくていいし・・・)

主人公「あ、はい。わかりました」

集  「まー、いずれほんとにそうなるってことで。近所づきあいの予行練習だと思ってさ」

主人公「えっ・・・」

(い、いま・・・いずれそうなるって、集さんそう言ったよね?)

いたずら少年のように笑う集さんを見て、思わず顔が赤くなった。

(なんだかそう言われちゃうとちょっと照れるけど、でも嬉しいかも・・・)

主人公「よ、よろしくお願いします!」

大きな声で挨拶をすると、おばさまたちから温かい拍手が飛んだ。


無事にカップケーキ作りも終わり、そろそろ子供たちがやってくる時間になった。

ケン坊「あ、マスターだ!こんにちはー」

集  「お、ケン坊よく来たな」

タクミ「つーか、お前が来いって言うから来てやった」

  たっくんの子供版?

集  「タクミは相変わらずシャイだな?」

集さんはわざとタクミくんを捕まえると、ガシガシと頭を撫でた。

タクミ「バカ!やめろヒゲ!」

(あれ・・・なんだかあの子、誰かに似てるような・・・)

集  「みんな、今日は楽しんでってな」

こうしてクリスマス会が始まった。

その後も、子供たちは次々と集さんの周りに集まっていく。

(なんだかお父さんみたい)

(集さんって子供たちに好かれてるんだな・・・)

ヒロミ「おじちゃん、コマがうまくできないよ~」

集  「どれどれ、貸してごらん」

(ふふ、女の子にもモテモテだね)

(私達の間に子供が出来たら、きっといいパパになってくれるんだろうな・・・)

(集さんもなんだかいつもより楽しそうだし)

タクミ「おい」

主人公「えっ」

タクミ「お前だれだ?」

ふと見ると、タクミくんが私の顔を覗きこんでいる。

主人公「えっ私?」

(えっとなんて言おうかな・・・)

(子供にウソをつくのは良くないよね?)

主人公「えっと、集さんの彼女・・・だよ?」

タクミ「ふーん、ヒゲの女か。まーまーだな」

  なにー!!生意気なっ!( ´艸`)

主人公「まーまーって・・・」

タクミくんのませた反応に、ちょっと驚いた。

子供たちの様子が一段落したころ、みんなでゲームをすることになった。

集  「よーしそれじゃ3人組を作るんだぞ~」

子供達「はーい」

集  「お、みんな上手に組めてるみたいだな・・・」

主人公「あれ・・・あの子」

ふと見ると、幼稚園ぐらいの男の子が一人だけ輪に入れずに困っているようだった。

主人公「集さん、あの子・・・」

集  「あー、最近引っ越してきたリキヤくんだな」

主人公「一人、余ってしまうみたいですから、私達が一緒に参加しましょうか」

集  「そうだね。声をかけてくるよ」

集さんはリキヤくんの側に寄ると、子供の目線になるように小さく屈みこみ優しく話しかけた。

集  「リキヤくん、おじさんと、あのお姉ちゃんと一緒の組になってくれるかな?一人足りなくて困ってるんだ」

リキヤ「うん・・・いいよ」

(あ、リキヤくん嬉しそう・・・)

集さんと3人でゲームに参加した。

集  「よっしゃー、オレ達の組が一番だな!」

リキヤ「わーい!」

ケン坊「マスターは大人なのに本気になってずるいぞー」

タクミ「子供相手にムッキになってんな、ヒゲダルマ!」

集  「ん?頑張ったのはリキヤくんだぞ。おじさんはほとんど見てただけだしね」

集  「それより今、ヒゲダルマ!なんて悪い言葉を口にした子はだれだぁ~お尻ぺんぺんしてやるぞ~」

タクミ「ヤバい、逃げろ!」

ケン坊「アハハ!」

楽しそうに声をあげて逃げる子供達。

集さんはわざと追いつかないようにして、追いかけるふりをしてあげている。

(ふふ、なんだか楽しそう・・・)

おばちゃん「はいはい。みんなそろそろおやつにしようかね~」

ゲームが終わると、おやつタイムになり、私が担当したカップケーキや、お母さんたちが焼いたクッキーが振る舞われた。

奥さん「柏原さん、調理場に飲み物があるから持ってきてくれるかしら?」

主人公「柏原って・・・」

(あ、そうだ。今日は私、集さんの奥さんってことになってるんだった)

主人公「柏原さん・・・。ちょっと不思議な気分だけど、悪くないかも」

集  「○○ちゃん。なんだかニヤニヤしてどうしたの?」

主人公「えっ、あ、えっと・・・なんでもないです!ジュース取りに行ってきますね」

調理場に行き、子供たちにジュースを配った。

子供達「カップケーキ、うまーい!」

集  「はい、○○ちゃんの分」

主人公「こんなに喜んでもらえてよかったです」

集  「実はオレもちょっと楽しみだったりして。よし食べようかな・・・」

(あれ、リキヤくんまた一人ぼっちだ・・・)

ふと見ると、ひとりだけ隅の方で寂しそうに食べている。

主人公「集さん、リキヤくんがまた・・・」

集  「ほんとだな。よし、こっちに呼んであげようか」

主人公「はい」

集  「リキヤくん、こっちにおいで。おじさん達と一緒に食べよう」

リキヤ「うん!」

リキヤくんは駆け寄ってくると、私と集さんの間に挟まるようにしてちょこんと座った。

(か・・・可愛い!)

(男の子が生まれたらこんな感じなのかな・・・)

思わず集さんを見ると、集さんもこちらを見ながらにこにこと微笑んでいた。

集  「男の子も、なかなか可愛いもんだね。オレらにも早く子供が出来るといいな・・・」

主人公「ふふ、私も似たような事考えてました」

集さんがリキヤくんの頭をポンポンと撫でる。

集  「おいしいかい?」

リキヤ「うん、すっごくおいしい!」

主人公「喜んでもらえてよかった!」

主人公「あれ、リキヤくんもう食べ終わっちゃったの?」

リキヤ「うん・・・もうちょっと食べたかったなあ・・・」

(そうだ、せっかく褒めてもらったし、私の分もあげようかな・・・)

  やめたほうがいいと思うよ?

  他の子が怒ると思うからね

主人公「はい、リキヤくん。お姉ちゃんの分もどうぞ」

リキヤ「いいの?」

主人公「いいよ。どうぞ召し上がれ」

リキヤくんにカップケーキを手渡したその瞬間。

バシッ!

誰かが無理矢理、リキヤくんの手からカップケーキを奪った。

タクミ「こいつだけおかわりとか、ずりーし!」

  やっぱり来たか・・・

集  「こらタクミ・・・小さい子には優しくしなきゃダメだぞ」

リキヤ「う、うう・・・わーん」

主人公「リキヤくん!」

リキヤくんはびっくりして泣き出してしまった。

鳴き声をききつけた奥さんたちや子供達も、何があったのかと集まって来た。

タクミ「オ、オレは悪くないし!」

タクミ「コイツがするいことしようとしたから、ダメだって言おうと思っただけだし!」

ヒロミ「うっ・・・うう・・・わーん!」

騒然とした雰囲気に、他の子どもたちまで泣き始めた。

主人公「びっくりしちゃったね、ごめんね。大丈夫だから泣かないで・・・」

リキヤ「うわー・・・」

ヒロミ「うっううっ・・・」

タクミ「オレが泣かしたわけじゃないからな!」

タクミくんも今にも泣きだしそうだった。

(どうしよう!私のせいで騒ぎになっちゃった・・・)




つづく---