以下ネタバレです












(流輝さん、もう寝てるかな・・・)

電話をして少し待っていると、流輝さんの声が聞こえてきた。

流輝 『ん、どうかしたか?』

主人公「夜遅くにすみません。実は、クリスマスにお休みをもらえることになったんです。だから、よかったら一緒に過ごしませんか?」

流輝 『へー、そうか』

主人公「そうかって、それだけですか・・・?」

(喜んでもらえると思ったのに・・・)

  じゃあ、いい (`ε´)

流輝 『お前が可愛そうだと思ってな』

主人公「え、どういうことですか?」

流輝 『今、クリスマスを過ごせないお前に、どうやってお仕置きをしてやろうか考えてたとこだ』

  うっ・・・私のせいじゃないのに~

  お仕置きってなによっ!

流輝 『今までで最高のお仕置きを考えてやったのに』

主人公「な、何、言ってるんですか!」

流輝 『くくっ、嬉しいだろ』

  そこまでMじゃないので・・・正直今引いてます( ̄ー ̄;

主人公「全然嬉しくないですよ!」

(電話越しなのに、流輝さんのいじわるな顔が浮かんでくるんですけど・・・!)

流輝 『じゃあ、クリスマスは開けておけよ?』

主人公「はい!どこに行きましょうね。黒狐だとみんながいるでしょうし・・・」

  クリスマスに黒狐は・・・いいよσ(^_^;)

流輝 『オレに任せとけ』

主人公「そうですか?じゃあ、お願いしますね」

その日は、特にそれ以上の会話をすることなく、クリスマス当日がやってきた。

(流輝さん、まだ来てないみたい)

今日はドレス姿で来い、と流輝さんに言われ朝からてんてこ舞いだった。

(クリスマスにこんな格好するなんて、初めてかも・・・)

(髪も美容院に行ったし・・・変じゃないと思うんだけど、やっぱり心配!)

(その上・・・私ぐらいだよ、こんな正装姿で立ってるの)

  でしょうね・・・

  待ってる間が恥ずかしい・・・(/ω\)

先程から、チラチラと見てくる人の視線を感じる。

出来るだけ目立たないように隅の方に立ってるけど、隅だから視線が集中しやすい。

(目立つよね・・・。やっぱり恥ずかしい!)

主人公「はあ・・・」

流輝 「なに、ため息ついてんだよ」

主人公「流輝さんっ!」

車から降りて、近づいてくる流輝さんの元に駆け寄った。

  迎えに来てくれるなら、自宅がよかった

流輝 「待たせたな。思った以上に道が混んでて、まいった」

主人公「待つのは平気ですけど、恥ずかしかったです」

流輝 「たまには、注目を浴びてみるのもいいんじゃないか?いつもは影薄く生きているわけだし」

  もしかして、放置プレイでした?

主人公「たまにはって・・・もう!」

流輝さんは唇の端を吊り上げながら、まじまじと私の全身をみてきた。

主人公「な、なんですか・・・?」

(何て言われるんだろう・・・うう、緊張してきた)

  私も・・・

流輝 「へー、なかなか似合ってるじゃねーか。馬子にも衣装ってやつだな」

主人公「・・・」

(流輝さんらしい・・・褒め方。褒められてるよね・・・うん、大丈夫)

そんな物言いにも慣れた自分に、少し笑ってしまう。

流輝 「何笑ってんだ?さては、オレに脱がされるところでも、想像したのか?」

主人公「す、するわけないですよ!しかも、こんなところで何言ってるんですか」

流輝 「つまらん」

主人公「つまらんって・・・」

流輝 「オレのために着てきたんだろ?ちゃんと脱がしてやる」

  はいはい・・・

  ダメだ・・・この態度の流輝好きになれない・・・o(TωT )

  でもでも、せっかくだからね、努力する!

主人公「べ、別にそんなことしなくていいです・・・!」

流輝 「ったく、色気がないな。ほら、行くぞ」

  だって、公衆の面前ですもの・・・照れってやつが働くんですよ

  二人っきりの時に言われたら・・・それなりに対応します(〃∇〃)

主人公「あ、はい・・・!」

流輝 「でも・・・・少し、もったいないな」

流輝さんがボソボソっと、なにか呟いてるのが聞こえてきた。

主人公「えっ・・・今、なんて・・・」

ポン、と頭を軽く叩き、車の中へ入ってしまった。

(気のせいだったのかな・・・?)

(勿体ないって、脱がすことだよね・・・)

  そっちか・・・

  てっきり人に見せびらかしたいのかと・・・(^▽^;)

流輝さんの本心が零れた言葉に、胸が自然と弾んだ。


主人公「そろそろ教えてくださいよ。今日はどこに行くんですか?」

流輝さんは車を走らせたけど、目的地は言おうとはしない。

流輝 「秘密。まあ、楽しみにしとけ」

主人公「はぁ・・・」

流輝 「そんなことより、水取って」

主人公「あ、はい。どうぞ」

(何か企んでいるようだけど・・・気になる)

(到着すれば分かることなんだろうけど、大丈夫かな)


車から降り、少し歩いた先に見えるホテルの前で流輝さんは立ち止まった。

流輝 「ここだ」

主人公「・・・ウソ」

到着した先は高級感漂うレストランで、中に入って行くお客さんはみんなドレスアップしている。

(ここ、ドレスコードある場所なんだ)

(こんなところ今まで結婚式ぐらいでしか来たことが・・・)

(ううん。それ以上に高級そう)

(本当にここに入っていいのかな・・・)

レストランに入っていく人たちはドレスを着なれている雰囲気だ。

流輝 「真剣な顔して、なに考えてんだ?」

主人公「いえ・・・私の格好がおかしくないか不安で」

流輝 「・・・ったく、オレが馬子にも衣装だって褒めただろーが。自信を持て」

主人公「は、はい・・・」

流輝 「驚かそうと思ったから言わなかったが、先に伝えておいた方がよかったか?」

主人公「・・・そうですよ。心の準備っていうものが、私みたいな一般人には必要なんです」

流輝 「めんどくせー女」

  でも、好きなくせに( ´艸`)

呆れたような笑を浮かべ、流輝さんは私の前に手を差し出してきた。

主人公「あの・・・これは?」

流輝 「今日はクリスマスだしな。たまにはお前をエスコートしてやる」

主人公「してやるって言いますけど、エスコートはもっと紳士的にするものですよ?」

流輝 「・・・ったく、いちいちワガママなやつだな」

流輝さんは私の手を取り、いつのも意地悪な瞳の色を消し見つめてくる。

流輝 「それでは参りましょうか、○○さん」

主人公「は・・・はい・・・」

優しく包むような物言いと物腰な流輝さんに思わずドキッとしてしまった。

(自分で言っておいてなんだけど、紳士的な流輝さんって変な感じ・・・)

(でも、すごく素敵だな)

正装姿の流輝さんにエスコートされ、レストランの中へ入っていく。


レストランでは高級フレンチのフルコースが出された。

主人公「食べるのが勿体ないくらい見た目も華やかでしたね」

流輝 「その割には、完食していたじゃないか」

主人公「う・・・すごく美味しかったので、とめられませんでした」

流輝 「ハハッ」

(最初は緊張していたけど、流輝さんとのおしゃべりに夢中になって忘れちゃってたし)

主人公「次はデザートですかね?クリスマスケーキ楽しみだなー」

流輝 「それはまだだ。そろそろイベントの時間だな」

主人公「・・・立ち上がったりして、どうしたんですか。それにイベントって・・・」

流輝 「行くぞ」

主人公「え、行くって・・・何があるんですか?」

差し出された流輝さんの手を取り、レストランを出て隣の会場に移動した。


華やかな会場では。恋人同士が楽しげに踊ってる。

主人公「これってまさか・・・ここダンスパーティですか!?」

流輝 「そういうことだ。行くぞ」

主人公「も、もしかして踊るんですか?」

流輝 「当たり前だろ。見学の為だけに来たと思うか?」

(それは思わないけど・・・)

主人公「私、ダンスなんてやったことないですよ。それこそ小学校の体育レベルです」

  フォークダンスならなんとか・・・(^▽^;)

流輝 「やっぱりか。ま、いい経験だと思え」

主人公「や、やっぱりって・・・分かってて、連れて来たんですか?」

流輝 「言ったろ?今日はオレがエスコートしてやるって」

主人公「は、はい・・・」

流輝 「なら、オレに体を預けてればいいんだよ。分かったら、ほら」

流輝さんは紳士的な笑みを浮かべ、手の平を差し出してきた。

(・・・えーい、何とかなるか!)

手を取ると流輝さんは優雅な足取りで踊り始めた。

流輝 「そんなに体に力いれんな」

主人公「はい・・・!」

流輝 「返事が固い。2人でいる時みたいに、艶めいた返事してみろよ」

主人公「何言てるんですか!」

流輝 「お前がそういう返事をするのは事実だろ?今さら恥ずかしがるなよ?」

主人公「あ・・・っ」

ドレスの裾を踏んでしまい、流輝さんの体に倒れこんでしまう。

主人公「す、すみません・・・」

流輝 「大丈夫だ。緊張しすぎなんだよ。オレ以外、○○の事見てるヤツはいない」

主人公「分かってるんですけど・・・」

流輝 「なんなら、ここでキスでもしとくか?熱くてとろけるようなヤツ」

主人公「なっ、何言ってるんですか!」

流輝 「まだしてないんだから、怒るなよ。したところで、誰も見てないって言ってるんだよ」

主人公「あ、そうでした。すみません・・・」

流輝 「まあ、キスじゃなくても楽しめるけどな・・・」

(何、笑ってるんだろう・・・)

主人公「ひゃっ」

流輝さんは受け止めたままの状態で、背中をしたから上に撫で上げていく。

流輝 「くく、声、出すなよ」

主人公「流輝さん!」

バッ、と流輝さんのかrdから離れたけど、背中には指の感触が残っている。

流輝 「ま、冗談はここまでだ。踊るぞ」

主人公「はい・・・」

(もう・・・どこまで冗談なのかわからないよ)

流輝さんのイタズラのおかげなのか、体から力が抜け足取りが軽くなった。

(体がスムーズに動いて、なんだか楽しくなってきた)

流輝 「オレに集中したいのは分かるが、もう少し音も聞け」

主人公「ふふ、はい」

流輝 「なんだ、その余裕の笑は」

主人公「なんか意外とダンスって簡単なんですね」

流輝 「バーカ。オレがうまいからに決まってんだろ」

主人公「エスコートの仕方にはドキドキしましたよ?」

流輝 「その感じが好きなんだろ?」

(嫌いじゃないけど・・・面と向かって言われるとは・・・)

流輝さんの行動と言動に振り回されながら、少しずつ慣れていく。

流輝 「ほら、ここでターン」

流輝さんは片手を離し、私の体を回転させようとする。

スポッ!

主人公「ええっ!?」

回転しかけたその時、ヒールが脱げて飛んでしまった。

主人公「ウソ・・・恥ずかしい・・・」

主人公「って、すぐに取ってきます!!」

流輝 「落ち着け。おまえ、裸足で行く気なのか?そこで止まって待ってろ。動くなよ、いいな?」

(撮りに行ってくれたんだ・・・)

(一歩ほど歩けば届きそうな距離なのにな)

流輝さんが戻ってくる姿を見ながら、申し訳ないような恥ずかしいような複雑な気分だ。

主人公「ありがとうございます、って、あれ?」

自分で履こうと足を前に出すけれど、靴は流輝さんの手の中。

その上、流輝さんは黙ったまま足を折り、その場に片方の膝をついて中腰になった。

主人公「り、流輝さん・・・」

黙ったまま流輝さんは童話のシンデレラに出てくる王子様のように、私に靴を履かせてくれる。

(本物の王子さまみたいに優雅で、キレイ・・・・)

お客1「あら、素敵ね、彼」

お客2「本当に。慌てた様子もなく、彼女にも恥をかかせないなんて。紳士だな」

周囲のペアからも感心の声が聞こえてきて、流輝さんが素敵なのだと再確認した。

立ち上がり流輝さんは、周囲の人たちに顔を向ける。

流輝 「皆さん、私達のことはお気になさらず」

何をするのかと思えば、優雅に一礼しダンスを再開させた。

  こういうところは流輝すっごく好きなのよね~

  自然に紳士的に振舞えるところ(≧▽≦)

  やっぱり育ちが良いからなのかな~?

一連の流れを見ていたからか、胸が締め付けられるようにドキドキしていて、振り返る流輝さんの顔を真っ直ぐ見ることができない。

(流輝さん・・・かっこよすぎ・・・)

流輝 「何顔赤くしてんだよ」

からかうような口調で、私の頬に触れてきた。

主人公「それは・・・なんていうか、流輝さんが格好良くて・・・」

流輝 「どう、格好良かったんだ?詳しく、教えてほしいもんだ」

(こ、この人は・・・)

ニヤリと音が聞こえてきそうな意地悪な笑みを浮かべている。

流輝 「なあ、早くしろよ」

耳元で囁くようにせっつかれると、胸の鼓動が加速してしまう。

主人公「流輝さん、私で楽しんでますね・・・」

流輝 「バレたか」

主人公「ひどいです!でも・・・あの、ありがとうございました」

流輝 「いちいち感謝するな。お前がミスをすることなんて、全部想定の範囲内だろ」

主人公「もう!」

(私と流輝さん。素直じゃないところが似てるのかな・・・?)

なんてことを思いながら心拍数を整え、もう一度流輝さんと踊り始めた。

流輝 「さっきより、上達してんじゃないか?」

主人公「そうですか?そう言ってもらえると嬉しい・・・あっ」

気を抜いた瞬間、隣で踊っていたカップルにぶつかってしまう。

主人公「す、すみません・・・」

主人公「いえ、大丈夫ですよ。お気になさらず」

流輝 「○○、大丈夫か?」

主人公「私は大丈・・・っぅ」

(歩くと足が痛い・・・)

どうやらぶつかった拍子に足を捻ってしまったようだ。

(どうしよう・・・だんだん痛くなってきちゃった・・・)





つづく---