以下ネタバレです
(クリスマスデートができるなんて、嬉しいな)
(拓斗さんに早く電話しよう)
主人公「もしもし、拓斗さんですか?」
拓斗 『オレにかけてんなら、オレが出るに決まってんだろ』
まぁ、そうなんですけどね・・・
(・・・なんか機嫌がわるいみたい?)
(忙しかったのかな)
主人公「もしかして忙しかったですか?」
拓斗 『べつに・・・。なに?』
言いずらいな・・・
(あれ・・・やっぱりご機嫌ナナメっぽいな)
主人公「あの実は私、クリスマス当日にお休みをもらえることになったんです。だから次のお休みは連休で・・・」
拓斗 『・・・』
(あれ、あんまり喜んでくれてないみたいだけど、どうしたんだろう?)
主人公「あの・・・拓斗さん、喜んでくれないんですか?」
拓斗 『・・・』
拓斗 『オレ、仕事だし・・・』
えっ?そうなの!?
てっきり、電話の向こうでガッツポーズでもしてるかと・・・
主人公「へ?」
拓斗 『クリスマスもクリスマスイブも仕事・・・』
主人公「ええっ!?」
主人公「だ、だって拓斗さん、クリスマスは休みだって言ってたじゃないですか?」
拓斗 『お前は仕事だって言ってたし、一人で過ごすクリスマスとかマジ勘弁だろ・・・』
拓斗 『だから・・・』
主人公「だから?」
拓斗 『休日の当番出勤だった上司と、休みを代わっちまったんだよ!』
(T▽T;)
拓斗 『おめー、もっと早く言えっつーの!』
ごめんなさい・・・(TωT)
主人公「す、すみません。私も今日、急に休みをもらえるってなったから・・・」
拓斗 『まーべつに。○○が悪いわけじゃねーけど・・・』
拓斗 『オレだって初めての・・・楽しみに・・・』
その時突然ノイズが入り、拓斗さんの声が聞きとれなくなった。
主人公「もしもし、電波が悪いみたいです。すみません・・・」
主人公「いま何か言いましたか?」
拓斗 『べ・・・別に!』
拓斗 『つーか、今さら休みを元に戻してくれとか言えねー・・・』
拓斗 『どうすっか・・・』
主人公「はぁ・・・」
名前忘れちゃったけど、同僚でいるじゃん!!
絶対彼女いない人がっ!
彼に替わってもらっちゃうとか?( ´艸`)
その時、拓斗さんの背後で聞いた事のある誰かの声がした。
???『拓斗くん、一番くじで1等当てたんだな!』
あっ、こいつっ!!!
(あれ・・・この声は・・・)
拓斗 『・・・お、カモが来た』
主人公「カモ?」
拓斗 『ちょっと待ってろ、オレがなんとかする・・・』
拓斗さんの声が遠くなった。
拓斗 『おいキモ山、おまえ25日出勤だから』
あー、そうそう!!!キモ山っ!!!!( ´艸`)
細山 『なっ、いきなりなんなのだ!』
あっ、細山だった(^_^;) ま、いっか
(あ、細山さんの声がする・・・)
拓斗 『25日、オレの休出とおまえの休みを代われ。どーせ、クリスマスなんて、死ぬまでずっと暇してんだろ?』
(そうか。もしかしたら細山さんなら代わってくれるかも?)
細山 『ふっふっふ・・・ダメなのだ!その日は大事なデートなんだな~』
主人公「う、うそ!」
(はっ、思わず失礼なこと言っちゃった・・・)
拓斗 『おい待て、逃げんな!てめーウソつくんじゃねー!』
細山 『拓斗くん、僕の事非モテのキモオタクだと思ったら大間違いなんだな!』
違うの?だって実際そうでしょ?
細山 『最近彼女が出来たんだな~』
2次元で?
拓斗 『ちくしょー、逃げられた・・・』
拓斗 『もしもし・・・交渉失敗』
主人公「今なんだか、衝撃発言が聞こえたような気がするんですけど・・・・キモ・・・じゃなかった細山さんって彼女がいたんですね」
拓斗 『は?んなのウソに決まってんだろ。つーか○○、明日、仕事が終わったらこっちに来い』
拓斗 『お前も、オレと一緒にあいつを説得しろ』
えーっ!!∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
拓斗 『じゃーな』
主人公「ちょ、ちょっと待ってください!」
ブツッ
主人公「拓斗さ・・・あ、もう切れてる」
(面倒なことにならないといいけどな・・・)
(しょうがない、明日は仕事帰りに拓斗さんの会社に寄ってみよう・・・)
細山 「絶~対ッ!ダメなのだ!」
拓斗 「つーか、キモ山のくせにクリスマスに女とデートとか生意気だし!」
細山 「なんなのだ、そのジャリアンみたいなセリフ!ホラえもーん、助けてなのだ~」
主人公「た、拓斗さん!何やってるんですか?」
拓斗さんの会社につくと、廊下で二人が大騒ぎしているのが見えた。
主人公「こんな真ん中で騒いだら目立ちますから、移動しましょうよ」
拓斗 「つーか、お前が遅いからこんなんなってんだろうが!」
主人公「私だって仕事がありますし、急に言われても・・・」
細山 「おー、」やだやだ。リア充の痴話げんかは犬も食わないんだな」
主人公「キモ・・・じゃなかった、細山さんこんばんは・・・」
細山 「○○ちゃん、こんばんはなのだ。相変わらず可愛いんだな」
拓斗 「お、おまえ今・・・オレの○○の事を名前で呼んだだろ!しかもオレ以外のヤツがこいつに可愛いとか言うな!ってか、○○が腐るから見んな!」
細山 「ボクは自分の気持ちに正直な男なのだ。ツンデレを売りにして、いつもひねくれている拓斗くんとは違うのですよ」
拓斗 「お、おまえ・・・」
主人公「もう!やめてください!」
主人公「ほら、二人と来とりあえず移動しましょう、ね?」
言い合いを始めそうになる二人を引きずって、端の方に移動する。
主人公「カフェでも行きますか?」
拓斗 「だな。話は長くなりそーだし」
細山 「ダメです。ボクは忙しんですよ、拓斗くん。リリ子ちゃんがお家で僕を待ってるから早く帰るのだ」
拓斗 「!」
主人公「え、細山さん彼女と同棲してるの!?」
細山 「そうですよ」
拓斗さんと二人で顔を見合わせて驚く。
拓斗 「んだよ・・・じゃ、クリスマスはその女とデートなのか?」
(さすがに彼女とデートなら、代わってもらうわけにはいかないよね・・・)
細山 「クリスマスはサンタコスしたリリ子ちゃんのフィギュアをお迎えに行って、限定のデータカードをもらってくるんだな」
主人公「データカード?」
拓斗 「おい、キモ男」
細山 「ん?」
拓斗 「お前の彼女って、ゲームの中の彼女とかいうヤツじゃねーだろーな・・・」
細山 「しどい!しどいよ拓斗くん!ボクたちはこんなに相思相愛なのに、拓斗くんまでそんな風に差別するなんて!」
細山 「ほら、こんなに可愛いんだよ!」
細山くんがバックの中から、携帯ゲーム機を取りだし、画面を見せてきた。
主人公「ラブマイナス・・・?」
拓斗 「お・・・おまえ、オレをバカにしてんのか!思いっきり二次元じゃねーか!」
細山 「二次元は三次元と違って裏切ったりしないんだな!」
細山 「ほら、今だって僕が愛に来るのを楽しみにしてたんだな!」
拓斗 「・・・」
細山 「そして、クリスマスは、トコブキ屋限定のリリ子ちゃんサンタフィギュアの発売日なのだ」
細山 「フィギュアについてくるおまけのIDを入力すると、ゲームの中のリリ子ちゃんがサンタコス・・・」
細山 「ぐふっ!」
拓斗さんが思い切り飛び蹴りを食らわせた。
主人公「た、拓斗さん、暴力はダメですよ!」
拓斗 「ちげーし。腰痛に効く、タイ風古式マッサージしてやっただけだし」
細山 「ボ、ボクはそんな脅しには屈しない強い男・・・限定フィギュアはまだしも、おまけのカードIDがもらえるのは先着100名までなのだ!」
細山 「ボクがどれだけクリスマスを楽しみにしていたか・・・」
細山 「い、いくら拓斗くんの頼みとはいえ、こればかりは無理なんだな・・・」
(なんだか泣きそうになってるよ・・・)
(ほんとに、心の恋人リリ子ちゃんに命かけてるんだね)
イタすぎるよ・・・(ノДT)
主人公「拓斗さん、もう諦めましょうよ。細山さんにだって、楽しみにしてることはあるんですし・・・」
細山 「○○ちゃん・・・優しいんだな。うるうる」
拓斗 「つーかお前、こいつのゲームとオレらのデート、どっちが大事なんだ?」
主人公「うーん・・・デートもしたかったですけど、細山さんの気持ちもわかりますし」
細山 「ボクの気持ちがわかるって・・・もしかして彼女さんは、実はオタクか何かで?」
拓斗 「アホか!ちげーっつーの!」
細山 「そうだ・・・もし、拓斗くんが僕のリリ子ちゃんに失礼の無いように彼女を優しく迎えに行ってくれるなら・・・美人の○○ちゃんに免じて、特別に休みを代わってやってもいいんだな?」
細山 「さぁ、拓斗くん。どーするんだい?」
拓斗 「てめー・・・!調子にのんな!んだよ、その上から目線は!」
細山 「ふぅん・・・そんな態度取ったら○○ちゃんが悲しむんじゃないのか・・・?」
(なんかしゃべり方がイケメン風になった・・・!)
拓斗 「くっ・・・!もーいい!今年のクリスマスは中止だ!」
主人公「ちょ、ちょっと待ってください拓斗さん!二人で買い物に行って、その後で出かければいいんじゃないですか?」
拓斗 「ん?」
主人公「買い物だけなら、すぐに終わりますし」
拓斗 「・・・そっか」
拓斗 「よろこべ、キモ山。しょーがねー、オレがお前の彼女を迎えに行ってやってもいーし」
細山 「ほぉ。余裕ですな、拓斗くん。しかし、現実はそう甘くはないですよ」
(うわ、細山さんからものすごいオタクのオーラが・・・)
細山 「リリ子ちゃんを狙う男は多いのだ。拓斗くん、くれぐれも先着のおまけカードが手に入らないなんてことの無いように頼むですよ!」
拓斗 「おー、そんなんよゆー」
主人公「拓斗さん。代わってもらえてよかったですね」
拓斗 「だな」
拓斗さんがニッコリ笑った。
クリスマス当日。
私達は細山くんのかわりに秋葉原までやって来た。
主人公「拓斗さん見てください!メイドさんがティッシュを配ってますよ!」
(アニメの大きな看板もすごい数・・・)
(未開の地、秋葉原・・・恐るべし・・・!)
主人公「噂には聞いてましたが、すごい所ですね・・・」
拓斗 「別に。いつも通りだし」
主人公「えっ、拓斗さんよく来るんですか?」
(拓斗さん、もしかしてあのお店の常連だったりして・・・)
(も、もしかしてアイドルに遭える劇場に通ってるとか?)
(私も頑張って制服とか着た方がいいのかな・・・)
いやいや、それはないな
拓斗 「おまえアホ?心の声が全部ダダ漏れ・・・」
呆れたように拓斗さんがいった。
拓斗 「ん、そこ」
主人公「えっ?」
拓斗 「そっちに行きつけのPCのパーツ屋があんだよ。元々ここは電気街だし」
主人公「な、なるほど・・・そうなんですね」
(あー、よかった。変な妄想しちゃった)
拓斗 「つーか、さみーし」
そう言うと拓斗さんが私の手を持つ。
拓斗 「お前の手、あったけー。つか、もっと近づけ」
主人公「わっ!」
拓斗さんに手を引っ張られ、二人の距離が急接近する。
拓斗 「ん、あったかくなった」
主人公「は、はい・・・」
(拓斗さんって変なところで恥ずかしがったり、大胆になったりつかめないな・・・)
拓斗 「ついた、トコブキ屋」
店の前にはすでにかなりの人が並んでいた。
主人公「結構並んでますね」
拓斗 「クリスマスに人形見て喜んでるオタクとか、キモすぎるだろ」
主人公「ちょ、ちょっと拓斗さん聞こえますよ!」
慌てて拓斗さんの口を押さえる。
拓斗 「つーか・・・人大杉だし。やっぱメンドイ・・・ブッチしよーぜ」
主人公「ダメですよ。クリスマス限定のおまけが欲しいって言ってたじゃないですか。今から並べば、まだ間に合いますよ」
拓斗 「別におまけ無くてもオレにはカンケーねーし」
主人公「でも、無理矢理代わってもらったんですから、約束を破ったらダメです」
主人公「お願いします、拓斗さん」
拓斗 「・・・」
主人公「一緒にいてくれないと寂しいな~なんて」
拓斗 「・・・」
主人公「拓斗さん、おねがい♪一緒に並ぼ?」
(って、やってて恥ずかしいな・・・)
拓斗 「・・・!」
拓斗 「しょーがねーなー」
拓斗 「おまえがそんなに言うなら並んでやっか・・・」
(やった!)
嫌そうにする拓斗さんと手を繋いで、列の一番後ろに並ぶ。
睨むように私達を見るオタクの皆さんはかなり殺気立っているようだ。
店員 「ただいまよりラブマイナス、限定フィギュアの販売開始です!おまけはレジ先着100名まで!」
主人公「いよいよですね」
拓斗 「うわ、押すな」
突然動き出した行列に、飲まれるようにして売り場まで向かう。
主人公「ちょ、ちょっと待ってください!」
(これじゃ、並んだ意味無いんじゃ!)
主人公「きゃっ!」
店内は恐ろしいほど混乱している。
拓斗 「○○、こっちこい!」
拓斗さんが、私を後ろから抱きかかえるようにしてくれる。
そのまま抱きしめられたような体勢でフィギュア売り場まで進む。
拓斗 「つーか、なんだよこの無駄なエネルギー集合体・・・キモオタクのくせに・・・」
オタク「おっとー、今のは聞き捨てならんセリフですな。ここは、リア充がいちゃいちゃしにくるような場所ではないでござるよ!」
主人公「ご、ござるって・・・」
拓斗 「うっせーし」
拓斗 「ほら、もう少しで・・・」
拓斗さんがフィギュアに手を伸ばした瞬間・・・
オタク「リア充め、貴様には渡さん!」
主人公「えっ!?」
突然ジャンプをしたオタクが、拓斗さんの持っていたフィギュアを横取りした。
その身体能力違うとこに使ったら?
拓斗 「てめー、なにすんだ!」
拓斗さんがフィギュアを取り返そうとすると、別のオタクがやってきて、手に持っていた怪しい紙袋で足を引っかけた。
なんて陰湿なヾ(。`Д´。)ノ
拓斗 「うわっ・・・」
主人公「危ない!」
踏み出した足に紐が引っ掛かり、拓斗さんがバランスを崩す。
ビッターン!
主人公「拓斗さん!」
オタク「イケメンが転んだでござる」
オタクで性格悪いって救いようないじゃん!!!
拓斗 「つーか、あぶねーだろ!」
鋭い眼光でオタクたちを睨んだ。
(うわ・・・あの目つき本気で怒ってる)
オタク「クク・・・、効かんなぁ。残念ながら、男に萌える趣味は無いでござる」
主人公「拓斗さんの目力が効かないなんて・・・」
(オタクの皆さん、恐るべし・・・)
主人公「拓斗さん、大丈夫ですか?」
(あっ、膝のところに血がついてる!怪我しちゃったんだ・・・)
主人公「アゴも打ったみたいですね・・・」
怪我させるとかひどすぎる!!
オタク「貴様のようなイケメンに、我々がいつもどれだけバカにされていることか・・・」
オタク「こいつには、絶対特典カードを渡すなよ!」
オタクたち「おー!」
拓斗 「つーか、オレにケンカ売るとか・・・てめーら、どーなるかわかってんだろうな」
主人公「待ってください、拓斗さん」
(こんなところでケンカしたら、フィギュアどころじゃなくなっちゃうよ・・・)
主人公「拓斗さん、お願いです。我慢してください!」
オタク「そうだ!大人しく帰れ」
(ちょっと、この人達・・・どこまでバカにすれば気が済むの・・・?)
主人公「あなたたち聞こえないんですか・・・さっきから危ないって何度も・・・言ってますよね?いい加減にしないと・・・」
オタク「ん?美人さんが何か呟いてるでござる。もしや我々のカッコよさに気付いちゃったとか?」
んなわけないでしょ?気持ち悪っ!!
主人公「!」
カチッ・・・
その時、私の頭の中で何かのスイッチが入る音がした。
つづく---