以下ネタバレです







主人公「パワースポットかな」

瑞貴 「ふふっ。○○、パワースポットとか結構興味持つよね」

主人公「瑞貴はそう言うの興味ない?」

瑞貴 「ううん。面白そうだし、いいんじゃない」

瑞貴 「黒澤さん、それ、どのへんにあるの?」

黒澤 「うーん・・・オレも詳しいことはわからないんですけど・・・雪山の中腹くらいだったかなぁ」

黒澤 「古い展望台があって、そこから『奇跡の湖』を見下ろすと幸せになれるとか、奇跡が起こるとか、そんなかんじだったはずですけど」

主人公「奇跡の湖・・・」

瑞貴 「ますます面白そうだね。クリスマスだから、なにか奇跡が起こるかもしれないよね?」

(なにか素敵な事が起こるといいな)

昴  「・・・おいおい、本気か?お前ら」

そら 「ダメダメ、雪山だろ!?遭難したら大変だって!」

海司 「雪山は天気が変わりやすいっていうぞ?」

瑞貴 「大丈夫ですよ。何があっても○○の事は僕が守りますし。もし、道に迷ったら、ノウサギ達に道を聞きますから」

全員 「・・・」

昴  「・・・まぁ、瑞貴だしな」

海司 「いや、でも、ばったり会ったのがクマだったらどうするんっすか」

そら 「瑞貴なら普通にクマに道聞くんじゃね?森のクマさんみたいに・・・」

海司 「ちょっと違う気が・・・」

昴  「お前なら、クマと格闘しそうだけどな。海司」

海司 「いや、さすがに無理っすよ。班長じゃあるまいし」

桂木 「オレにも無理に決まってるだろう」

そら 「ええー?班長ならできそうなのにー」

そら 「あとどっかのサイボーグ警視とか・・・」

海司 「同感っす」

桂木 「お前らはオレをなんだと思ってるんだ・・・」

石神 「・・・サイボーグとは私のことか?」

そら 「げっ・・・」

黒澤 「あー、でも、その展望台までの道のり、かなり険しいらしいんですよね」

主人公「そうなんですか?」

黒澤 「ええ。だから、辿り着ける人も結構少なくて、地元では『奇跡の湖』って呼ばれてるらしいです」

主人公「そうですか・・・」

(もし辿りつけなかったら、全然楽しめなくて半日が終わっちゃうのかな)

(瑞貴にとっては、せっかくの慰安旅行なのに)

そら 「やっぱり、やめといたほうが良くね?ってことで、オレらとゲレンデに行こうよ、○○ちゃん」

海司 「そのほうが安心だぞ?」

昴  「スキーでもスノボでも、オレが教えてやるぞ。○○」

主人公「いえ、でも・・・」

瑞貴 「僕がついてる限り、○○が遭難する事なんてないですよ。僕が接待に○○を守りますから」

(瑞貴・・・)

黒澤 「そうですよ!それでも万が一、藤咲巡査部長と○○さんが遭難した時は・・・」

黒澤 「きっと、石神さんと後藤さんが助けに行ってくれますって!」

主人公「え?石神さん達が?」

石神 「何を勝手に決めてるんだ、黒澤」

後藤 「助けに行くなら、お前が一人で行け。我々は温泉に行くんだ。訓練にもなるしいいだろ」

黒澤 「ええっ?そんな昼間っから温泉って、ジジくさ・・・」

後藤 「何か言ったか」

黒澤 「いえ、なにも!昼間から温泉なんてお肌つるつるになっちゃいますねー!」

瑞貴 「ふふっ、大丈夫ですよ。僕が○○に付いている限り、公安の皆さんの手を煩わすようなことは・・・」

憲太 「○○さん!」

ぎゅっ!

主人公「ま、真壁さん?」

憲太 「SPや公安のみなさんはもちろんのこと、この真壁憲太も、いざとなれば真っ先に○○さんのもとに・・・」

瑞貴 「だから、万が一のことなんか起こらないから心配しなくても大丈夫だよ、憲太」

瑞貴 「ついでに、どさくさにまぎれて握った○○の手も離してくれないかな?」

憲太 「あ、その・・・すみませんっ」

そら 「憲太って、ときどき命知らずだよなぁ」

海司 「同感っす」


そら 「はいはーい、みなさーん。今日の夜はクリスマスパーティだから7時までにはロッジに帰ってくるってことで!」

そら 「料理の方は昴さんよろしく~」

昴  「ああ。でもさすがに人数が多いから、誰か手伝えよ」

みどり「あ、私やります」

小杉 「この小杉もお手伝いいたしますわ」

そら 「憲太と黒澤は買い出し係よろしくな」

憲太 「わかりました!」

黒澤 「任せてください」

昴  「んで、ゲレンデに行くのは、オレとそらと海司と・・・」

憲太 「僕もゲレンデに行きます」

黒澤 「オレもまだ若いんで、今回は警護課の皆さんとご一緒させてください」

後藤 「・・・どういう意味だ、黒澤」

黒澤 「ハハハ、深い意味はありませんよ」

みどり「部長は、もちろんゲレンデに行きますよね」

小杉 「ええ、準備万端よ!」

海司 「なんだ、その短い板は。子供用か?」

昴  「ファンスキーだろう。小杉、滑れるのか?」

小杉 「もちろんですわ、昴王子。この小杉、かつてはスノークィーンの称号を勝ち取った身!」

そら 「なにそれ?」

主人公「前にサークルの皆でスキー旅行に行ったことがあるんです。そこのゲレンデでスノボのタイムレースがあったんですけど、小杉部長、見事優勝して・・・」

みどり「部長のターンは、イルカのように華麗なんですよ」

瑞貴 「イルカ・・・」

そら 「いや、イルカの『ように』だからな、瑞貴」

桂木 「じゃあ、我々は温泉に行こうか」

石神 「そうですね」

後藤 「どんな滝が見られるのか楽しみですね」

桂木 「なんなら、滝に打たれるのもいいな!」

  よくない・・・風邪ひくし

後藤 「・・・滝は観るためのものでしょう」

桂木 「そうか?うちの連中には強化合宿で打たせてるけどな・・・」

石神 「こんな極寒の中で滝に打たれたら風邪ひきます」

海司 「お前らは、やっぱり湖を観に行くのか?」

主人公「うん」

昴  「遭難するなよ」

そら 「ちゃんと7時までに戻って来いよ」

瑞貴 「心配いりませんよ。それじゃあ、また夜に」

みどり「気をつけてね」

深い雪に覆われた遊歩道を進みながら、あたりの景色を見渡す。

主人公「すごいね。まさに『銀世界』ってかんじ」

瑞貴 「さっき、案内所の人に聞いたんだけど、昨日の夜もかなり振ったみたいだよ」

主人公「だから、こんなにあたり一面真っ白なんだ・・」

主人公「あ、見て!足跡があるよ」

瑞貴 「これは・・・たぶんノウサギの足跡かな」

主人公「じゃあ、このへんにいるってこと?」

瑞貴 「おそらくね。たぶん、このへんの枝を食べに来たんじゃないかな。雪が積もると、地面から高い位置にある木の枝にも届くようになるから」

主人公「そっかぁ。たしかに・・・」

瑞貴 「し・・・っ」

ふいに、瑞貴が声を潜める。

瑞貴 「・・・見て。ほら、あそこ」

(あ!本物のウサギ!)

瑞貴 「ふふっ。あのコ、夢中になって木の皮を食べてる・・・。でも、珍しいな・・・昼間から出てくるなんて。昼はお休みしてることが多いのに」

(瑞貴、すっかりウサギに夢中になってる・・・)

主人公「ウサギ、可愛いね」

瑞貴 「うん。○○の次にね」

  さらっと言われると照れちゃう・・・(/ω\)

主人公「えっ?」

瑞貴 「僕が一番可愛いと思うのは、いつだって○○だもの」

瑞貴 「トウホクノウサギよりもフレンチアンゴラよりもネザーランドドワーフよりも○○が一番可愛いよ」

  そんな、種類言われてもね・・・ネザーランドドワーフしかわからないよ・・・

主人公「・・・う、うん。よくわかrないけど、とりあえずありがとう」

  やっぱわからないよね~( ´艸`)

パタパタパタ・・・

主人公「あ・・・ウサギ、逃げちゃった」

瑞貴 「僕と○○が仲良しだから、やきもち妬いたのかもしれないね」

主人公「瑞貴ってば・・・」

瑞貴 「じゃあ、行こっか。案内所の人の話だと、うまくいけば1時間くらいで辿りつけるらしいけど・・・」

瑞貴 「大丈夫?疲れてない?」

主人公「平気だよ。瑞貴が一緒だから」

(って、その時は思っていたんだけど・・・)

主人公「・・・ねぇ、瑞貴・・・そろそろ歩き出してから2時間経つよね」

瑞貴 「うん、経つね」

主人公「展望台・・・全然見当たらないね」

瑞貴 「うん、見当たらないね」

主人公「あの・・・まさか、これって・・・」

瑞貴 「迷ったみたいだね」

主人公「ええっ!?」

  そんな明るく言われても・・・

瑞貴 「大丈夫だよ。そんなに慌てなくても。ここ、遊歩道だから、ずっと歩いていれば必ずどこかに辿りつくはずだし」

主人公「どこかって・・・」

(そんな、大雑把な・・・)

瑞貴 「不安?」

主人公「うん・・・」

主人公「それに、せっかくの慰安旅行なのに、こんなふうに道に迷ったりしてたら全然楽しめないじゃない」

瑞貴 「そんなことないよ。僕にとっては○○と二人きりでいられることが一番楽しいもの」

瑞貴 「○○は?そんなことない?」

主人公「ううん、私も・・・瑞貴と一緒にいられるのが、一番楽しいよ」

瑞貴 「じゃあ、少しくらい迷ったっていいじゃない」

  そういう問題かな?

  寄り道せず目的を果たして尚且つ二人っきりってのが理想なんですけど?

瑞貴 「それに、万が一遭難したら・・・」

瑞貴は手を伸ばすと、私をそっと抱き寄せる。

瑞貴 「こんなふうにね。ずっとあたためてあげるから」

主人公「うん・・・」

瑞貴 「・・・ふふっ。今日の○○は、素直で可愛いね。いつもなら、恥ずかしがって『外ではやめて』とか言うのに」

主人公「だって、今は私と瑞貴しかいないし」

そのとき、なにかがふわりと落ちてきた。

主人公「あ・・・雪・・・・」

瑞貴 「まさにホワイトクリスマスだね」

主人公「うん。なんだかロマンティックだね」


10分後。

(やだ・・・雪がすごすぎて、まともに目を開けてられない・・・!)

(これじゃあ、ホワイトクリスマスどころじゃないよ)

瑞貴 「○○、大丈夫?」

主人公「なんとか・・・。瑞貴は?」

瑞貴 「ちょっと厳しいかも・・・」

主人公「瑞貴、見て!あそこ!トンネルみたいなのがある!」

主人公「ふぅ・・・すごい雪だったね」

瑞貴 「うん。あっという間に吹雪になっちゃったね。とりあえず、勢いが弱まるまで待とうか」

主人公「そうだね。このままだと、進むことも戻ることもできないもんね」

頭に積もった雪を払い、ホッと息をついたところで、あたりを見回す。

周りの壁はコンクリートではなく、ゴツゴツとした岩肌で・・・

主人公「・・・ここ、もしかして洞窟?」

瑞貴 「そうみたいだね」

うなずきながら、瑞貴が荷物を広げはじめる。

主人公「なにしてるの?」

瑞貴 「懐中電灯を取り出そうと思って。念のため、ロッジにあったのを借りてきたんだけど・・・」

瑞貴はスイッチを入れると、洞窟の奥を照らす。

けれども、光は暗闇の中に吸い込まれていくばかりだ。

瑞貴 「かなり長い洞窟みたいだね」

主人公「うん」

瑞貴 「ちょっと行ってみようか」

主人公「え?危ないよ、何があるかわからないのに」

瑞貴 「大丈夫だよ。ほら、足元を見て。人が行き来してる形跡がある」

主人公「・・・クマとか動物じゃなくて?」

瑞貴 「人だよ。間違いない。ずっとここで待っているのもなんだし・・・せっかくだからちょっと探検してみようよ」

主人公「瑞貴がそこまで言うなら・・・」

私は、恐る恐る瑞貴の手をとった。



つづく---