以下ネタバレです
スノボを終えてロッジに戻ると、クリスマスパーティの準備を始めることになった。
主人公「桂木さんたちは、まだ戻ってきてないんですね」
昴 「のんびり疲れを取ってるんだろ」
昴 「○○、そこの卵取ってくれ」
主人公「はい」
小杉 「ツリーに載せる綿の分量には注意して!均等に薄く乗せていくのよ!」
憲太 「こ、こんな感じですか?」
黒澤 「さすが、演劇サークルの部長さんですねー」
小杉 「海司バトラー!その飾りはもうちょっと左よ!」
海司 「お・・・おう、こうか?」
小杉部長には敵わないね~( ´艸`)
みどり「小杉先輩、舞台設置の時も細かくチェックするからねー」
私とみどりは昴さんの料理の手伝いをし、リビングでは小杉部長の指示の元、飾り付けが進んでいた」
主人公「七面鳥の丸焼きなんて作るの初めて・・・」
みどり「この七面鳥、内臓入ってるんですか?」
昴 「いや、もう下処理したやつだから余計な手間はかからねぇよ。コイツの中に入ってるのはタマネギなんかの野菜だけだ」
昴さんは七面鳥をオーブンにのせる。
昴 「これを焼いている間にグレービーソースを作って・・・ケーキの準備も始める」
主人公「オーブンが二つあるロッジで良かったですね。まずはケーキを焼きますか?」
昴 「そうだな。ボウルと泡立て器はと・・・」
棚からボウルを取ろうと腕を上げた昴さんが顔をしかめた。
昴 「・・・っ」
主人公「昴さん!?ボウルが落ちそうですよ」
昴 「悪ぃ。ちょっと、手が滑った」
(手が滑ったって・・・今、痛そうな顔をしたような気が・・・)
昴 「オレがケーキを作ってる間に、○○と小竹はクリスマスクッキーを作ってくれ。分からなかったら聞け」
主人公「は、はい・・・」
みどり「ツリー型のクッキーとか、キャンディケイン型のクッキーとか・・・このレシピ、昴さんのお手製なんですね」
みどり「すごいね!○○」
主人公「うん・・・」
(昴さん、やっぱりケガをしてて、そこが痛むんじゃ・・・)
レシピ通りにクッキーを作りながら、私は昴さんが気になって仕方がない。
そら 「昴さーん、糸と針もってませんか?飾り付けに使うとかで・・・・」
昴 「針と糸?」
昴 「ああ・・・部屋に行きゃああるが・・・」
みどり「あ、テーブルの上に乗ってる私のバックの中に、ソーイングセット入ってますよ」
そら 「本当?それ、借りて良いかな?なんか、フェルトと綿でみんなの人形作ってツリーに下げるって話になっちゃってさぁ」
主人公「これから全員分作るんですか?」
そら 「うん。ま、この場にいない人の顔は、ちょっとくらい適当でも・・・」
そら 「あ、ねぇ、みどろいちゃんをコッチに借りても良い?裁縫得意な人がほしいし・・・」
昴 「ああ。下ごしらえは大体終ったからな。助かった、小竹」
みどり「いえいえ。昴さんの美味しいお料理を食べられるなら、お手伝いくらい、いくらでも!」
みどり「○○、あとは一人で大丈夫?」
主人公「うん。数はいっぱい作ったから、後はバランスを見て、作り足しておくね」
みどりが飾り付けの方に回って、キッチンには私と昴さんの二人だけになった。
昴 「・・・キッシュを作る前に、オーブンの様子を見ておくか・・・」
主人公「昴さん!」
私は昴さんの手に触れた。
昴 「どうしたんだよ。急に切羽詰ったような声を出して・・・」
主人公「・・・見せてください」
昴 「は?」
主人公「さっき、ゲレンデでぶつかった所を見せてください!」
昴 「なんだよ、突然。大丈夫だって、言っただろ?」
主人公「本当に大丈夫か、自分の目でちゃんと確認したいんです。昴さん、無理しないでください」
昴 「・・・オレがケガしてること確定みたいな言い方だな」
主人公「勘違いだったら、すみません。でも・・・心配なんです・・・」
昴 「・・・」
主人公「昴さんも私が風邪を引いて、隠してた時に言ったじゃないですか。オレに隠し事はするなって。だったら・・・昴さんも隠し事なんてしないでください・・・」
昴さんのシャツをきつく掴んだ私に、昴さんがフッと笑った気がした。
昴 「はぁー・・・、わかったよ」
昴さんが袖のボタンを外して、大きく腕まくりをする。
すると、肘の上二の腕の部分に大きなアザができていた。
主人公「!昴さん・・・!こんなにアザになって・・・痛くないんですか!?」
昴 「全く痛くないっていったらウソになるけど、気にするほどじゃねぇよ。それに、ケガなんていつものことだろ?」
主人公「いつものことだからって、気にしないでいいわけありません!昴さんは休んでてください」
昴 「この程度のケガで大げさだろ・・・」
主人公「大げさじゃないです。昴さんは・・・・明後日からまた仕事なんですから」
(私を守ってくれたケガで、お仕事に支障をきたすようなことがあったら・・・)
主人公「ケガが多いお仕事だっていうのはわかってます。だから、プライベートの時だけでも・・・大事にして欲しいんです・・・」
昴 「○○・・・」
しばらくして、昴さんは私の頭を撫でてくれた。
主人公「昴さん?」
昴 「心配症だな。けど・・・お前に大事にされてるって実感したよ」
昴さんは私をぎゅっと抱きしめた。
昴 「な・・・キスしていいか?」
主人公「だ、ダメですよ!リビングじゃ、みんなが飾り付けしてるのに・・・っ」
昴 「ここなら死角になって、向こうからは見えねーよ」
じゃあ・・・(〃∇〃)
主人公「け、ケガに障りますよ!」
昴 「はは、カワイイやつ」
昴 「それじゃ、これだけで我慢してやるよ」
昴さんは私の頬に軽いキスをして離れる。
昴 「でも、料理どうすんだよ。オレがやらなきゃ・・・」
主人公「私が昴さんの分まで頑張ります!」
昴 「頑張るって・・・・」
昴 「料理はな、頑張って何とかなるところと、ならねぇところがあるんだけど」
主人公「だから、昴さんが隣で味付けとか飾り付けの指導をしてください。そうすれば、きっと上手く出来ると思います」
昴 「オレが料理に厳しいこと、分かった上で言ってんだよな?」
主人公「もちろんです!」
昴 「よし・・・覚悟しろよ?」
昴 「まずはサーモンとほうれん草のキッシュ、クリスマスツリー風からだ」
主人公「はい」
こうして・・・昴さんからの指示の元、私がクリスマスディナーの用意をすることになった。
昴 「ほうれん草でツリーの形を作るんだよ。サーモンで飾り付けをして・・・」
主人公「こんな感じですか?」
昴 「ああ、もっと、ほうれん草は大きく配置しろ。それから、コーンで星を作った方が可愛いな」
(キッシュにクリスマスツリーを描いちゃうなんて・・・さすが昴さん・・・)
昴 「次はミートローフだな・・・ナツメグ・・・いや、オールスパイスの方がいいか。よく混ぜて肉の臭みを消すんだ」
主人公「はい。ミートローフは森の丸太小屋に作るんですよね。うずらの卵で小人さんを作って・・・」
昴 「可愛い小人を作るコツは、目をちょっと下に作るんだ。爪楊枝で穴をあけて、そこに黒ゴマを入れてめにする」
主人公「えーと・・・これで、どうですか?」
昴 「ははっ、マヌケ面だな。ま、でもお前らしいからいいか」
すいません。作る人に似ちゃうんです・・・(^▽^;)
主人公「あ!ケーキも焼きあがったみたいです!」
昴 「よし、クリスマスディナーはケーキが主役と言ってもいい。気合入れろよ」
主人公「はい!」
昴さんのおかげで、私が作ったとは思えないご馳走が次々と出来上がっていった。
途中から帰ってきた桂木さん達が飾り付けに加わり、料理が揃う頃にはリビングはクリスマス一色だった。
主人公「わあ・・・キレイ・・・。本当に全員分のマスコット作ったんですね」
石神 「・・・これ、私ですよね?」
石神 「・・・悪魔のツノが生えているように見えるんですが・・・」
後藤 「・・・オレのにはシッポがついてます」
主人公「ほ、本当ですね」
昴 「へぇー、即席で作った割にはよく出来てんじゃねぇか」
後藤 「うるせぇよ」
石神 「・・・作ったのは誰だ?」
石神さんが振り返ると、飾り付けしたチームのみんなは一斉に顔を逸らした。
(たぶん・・・そらさんか黒澤さんあたり・・・?)
桂木 「まぁまぁ。せっかく、ご馳走を作ってもらったんだ。冷めないうちに食べようじゃないか」
全員 「はーい!」
助かりました(^▽^;)
シャンパンで乾杯をしてから、ローストチキンを取り分ける。
(美味しいって思ってもらえるといいんだけど・・・)
そら 「ん!美味い!このグレイビーソースとチキン、めちゃめちゃ合いますね!」
瑞貴 「さすが昴さんレシピですね」
昴 「たしかにオレのレシピだが・・・今回は、ほとんど作ったのは○○なんだ」
海司 「またまた、昴さんってば冗談を・・・」
海司!ひどいよ~!(´Д`;)
昴 「冗談じゃねぇんだよ。少し腕を痛めてな・・・」
瑞貴 「え?ゲレンデですか?」
主人公「スノーボーダーの人と強くぶつかっちゃって・・・」
桂木 「大丈夫なのか?」
昴 「ええ、折れてはいないし、アザが出来たくらいなんで」
そら 「そのボーダー、昴さんにケガさせて、よく無事だったなー」
昴 「んで、オレの代わりに○○が料理を全部やってくれたんだ」
みどり「○○、すごいね!」
そら 「いいなぁ。やっぱ、料理上手で家庭的な女の子って最高だよねー」
みどり「あ、小杉部長も料理上手いですよね」
主人公「そうそう、よくギネスに挑戦してて、世界で一番長い餃子を作ったりしてるんですよ」
小杉 「やるからには、何事も世界一を目指さなければね!二番手じゃダメなのよ!ギネスは一番だからこそ、価値があるの!」
そら 「そ、そっか・・・」
そら 「あはは・・・」
そら 「どっちかっていうと、オレは家庭的なレベルで料理上手な方がいいかも・・・」
みどりなんてどう?裁縫セット持ち歩いていて女の子らしいでしょ?
後藤 「オレは一柳の料理よりも美味しく感じるけどな」
石神 「○○さんの料理の方が、温かみがあるな」
昴 「はいはい、デビルコンビには人間の食い物の美味しさはわからねーだろーよ」
黒澤 「あ、悪魔のシッポとツノがついた石神さんと後藤さんのマスコット、写メ撮ったからあとで送りますね」
ぜひお願いします
石神 「黒澤・・・どうして、お前は何でも写真に残したがるんだ」
黒澤 「時は常に流れているんですよ。一瞬、一瞬を大切にしないと・・・」
黒澤 「はい!皆さん、こっち向いてー」
パシャ・・・というシャッター音が鳴り、ご飯を食べているみんなの姿が、黒澤さんの携帯カメラに収められた。
夕食が終わると、腹ごなしにと、雪だるま作りが始まった。
私は昴さんと一緒にウッドデッキから、みんなを眺めていた。
桂木 「昴、ゲレンデでのケガは本当に平気なのか?」
昴 「ケガって言っても、本当に軽いものだから心配いりませんよ」
桂木 「おまえが心配じゃなくても、△△さんが心配するだろう?あまり、心配かけるなよ」
昴 「・・・はい」
桂木 「すみません、△△さん。昴の事、よろしくお願いします」
主人公「は、はい!」
そう言うと、桂木さんはロッジの中に戻っていく。
主人公「桂木さんも、きっと心配してるんですよね?」
昴 「まぁ、そうだろうな。慰安旅行だってのに、責任感強すぎだよな」
そら 「やったー!雪だるま完成~!」
憲太 「わー!かわいいです!」
小杉 「こちらも完成よ!THE・スノーホワイト!」
海司 「うっわ!なんだこりゃ」
みどり「すっごくリアル!」
瑞貴 「そらさんの雪だるまが可愛そうに見えてくるくらい立派ですね」
瑞貴~みんなスキーウェアなのに、なんで警視庁の半被着てるの?
主人公「小杉部長が作ったのって・・・白雪姫の雪像ですよ!?」
昴 「札幌雪まつりかよ・・・レベル高すぎんだろ・・・」
昴さんは視線を落とすと、足元の雪を集め始めた。
主人公「昴さん?」
昴 「丸くギュッと形を作って、葉っぱと赤い実を付ければ・・・」
主人公「わぁ・・・雪うさぎ!」
昴 「雪だるまより、雪うさぎの方が可愛いだろ?白雪姫とも友達になれそうだしな」
主人公「はい!すごく可愛いです・・・」
空を見上げると、いつの間にか雪が舞い始め・・・みんなはいつの間にか雪合戦を始めていた。
黒澤 「フフフ・・・オレの魔球、受けてください!とりゃ!」
海司 「そんなへなちょこ玉・・・って、カーブかよ!ぶはっ」
憲太 「大丈夫ですか!?海司さん!仇はこの僕が・・・!」
瑞貴 「そらさーん、この間お昼休みに僕の淹れた紅茶残した罰ですよー」
そら 「んな、でっかい雪玉なげてくんな!」
昴 「やれやれ、ガキは元気だな」
昴さんは立ち上がると、上着のポケットに手を入れた。
昴 「○○、目を閉じて手を出せよ」
主人公「?はい・・・」
冷たい感触が小指に触れた。
昴 「もう目を開けていいぞ」
主人公「これ・・・ピンキーリング・・・」
私の小指には、まるで雪の結晶のように輝くダイヤのピンキーリングがはめられていた。
ピンキー好き~о(ж>▽<)y ☆
ダイヤのフルエタニティなら、なお嬉しい!!
昴 「メリークリスマス、○○」
主人公「んっ・・・」
昴さんが私を抱き寄せて、唇を重ねる。
主人公「ありがとうございます。あ、あの、私からのプレゼントは部屋にあって・・・」
昴 「ああ、あとでゆっくりもらうよ。どうせ、夜はお前の部屋にいくつもりだったしな」
主人公「ええっ!?ほ、本気ですか?私の部屋はみどりと小杉先輩もいますよ!?」
昴 「・・・んなの関係ねぇよ。お前は、どっちだったらいいと思ってるんだ?」
主人公「冗談・・・ですよね?」
昴 「クリスマスイヴの夜を、オレが野郎たちとおとなしく並んで寝ると思ってんのか?」
それもまた面白いかと・・・
昴 「みんなが寝静まった頃に、部屋に迎えに行く。一部屋空いてたからそこに使おうぜ。ちゃんと起きてろよ?」
主人公「は、はい・・・」
昴 「その時までプレゼントは待ってる」
主人公「・・・うん」
私を背中から抱きしめて、昴さんは耳元で甘く囁いた。
昴 「寒くないか?」
主人公「はい・・・すごくあったかいです・・・」
昴さんが温めるように私の両手を包んでくれる。
指輪が雪を弾く。
私達は手を重ねて、降りしきる雪をしばらくの間、見つめていた・・・。
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