以下ネタバレです








(今の声・・・どこかで聞いた事があるような気が・・・)

達郎 「まさか事件か!?」

達郎は素早く起き上がり、駆け出す。

主人公「待って!酔っ払いが騒いでるだけかも」

(なんか嫌な予感がする・・・)

???「助けてくれー!誰かーっ!」

(・・・ほんとにイヤガラセだよね?)

達郎 「いや、酔っ払いにしては変だよ・・・オレ、ちょっと見てくる!」

主人公「達郎!」

(もう、せっかくいい雰囲気だったのに!)

達郎 「どうかしましたか!?」

客  「ああっ、聞いてくださいよ!私の大事なカバンが盗まれたんです!」

達郎 「カバン?」

客 「ここに置いてトイレに行って、帰ってきたら無くなってて・・・」

  自業自得だと思いますが・・・

達郎 「なるほど置き引きか・・・」

客  「ううう、大切なカバンだったのに・・・死んだおじいちゃんの幼馴染の弟さんの同級生の兄の忘れ形見なのに!」

それってもはや他人なんじゃないの?しかもすごい棒読み・・・)

客  「ああっ!どうすれがいいんだー!」

達郎 「落ち着いてください。まず状況を整理しましょう」

客  「あ、あなたは・・・?」

達郎 「ご安心ください。私は警察です」

達郎が警察手帳を見せる。

客  「ああっ!警察の方だったのですね!お願いします、私のカバンを見つけてください!」

達郎 「勿論です。あなたのカバンは、必ず見つけましょう」

客  「おお!天の恵み!ありがとうございます」

(うーん、なんだかすごく怪しい気もするけど・・・)

(困ってるみたいだからしょうがないか)

主人公「可哀想だから、早く見つけてあげないとね」

達郎 「ああ。そうだな」

達郎 「ごめんな?せっかくの旅行なのに」

主人公「ううん。その代り、私も一緒に捜させてくれる?」

達郎 「え・・・」

達郎 「ありがと。でも、危険なことはするなよ?」

主人公「わかってる」

達郎 「よし」

(さっきまではプライベートモードだったのに・・・)

捜査をすると決めた達郎の顔は、キリリと引き締まっていてかっこいい。

(やっぱり、こういう時、刑事って頼りがいがあるなぁ)

  仕事のできる男性はホントステキです(〃∇〃)

達郎 「改めて状況を整理しましょう。あなたはいつ、ここにカバンを置きましたか?」

客  「そうですね・・・5分くらい前です」

達郎 「5分前か。となると、犯人もカバンもそう遠くへは行ってないな。まだこの旅館の中にいるかもしれない」

達郎 「そのカバンは、どんなカバンなんですか?」

客 「えーと、白くて、A4サイズほどの大きさです」

達郎 「なるほど・・・ここに犯人の毛や足跡らしきものは無い。そもそも旅館だから、あったとしてもそれが犯人のものとは限らない」

主人公「それじゃあ・・・」

達郎 「重要なのは聞き込みだな。犯人を目撃した人がいるかもしれないし。それに、場合によっては地元の警察への通報も考えないと」

主人公「通報って・・・」

(なんか大げさなことになってるけど・・・・大丈夫かな)

気が付けば、私達の周りには人だかりが出来ていた。

達郎 「すみません!どなたか、5分前にここで白いカバンを持ち去った人物を見ませんでしたか?」

皆、一斉に首を振る。

達郎 「どんなことでもいいんです。何か気付いたことはありませんか?」

???「・・・犯人は庭の方へ行ったみたいだぞ」

達郎 「え?」

(今の声もどこかで聞いた事があるような・・・)

達郎 「すみません!今の話を詳しく・・・!って、あれ・・・・いない?」

(素早い・・・)

達郎 「庭・・・か。行ってみよう!」

主人公「うん」

客  「すみません、よろしくお願いします。・・・○○ちゃんもよろしくね」

主人公「えっ?」

(今、○○ちゃんって・・・)

達郎 「どうした?」

主人公「ううん・・・何でもない」


(うわ、暗・・・)

達郎 「○○、オレの側を離れるなよ」

主人公「うん・・・」

達郎 「一体、どこに隠れてるんだ・・・?」

薄暗い庭には、私たち以外は誰も見当たらない。

(まさか、私達を混乱させるためのウソだったりして・・・)

ウウ~ッ!

(え?)

(何この声・・・後ろから!?)

達郎 「うわっ!」

主人公「達郎!?」

後ろを振り向くとそこには・・・。

主人公「い・・・犬!?」

そこには大きな犬が、こちらを向いて唸っていた。

達郎 「野犬か!?」

主人公「落ち着いて!大丈夫、ちゃんと繋がれてるから。それにホラ、そこに犬小屋もあるし、きっとこの旅館の飼い犬なんだよ」

達郎 「そ、そっか・・・良かった・・・」

主人公「相変わらず犬が苦手なんだね」

達郎 「苦手っていうか、どうにも相性が悪くて・・・」

達郎 「・・・え?」

達郎 「○○、あそこ!」

主人公「え?・・・あっ!」

犬小屋の中に、白いカバンが光って見えた。

達郎 「犯人は犬だったのか・・・でも、どうやって中に入ったんだ?犬の足跡なんて無かったし。どうしよう。オレ、犬相手だとちょっと・・・」

(確かに達郎と犬って相性悪いんだよね・・・)

(しかも、あんな大きな犬だし)

主人公「私が取ってくる」

達郎 「ダメだ!○○にこんな危ない事はさせられない」

主人公「でもっ・・・」

達郎 「おまえに怪我させるわけにはいかないだろ」

主人公「私だって同じだよ。達郎に危ない目に遭って欲しくない・・・」

達郎 「え・・・?」

主人公「だから、私が行く」

達郎 「○○・・・」

達郎 「いや・・・オレが行く」

主人公「達郎」

達郎 「大丈夫。これでも刑事だからさ。オレを信じてくれよ。な?」

主人公「・・・」

(この状況だったら刑事とかはあんまり関係ない気がするけど・・・)

主人公「・・・分かった。でも、一つだけ約束して」

達郎 「なんだ?」

主人公「絶対に、無理はしないで」

達郎 「わかったよ」

達郎 「・・・じゃ、行ってくる」

息を吸い、一歩踏み出す。

達郎 「・・・」

二歩、三歩。

達郎 「・・・」

四歩、五歩。

徐々に犬に近付いていくが・・・。

(あれ・・・?)

犬は吠えるどころか、微動だにさえしない。

(どうしたんだろう。さっきはあんなに唸ってたのに・・・)

???「なんだ?ぜんぜん吠えねーし」

???「おかしいなー。しっかりと餌付けしたのに」

(えっ?今の声って・・・)

突然、茂みの奥から話し声が聞こえてきた。

その声に反応するかのように、犬が動きだす。

???「おい!こっち来るぞ!」

???「ちょっ、どうすんだよ!」

???「わっ、ガサガサすんな!見つかるだろ!って・・・」

???「うわっ!!」

ザザザザッ・・・!!

ひらひらと葉が舞う。

茂みの中から出てきたのは・・・

宙  「お・・・おっはー・・・」

ブラックフォックスのメンバーだった。


達郎 「・・・で?どういうことか説明してもらおうか」

旅館に戻った後、達郎はみんなに正座をさせ、その前に仁王立ちしていた。

拓斗 「あんたが犬が苦手だっていうから、まず初めに犬に餌付けして手馴れさせて・・・」

宙  「犬小屋にカバンを入れて隠れて、大変だー!って大声出して、犯人は庭にいるってわざと伝えて・・・って感じ?」

達郎 「・・・」

(達郎、すごい怒ってる・・・)

達郎は、はぁ、とため息を一つ出す。

達郎 「あのカバンをなくした客もグルだったのか・・・」

宙  「あ、それ僕の変装。声も変えたから、全然わからなかったでしょ?」

達郎 「で?」

宙  「え?」

達郎 「これだけじゃないんだろ?なぁ、○○」

主人公「えっ?」

達郎 「今日一日様子がおかしかったのって、コイツらのせいなんだろ?」

主人公「えっと・・・それは・・・そうです」

達郎 「やっぱり」

拓斗 「コイツらってなんだよ・・・」

達郎 「あんなに大騒ぎして、もう少しで旅館に迷惑かけるところだったのに?」

拓斗 「・・・」

達郎 「思えば最初から怪しかったよな。オレ、懸賞なんて今まで当たったためしがないのに、突然、ちょうど休みが取れたタイミングで、しかもペアで当たるなんて。まるで行動を監視されてるような・・・」

ボス 「そこはまぁ、我々の情報分析を持ってすれば朝飯前でありまして」

  この状況でそこ自慢するところじゃないと思うよ?

達郎 「観光中も、不自然なほど邪魔が入ったし・・・」

宙  「そこはホラ、お約束ってやつだよ」

流輝 「アンタ、ちゃんとチケット見たか?」

達郎 「え?」

健至 「最初からヒントは与えてたんだよ。ホラ、ここに書いてあるだろ?」

今さらながら、チケットの裏を見る。

達郎 「・・・黒狐・・・観光・・・」

拓斗 「そんな観光会社あるわけねーし。刑事のくせにニブすぎ。気づかなかったアンタが悪い」

達郎 「なっ・・・!」

主人公「ちょ、ちょっとみんな落ち着いて・・・」

拓斗 「つーか、ただの遊びに本気になり過ぎだし」

宙  「そーそー。冗談の通じない男は嫌われるよ?ねぇ、○○ちゃん」

主人公「え?」

宙  「あんな堅物よりも、僕の方が全然いいよね?なんだったら今日一緒の部屋に寝ちゃう?」

主人公「あ、あの・・・」

達郎 「○○に近付くな!」

宙  「あー冗談なのに怒っちゃった。っていうか、もう飽きた!これでもくらえ!えいっ!」

パフッ!

枕を思い切り投げつけた。

達郎 「うっ・・・!」

主人公「達郎!ちょ、ちょっと更科くん!」

拓斗 「オレ達のお陰で旅行出来たんだから、むしろ感謝して欲しいくらいだし」

達郎 「・・・」

主人公「・・・た、達郎?」

パフッ!

宙  「わっぷ!」

達郎 「・・・アンタたちの手の平の上で転がされていたかと思うと、気分が悪い」

宙  「なんだよー、きっかけを作ってあげたんじゃん」

達郎 「誰も頼んでない」

宙  「うわっ、ひっどーい!」

更科くんが枕を投げ返す。

更に、それを達郎が投げ返した。

ひゅんひゅんと、枕が部屋の中を飛び交う。

(な、なんでこうなっちゃうの!?)

流輝 「おわっ!」

宙  「わっ!リーダー、ごめん!」

流輝 「やりやがったな!」

宙  「ひゃあっ!」

ボス 「おおっ、面白くなってきたね~。おじさんも参加しちゃおう!」

健至 「オレも混ざろっと」

拓斗 「めんどくせー」

バフッ!

拓斗 「ぶっ・・・!」

流輝 「ぼーっとしてるからだぞ、拓斗」

拓斗 「・・・お前ら」

流輝 「お、珍しく本気の目してるじゃねーか」

ぎゃーぎゃーと、途端に騒がしくなる。

主人公「あ、あの・・・」

いきなり目の前で始まった枕投げ大会に、呆然としてしまう。

(これは止めた方がいいのかな・・・でも、どうやって止めよう・・・)

宙  「そりゃ僕達はイロイロ邪魔したけどさ!そんなの気にしないでやりたいようにやっちゃえば良かったじゃん!」

達郎 「○○の気持ちを無視して出来るわけがないだろ!」

宙  「だーかーら、そーいうトコが堅物なんだってば!」

達郎 「え?」

宙  「○○ちゃんも待ってると思う・・・よっ!」

バフッ!

主人公「達郎!」

更科くんの一発をもろに喰らい、達郎は布団に倒れ込んだ。

達郎 「・・・」

主人公「達郎!大丈夫!?」

達郎 「○○・・・」

主人公「え?」

達郎 「なんで・・・言わなかったんだ?全部ハメられてたんだって・・」

主人公「それは・・・」

主人公「壊したくなかったから・・・」

達郎 「え・・・?」

主人公「ハメられてるってわかってても、達郎がすごく楽しそうで・・・だから・・・その時間を壊したくなかったの」

達郎 「○○・・・」


ボス 「おじさんなのに、頑張り過ぎちゃった・・・」

健至 「あー、運動したぁ」

拓斗 「疲れた・・・」

流輝 「そろそろ寝るか。つーか、汗すげぇからもう一回温泉入りたい・・・」

  どんだけ真剣に枕投げやったのよ( ´艸`)

みんなゾロゾロと部屋を出て行く。

宙  「ねぇ」

達郎 「・・・なんだ?」

宙  「大事にするのもいいけど、ほどほどにね。女の子は、いつだって待ってるんだからさ」

達郎 「・・・」

宙  「もう、僕達は何もしないから。後はお二人でごゆっくり・・・」

主人公「更科くん!」

宙  「じゃあね~!」

主人公「・・・」

達郎 「・・・」

いきなり二人きりにされ、しばらくの間、互いに黙り込む。

主人公「あ、あの。ごめんね・・・なんか変なことになっちゃって・・・」

達郎 「・・・」

主人公「ホントにごめん・・・」

達郎 「・・・」

(やっぱり・・・まだ怒ってるのかな・・・)

達郎 「・・・別に、○○が謝ることじゃないだろ」

主人公「え?・・・あっ」

突然腕を引かれ、抱き寄せられた。

荒い息が、耳にかかる。

主人公「達郎・・・?」

達郎 「どんだけ我慢させるんだよ・・・」

主人公「が、我慢してたの?」

達郎 「当たり前だろ・・・その、オレだって男なんだから」

どくん、と心臓が高鳴る。

主人公「う、運動して疲れたでしょ?私、お茶淹れてくるね」

達郎 「ダメだ」

主人公「え?」

腕をぐっと掴まれる。

達郎 「どこにも行くな・・・ここにいろ」

(達郎・・・)

達郎 「電気消してもいいか?」

主人公「・・・うん」

達郎 「ごめん・・・オレ、○○が色々と考えてくれてたって、気づかなくて・・・」

主人公「そんなこと・・・」

達郎 「○○は、オレよりもああいうヤツの方がよかったりするのか・・・?」

主人公「えっ?」

達郎 「アイツの言う通り、オレ、気の利いた事とか言えないしできないし・・・」

主人公「あ・・・もしかして更科くんの事?」

バツが悪そうに達郎は頷いた。

主人公「そんなコト気にしてたの?私には達郎だけだよ?」

達郎 「○○・・・」

達郎 「オレも・・・オレにも、○○だけだ・・・」

主人公「・・・ん」

達郎の唇が降りてくる。

この旅行で、初めてのキス。触れるだけの、優しいそれ。

達郎 「やっとできた・・・ずっと邪魔が入ってたから・・・」

主人公「達郎・・・」

いつも私を気遣ってくれる、達郎。

大切にされているのが伝わってきて、その度に胸が温かくなるけれど・・・・。

(もっと・・・欲しい)

こんな時でも大事という達郎に、ひどくもどかしさを感じてしまう。

主人公「ねぇ、達郎。もっと・・・ちょうだい?」

達郎 「え・・・?」

主人公「もっと欲しい・・・」

達郎 「○○・・・」

再びキスをされる。

先程のそれとは違い、乱暴ではあるけれど、それはひどく情熱的で・・

(嬉しい・・・)

心が、身体が、満たされていくのがわかった。

達郎 「オレも・・・○○をもっと欲しい。いいか・・・?」

主人公「・・・そんなこと、聞かないで。達郎の思うようにして・・・」

達郎 「・・・ああ」

再び唇を塞がれる。

達郎の背に腕を回すと、それが合図だったかのように、きつくきつく、抱きしめてきた・・・。






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このおじゃま虫は酷いね~( ´艸`)

達郎じゃなくても怒るわ。


ボスのスチルがあまりにも・・・だったので

達郎のがよく感じちゃう

基本、スチルに主人公の顔要らないのよね・・・

って、毎回主人公が描かれていると正直思ってます