以下ネタバレです









集  「さーてと、荷物も積みこんだし、そろそろ出発しようか」

主人公「はい」

集  「じゃ、みんなー、運転手決めるじゃんけんするよー」

集さんがみんなに声をかけた。

集  「・・・ってあれ?」

ところがみんなは、完全に集さんをスルーし、どんどんと後部座席に座り込んでいる。

拓斗 「つーか、ここは頼れるボスであるヒゲが運転するのがとーぜん」

全員、首を縦に振っている。

主人公「あの・・・蛭川さん、言葉が棒読みになってますけど・・・」

集  「え!俺が運転するって事で決定なの!?」

(ここはうまくフォローしなくちゃ・・・)

  別にフォローはいらないんじゃない?

主人公「あ、あの!私、集さんの隣に乗りたいですし・・・集さんの運転だと安心できますから、よかったな・・・なんて・・・」

集  「○○ちゃん・・・気を遣ってくれてありがと。ま、たぶんこうなるとは思ってたから全然大丈夫だよ」

  本人も気づいてたのね、彼らの策を( ´艸`)

集  「おじさんに任せなさい!」

  「おじさん」ねー・・・(_ _。)

集  「さ、乗って乗って。そろそろ出発しなくちゃ」

主人公「はい!」

助手席に乗り込むと、熱海に向けて出発をした。

(集さんって運転上手くてカッコいいんだよね・・・)

(ドライブしてるみたいでドキドキしちゃうかも)

集  「ん?ニコニコしてどうしたの?っていうより、○○ちゃん、後ろの席に座れなくてごめんね」

主人公「え、どうしてですか?」

集  「オレの隣より、みんなでワイワイしてた方が楽しいだろうし・・・」

  まあね・・・(;´▽`A``

  でも、今はボスの彼女ってことなので・・・我慢します∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

主人公「そんなことないですよ、私は集さんの・・・」

集  「あ、ごめん。こんな事言ったら逆に気を使わせるよね。気を取り直して旅行を楽しもう!」

集さんに言葉をさえぎられてしまった。

(私は集さんの隣に座れて嬉しいのにな・・・)

なんだかちょっとだけ寂しくなった。

(それに、後ろの席って言われても・・・)

(柳瀬さんは寝てるし、更科くんはずっと音楽聞いてるし・・・)

(稲垣さんは筋トレしてるし、蛭川さんはパソコンに夢中だし・・・)

主人公「私、集さんの隣でよかったなって、ほんとにそう思いますよ」

集  「○○ちゃんは優しい子だね。かわいそうなオレを慰めてくれてありがと」

  んー、メンドクサイなぁ・・・゛(`ヘ´#)

  素直に喜んでくれればいいのに (-""-;)

主人公「ええと、そうじゃなくて・・・」

(集さんったら、なんだか勘違いしてるみたいだな・・・)

(一度ちゃんと伝えた方がいいのかも)

(集さん、ちっともわかってないな・・・)

主人公「なんだか寂しいな・・・なんて」

集  「ん、どしたの?やっぱり後ろが良かった?」

主人公「ち、違います!」

主人公「集さん、あの・・・!」

思い切って口を開いた。

その時・・・

宙  「ちょっと~ケン兄!窓開けすぎて寒いってば!」

健至 「そうか?オレはちょうどいいけど・・・・」

宙  「ケン兄は筋トレしてたからでしょ!」

拓斗 「おいヒゲ、後ろ暖房入れろ。寒くて死ぬ・・・」

後部座席からみんなの騒ぐ声が聞こえた。

流輝 「おい、ゴミが入ってきたぞ。走ってる最中に窓全開にするバカがいるか!」

集  「ハイハイ、おまえらちょっとは落ち着きなさいよ。健至、窓閉めといて」

集さんは文句を言うふりをしながら、そっとエアコンのスイッチに手を伸ばしていた。

集  「○○ちゃんごめんね。今、何か言いかけたよね?」

主人公「い、いいえ!なんでもないです。また二人の時に話しますね」

集  「そう?」

(言うタイミング逃しちゃった・・・またチャンスはあるよね)

運転をする集さんの横顔をチラッと眺めた。

しばらく走ると、料金所が見えてくる。

主人公「お金、払いますか?」

集  「ここはまだ要らないけど、後でお財布から料金準備しといてくれる?」

集さんから財布を手渡される。

  ETC付いてないの?

主人公「はい」

流輝 「一般レーンから入ったみたいだけど、このボロ車、お馬土器ETCもつけてないのか?」

  やっぱ思うよね~( ´艸`)

拓斗 「どんだけ時代錯誤なんだよ、まじありえねーし」

集  「んー普段高速なんてあんまり使わないからさ。ま、そのうちにね」

集  「あ、そうだ・・・○○ちゃん、ガムもらってもいいかな?」

主人公「はい、ちょっと待ってくださいね」

(そうだ、こういう時は彼女らしく、口に入れてあげた方がいいのかな?)

  考えるまでもないでしょ?

  もちろんお口に放り込む( ´艸`)

主人公「はい、集さん。あーんしてください」

集  「ええっ!」

拓斗 「うるせー、大声だすな」

宙  「なになに、どしたの?」

主人公「な、なんでもないです」

集  「そんなことしてもらっちゃっていいの?」

集さんは恥ずかしそうに口を開いた。

主人公「はい、どうぞ」

集  「なんか、幸せ・・・」

私の視線に気が付いた集さんが、ニコッと笑った。

(でもこういうのっていいな・・・)

(助手席ってなんだか彼女の特等席っていう感じがするし)

集  「ん?そんなにニコニコしてどうしたの?」

主人公「こんな風に、集さんの運転で出かけるのっていいな・・・と、思ってたんです」

集  「そうだね。隣に座るのがあいつらじゃなくてよかったよ」

主人公「どうしてですか?」

集  「宙くんは落ち着きがないし、たっくんは運転に文句付けてブツブツうるさいだろうし、流輝は寝ちまうから話し相手になんないし・・・」

主人公「稲垣さんは?」

集  「あー、健至なら占い話なんかも嫌がらずに聞いてくれるかな・・・・」

健至 「こっちがごめんだよ!」

後ろから稲垣さんが突っ込んだ。

私が返事をしようとすると・・・

宙  「ちょっと、マスター!たっくんがMH5!」

集  「MH5?」

宙  「マジで吐く5秒前ってこと!」

  わかりにくい・・・(-"-;A

拓斗 「吐きそう・・・」

主人公「蛭川さん、もしかして酔っちゃったんじゃないですか?」

拓斗 「ヒゲの運転が雑すぎる・・・うっ・・・」

流輝 「下向いてパソコンなんていじってるからだろ」

流輝 「おい、こんなところで吐くなよ!」

健至 「マスター、ちょっとどここかで休憩してやってくれよ!」

拓斗 「無理・・・なんか出そう」

流輝 「おい、おまえ!なんでオレの方向いてるんだよ!」

集  「もう少し我慢して!すぐぞこがサービスエリアだから、ちょっと休憩していこう」

慌ててサービスエリアに立ち寄った。

駐車場に車を停めると、みんなが車を降りる。

宙  「たっくん飲み物買ってきてあげる」

集  「宙くん、お願いね」

拓斗 「マジ・・・キモイ・・・」

主人公「蛭川さん、大丈夫ですか?」

場所を移り、後部い座席に行く。

拓斗 「う・・・まじ限界・・・」

  たっくん、トイレに行っといで?

青い顔をしている蛭川さんの背中をさする。

集  「○○ちゃん、よかったら休憩行って来てよ。たっくんはオレが看てるからさ」

主人公「でも・・・集さんは運転で疲れてますよね?」

集  「大丈夫!まだそんなに疲れてないから」

主人公「集さん・・・」

拓斗 「み・・・水・・・」

集  「そういえば、宙くんたち遅いな。ついでにあいつらも見て来てくれるかな?」

主人公「わかりました。集さんありがとうございます」

集  「うん、お願いね」

車を降りると更科くんたちを探した。

主人公「あ、柳瀬さん・・・」

柳瀬さんは若い女性に囲まれて、何やら質問攻めにされている。

(逆ナンされてるとか・・・?さすが柳瀬さん・・・)

流輝 「すみません。せっかくなんですが、彼女が迎えに来たので失礼します」

爽やかな笑顔で微笑んだ。

主人公「か、彼女って!」

流輝 「黙って頷いてろよ。あいつらしつこく付きまとってウザいんだ」

驚く私の肩を抱きながら、その場を後にする。

健至 「おーい、流輝、△△!」

主人公「あ、稲垣さん」

健至「アンタも食うか?」

稲垣さんは美味しそうにジャンボフランクを食べていた。

健至 「○○も買いに来たのか?」

(あ、そうだ。蛭川さんのお水・・・)

主人公「更科くんを探してるんですけど、見かけませんでしたか?」

健至 「ああ、宙ならあっちで写真撮ってたぞ」

稲垣さんが指さす方を見ると、更科くんが観光客に頼んで記念撮影用の金太郎の顔出しパネルで写真を撮ってもらっていた。

宙  「おーい、○○ちゃーん!一緒に撮ろうよ。僕クマから顔出すから、○○ちゃん僕を踏んで!」

主人公「踏んでって・・・・」

更科くんの大声に、周りの人がクスクスと笑っている。

健至 「金太郎の顔穴から、顔を出せってことだろうな」

流輝 「金太郎って、随分お前にお似合いのキャラだな。記念に写真撮ってやるよ」

主人公「え、遠慮しときます!更科くん、それより蛭川さんの飲み物は?」

宙  「あ、すっかり忘れてた・・・」

主人公「じゃ、私が買ってくね」

宙  「ごめーん」

売店で蛭川さんの分と一緒に自分と、集さんの分の飲み物、そしてちょっとしたおやつを買い車に戻った。


拓斗 「はぁ・・・着いた。途中の坂道、死ぬかと思った・・・・」

予定より早めに旅館に到着した。

集  「はい、お疲れさん」

主人公「渋滞がなくて良かったですね」

健至 「まだ早いし、どこか外に遊びに行ってみるか?」

宙  「賛成!」

仲居 「それならお客様、サボテンパークはいかがですか?」

仲居さんからパンフレットをもらう。

主人公「いろんな動物も見られるみたいですね」

集  「じゃ、そこに行ってみようか?」

主人公「そうですね」

流輝 「おい、拓斗はどうするんだ?」

拓斗 「行く・・・」

集  「気持ち悪いのに大丈夫?」

宙  「たっくん、小動物すきだもんねー」

拓斗 「う、うるせー」

  そうなんだ (*^▽^*)

荷物を片付けると、早速サボテンパークに向かった。


主人公「すごい!ペリカンが散歩してますよ!」

宙  「チンパンジー可愛いね!」

流輝 「おまえら、はしゃぎすぎるなよ」

宙  「だってー、動物園なんて久しぶりだからさ。ねー、○○ちゃん」

主人公「うん!」

健至 「オレ、ちょっと焼きそば食ってこようかな・・・」

  さっき、フランク食べてたのに・・さすがだな

集  「あれ、たっくんはどこ行った?」

主人公「あ、いました!」

拓斗 「やべぇ、この可愛さマジ奇跡・・・」

蛭川さんはカピバラのいるふれあい広場の前に張り付いていた。

主人公「エサをあげられるみたいですね」

飼育員さんからエサをもらうと、カピバラに与える。

宙  「なんか、たっくんの周りだけ妙に群がるんですけど・・・」

蛭川さんの周りだけ、カピバラがわらわらと集まっていた。

拓斗 「おお・・・カピバラにはオレの人望がわかるのか・・・」

流輝 「オレもそこそこ」

宙  「リキくんのとこは、メスのカピバラばっかりみたいだね」

集  「たっくん、もう体調はすっかり良くなったみたいだね」

主人公「え・・・あ、はい。そうですね」

(集さん、いつも何気なくみんなに気を使ってるんだなぁ・・・)

集  「ほら、オレの分もカピバラさんにご飯あげてきていいよ」

主人公「集さんはいかないんですか?」

集  「ああ、オレはここにいるから。写真撮ってあげるよ」

主人公「はい・・・」

(せっかく旅行に来たんだから、もっと一緒にいたいんだけど・・・)

集さんはどこに行ってもみんなと少し離れたところでニコニコと笑いながら見ているだけだった。

宙  「ねー、○○ちゃんちょっと来て~!子カピバラがいるよ!」

更科くんに呼ばれて、子カピバラを見に行った。

主人公「わぁ・・・この人なつっこい子、更科くんみたいだね」

健至 「ハハッ、オレってあんな感じなのか?」

拓斗 「あの、カッコつけてんのは柳瀬だ」

流輝 「は?だったら隅の方でぽつんと佇んでる変わり者は拓斗だろ?」

主人公「ふふ、なんだかこの子カピバラたち、私達に似てますね」

(集さんに似ている子はいないかな?)

すると、他のカピバラよりすこし大きめの子が、一番小さな子を守るようにして二匹で仲良く日向ぼっこしているのを見つけた。

健至 「あれは、マスターと△△みたいだな」

主人公「私もそう思いました」

(集さんにも教えてあげよう・・・)

集さんを手招きする。

主人公「集さん!」

集  「ん?」

ところが、集さんが側に来たときには、蛭川さん似のカピバラに邪魔されて二匹はバラバラになってしまっていた。

主人公「あ・・・」

集  「どうしたの?」

主人公「いいえ、なんでもないです」

流輝 「おい、カピバラ拓斗!こっち来い!エサをくれてやってもいいぞ!」

拓斗 「おい、変な名前で呼ぶなっつーの」

流輝 「おっと、あんまり似てるんでうっかり間違えた」

拓斗 「こんなでっけーネズミとオレが似てるとかありえねーし」

流輝 「こいつ、さっきからオレの方チラチラ見てくるくせに、なかなか寄ってこないしな」

主人公「なんかこう、素直じゃない感じが蛭川さんに似てますね」

拓斗 「馬鹿も休み休み言え。オレは珍獣か・・・」

みんなで大笑いした。

(あれ、集さんは・・・?)

少し離れたベンチに座って、こちらを見ていた。

主人公「集さん!一緒にエサをあげましょうよ」

集  「こっちは気にしなくていいよ。楽しんでおいで」

主人公「そ、そうですか・・・わかりました」

(なんだかちょっと寂しいな・・・)

健至 「そろそろ行くか?」

主人公「はい」

ふれあい広場を出ると、他の動物を見に移動した。


健至 「ん、なんか騒がしいみたいだな」

飼育員「すみません!ここから先は立ち入り禁止になりました!」

急にパークの一部が閉鎖されてしまったらしく人だかりができていた。

集  「なんかあったみたいだね」

流輝 「ああ」

宙  「すみませーん、何があったんですか?」

更科くんが周りの人に事情を尋ねた。

客  「どうやら、何かの動物が逃げ出したらしいんですよ」

主人公「危険な動物でしょうか?」

集  「どうだろうね。とりあえず人混みいると危ないから少し離れようか?」

流輝 「そうだな」

私達が、人混みから少し離れたところに避難しようとしたその時、茂みから突然大きな黒い影が飛び出した。

主人公「え・・・っ!」

集  「○○ちゃん危ない!」

集さんが咄嗟の判断で私を庇ってくれた。

集  「大丈夫だった?」

主人公「集さんこそ大丈夫ですか!」

集  「大丈夫だよ」

健至 「おい!今のってアレだろ!」

拓斗 「に、してはデカくね?」

今度は人混みの方からキャーという悲鳴が聞こえた。

宙  「猛獣だったりして・・・」

主人公「猛獣!?」

私達の間に、思わず緊張が走った。



つづく---