以下ネタバレです











私達は海岸から北上して徳島市へと向かい、お蕎麦屋さんに入る。

祖谷そばを注文。

祖谷は徳島西部に位置する、秘境と呼ばれるほど自然がキレイな場所。

かずら橋と言うツルを編んで作られた吊り橋が有名なところだと編集長が教えてくれる。

主人公「編集長って、何でも知ってますよね」

敦志 「そんなことはないって。ロケに使えそうな場所は、できるだけ足を運ぶようにしてるだけだ」

  さすがだ・・・

(編集長って努力家なんだよね。本人に言ったら否定されそうだけど)

  きっと否定するね

話をしていると店主がそばを運んできてくれる。

主人公「うわぁ、見るからにおいしそうです!」

敦志 「おう。おかわりしてもいいから、ガッツリ食えよ~」

主人公「はいっ!いただきます」

私はさっそく祖谷そばをいただいた。

敦志 「△△、すげーうまそうに食うなぁ」

主人公「おいしいものは大好きですから!」

敦志 「それくらい気持ちよく食べてくれると、食べさせがいがあるな」

  ペットじゃないからね?あまり餌付けしないで ( ´艸`)

主人公「では、遠慮なくたっぷり食べさせていただきます」

敦志 「遠慮なんてお前がしたことあったのか?」

主人公「ありますよ、多分」

敦志 「ははっ、上等!」

大きく口を開けて、私はそばをすする。

敦志 「いつも一緒に仕事をしてるが、知らないこともあるモンだな」

主人公「・・・・え?」

敦志 「いや。早く食わないと冷めるぞ」

(なんだろ・・・?)


食後、眉山へいき、ロープウェイで山頂へと向かう。

ロープウェイに久々に乗ったという編集長。

主人公「以前、ここに来たことがあるんですか?」

敦志 「いや、ここは初めてだ。最後に乗ったのはスイスでだな」

主人公「スイス?」

敦志 「いや・・・」

主人公「そういえばスイスで・・・」

  パーティの際お会いしましたよね?

  ホントはセレブ?

その時ロープウェイが揺れて・・・

敦志 「おっ!!あぶないぞ」

主人公「あっ・・・いっ」

観光客「あっ、スミマセン!」

(足を踏まれちゃった・・・!)

主人公「い、大丈夫です・・・」

敦志 「大丈夫ですか?」

観光客「はい・・・すみません、ありがとうございます」

敦志 「いいえ」

笑ってそう言いながら編集長が私を壁際に立たせてくれる。

それから、彼は私を庇うようにして前に立つ。

(編集長って、やさしいなぁ)


ロープウェイを降り美しい風景を見ながら歩く。

敦志 「ぼーっとしてると転ぶぞー」

主人公「えっ、きゃっ!?」

足元の意思に躓いてこけそうになると、編集長が抱き止めてくれる。

(う、わっ・・・)

編集長の腕が思った以上に逞しくて驚く。

敦志 「いいか、△△。昔お母さんから言われたかもしれないが・・・歩く時はちゃんと前を見て歩かんと危ないぞ」

主人公「う。昔、母から何度も言われました・・・」

敦志 「そういやこの前も、コーヒー入れすぎてこぼしてたよな」

主人公「えっ。何で知ってるんですか!」

敦志 「偶然見かけてな。なんだ、疲れでも溜まってるのか」

主人公「いえ・・・。疲れが溜まってても溜まってなくても、抜けてるところはあんまり変わらないかも」

敦志 「お前は何でそんなにツッコミどころ満載なんだ。ツッコミ役がもうひとり必要なくらいだぞ」

主人公「う、すみません・・・」

敦志 「まー面白いからいいか。・・・あー、どうせならこけてもらった方が面白かったか」

主人公「いえ。こけたらやっぱり痛いので」

敦志 「それはそうだ。△△、取材をしているときはそんなカンジじゃないのにな」

主人公「それは・・・取材中は失敗できませんから、注意深くやるようにしてるので」

敦志 「そうか。えらいな」

サラッとした口調で褒められて、なんだかうれしくなる。

敦志 「・・・なあ、△△。お前は10年後、どうしていたいと思っているんだ?」

それは、未来くんからさっき聞かれた質問と同じだった。

主人公「3年後の夢なら言えるんです。シンデレラでもっと仕事してたいなって・・・思うんですけど、10年後って言うと、まだよくわからなくて・・・」

敦志 「そうか・・・シンデレラを続けていたいと思ってくれているのはありがたいな」

主人公「あの、編集長は・・・?」

敦志 「オレは経済誌を手掛けたい」

思いがけない単語が出てきて驚く。

以前経済誌を手掛けていて、いづれは経済誌に戻りたいと言う編集長の言葉に私は思いのほかショックを受けた。

敦志 「お前、そんなにショックなのか」

主人公「そうみたいです。で、でも・・・編集長の夢ですもんね!貢献できるように、私もお仕事頑張ります」

敦志 「お前も、一緒に来るか?」

主人公「・・・え?」

思いがけない言葉に、胸がとくんと音を立てる。

(一緒に・・・って)

主人公「で、でも・・・シンデレラがありますし」

敦志 「△△、シンデレラが好きだもんな。憧れの雑誌だったんだろ?部署決めの面接でも言ってたもんな」

主人公「はい。覚えてらっしゃったんですね」

敦志 「ああ。シンデレラについて熱く語ってたの見て、コイツだ!と思ってな~。他部署も欲しいって言ってたのを、オレがもぎ取ったんだ」

(えっ・・・そうだったの?)

敦志 「おっと。そろそろ帰らないとな」

主人公「あ・・・、そうですね」

さっき、編集長が言っていた言葉を思い出す。

『いつも一緒に仕事をしてるが、知らないこともあるモンだな』

(私も・・・知らない事ばっかりだたんだな)


翌日。

進行の遅れを取り戻すために早めに出社すると、すでに編集長がいた。

取材時の画像をパソコンに取り込んで編集長に見せる。

思いのほか編集長の顔が近くて・・・

イスごと後ずさってしまう。

目を丸くする編集長に虫が出たと嘘をついた。

頬が熱くなっていることに気付いて、私は顔をそむける。

心臓の音がうるさい。

(私、どうしたっていうんだろ・・・・)

今日取材で使うものを風子が届けに来てくれた。

そして、編集長は風子がいなくなったのを見届けてから、私のパソコン画面を覗き込み、マウスを何度かクリックしてから、私に言う。

敦志 「△△、今別フォルダに入れた画像はできるだけ使ってくれ」

主人公「は、はい・・・」

敦志 「よろしくな」

イスを戻して、編集長が作ってくれた別フォルダの中を見る。

どれも、私が選びそうな画像だった。

その時、携帯のバイブ音が聞こえ、見ると未来くんからの着信。

私は携帯を手にすると、廊下に出た。

未来くんからの電話は10周年特集号の付録について。

アンブラッセと全く同じものみたいだと教えてくれた。









選択肢

・ありがとうございます

・少し寂しいです




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