以下ネタバレです
貸切りだったはずの温泉に誰かが入ってくる音が聞こえて、私達はとっさに岩場に隠れた。
宙 「貸切りなのに、おかしいね」
主人公「う・・・うん」
宙 「掃除の人・・・?ではないか。予約してるし」
主人公「そうだよね・・・」
客1 「あれー!?オレ達以外誰もいないみたいだぞー?」
客2 「ラッキー!貸切り状態じゃんっ」
(お、男の人!?)
主人公「ひ、宙・・どうしよう・・・私・・・っ」
宙 「大丈夫、○○ちゃんの体を他の奴になんて見せないから」
ギュッと抱きしめられると、少し心が落ち着く。
(なんかピンチみたいだけど、大丈夫かな・・・)
宙 「・・なんか、間違って入ってきちゃったみたいだね」
主人公「う・・・うん」
(あれ・・・なんかクラクラしてきた。のぼせてきちゃったのかも・・・)
(でも、あの人たちがいなくなるまでは我慢しなくちゃ・・・・)
宙 「・・・でも、ラッキーかも?」
主人公「え・・・何が?」
宙 「こうやって○○ちゃんと密着出来て・・・嬉しいなって。しかもお互い裸だし」
宙の顔がほんのり赤いのは、お湯が熱いからだけじゃないみたいだった。
主人公「・・・さっきも密着してたじゃない。十分すぎるくらい」
宙 「さっきは恥ずかしがって、僕の方見てくれなかったでしょ?」
主人公「それは・・・そうだけど」
宙 「○○ちゃんの背中も綺麗でずっと見てたいけど、やっぱり顔見たいから」
主人公「・・・もう」
客1 「奥まで行ってみようぜ!」
客2 「お前はしゃぎ過ぎ!転んでも知らねーぞ?」
(わ!こ、こっちくる・・・っ)
(・・・もう駄目!)
主人公「どうしよう・・・宙・・・!」
宙 「・・・大丈夫、僕がちゃんと隠してあげるし、守ってあげるから」
主人公「う・・・うん」
またギュッと抱きしめられて、肌と肌が密着してしまう。
ドキドキしてる場合じゃないのに、心臓がどんどん早くなっていく。
客1 「あれ?ここって・・・貸切風呂じゃないか?」
客2 「え!?マジ?」
客1 「ほら、ここに立札が・・・ほら、予約制って書いてある!」
客2 「やば!バレる前に帰るか!」
ガラッ
宙 「・・・途中で気付いたみたいだね」
主人公「よ・・・良かった・・・」
(あれ・・・ホッとしたら、またクラクラしてきた)
宙 「そろそろ僕達も上がろうか。随分長い間入ってたし、のぼせちゃいそう」
主人公「そう・・・だね」
(あ・・・どうしよう・・・なんか平衡感覚が・・・)
宙 「○○ちゃん!?」
転びそうになった瞬間、宙が抱き止めてくれた。
主人公「ごめん・・・なんかクラクラしちゃって・・・」
宙 「大丈夫!?きっとのぼせちゃったんだ・・・!」
主人公「・・・きゃ!?」
宙 「早く部屋に戻らないと!」
宙が私を軽々と持ち上げ、脱衣所に急ぐ。
主人公「わ、私・・・自分で歩くよ」
宙 「駄目!転んだら危ないし・・・僕に任せて?」
主人公「う・・・ん」
(宙・・・心配してくれてるんだ)
主人公「あ・・・着替えは自分で出来る・・・から!」
宙 「駄目!ちゃんと僕のいう事聞いて?」
主人公「で・・・でも・・・」
(恥ずかしいよ・・・)
宙 「○○ちゃんが嫌なら目を瞑るから、僕にやらせて?」
主人公「宙・・・」
(いつもならそんな事、絶対言わないのに・・・すごく心配してくれてるんだ)
主人公「ごめん・・・ありがとう。目、開けても大丈夫・・・彼氏だし・・・」
宙 「○○ちゃん・・・」
主人公「着替え・・・手伝ってくれる?」
宙 「うん!早く着替えちゃおう」
少し恥ずかしかったけれど、それ以上に宙の気持ちが嬉しくて素直に着替えを手伝ってもらうことにした。
宙が私を抱きかかえたまま部屋に戻り、布団に寝かせてくれた。
主人公「ごめんね・・・重かったでしょ?」
宙 「全然!今、氷持って来るからちょっと待っててね!」
主人公「ちょっと休めば大丈夫だよ・・・」
(あ、もう行っちゃった・・・)
(宙・・・自分の体もろくに拭かないで、私ばっかり拭いてくれて・・・)
しばらくすると、宙が汗だくになって氷水とタオルを持ってきてくれた。
熱く火照った体に、冷えたタオルが気持ちいい。
宙 「どう?気持ちいい?」
主人公「ん・・・気持ち良い・・・ありがとう」
宙 「ごめんね・・・僕が調子に乗ってお風呂で遊び過ぎちゃったから・・・」
主人公「ううん、宙が悪いんじゃないよ・・・」
宙 「そうだ。ウチワで扇いであげる」
主人公「ありがとう・・・涼しい・・・」
(あ・・・宙の髪・・・濡れっぱなし)
主人公「宙・・・扇ぐのはいいから、自分の髪の毛乾かして?」
宙 「僕の髪なんて放っておけば乾くし・・・今は○○ちゃんの看病が先」
主人公「・・・でも」
宙 「大丈夫。ねぇ○○ちゃん、他に欲しいものはない?」
主人公「えっと・・・・何もないよ」
宙 「本当に?何か欲しくなったら、遠慮せずにすぐに言ってね?」
主人公「うん、ありがとう・・・・」
(こんなに献身的に看病してもらえるなんて・・・)
宙 「○○ちゃん、喉渇いてない?水分足りてる?」
主人公「ありがとう・・・大丈夫」
(本当に心配してくれてるんだ・・・)
(迷惑かけちゃって申し訳ない気持ちでいっぱいだけど・・・すごく嬉しいな・・・)
すると隣の部屋からはブラックフォックスのみんなが笑う声が聞こえる。
ボス 『ビール足りてないぞー!?』
拓斗 『ヒゲうるさい。眼鏡の度があってねーんじゃんーの』
健至 『これ足りなくないか!?買い出し行くぞー!』
流輝 『じゃんけんで負けた奴、買い出し係な』
(そっか、みんなで宴会してるんだ)
宙 「○○ちゃん、みんなの笑い声うるさくない?大丈夫?」
主人公「大丈夫だよ。みんなが楽しそうに笑ってる声聞くとホッとするし」
宙 「そう?」
(私のせいで宙、宴会いけないんだ)
(せっかく熱海まで来たのに・・・それは申し訳ないよね)
主人公「宙・・・ごめんね」
宙 「ん、何が?」
主人公「私も、もう少ししたら参加するから先に行ってていいよ」
すると宙は優しい笑みを浮かべて、私の髪を撫でてくれた。
宙 「○○ちゃんを置いてはいけないよ」
主人公「でも・・・」
宙 「いいからちゃんと休んで?」
宙 「あ、タオルぬるくなってない?」
主人公「・・・ありがとう。大丈夫だよ」
(私・・・宙の彼女で良かったな・・・)
(大好き・・・)
昼間はしゃいでしまった疲れが出たのか、頭がぼんやりとしてくる。
気がつけばまどろみに飲み込まれて少しの間眠ってしまったみたいだった。
主人公「・・・ん」
(あれ・・・?あ・・・そっか、私のぼせて・・・眠っちゃってたんだ)
時計を見ると、あれから2時間も経ってしまっている。
(結構眠っちゃったみたい・・・)
(あれ・・・宙がいない)
(隣の宴会に参加しに行ったのかな?)
ガチャッ
主人公「え・・・」
宙 「あ、目が覚めた?体調は大丈夫?」
主人公「宙、宴会に参加しに行ったんじゃなかったの?」
宙 「まさか!○○ちゃんを置いていくわけないよ、氷が溶けちゃったから、新しいのを取りに行ってただけ」
主人公「・・・2時間ずっと看病してくれてたの?」
宙 「うん、もちろん」
(”もちろん”・・・なんだ)
(嬉しいな・・・)
主人公「ありがとう・・・」
宙 「ふふ、どういたしまして」
主人公「なんだか一眠りしたら、すっかり体調が良くなったみたい」
宙 「本当?良かった」
主人公「わ・・・なんだかすごい汗かいちゃったみたい」
(それに着くずれしちゃってる・・・)
宙 「今、新しい浴衣持ってきてあげるね」
主人公「ありがとう」
しばらくすると宙が新しい浴衣を持ってきてくれた。
主人公「取りに行かせちゃってごめんね?」
宙 「○○ちゃんの為なら、どこにだって行っちゃうよ?」
主人公「ふふ、大げさなんだから」
主人公「えっと・・・着替えるから後ろ向いてもらってもいい?」
宙 「えー?」
主人公「見ちゃ駄目だよ?」
宙 「・・・」
すると宙が自分の浴衣を、私を覆うようにかぶせた。
主人公「ひ、宙?」
宙 「こうやって僕の浴衣を一緒に着れば○○ちゃんの着替えを見えないし、風邪もひかないよ」
主人公「そ、そうかもしれないけど・・・」
宙 「けど?」
主人公「・・・宙の体が当たって恥ずかしい。ドキドキしちゃう」
宙 「ふふっ、相変わらずかわいいこと言うね」
すると宙が私の顔をもって振り替えさせる。
主人公「宙・・・?んっ・・・!」
(いきなり・・・キス・・・されちゃった)
宙 「○○ちゃん・・・」
宙が私の浴衣をジッと見て、頬を染めた。
(あ・・・胸元すごい開いちゃってる・・・)
宙って意外と初心だったのね ( ´艸`)
主人公「・・・着くずれしてるから・・・あんまり見ないで?」
宙 「やだ」
主人公「や、やだって・・・」
宙 「・・・なんか今日の○○ちゃん。少しエッチだね」
主人公「え・・!?きゃ・・・っ」
(押し倒されちゃった・・・!)
宙 「エッチだし・・・色っぽいし・・・すごいドキドキする」
主人公「ん・・・っ」
唇を重ねられ、やんわりと唇を可愛がられると声が漏れてしまう。
主人公「宙・・・駄目・・・んんっ」
ゆるく閉じた唇を割って宙の舌が入り込み、私の舌に絡む。
溶かされてしまいそうなキスに、次第に頭がぼんやりとしてきてしまった。
主人公「ん・・・と・・・隣に聞こえちゃう・・・よ?」
宙 「大丈夫、さっき見たらみんな酔いつぶれて寝てたから」
宙 「ね、良いでしょ?」
しっかり確認してきたってわけね
主人公「・・・っ」
主人公「駄目だよ・・・」
宙 「・・・じゃあ、駄目って言いたくなくなるようにもっと気持ちよくさせちゃおうかな?」
主人公「・・・っあ・・・駄目・・・宙・・・そんな・・・の・・・」
宙 「・・・駄目、我慢できないよ」
一応病み上がりなんですが・・・(;^ω^A
宙 「2人きりだし・・・楽しまなくちゃ・・・ね?」
主人公「・・・っん」
宙が、浴衣の帯を解いてしまう。
主人公「あ・・・っ私・・・汗かいてるし・・・・」
宙 「大丈夫・・・これから僕もかくし・・・○○ちゃんはもっとかいちゃうよ」
主人公「・・・っぁ」
汗で濡れた浴衣を脱がされ、肌に宙のキスの嵐が降る。
宙 「終わったら・・・一緒にお風呂入ろうか・・・」
主人公「・・・うん」
今回は素直に受け入れるのね
宙 「たっぷり楽しもうね・・・○○ちゃん」
宙が触れた場所が火を付けられたように熱くて宙の問いかけに答える余裕なんてない。
かわりに私は、ただ甘い声を響かせることしかできなかった。
宙と甘い夜を過ごした次の日・・・
ブラックフォックスのみんなは、二日酔いで気持ち悪そうだった。
(昨日かなり盛り上がってたみたいだったもんね・・・)
ボス 「あー・・・頭が割れそうだ~・・・俺、味噌汁だけで良いわ」
流輝 「はー・・・俺も」
拓斗 「・・・・俺、何もいらない」
健至 「気持ち悪い・・・」
主人公「皆さん飲み過ぎですよ」
(どれくらい飲んだんだろう・・・)
宙 「そうだよ~大人なんだから、お酒に飲まれるなんて情けないよ?飲んでも飲まれるなでしょ」
流輝 「温泉に来て、酒飲まないなんてありえねー」
同感!がっつり飲んじゃえ~ ( ´艸`)
主人公「まぁ・・・気持ちはわかりますけど・・・」
流輝 「・・・そういえば昨日の夜は、ずいぶんお熱かったようだな」
主人公「・・・え!?」
拓斗 「・・・お前ら、うるさすぎ」
主人公「・・・ええ!?」
(も、もしかして・・・みんな起きてたの!?)
みんな隣の部屋にいたって事?
(う・・・嘘でしょ!?恥ずかしすぎる・・・)
うう・・・この場から消えてなくなりたい (〃∇〃)
顔が見る見るうちに熱くなっていってしまう。
(聞かれてたなんて・・・!)
主人公「ち、違うんです・・・・あ、あの・・・あれは・・・っ」
(上手い言い訳が、全然思いつかない・・・!)
(そうだ・・・!宙ならなんとか誤魔化してくれるかも)
助けを求めるつもりで宙に視線を送ると、ウィンクされた。
(良かった!宙がなんとか・・・)
すると宙がいきなり私の頬にキスをした。
主人公「きゃ!?」
(な、なんでキス!?)
宙 「○○ちゃんは僕の彼女なんだから、みんな羨ましくても手出しちゃだめだよ?」
主人公「宙・・・!?」
宙 「ね?○○ちゃん」
いつもみたいな小悪魔な笑みを浮かべ私を見る宙に私はただただ赤くなるだけで何も言い返すことが出来ずにいた。
拓斗 「バカップル・・・余計に頭痛くなってきた・・・」
蛭川さんの言葉に、みんな仲良く頷く中・・・。
宙の顔を見ると、昨日の献身的な姿を思い出し、心臓が跳ねる。
主人公「・・・」
宙となら、バカップルでも良いかな・・・?
なんて思ってしまった私は自分で思っている以上に、宙の事が好きで仕方ないみたいだった。
*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:
うわぁ~!!!
聞かれてたのね~(/ω\)
これは嫌だわ!
恥ずかしすぎてみんなにお見せする顔がありませんヽ(;´Д`)ノ
宙くんの優しさは嬉しいけど、それでも結果バカップルは嫌だ!!