以下ネタバレです








呆然とする私達が連れてこられたのは、旅館の一階にある温泉卓球場だった。

流輝 「いいか?今からお前達バカップルにお灸をすえるために、○○をかけて卓球をしてもらう」

  えっ?賞品は私ってこと о(ж>▽<)y ☆

主人公「えっ?」

(私をかけてって・・・一体、どういうコト!?)

健至 「いきなりどうしたんだよ。それに、オレ達がいつバカップルだったんだ?」

  ん?ずっとだけど?気付いてませんでしたか・・・┐( ̄ヘ ̄)┌

宙  「むぅ、無自覚とはさすが・・・。これはもう手遅れですね、先生」

拓斗 「やっぱDQNだ」

健至 「いくらなんでも横暴すぎるだろ」

  ここは、健至が勝てばいいのよ!

  で、また「惚れ直しちゃった!」って言わせて?(^_-)☆

拓斗 「さっきのひったくり事件の時の恨みは忘れない」

健至 「え?」

宙  「あれは辛かったねぇ」

ボス 「うんうん・・・あ、思い出し泣き」

主人公「あ、あの、皆さん・・・?」

宙  「で、勝負するの?しないの?」

主人公「健至・・・」

(私をかけてって、蒔けた場合は一体何をされるんだろう)

(しかも、相手はあのブラックフォックス。どうしたら・・・)

  健至もブラックフォックス!

健至 「○○・・・オレに、ついてきてくれないか?」

主人公「でも・・・私なんて健至の足を引っ張るだけだよ」

健至 「大丈夫。サポートするから」

健至 「それに・・・お前が隣にいてくれれば、オレは200%の力が出せるんだ」

  そう?じゃあ・・・(///∇//)

(健至・・・)

主人公「・・・わかった。私も一生懸命頑張るよ」

健至 「ありがと」

拓斗 「どう思う?」

宙  「うーん。いつものケン兄なら、ここで笑い飛ばすトコだけど・・・」

流輝 「どうした、怖気づいたのか?」

健至 「いいや。この勝負・・・引き受ける!」

ボス 「そうこなくっちゃ!」

宙  「僕達を相手にするなんて、覚悟を決めたみたいだね」

流輝 「ちなみに、お前らが負けた場合は、△△は違う部屋で寝てもらうぞ」

  なんだ・・・そんなことか・・・

  いいもん!夜中こっそり健至の部屋に忍び込んでやる!

主人公「そんな・・・!」

健至 「そういうことなら、絶対に負けらんねーな」

流輝 「珍しく本気だな。そんなに△△と離れるのが嫌なのか?」

健至 「当たり前だろ?○○は、お前達には渡さない!」

  健至・・・(//・_・//)

拓斗 「あのケン兄が燃えてる・・・」

宙  「恋の力、恐るべし・・・!」

流輝 「上等だ。オレも一度、お前と真剣勝負をしてみたかったんだ。覚悟しろよ?」

(うーん・・・よくよく考えると、わけがわからないけど、とりあえず頑張ろう!)

宙  「こうして、恋のゴングは鳴り響いたのであった・・・っていうことで、ルール説明ね」

勝負は3ゲーム制でペアマッチ。

一回戦は、私と健至ペア、マスターと蛭川さんのペアになった。

宙  「そしてブラックフォックス温泉卓球大会、特別ルールは・・・これ!」

宙  「くじ引きで、使用道具が選べまーす!」

ずらりと並んだそれらは、しゃもじにスリッパ、ミニフライパンに・・・とバラエティ豊かだ。

主人公「私は普通のラケットだ。良かった」

健至 「オレはスリッパか。まぁ、使えなくはないかな」

ボス 「たっくん、がんばろうね。おじさん、しゃもじだけど」

  予想通り ( ´艸`)

拓斗 「CDケースって・・・これで卓球やったやついるのか・・・」

健至 「マスターと拓斗か・・・」

主人公「全く予想がつかないね」

健至 「いや、意外とそうでもないかも」

主人公「え?」

流輝 「では・・・始め!」

最初のサーブは蛭川さんから。

拓斗 「よっ・・・と」

ガカコンッ!

拓斗 「あ」

流輝 「はい、健至チームに1点って、おい拓斗」

ボス 「ちょっとちょっと。何、最初からミスしてるの」

拓斗 「手もとが狂っただけだし・・・いちいち騒ぐな」

ボス 「もう、次はおじさんのサーブね。ほいっ」

カンッ

健至 「よっ」

スパンッ

拓斗 「・・・ふんっ!」

ブンッ!

拓斗 「あ・・・」

流輝 「はい、2-0・・・って、だから拓斗!」

ボス 「思い切りカラ振ったね、今・・」

健至 「拓斗のヤツ、思ったよりも下手くそだな。これはいけるぞ・・・」

健至 「○○、マスターを狙ってみて」

主人公「え?でも、蛭川さんを狙った方が有利なんじゃ・・・」

健至 「いいから」

主人公「・・・わかった」

(どういう意味だろう?)

主人公「よ・・・っと!」

カコンッ

健至 「○○、ナイスサーブ!」

主人公「うん!」

ボス 「おや、意外と○○ちゃん卓球上手いのね。おじさんも負けてらんない・・・っと!」

カンッ

健至 「ほいっ」

ボス 「やっ!」

主人公「はっ」

ボス 「とりゃあっ!」

健至 「よっ」

ボス 「てりゃーっ!って、さっきからなんでオレばっか打ってんの!?これっていじめ!?」

  ええ、まあ・・・気付いちゃいました?

  おじさんを早く疲れさせちゃおうって魂胆です!(マジか?)

健至 「まだまだっ!」

ボス 「た、たっくーん。たまには打って・・・」

拓斗 「ふんっ!」

ブンッ!

流輝 「・・・はい、3-0」

ボス 「たっくん!」

拓斗 「打てっていったのはそっちだし」

(これは・・・もしかしなくとも流れがうちに来てる?)

その後も、マスターを狙い続ける。

すると・・・

ボス 「ちょ、ちょっとタイム・・・き、気持ち悪い・・・」

拓斗 「はぁ?」

ボス 「さっき部屋でお酒飲んでたから・・・こんなに激しい運動するとは思ってなかった・・・」

流輝 「棄権するか?」

拓斗 「しねぇよ。最後までやる」

しかし、蛭川さんはやはりカラ振りを続け・・・

流輝 「・・・11-5。2ゲーム先取で健至、△△チームの勝ち」

健至 「やったな、○○!」

主人公「うん!」

健至 「な、やっぱりマスターを狙って良かっただろ?」

主人公「計算してたの?」

健至 「ああ。マスター酒臭かったからな。もしかしたらって」

主人公「そうなんだ」

(健至って意外とそういう細かいところも見てるんだよね・・・)

健至 「あっちのチームワークの悪さも、良い追い風になったな」

健至 「でも、次は・・・」

主人公「柳瀬さんと、更科くんペア・・・」

流輝 「おっさんと引きこもりに勝ったからって、油断してると痛い目にあうぞ」

宙  「そーそ。僕達は甘くないからね」

(う、見るからに強そう・・・)

柳瀬さんは普通のラケット、更科くんはミニフライパンになった。

健至 「よりによって流輝がラケットか・・・」

(勝たなくっちゃ・・・健至と離れ離れなんて絶対にイヤだ!)

ボス 「では・・・始め!」

宙  「やっ!」

カンッ!

健至 「くっ・・・するどいサーブだな!」

パンッ!

流輝 「はっ!」

主人公「あっ!」

(柳瀬さん、あんな端っこに打ち返すなんて・・・届かない!)

健至 「○○ッ!」

主人公「健至!」

スパンッ!

私のラケットをすり抜けたピンポン玉を健至が床に手をつき体を一回転させて打ち返した。

(す、すごい・・・!)

ボス 「1-0!」

主人公「健至、ありがと!」

健至 「なんのこれしき」

流輝 「さすがだな。ブラックフォックスの潜入担当なだけはある」

健至 「流輝こそ。こんなにやるとは思ってなかったぜ」

試合は、一進一退の攻防戦だった。

互いに1セットずつ取り、そしていよいよ、最後の試合へ。

(強い・・・柳瀬さんも更科くんも、隙が無い!)

健至 「はぁっ、はっ・・・」

主人公「健至?」

(すごい息が上がってる・・・)

健至 「心配するな・・・まだ動ける」

主人公「ごめん。私がフォローばっかりしてもらってるから・・・」

健至 「違う。あいつらが強すぎるんだ」

主人公「でも・・・足を引っ張ってごめんね・・・」

(やっぱりこの勝負、引き受けるんじゃ・・・)

健至 「○○」

主人公「え?・・・わっ!」

くしゃくしゃっ

汗にまみれた健至の手が、私の頭を大きく撫でた。

健至 「大丈夫。二人で絶対に勝とうぜ」

主人公「健至・・・」

健至 「オレは、絶対に○○と離れたくない」

主人公「・・・うん!」

健至 「よし」

流輝 「なかなかしぶといな・・・」

宙  「もう○○ちゃんはあきらめなよ。ケン兄、さすがに2試合連続で体力が持たないでしょ?」

健至 「悪いけど、○○に関する事だけは絶対に譲れないな。○○はオレの彼女なんでね」

主人公「私も、健至の彼女なんだから絶対に譲らない!」

健至 「○○・・・」

宙  「もう、こんな時まで見せつけちゃって!」

宙  「これでもくらえっ!」

パコーンッ!

健至 「ますます威力が上がってる・・・っ!」

流輝 「はぁっ!」

主人公「くっ・・・!」

宙  「とうっ!」

こうして、永遠に続くのかと思うほどの時間が流れ・・・

ボス 「11-10!」

10-10からなんとか1点を奪取し、とうとう、ラスト1点を争う勝負になった。

主人公「あと一点だね!」

健至 「ああ、最後まで気を抜くなよ。絶対に勝とうぜ」

主人公「うん」

ボス 「始め!」

健至 「ふぅ・・・」

健至 「・・・はぁっ!」

パンッ!

健至 「しまった・・・!」

宙  「ラッキーセブン!甘いサーブ!・・・おりゃっ!」

(スマッシュ!?)

(早い!ぶつかるっ・・・!)

咄嗟に顔の前にラケットを構え、よけようとした。

その時。

カンッ・・・!

(え・・・?)

健至 「○○!」

主人公「あ・・・」

偶然にもラケットの端にあたった球が、空中で綺麗に弧を描き、そして相手コートへと・・・

コォオオンッ・・・!

柳瀬さんのラケットをすり抜け、ネットインしたのだ。

ボス 「・・・12-10で、健至、○○ちゃんチームの勝利!」

(え・・・?うそ・・・)

健至 「○○!」

主人公「私達・・・勝ったの?」

健至 「ああ!やったな、最後は○○が決めたんだぞ」

宙  「そ、そんな・・・」

ボス 「ヒロくん、ここは悔しけど約束通り負けを認めよう」

流輝 「クソッ!最後届いていれば・・・!」

拓斗 「・・・情けねーやつらだ」

  いやいや、たっくん?言える立場じゃないよ?

宙  「ちょっと!たっくんに言われたくないんだけど」

  ( ´艸`)

(ホントに・・・勝ったんだ・・・)

健至 「やったな、○○!」

主人公「うん・・・うん!やったね!」

パン!と互いにハイタッチ。

健至 「いやー、最後のあの返しはすごかったよ」

主人公「あ、あれはたまたま当たっただけで・・・」

健至 「たまたまでも、そうそう出来る事じゃない。○○は、オレの勝利の女神だ!」

主人公「きゃあっ!」

健至が私を抱き上げる。

流輝 「負けたとはいえ、やっぱりイライラするな」

拓斗 「・・・リア充爆発しろ」

宙  「なんかこれってさー、僕達ただのかませ犬じゃない?」

  うん・・・

ボス 「気づいたらただのピエロになってたね」

  そうだね・・・

流輝 「二人の仲をより進展させただけだったな・・・」

宙  「あー悔しい!でも、しょうがないか。あそこまで二人の絆を見せつけられちゃったら・・・正直、完敗だよね・・・」

宙  「二人には悪いコトしちゃったな。何かお詫びをしないと」

流輝 「珍しい。何をする気なんだ?」

宙  「旅館でのお詫びと言えば、もうアレしかないでしょ」

宙  「ブラックフォックス、大四十八の奥義。ってことで、みんな協力よろしくね」

こうして、私をかけたブラックフォックス卓球大会は無事に終了した。

更科くんたちが、またしても何か企んでいるようだけれど、その声は私達の耳には届いていなかった。


主人公「ふぅ、暑いねー。すごい汗・・・」

健至 「だな。卓球やってる時は気付かなかったのに」

主人公「くしゅっ!ちょっと冷えてきた・・・」

健至 「大丈夫か?このままだと風邪ひいちまうな」

主人公「あ、じゃあ温泉行かない?」

健至 「いいね。そうしよう」

旅行鞄から、入浴セットを取り出す。

主人公「健至、見つかった?」

健至 「いや・・・どこに入れたっけかな。オレのお気に入りのシャンプー・・・」

健至 「ちょっと探してから行くから、先行ってて。温泉上がったらロビーで待ち合わせな」

主人公「分かった」


時間が遅かったせいか、大浴場の中には誰もいなかった。

主人公「すごい、貸切りだ」

汗を流し、湯に浸かる。

主人公「ふぅ、気持ちいいなー。普段の疲れが取れていく。卓球にも勝てたし・・・はぁ、ごくらくごくらく」

(ホントは健至と一緒に入れたら最高だったんだけど)

(ま、そんなのは無理で・・・)

ガラガラッ

(あ、誰か来た)

(残念、貸切り状態は終わりかぁ・・・)

???「・・・ふぅ」

(え?この声・・・)

主人公「け・・・健至!?」

健至 「えっ・・・○○!?」

主人公「な、なんで健至が!」

健至 「え、だってこっちが男湯だって宙と拓斗が!」

シーン・・・

健至 「だまされた・・・また、あいつらにしてやられた・・・」

主人公「更科くんと蛭川さんってば・・・もう・・・」

健至 「卓球にまけた腹いせか?いたずらにしては度が過ぎるぞ・・・」

(どうしよう・・・)

タオルで隠しているとはいえ、旅館の浴場で、裸で二人きりというのは、正直・・・。

(・・・ダメ、直視できない!)

(ていうか、居たたまれない!)

主人公「わ、私もう出るね!」

健至 「ま、待てよ」

手首を掴まれる。

健至 「オレ達以外に誰もいないみたいだし・・・少しくらいはいいか?」

主人公「え・・・な、なにを・・・?」

健至 「温泉。一緒に入ろう?」

主人公「え・・・?」

主人公「うーん・・・・」

(入りたいけど、もし誰かに見つかった時の事を考えると・・・)

健至 「卓球・・・勝った時のご褒美は?」

主人公「え?」

健至 「くれないの?オレ、○○のために頑張ったのに・・・」

  健至?自分のためでもあるでしょ?

主人公「ええと・・・」

主人公「・・・わかった。ちょっとだけだよ?」

健至 「やった」

主人公「でも、恥ずかしいから後ろ向くね」

健至 「え?」

健至 「まあ、しょうがないか・・・」

二人でお湯に浸かる。

(すぐ後ろに、裸の健至がいるんだ・・・)

そう思うと、やっぱり恥ずかしくなりなかなか振り向けない。

健至 「○○、こっち向いてよ」

主人公「い、いや」

健至 「来ないなら・・・オレから行っちゃうよ?」

主人公「え・・・わっ!」

パシャンッ

お湯が揺れる。

健至が抱きしめてきた。

健至 「○○・・・」

顎を掴まれ、ぐ、と引かれる。

唇が、健至のそれに触れた。

健至 「・・・やっとできた」

主人公「もう・・・」

(無理やりキスするなんて・・・)

  嫌いじゃないわ о(ж>▽<)y ☆

健至 「そういえば、入浴中の○○って初めて見たかも」

  そうなの?てっきり一緒に入ってるもんだと・・・

主人公「私も・・・」

(健至、やっぱり鍛えてるんだな。筋肉がすごい)

  マジで?触りたい!だって、筋肉フェチだったりするんだもん!

健至 「こういうのっていいな。帰ったらまた、一緒に風呂入ろうな」

主人公「うん・・・」

会話をしながらも、視線はついつい健至の逞しい体へと向いてしまう。

ゴツゴツとした肩だとか、鎖骨、そこに滴る水滴など・・・。

健至 「・・・○○、見すぎ」

  だって・・・この身体魅力的!

主人公「え?わ、私は別にそーいう意味で見てたわけじゃ・・」

健至 「あははっ。もっと見ても良いんだぜ?ホラ」

両手を広げる、健至。

(そ、そんなことされたら・・・)

健至 「大丈夫か?顔、赤いぞ」

主人公「なんかのぼせてきちゃったかも・・・」

健至 「じゃあ、そろそろ出るか?」

主人公「うん・・・」

健至 「戻ったら、みかん食べさせてやるから」

主人公「ホント?」

健至 「ああ。口移しでな」

主人公「え?」

健至 「それとも・・・今がいい?」

クラクラする。

それは温泉の熱さゆえなのか、それとも・・・

主人公「うん・・・今、ちょうだい?」

  おっ!Σ(=°ω°=;ノ)ノ

健至 「ん・・・」

顔を近づけ、再びキスをする。

健至の唇の熱さも相まって、二人きりの温泉を心行くまで楽しんだ夜はすっかりのぼせあがってしまった。




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健至って皆といる時は皆と楽しむタイプかと思ってた

体育会系だしね~

こんなにみんなの前でもイチャイチャするとか

それに気付いてないとか・・・

ちょっと予想してなかった

これじゃあ、バカっプルと言われても仕方ないな( ´艸`)