以下ネタバレです
主人公「もちろん、健至と一緒の部屋がいいな」
健至 「よかった。他のやつ選んだら・・・って、ちょっとドキドキしたよ」
主人公「私が他の人を選ぶと思ったの?」
健至 「あ、いや。信じてなかったわけじゃないんだけどさ」
主人公「分かってる。ちょっとイジワル言ってみたかっただけ」
健至 「このっ!」
主人公「わっ!」
健至が、私の頭をぐりぐりと撫でる。
拓斗 「バカップル。見てらんねーし」
同感!
宙 「最近、普段にも増してアチチじゃない?あの二人」
ボス 「いいねぇ、春だねぇ」
いや、今は秋!
宙 「今、秋だけど」
ボス 「おじさん、新しいメニューでも考えちゃおうかなぁ。テーマは・・・」
宙 「『バカップル』で一つ」
ボス 「それ採用!」
流輝 「雑談はそこまでにして、今日はこれで解散するぞ」
皆、それぞれ帰る準備をする。
健至 「○○。せっかくだし、日頃の疲れを取って、楽しもうぜ」
主人公「うん」
(健至と温泉かぁ・・・すっごく楽しみ!)
宙 「はい、ラブラブもそこまで!続きは旅行で」
こうして、その日は健至と一緒に帰った。
そして、旅行当日。
私達は熱海へと降り立った。
あっ、今回は電車なんだ!
主人公「やっと着いたね」
健至 「すげーいい空気だな」
主人公「うん。温泉も久しぶりだから、楽しみ」
健至 「オレも・・・」
健至が、すっ、と腰を屈める。
健至 「○○と一日中一緒にいられるコトがすっげー楽しみ」
主人公「・・・!」
耳元で囁かれ、どきりと心臓が高鳴る。
主人公「もう、健至ってば・・・」
健至 「ハハッ。まだ温泉入ってないのに、顔赤いぞ」
主人公「健至のせいだって」
拓斗 「熱海まで来て、バカップル見るとかマジ地獄」
宙 「旅行効果かな。いつにも増してアチチじゃない?あの二人」
ボス 「いいねぇ春だねぇ」
宙 「いや、だから秋だって」
拓斗 「旅行中あれがずっと続くのか?」
宙 「うーん、それは面白くないねぇ・・・」
流輝 「おい、タクシー呼んだぞ。早く乗れ」
主人公「荷物を置いた後は、どこに行くんだっけ?」
健至 「えーと、確か・・・」
流輝 「忘れたのか?『みかん狩り』だ」
みかん狩りねぇ~いっぱい食べなきゃ!
旅館にチェックイン後、みかん農園へ向かった。
主人公「すごい!いっぱい実ってる」
健至 「すげーうまそうなみかんだな」
主人公「制限時間は30分か・・・よーし」
健至 「待って。みかんをもぐ時は、ハサミで枝の部分を1cmくらい残して切るのがいいんだって」
主人公「そうなんだ。健至、詳しいんだね」
健至 「このパンフレットの書いてあった。受け売り」
主人公「あははっ、なるほど」
健至 「えーと、美味しいみかんの見分け方は、枝の先にあって皮の色が濃く小ぶりなもの・・・と」
健至 「あったあった。ほら、○○。このみかん、うまそうだぞ」
主人公「ホントだ。じゃあ一つ・・・」
パチンッ、とハサミで枝を切り取る。
健至 「貸して。オレが剥いてあげるよ」
えー!いいよ!自分で剥いて食べたいんだけど・・
剥いてくれるのはまた今度、おこたでみかん食べる時にあ~んして( ´艸`)
主人公「ありがと」
健至 「はい、○○」
主人公「あーん」
主人公「ん」
ぱくり
主人公「甘い!すごくおいしいよ」
黄色から徐々に濃いオレンジへと色づき始めているみかんはとても甘くておいしかった。
健至 「オレにも一口」
主人公「はい、あーん」
健至 「・・・ホントだ、甘い」
主人公「ね。プルンッってしてる」
健至 「これならいくらでも食べられそうだ」
主人公「食べ過ぎて指が黄色くなっちゃうかも」
健至 「ハハッ」
笑い事じゃないよ?子供の頃すっごく言われたんだから!
親戚のおばさま「手が黄色いのはみかんを食べすぎたせいなのよ~」なんていってたもん!
そして一つ目のみかんを食べ終わり、次のみかんを探す。
(あ、あれなんか良さそう!)
(でも高いなぁ・・・うーん、届かない・・・)
健至 「○○、オレの肩に乗って。そうすれば届くだろ?」
主人公「え、でも私重いよ?」
健至 「大丈夫だって。じゃあ、○○がオレを肩車してくれるか?」
主人公「む、無理だよ!」
健至 「ハハッ」
健至 「だろ?」
主人公「・・・わかった」
しゃがんだ健至の肩に乗り上げる。
主人公「重かったら言ってね?降ろしていいから」
健至 「全然よゆー・・・っと」
主人公「わっ!」
ぐんっ、と視界が高くなった。
主人公「お、重くない?平気?」
健至 「大丈夫だって」
(健至、力あるんだなぁ)
現役消防士なめんなよ (*^-^)b
ちょっぴり惚れ直してしまう。
健至 「それよりどう、届きそう?」
主人公「えっと、もうちょっと右・・・採れた!」
健至 「どれどれ・・・おっ、思ったとおり濃いオレンジ色!うまそうじゃん」
主人公「うん。これはお持ち帰りにして、後で旅館で食べよっか」
健至 「いいね」
健至の肩から降り、みかん狩りを再開する。
拓斗 「・・・なに今の」
宙 「ナチュラルに肩車してたね・しかもあーんってしてたね」
拓斗 「ケン兄、硬派だと思ってたのに・・・いつの間にあんな軟派になったんだ・・・・」
宙 「恋は人を変えるって言うよね~。ケン兄って昔から温厚ではあったけど、○○ちゃんと付き合いだしてからはさらに輪がかかった感じだし」
拓斗 「みかん採ってる姿なんて、隠居した爺さんみてーだし」
宙 「穏やかすぎだよね。まぁ、それだけ○○ちゃんのコトが好きなんだろうけど・・・」
宙 「なんか二人だけの世界になっちゃってつまんなーい。僕達もいるのにさ」
拓斗 「同感」
拓斗 「ケン兄と△△はバカップルっつーより、DONカップルだな」
宙 「こうなったらアレをするしかないね」
拓斗 「アレ?」
宙 「ブラックフォックス、第三十の奥義。その名も・・・『お邪魔虫大作戦』!」
(あの二人・・・私達の方見てたけど、何話してたんだろう・・・)
(なんか嫌な予感が・・・)
宙 「ねぇねぇ、○○ちゃん。僕のみかんも食べてくれる?」
主人公「え?」
宙 「すっごく美味しそうなの採れたんだ。はい、一口」
主人公「えっと・・・」
宙 「ケン兄のは食べられて、僕のみかんは食べられないの・・・?」
今日のところはね。だって今日は健至の彼女だもん!
主人公「そっ、そんなことないよ!」
健至 「いいんじゃないか?あんまり食いすぎるなよ」
宙 「・・・むぅ、さすがご隠居」
拓斗 「・・・このくらいじゃ動揺しないか」
健至 「え、なに?」
主人公「じゃあ・・・一口もらおうかな」
宙 「やった。はい、あーん」
主人公「ん」
宙 「どう?」
主人公「うん、美味しい」
宙 「良かったぁ」
流輝 「なんだなんだ。△△に餌付けしてるのか?」
主人公「なっ・・・私は動物じゃありません!」
流輝 「ほら、美味しいみかんだぞ。食ってみろ」
主人公「むぐっ・・・!」
拓斗 「こっちも」
主人公「ちょっ・・・!」
ボス 「はい○○ちゃん、あ~ん」
主人公「ええっ・・・!」
健至 「ハハッ」
健至 「○○、なんかハムスターみたいになってるぞ」
主人公「そ、そんな・・・・」
宙 「○○ちゃんもっと食べて!」
こうして、皆に無理矢理みかんを食べさせられ・・・。
主人公「こ・・・これ以上は・・・もう食べられない・・・」
宙 「「ええ~?」
拓斗 「根性無さすぎ」
宙 「つまんなーい。もっと遊びたいのに!」
(完全にみんなの遊び道具になってる・・・なんか悔しい・・・)
宙 「こうなったらたっくんで遊ぶしかないな・・・」
拓斗 「は?」
宙 「それっ!」
ぴゅっ!
拓斗 「うっ!」
拓斗 「なんだ・・・みかんの汁?」
あ~コートに付くよ?シミになっちゃう!
たっくんのコートホワイト(ベージュ?)だから目立っちゃうってば~
宙 「それそれそれっ!」
拓斗 「ばかっ!やめろっ!・・・このっ!」
宙 「わっ、反撃されたー!」
みかんの皮で汁を飛ばし合う二人。
(え、えーと・・・)
健至 「おっ、面白そうじゃん。オレも参加しよっと」
ボス 「おじさんも参加しようかな?」
宙 「目に汁をかけられた人が負けね!」
ボス有利じゃん!メガネかけてるもん!
健至 「オレ目細いから、そう簡単に入らねーし」
拓斗 「オレには目をつぶるという特技がある」
ボス 「オレも、こういう時のためのメガネなんだよ」
ボス 「フッ」
流輝 「おい、くだらねーことやるな」
宙 「えいっ!」
流輝 「うわっ!このやろう!」
流輝 「全員、宙を狙えっ!リーダー命令だ!」
健至 「了解」
宙 「うわあ!○○ちゃん、助けて~!」
主人公「ちょ、ちょっと・・・!」
全員が更科くんを目がけて汁を飛ばす。
(なんでこんな展開に・・・?)
止めるべきか躊躇していると
???「きゃああっ!」
突然、女の人の叫び声が聞こえてきた。
???「ひ、ひったくりよ!私のカバンが!誰か捕まえて!」
(ひったくり!?)
振り向くと、男が女性を突き飛ばし、カバンを持って走り去ろうとしていた。
健至 「待てっ!」
誰よりも早く健至が動く。
私も、他のメンバーも後に続き犯人を追った。
しかし、木や一般客に阻まれて中々追いつけない。
(出口の方に逃げてる!このままだと・・・)
健至 「○○!みかん貸して」
主人公「え?」
健至 「早く!」
主人公「わ、分かった!」
慌てて、先ほど残しておいたみかんを手渡す。
主人公「はい!」
健至 「サンキュ」
健至 「よし・・・おりゃっ!」
ドッ・・・!
犯人 「ぐっ・・・!」
主人公「当たった!」
思い切り投げたみかんが命中し、犯人はその場に崩れ落ちた。
その隙に、他のメンバーが取り押さえる。
主人公「す、すごい!さすが健至だね!」
健至 「そうか?たまたま当たっただけだよ」
主人公「ううん!すごくかっこよかった!」
健至 「そ、そんな大したことじゃないよ。つか、あんま褒めんなって。照れる・・・」
主人公「褒めるよ。惚れ直しちゃった」
健至 「○○・・・」
宙 「あのー・・・」
拓斗 「全然こっちに気付いてないな」
宙 「僕達も頑張ったのに・・・なんかつまんなーい」
健至 「みかん潰れちまったな。犯人を捕まえるためとはいえ、食べ物を粗末にしたのは悪かったかな・・・」
主人公「でも、皮が破れてるだけだし中身は綺麗だよ」
主人公「あ、じゃあ、今食べちゃおうっか」
健至 「そうだな」
主人公「はい、健至。あーん」
健至 「うん、うまい。○○も、あーん」
主人公「ん。美味しい」
健至 「ハハッ」
拓斗 「・・・なにこの茶番。オレ達の事、アウトオブ眼中にも程があるだろ・・・」
ボス 「おじさんになって初めて、リアルでハートマークを飛ばしてるカップル見たわ・・・・」
宙 「ううう~納得がいかない・・・」
流輝 「これはちょっとお灸をすえないといけないな・・・」
ボス 「じゃあ、やっちゃう?」
拓斗 「やるか」
宙 「よし、やっちゃおー!」
と、皆が何をたくらんでいるかなど知りもしない私達は二人でみかん狩りを楽しんだ。
旅館へと戻り、浴衣に着替えて部屋でまったりと過ごしていた。
主人公「ん~美味しい。やっぱりこのみかん最高」
健至 「おいおい。いくら犯人逮捕のお礼でたくさんもらったからって、さっきから食いすぎじゃないか?」
主人公「だって美味しいし一つ一つちっちゃいから、止まらないんだもん」
美味しい夕飯が食べられなくなるわ・・・・
健至 「オレ、さっきから見てるだけで胸やけしそう」
主人公「そう?」
一つ二つと、更にみかんを手に取る。
主人公「ホントに今日の健至、すっごくかっこよかったよ」
健至 「そ、そうか?てか、なんだよいきなり」
主人公「なんか言いたくなって」
健至 「さっきも言ってたじゃん」
主人公「本当の事だから、何度でも言いたいの」
自慢の彼氏だもんね
健至 「そっか」
みかんの皮をむき、健至に手渡す。
主人公「食べる?」
健至 「いいよ。見てるだけでお腹いっぱい」
主人公「じゃあ、一口だけ」
健至 「一口だけな?」
主人公「うん」
と、手を伸ばしたとき。
ガチャンッ・・・!
主人公「あっ!」
健至 「大丈夫か!」
浴衣の袖口が湯呑にあたり、倒してしまった。
まったく・・・┐( ̄ヘ ̄)┌
主人公「お茶が・・・!」
健至 「そんなことより火傷は!?」
主人公「大丈夫。袖が濡れただけ」
健至 「ここ拭いとくから、洗って来いよ」
主人公「う、うん」
洗面所で浴衣を洗い、戻る。
主人公「健至、ごめんね?」
健至 「こんなことなんでもねーって。それよりホラ、濡れたとこ見せてみろ」
主人公「火傷はしてないよ?」
健至 「いいから」
主人公「あっ・・・」
ぐい、と引っ張られる。
手首を掴まれ顔を近づけられ、少しドキリとした。
健至 「大丈夫そうだな。気をつけろよ?」
主人公「うん・・・」
健至 「どうしたんだ?顔赤いけど?」
健至 「あ・・・」
健至と目が合う。
一瞬、時が止まったような気がした。
(そういえば、旅行に来て初めて健至と二人きりになれたんだ・・・)
健至 「○○・・・」
腰を抱かれ、引き寄せられる。
健至 「キス・・・していいか?」
主人公「うん・・・私も・・・」
したい、と言い終わる前に、唇を塞がれてしまった。
主人公「ん・・・」
(健至の唇・・・すごく熱い・・・)
主人公「あ・・・」
そしてそのまま、畳へと押し倒される。
(このまま・・・するのかな・・・)
(まだ、温泉入ってないのに・・・)
食事前に入ってくればいいのに、ってか時間があるならせっかくだから入ろうよ!
健至 「・・・みかん味のキスだ」
主人公「・・・胸焼けする?」
健至 「「いや。逆にいくらでも食べられそう」
主人公「バカ・・・」
健至 「もう一回、味見させて・・・?」
主人公「・・・うん」
再び健至の顔が近づいてくる。
(もう、このままでもいいかも・・・)
そう思った時。
スパーンッ!
宙 「たのもー!」
主人公「えっ!?」
健至 「なっ・・・!?」
(さ・・・更科くん!?)
宙 「あ、やっぱり二人きりになったら、いやらしいことしてる!」
ボス 「やっぱりみんなの予想は当たってたね」
拓斗 「マジきもい・・・」
健至 「な、なんだよいきなり!」
この部屋鍵ないの?不用心だなぁ~
流輝 「おまえらバカップルの行動をただ見せつけられるのも癪だからな。これを読め」
健至 「はぁ?」
手渡されたのは、一枚の紙だった。
そこには・・・
『今宵、△△○○を頂きに参ります。ブラックフォックス』
と書かれていた・・・。
つづく---