以下ネタバレです
拓斗 「誰と一緒の部屋にすんの?じゃねーだろヒゲ!一度くたばれ!」
初っ端からヒドイ言いようですね( ´艸`)
主人公「た、拓斗さん!」
拓斗 「コイツがオレ以外の奴と同室とかありえねーし」
ボス 「や、やだな・・・たっくん。冗談だってば・・・あはは」
マスターは慌てたように厨房に戻っていった。
拓斗 「おまえ、今、誰にしようかな?とか迷ってただろ・・・」
バレました?だっていい男揃いなんですもの
この状況で悩まない女っている?
主人公「い、いいえ!そんなことあるはずがないじゃないですか!?」
拓斗 「もしそんなこと、一瞬でも考えたら・・・」
主人公「考えたら?」
拓斗 「そっこー絶交してやる」
絶交なんだ・・・(°д°;)
私の腕を掴んで、自分の方に引き寄せた。
(なんだろう拓斗さん、今日はいつもよりヤキモチ妬きみたい?)
(でも、こんな風に積極的にしてくれるのはちょっと嬉しいかも・・・)
拓斗 「旅行の時、オレから離れんなよ。迷子になっても探してやんねーから」
主人公「あ、それは大丈夫ですよ。私、いつも拓斗さんの事ばっかり見てますから」
言うね~ ( ´艸`)
拓斗 「!」
宙 「はい、○○ちゃんの勝ち~」
拓斗 「う、うっせー!」
拓斗さんの顔が、一気に真っ赤になった。
旅行当日。
黒狐に集合すると、バンに乗る座席を決めることになった。
拓斗 「つーか・・・こんなオンボロ車で現地まで行くとかありえねーし・・・」
ボス 「残念ながら今回の賞品に新幹線の交通費は含まれてなかったんだよ。ほら、うち、人数多いしさ・・・」
ボス 「ま、節約も兼ねてワイワイしながら行けば、熱海なんてあっという間だよ」
宙 「僕、お菓子持ってきたよー」
健至 「お、宙は準備いいな」
拓斗 「行く気失せた。帰る」
えっ!?
主人公「ちょ、ちょっと!」
いきなり帰ろうとする拓斗さんを、慌てて引き留める。
拓斗 「貧乏旅行とかマジめんどい。家で寝たい・・・」
主人公「そんなこと言わないでくださいよ。せっかくなんですから、楽しみましょう」
拓斗 「こっちは寝不足だっつーの」
宙 「そういえばたっくん、目の下すごいクマが出来てるね」
流輝 「いつものアレだろ」
主人公「アレ?」
ボス 「あー、たっくんは、子供の頃から」
拓斗 「黙れ、ヒゲ!」
宙 「あー!いつものアレかぁ!」
主人公「みんな知ってるんですか?」
(アレってなんだろう・・・)
流輝 「健至、宙、拓斗を押さえとけよ」
柳瀬さんがニヤッと笑った。
拓斗 「ちょ、バカ!」
拓斗 「てめーら、○○にチクッたらぶっとばす!」
ニヤニヤと笑いながら稲垣さんと更科くんが拓斗さんを捕まえた。
その様子を確認すると、柳瀬さんがこっそり私に耳打ちした。
主人公「えぇ!拓斗さん、遠足の前の日とか運動会の前日は楽しみにし過ぎて眠れなくなっちゃう子供だったんですか!」
可愛いじゃん!
(・・・なんだか意外だけど、そんな拓斗さん、ちょっと可愛いかも)
(でもこんなこと、口にしたら怒られちゃいそうだから黙ってよう・・・)
宙 「たっくーん、昨日も楽しみにしずぎて眠れなかったんじゃなーい?」
拓斗 「ち、ちげーし!」
拓斗 「熱帯夜だったから暑くてちょっと寝れなかっただけだし!」
季節は秋ですが?それも冬も間近ですよ?言い訳が苦しすぎる・・・(;´▽`A``
拓斗 「結局朝までわくわくしながら起きてたとかじゃねーからな!」
ワクワクしてたんだ・・・( ´艸`)
流輝 「誤魔化すならもっとうまくやれよ」
拓斗 「ご・・・誤魔化してねーし!全部本当だっつーの!」
(・・・今は秋だし、むしろ昨日は寒いくらいだったよ)
(きっとみんなの言う通りなんだろうな・・・)
ボス 「ほらほら、いつまでも遊んでないでそろそろ出発するぞー。荷物、忘れるなよ~」
流輝 「で、誰の運転で行くんだ?」
宙 「平等にじゃんけんで決めようよ」
ボス 「道になれてないと大変だろうから、○○ちゃんは運転しなくていいからね」
主人公「ありがとうございます」
拓斗 「じゃ、オレも・・・」
流輝 「却下」
健至 「ほら、じゃんけんしるぞ、じゃんーんけん」
ボス 「ぽい!」
出された手を見ると、拓斗さん以外のみんなは『パー』を拓斗さんは一人だけ『グー』を出していた。
拓斗 「ちょっと待て!お前ら何か裏で操作したんじゃ・・・」
ボス 「はいは~い、どんどん乗ってね」
宙 「僕、一番後ろ~」
健至 「おい、宙、もっと詰めろよ」
拓斗さんの抗議をスルーし、みんなが後ろの席に乗る。
主人公「あ、あの・・・私は・・・」
(拓斗さんが運転なら助手席に・・・)
流輝 「△△どけ。邪魔だ。オレは誰かさんと違って仕事が忙しくて寝不足なんだ。後ろは騒がしいから助手席で寝かせろ」
柳瀬さんが助手席に乗り込んだ。
拓斗 「なんで柳瀬が隣に乗ってんだよ。こういう時は○○が隣って決まってんだろーが」
うんうん!
流輝 「・・・」
(柳瀬さん、寝たふりしてる・・・)
ボス 「○○ちゃんも、早く乗ってね~」
主人公「は、はい・・・・」
(今回は仕方ないよね)
拓斗 「つーか・・・ホラえもんの神の手がコイツらに負けるとか、ありえねーし・・・」
ホラえもんだから負けたんじゃん!みんな知ってたわけね( ´艸`)
拓斗 「はぁ・・・超めんどい・・・」
拓斗さんは手をグーにしながら、何やら呟いていた。
マスターに呼ばれ私も後部座席に乗り込むと、渋々ハンドルを握った拓斗さんの運転で熱海に向かった。
宙 「あは!なにそれ超ウケル!」
ボス 「だろ~、あんまり後姿のキレイな人だったからさ・・・思わず声かけちゃったんだけど」
健至 「振り返ったら、女装した、ゴリラ顔のオッサンだったのか!」
主人公「ふふっ、散々な結末ですね」
ボスらしいわ ( ´艸`)
道中、マスターのとぼけ話で盛り上がった。
宙 「○○ちゃん、チロリアンチョコのナメコ味あげる!」
ナメコ味って・・・想像しただけでいらない
主人公「あ、それ秋の限定物なんだよね?」
健至 「バナナはおやつにはいらないんだからな。ほら、○○も安心して食えよ」
バナナいらな~い!! 苦手だし・・・
健至、今名前で呼んだでしょ?いっそのこといつも名前にしてくれると嬉しいんだけどな?
ボス 「ちょっとみんな、おじさんの話聞いてる?」
宙 「聞いてなーい!」
拓斗 「・・・」
バックミラー越しにこちらを見ている拓斗さんと目が合った。
(あ、そうだ・・・拓斗さんにもおすそわけしないと)
何をあげようかな?
主人公「拓斗さん、ナメコチョコ食べますか?」
拓斗 「そんな気持ち悪いもん、ありえねーし」
たっくんの意見に同感!
宙 「○○ちゃん、たっくんなんてほっといて二人で食べよーよ」
坂の多い熱海の道を旅館に向かって走っていく。
宙 「エー!ウソー!そーなんだ!」
ボス 「面白いだろ?」
後部座席は相変わらず大盛り上がりしていた。
拓斗 「おい・・・○○・・・」
宙 「アハハ!」
(あれ、今、拓斗さんが何か言ったような?)
(更科くんの声が大きくてよく聞こえなかったけど・・・)
名前を呼ばれたような気がして運転席を見たけれど、拓斗さんは前を向いたまま運転を続けているだけだった。
主人公「拓斗さん・・・今何か言いましたか?」
拓斗 「・・・」
グラッ!
キュルルルル!
主人公「わっ!」
カーブに差し掛かった途端、突然車が大きく揺れタイヤがキュルキュルという凄ましい音を立てた。
ボス 「おいたっくん!バンでドリフトは危ないぞ!」
拓斗 「オレだけ仲間外れにした罰だ!」
えーっ!そんなぁ~
キキキキキ!
健至 「お前どこでこんなの覚えてきたんだ!?」
宙 「そういえば、ゲーセンでマリモカート対戦した時、めちゃくちゃ強かった!」
主人公「えぇ!まさかそれだけ!?」
拓斗 「オレのドライビングテクニックなめんなし!」
キュルルルル!
宙 「おーすごいすごい!」
健至 「わ、おい!やり過ぎだぞ!」
流輝 「Zzzz・・・」
助手席の柳瀬さんはずっと眠ったままだった。
(柳瀬さん、この状況でよく眠ってられるな・・・)
その後も大騒ぎをしながら、ワイワイと旅館までの道のりを進んだ。
主人公「思ったより早く着きましたね」
ボス 「そうだね。チェックインを済ませたら近場に出かけてみようか」
宙 「どこ行く~?」
仲居 「もしよろしかったら、湯ネスコはいかがですか?」
仲居さんがパンフレットと割引券を差し出す。
流輝 「水着で楽しめるスパ施設か・・・。いいな」
健至 「楽しそうだし行ってみるか!」
拓斗 「まじだりー。温泉旅館来て、わざわざ水着でスパ施設とかお前らアホだろ」
主人公「え、そうですか?水着ならみんなで楽しめそうですし、いいじゃないですか?」
拓斗 「水着だからダメだっつーの」
なになに、ヤキモチ妬いてんの?可愛い~! (≧▽≦)
拓斗 「それに、持ってきてねーし」
宙 「大丈夫だよ。レンタルの水着があるんだって」
流輝 「おい拓斗、旅行に来てまで団体行動乱すなよ」
拓斗 「おれはぜってーいかねー。オレがいかねーってことは、○○もいかねーってこと」
えっ!?いいじゃん、行こうよ~せっかくだし・・・ね?
主人公「拓斗さん、どうしてそんなに反対するんですか?出来れば私も行きたいんですけど・・・」
拓斗 「・・・ダメだろ」
主人公「え?」
拓斗 「・・・お前の水着姿を他の奴に晒すなんてぜってーむりだし・・・」
そんなふうに思ってくれて嬉しいけど・・・嬉しいけど行きたい!
聞こえないくらいの小さな声で、拓斗さんが何かをささやいた。
主人公「すみません、もう一度いいですか?よく聞こえなくて・・・」
拓斗 「ヒ、ヒゲの占いで今日はお前に水難の相が出てんだよ!」
ボス 「え?むしろ○○ちゃんのラッキースポットはスパ施設だった気が・・・」
拓斗 「うるせーヒゲ!と、とにかくダメなもんはダメなんだっつーの!」
(今日はいつになく頑固だな・・・・)
柳瀬さんが私の方を見て、『お前が何とかしろ』と合図をした。
主人公「わ、私・・・拓斗さんと湯ネスコで楽しく過ごしたいなぁ・・なんて」
主人公「拓斗さんに水着、選んでもらいたいですし・・・」
拓斗 「!」
ボス 「じゃ、多数決にしようか?行ってみたい人!」
拓斗さん以外のみんなが手を挙げた。
拓斗 「・・・行きゃいーんだろー」
渋々ついて来る拓斗さんの機嫌を取りながら部屋に荷物を置くと、みんなで湯ネスコに向かった。
宙 「これなんて可愛いんじゃなーい♪ピンクのビキニ!」
主人公「え・・・ちょっと大胆すぎないかな?」
湯ネスコにつくとさっそく、レンタルの水着を選ぶ。
流輝 「これにしろ」
柳瀬さんがものすごくセクシーな黒の水着を差し出した。
主人公「こ、これはさすがに・・・」
拓斗 「そんなにそれがいいならテメーが着ろ」
拓斗 「○○、お前もぼけーっとしてねーでとっとと自分で選べ」
主人公「す、すみません・・・」
(本当は拓斗さんに選んでほしかったんだけど・・・)
機嫌の悪い拓斗さんは自分の水着を選ぶと男子更衣室に行ってしまった。
主人公「これにしようかな・・・」
慌てて無難な水着を選ぶと、更衣室へ向かい着替えを済ませた。
広い園内にはいろいろな種類のお風呂がいくつもあり、水着を着たままあちこちを巡って混浴を楽しめる施設になっていた。
宙 「コレ、面白そう!」
健至 「ドクターフィッシュ?」
それやりたい!
主人公「あ、お風呂の中に魚がいますよ!」
ぬるい湯の中に足を入れると、魚たちが寄って来て古くなった角質を食べてくれるらしい。
私はおそるおそるお風呂の中に足を入れた。
主人公「わ、くすぐったい!」
側にやってきた魚たちが足をくすぐるような感じでぱくぱくと近づいてくる。
宙 「超くすぐったい!」
ボス 「ねぇ、オレのとこには1匹も来ないんだけど・・・」
流輝 「人を見てるんだろ」
みんなも足を入れて楽しんでいるようだ。
拓斗 「マジキモイ・・・人が魚に食われるとか、食物連鎖に逆らってんだろ・・・」
宙 「たっくんもやってみなよ!」
流輝 「おい、健至」
健至 「ああ」
拓斗 「おい!バカ!なにすんだっ!」
稲垣さんが拓斗さんを羽交い締めにし、無理矢理魚のいる風呂に拓斗さんを座らせる。
流輝 「おっと!暴れるなよ。魚がつぶれたらかわいそうだろ?」
拓斗 「マジ勘弁!キモイ!」
更科くんとマスターも加わり、みんなで笑いながら拓斗さんを押さえつけている。
主人公「ちょっと、それはやり過ぎじゃ・・・」
宙 「だいじょーぶ、だいじょーぶ♪」
ボス 「オレなんて、こいつらに砂に生き埋めにされたことあるしね・・・」
しばらくすると、拓斗さんの足の周りにたくさん数の魚が集まって来た。
主人公「あ、拓斗さんの足の周りスゴイことになってますよ!」
拓斗 「う・・・来た・・・」
拓斗 「ぐ・・・ぐぐっ・・・」
拓斗さんはあまりのくすぐったさに笑いをこらえて悶絶している。
主人公「ぱくぱくされると、くすぐったいけど、気持ちいいですよね」
拓斗 「もう無理!出る!」
健至 「おーっとまだまだ」
拓斗 「てめぇら・・・覚えてろよ!」
拓斗 「ぐふっ・・・」
みんなはその様子を見て大笑いしていた。
(なんだかんだ言いながら、仲がいいなぁ・・・)
その様子を見て、私もニッコリと微笑んだ。
宙 「○○ちゃーん!こっち来て!ワンちゃんのお風呂があったよ!」
更科くんに手を引かれて『義経のお犬様風呂』までやって来た。
大丈夫?手つないでたら、たっくんぜーったい怒るよ?
宙 「でも、犬用のお風呂だから、一緒に入れないね。もっと奥の方に行ってみようか?僕、ちょっと先の方見てくるね」
(きっと弟がいたらこんな感じなんだろうなぁ・・・)
健至 「おーい、△△。日本酒風呂だってさ」
おちょこの形の小さなお風呂に浸かりながら、稲垣さんが言った。
主人公「わぁ、いい香りがしますね」
健至 「飲むなよ?」
主人公「さすがに飲みませんよ」
健至 「入るか?肌にもいいらしいしな」
さり気なく場所を開けてくれる。
ボス 「おっと、日本酒風呂。いいねぇ。オレも入っていい?」
主人公「どうぞ」
先に入ったマスターが手を差し出す。
ボス 「ほら、足元滑るからつかまってね」
主人公「ありがとうございます」
(稲垣さんとマスターって、やっぱり気が利くなぁ・・・)
(お兄ちゃんがいたら、こんな感じなのかな?)
ゆっくりと湯につかりながら、みんなの懐かし話を聞いた。
流輝 「おい、いつまでも1つのところに入ってるとのぼせるぞ。お前、顔が赤いみたいだし気をつけろよ」
流輝 「ほら」
柳瀬さんがミネラルウォーターのボトルをくれた。
主人公「ありがとうございます。ちょうど、喉が渇いてたんです」
拓斗 「・・・」
主人公「拓斗さんも入りませんか?」
拓斗 「つーか・・・オレ今日、全然○○としゃべってねー・・・」
ボス 「普段独り占めしてるんだから、たまにはいいだろ?」
健至 「せっかくみんなで旅行に来たんだしな」
拓斗 「・・・っ」
宙 「あ、みんなここにいたんだ!○○ちゃん、奥に死海風呂とかあったよ。いこーよ!」
行く行く!! 死海風呂入りたい!!
宙 「つーか、宙、○○にさわんじゃねー」
更科くんが私の腕を掴んだ途端、拓斗さんが更科くんの手を払った。
宙 「たっくんたら、もしかしてMK5!?」
(なんだか拓斗さん、すごく機嫌が悪いみたい・・・)
なんだかものすごく険悪な雰囲気になってしまった。
(どうしよう・・・)
主人公「ま、まぁ・・・みんな落ち着いてください!ね?」
ボス 「そうだぞ。○○ちゃんに心配かけちゃダメじゃないか。ほら、お前らもういい加減にしろよ。○○ちゃんがびっくりしてるじゃないか」
主人公「わ、私なら大丈夫です」
心配させまいと、おおげさに手を振った。
チャリン・・・
(あ、ロッカーの鍵が落ちちゃった)
手首から外れた鍵のついた腕輪を拾おうと手を伸ばした瞬間・・・
犬 「バフッ!」
主人公「あ、私のキーが!」
突然走り込んできた犬が、カギを加えて持っていってしまった。
(ど、どうしよう!)
つづく---