以下ネタバレです








伊吹ちゃんと黒狐で生活を始めて数日が経ったころ、

流輝さんあてに、一通の書類が届いた。

コンコン

主人公「あの、○○です。ちょっといいですか?」

流輝 「ああ」

流輝 「○○って、ホント、カタブツだな」

主人公「第一声がソレっていうのも、問題があると思いますけど・・・どうしてですか?」

流輝 「黙って入ってきていいって、言ってんだよ」

主人公「いや、それは・・・」

  一応マナーですし・・・

  親しき仲にも礼儀ありって言うでしょ?

ベッドを叩き、私を隣に招く。

(伊吹ちゃんが来たら、なんて説明しよう・・・)

流輝 「伊吹の事なら、大丈夫だ。アイツ、育ち柄驚異的な大和撫子だから、黙って入って来たりしねーよ」

主人公「そうですよね・・・って、どうして私はカタブツなんですか」

流輝 「バカだな。彼女と妹の違いだろ。彼女の○○は、オレの部屋に入ってきてもいいんだよ。いつだってな」

流輝 「で、どうした?」

主人公「はい、流輝さん宛てに書類が届いていました。これって、伊吹ちゃんのですよね?」

流輝 「お、きたか。編入試験の結果。つーか、入学手続き書類だろ」

流輝さんが封書を開けると、合格通知。

主人公「すごい、名門女子高ですよね?聞いた事ありますよ!ほんとすごい・・・」

流輝 「ああ、ここならヘンな虫がつかねーと思ってな」

主人公「ぷっ・・・。心配性!自分が肉食系だから、あらぬ想像をしちゃうんですね。伊吹ちゃんは真面目そうだから大丈夫ですよ」

流輝 「おまっ・・・カタブツなのにツッコミは激しくなってきたな」

主人公「鍛えられたんですよ」

書類に目を通していると、平日に手続きに来るように書いてある。

仕事やお父さんのことで忙しい流輝さんの代わりに私が伊吹ちゃんと一緒に手続きに行くことにした。


手続きを終え、校舎を当てもなく歩いていると生徒に話しかけられた。

女子高生1「あんた、誰?私服で・・・」

伊吹 「えっ・・・あの・・・初めまして!今度からここに通うことになった、柳瀬伊吹です。よろしくお願いします」

主人公「私は付添です。よろしくお願いします」

女子高生1「編入生・・・?へー、珍しい~。うちの学校に編入ってことは、よっぽどのご令嬢?」

伊吹 「いえ、とんでもない。普通の家です。ムリを通して、入れて頂いたんです」

(伊吹ちゃん、なんて控えめなんだろう・・・)

女子高生2「じゃあ、相当頭いいとか?」

伊吹 「どうでしょう・・・」

(伊吹ちゃんの事、値踏みしてるみたい。なんだか、イヤな感じだなぁ・・・)

主人公「じゃあ、そろそろ私達は失礼しますね。伊吹ちゃん、いこ」

振り返った時、流輝さんが歩いてきた。

心配で少しだけ仕事を抜けてきたのだという。

女子高生1「ねねね!あれ、今テレビにいっぱい出てる、代議士の息子だ!」

女子高生1「やば、TVよりイケメン!」

聞こえているはずなのに、流輝さんは聞こえないふりをした。

流輝 「伊吹、初めての学校はどんな感じだ?」

伊吹 「授業も始まってないから、なんとも言えないよ。でも、楽しみだよ。都心なのに、緑がいっぱいだし、嬉しいな」

(なんていい子なんだろう・・・!)

(私なら、イヤなことがあったって、いっちゃうかもな)

女子高生2「えーでも、イケメンとかいっても、しょせん犯罪者の息子ってことじゃん?」

  ( ̄へ  ̄ 凸

女子高生2「私はなー。あの家の娘なんだ、あのコ」

(ひどい!聞こえるように言ってきて・・・)

伊吹ちゃんの様子が気になり見て見ると、笑ったままだった。

特に何かを我慢しているわけでもない、自然な笑み。

(・・・きっと、こんなことでも、楽しいんだな)

(仲良しの同級生ができますように・・・)

編入の手続きを終えると、流輝さんはまた仕事へと戻っていく。

その後、私は伊吹ちゃんと学校生活に必要なものを買いに行った。


主人公「ふー、結構歩いたね!楽しかった。あっ、伊吹ちゃん、大丈夫?疲れてない?」

伊吹 「全然!すごく楽しい!」

(良かった・・・元気そうだし・・・)

伊吹 「あ・・・○○さん、見てください」

主人公「あっ、ダックスフンドかー。可愛いね。少し前に大流行したんだっけ」

伊吹 「そうなんですか・・・・?全然知らなかったです。可愛いですね・・・」

  短足でちょこまか動いて可愛いよ!!

  我が家にもいるんだもん ≧(´▽`)≦

主人公「犬、好きなの?」

伊吹 「はい・・・。動物の中では一番好きですね」

主人公「犬か・・・。お散歩とか一緒にしたいよね」

伊吹 「わー!ステキですね。いつか飼えたらいいな・・・」


その日の夜・・・

流輝さんに伊吹ちゃんが飼いたがっている小型犬をプレゼントしたいことを相談。

流輝 「・・・買ってやろっかな」

主人公「えっ、いいんですか!?」

流輝 「ああ。あの家なら、なんだって飼えるだろ。ここもマスターに断っておけば、問題ないはずだ。あの人、衛生管理も徹底する気もないだろうし」

  それは、飲食店として問題があると思うよ?

主人公「じゃあ、さっそく明日にでも私ペットショップに・・・」

流輝 「バーカ。オレが買ってやるんだよ。だから、一緒に選びに行こうぜ」

主人公「それって・・・」

流輝 「なんだ?」

主人公「いえ・・・」

(デート、だよね?楽しみだなっ)

流輝 「それまで、○○はリサーチしておいてくれ」

主人公「はい!」

主人公「あの、じゃあお疲れのところありがとうございました。私、部屋に戻りますね。おやすみなさい」

遅くまでいたら迷惑だと思って一歩踏み出した。

その時、腕を引っ張られて流輝さんの腕に包まれた。

主人公「え・・・え・・・」

流輝 「・・・」

(どうして何も言わないんだろ・・・?)

主人公「流輝さん・・・?」

流輝 「・・・ちょっとだけ、充電。意外とまいってるから」

主人公「流輝さん・・・。お疲れ様・・・」

流輝さんの広い背中に手を回す。

それを合図にしたように、さらに強く抱きしめられた。


それから数日後の出来事だった。

流輝さんを除いたメンバーと伊吹ちゃんとで、テレビを見ていた。

飼い主が居ない犬の実情を生放送で実況していた。

伊吹 「可愛そう・・・。殺さなくてもいい方法があればいいのに・・・」

保健所で始末されてしまう犬が、何匹も映し出されている。

伊吹 「あの子たちまだ、生きているんだよね・・・」

主人公「そうだね・・・。・・・でも、明日にはいなくなっちゃうかも・・・」

伊吹 「・・・私になにかできたらいいのに」

主人公「うん・・・」

いつの間にかお互いの手を握り、祈るように悲しい瞳をする犬たちを見つめていた。

伊吹 「・・・世間で有名なブラックフォックスが、ああいう子たちを盗んで私のところに持ってきてくれればいいのにな・・・なんてね」

主人公・宙「えっ!?」

名前が出たことに驚いて、後ろにいるメンバーの顔を見てしまう。

ボス 「伊吹ちゃんは、ブラックフォックスがすきなのかな?」

伊吹 「好きとか嫌いとか、考えた事ないけど・・・正義の味方なんでしょ?なんか、でも、カッコイイなぁ~って・・・」

ボス 「おお、そう?」

伊吹 「うん!困ってる人を助けるんでしょ?まだ生きる力があるのに、犬たちが死んでしまうの、哀しいから・・・」

主人公「伊吹ちゃん・・・」

伊吹 「もしかしたら、そういう子たちも助けてくれるのかな?なんて・・・でも、価値があるものしか盗まないよね、きっと」

ボス 「でも、命に勝る宝はないからね!あるかもよ?」

伊吹 「かなぁ?ブラックフォックスもどこかでこれ観てたりしないかな?・・・って・・・ご、ごめんなさい・・・変なこと言っちゃって・・・」

主人公「ううん!そんなことない」

(伊吹ちゃんにとっては、人ごとじゃないんだ)

(自分と重ねている部分がきっとあるんだろうな・・。どうにかならないかな)

メンバーたちも同じことを考えているのか、みんながテレビに視線を向けた。

その夜・・・

伊吹ちゃんが寝た後、メンバーで相談。

満場一致で今回のミッションに決定!

後は流輝さんに相談する事になったのだけど・・・

流輝さんの帰りがいつになく遅くて、不安で待っていると疲れた様子で帰ってきた。

少し弱ったお父さんに会ってきたという流輝さん・・・

そんなお父さんの姿を見て、家族思いの流輝さんが悲しまないはずがない。

少しでも安心して休んでもらえるようにと、流輝さんをベッドに横たわらせて、私もベッドに潜りこむ。

流輝 「どうした?まさか、悪いもんでも食ったか?」

主人公「食べてません!もう・・・、添い寝です。隣に誰かいると落ち着きませんか?」

驚いた表情を浮かべる流輝さんの手をとり、私は両手で包み込んだ。

流輝 「確かに・・・温かいな。でも、大胆なことをするようになったな。ベッドに自分から、誘ってくるなんてさ」

主人公「ちょっ・・・そういう意味では・・・そこまでの積極的意欲はないですけど・・・」

流輝 「ようやくカタブツ女を卒業したか」

主人公「そうですね。どこかの誰かさんのせいで・・・んっ・・・」

意地悪を言い返したとき、いきなり流輝さんがキスをしてきた。

主人公「ど、どうして急に・・・」

恥ずかしさを隠すために、ムキになって口を開くと、流輝さんが胸元に頭を預けてきた。

流輝 「・・・彼氏の妹の世話とか、普通のヤツならやらねーよ。お前、どんだけイイ女なんだよ」

主人公「・・・私、伊吹ちゃんが好きなんです。何かしたいって思えるくらい・・・あんまり、出来ることはないんですけど・・・」

流輝さんは、笑いながら頬にキスをしてきた。

流輝 「十分だ。オレも伊吹もおまえに甘えてばっかりだな」

頬から唇を離すと、次はまぶたに口づけをする。

主人公「あ、あの・・・流輝さん・・・?」

流輝 「なぁ。好きなのは、伊吹だけなのか?」

主人公「え・・・!?そ、それは・・・」

  わかってるくせに~ (///∇//)

流輝 「それは、何?」

主人公「・・・流輝さんも、好きです・・・」

流輝 「『も』ってなんだよ!・・・顔真っ赤だな・・・可愛くて、離したくねーな」

そう言うと、流輝さんの手が服の胸元に侵入してきた。

主人公「だ、ダメです・・・!」

必死にその手を止める。

けど、少し強引に唇を塞がれて、力が抜けてしまった。

流輝 「我慢するのムリ。静かにすれば大丈夫だ」

主人公「で、でも・・・・」

流輝 「今、オレは○○が欲しいんだよ。わかったか?」

真っ直ぐで、強い視線に操られたように、うなずいてしまう。

そのまま、私は流輝さんを受け入れて・・・。

その夜は、疲れて眠ってしまった・・・




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うっ・・・伊吹ちゃんいい子だぁ~

こんな妹なら、頼まれなくても一緒にお買い物とか行くよ~

一緒にいる事で自分も優しく穏やかになれそうだもんね!