以下ネタバレです







○○の誕生日まで、あと数日。

オレは誕生日の準備に仕事にと、慌ただしい毎日を送っていた。

今はSPルームで報告書の整理をしている。

そら 「もう、みんな○○ちゃんの誕生日プレゼント決めた?」

瑞貴 「はい。一ヵ月前から予約済みです」

桂木 「一ヵ月前って・・・瑞貴、○○に何を贈るつもりなんだ?」

瑞貴 「京都のお茶屋さんに頼んで特別な抹茶スイーツのセットをお願いしてあるんです」

桂木 「抹茶のスイーツか・・・。たしかに○○が好きそうだな」

昴  「オレはネックレスにしようかと思ってるんですけどいいですか?桂木さん」

桂木 「どうしてオレの許可をとるんだ?」

昴  「他の男からもらったアクセサリーをつけるのを嫌う男もいるじゃないですか」

桂木 「ああ・・・そういうことか」

昴  「この間イタリアに行った時、ガラス工房で○○に似合いそうなのを見つけたんですよ」

桂木 「もちろん、オレは構わないよ。○○も喜ぶだろう」

(瑞貴はスイーツで昴はネックレスか・・・かぶらないようにしないとな・・・)

そら 「瑞貴も昴さんも決めてんのかー。オレ、まだなんだよな。海司は?」

海司 「オレもいろいろ迷っちゃって。ガキの頃みたいにお菓子の詰め合わせとか文房具詰め合わせとかってワケにはいかないっすからね」

昴  「お前、そーいうのガキの頃にあげたたのか?」

海司 「小学生のプレゼントなんて、そんなもんじゃありません?」

昴  「オレは花束くらい持っていった気がするけどな」

海司 「昴さんは、ませてるんですよ。○○が喜ぶものって考えると・・・」

そら 「ストラップとかどうかなー。可愛いけど、ちょっと大人めなデザインなら長いこと使えるし。ブランドショップにでも見に行こっかな」

瑞貴 「さすがですね。女の子に教えてもらったんですか?

そら 「瑞貴、余計なこと言うなよ!」

(そらはストラップか・・・)

(うーん・・・こうなったら、やはりオレは得意の家電で勝負するしか・・・)

最新式の掃除機か、ウォーターオーブンレンジか・・・)

そら 「班長!班長ってば」

桂木 「ん?なんだ?」

そら 「班長はもう決めたんですか?」

桂木 「いや・・・実はオレもまだなんだ。最新式の掃除機かウォーターオーブンレンジがいいかなと思ってるんだが・・・」

昴  「誕生日に掃除機かレンジって・・・桂木さんだったら、指輪で決まりでしょう」

桂木 「指輪か・・・」

瑞貴 「そうですね。恋人からの誕生日プレゼントって言ったら指輪が定番ですもんね」

(今度の休日に見に行ってみるか・・・)

そら 「時間があると思って悩んでたら、あっという間ですよね」

桂木 「まったくだ」

そら 「班長、誕生日パーティの準備は順調ですか?」

桂木 「ああ。当日のタイムスケジュールも決めてある。あとは仕事が入らないのを祈るばかりだな」

昴  「ところで・・・桂木さんは○○のどんなところが好きなんですか?」

桂木 「と、突然なんだ?お前がそんなこと聞くなんて珍しいな、昴」

昴  「いえ、仕事の鬼だった桂木さんも女の誕生日に一生懸命になるんだなって、新鮮で。何がそこまで桂木さんを惹きつけるんだろうって思ったんです」

桂木 「そうだな・・・一番好きなのは・・・笑顔だ。○○の笑顔は・・・」

オレは○○の笑顔を思い浮かべる。

何度、この笑顔を思い浮かべてきたか数えきれないほどだ。

仕事で疲れた時、納得がいかないことがあった時・・・厳しい状況に置かれた時。

どんな時でも、オレの気持ちを支えてくれたのは、○○の笑顔だった。

桂木 「○○のエゴは何よりオレを元気にしてくれる。それに、○○の笑顔を守るためなら、どんなことでもしようと思えるよ」

昴  「じゃあ、○○の一番可愛いと思うところは?」

桂木 「それは・・・やっぱやめた」

そら 「えー!なんでですか!教えてくださいよ!」

桂木 「・・・教えたくないからだよ」

海司 「班長・・・○○にベタ惚れっすね」

海司 「仕事と○○って言われたら、どっちをとります?」

桂木 「そんなの両方に決まっているだろう。オレの仕事は○○を守ることだ。どちらも不可欠だよ」

瑞貴 「確かに・・・僕達の場合はそうなっちゃいますよね」

瑞貴 「でも、心配になったりしませんか?」

桂木 「心配って・・・何がだ?」

瑞貴 「だって、○○ちゃんは大学生、女子大生なんですよ?周りには同年代の男達がいっぱい。○○ちゃんをオオカミの目で・・・」

桂木 「そ、それは・・・」

(たしかに、○○が飲み会に出ると言う度に心配にはなる)

(いや、心配というか不安なのかもしれない)

歳の離れた男よりも、同年代の男に魅力を感じるのでは・・・

それはオレにいつも付きまとう不安だった。

桂木 「・・・心配に思うことも、不安に感じることもたくさんあるよ」

そら 「へー、班長でも不安になったりするんですね」

桂木 「当たり前だろう。恋をすれば誰でも不安になる。むしろ不安にならない想いなんて恋じゃないだろう」

昴  「桂木さんも言いますね・・・」

桂木 「う、うるさい」

桂木 「だが、そこで相手を信頼できるのが愛なんじゃないかな。○○の事で不安になることはあっても・・・オレは○○を信じてるよ」

そら 「愛しちゃってるんですねぇ」

海司 「上手くいってるんですね、班長と○○」

桂木 「まあな。○○のお陰だと思う。○○が優しくて気配りができて・・・寛容でいてくれるから、一緒にいられるんだ。オレは毎日○○に感謝してるよ」

そら 「なーんか、すっごい惚気を聞かされちゃった感じ・・・」

そら 「はぁ、オレにもそんな子現れないかなあ」

桂木 「お、お前達が聞いて来たから答えたんだぞ!?」

昴  「後半は聞いてないことまで、いろいろと話してた気がしますけど」

瑞貴 「結果としては、OKですけどね」

桂木 「どういう意味だ?」

瑞貴 「班長の○○さんへの愛情を聞いて、僕達も誕生日に向けてますます頑張ろうって思うようになったって意味ですよ」

桂木 「ああ、そういうことか」

桂木 「誕生日は生まれて来てくれたことと、一年無事に過ごしてくれたことを祝う日だからな。○○の大切さを再確認する日になるだろうな」

そら 「班長の場合、さっきの話だと毎日再確認してるんじゃないですか?」

桂木 「ま、まあな・・・」

桂木 「だが、誕生日はより一層、気合を入れて感謝する日なんだ。お前達、誕生日当日はしっかり頼むぞ!」

全員 「ウス!」

○○が生まれてきてくれたこと、今、傍にいてくれることに感謝して。

そして、○○をどれだけ大切に想っていて、どれだけ愛しているかを伝える日--。

それがオレにとっての○○の誕生日だった。





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