以下ネタバレです










桂木さんからのメールで、私は合鍵を使って桂木さんの部屋に入る。

(中で待っててほしいって書いてあったけど・・・桂木さんは今どこなのかな・・・)

多忙な桂木さんの身体が心配になってくる。

主人公「あれ?部屋の電気が点かない・・・?」

リビングの明かりのスイッチを入れても、電気は点かなかった。

主人公「蛍光灯が切れちゃってるのかな・・・どうしよう。桂木さんに電話したいけど・・・」

(まだ仕事中だったら困るし・・・)

携帯を手に持って迷っていると、突然リビングのテレビがついた。

主人公「わっ!・・・視聴予約でも入ってたのかな」

テレビを見ると、画面には桂木さんが映っている。

桂木 『・・・ゴホン。もう入ってるのか?』

(桂木さん?録画したビデオが流れてるの・・・?)

テレビの中の桂木さんは少し照れたような、戸惑っているような顔でこちらを見ていた。

桂木 『君がこれを見ているってことは、オレが仕事で出ているという事か』

桂木 『って・・・はは、こうやってメッセージを吹き込んでいると、遺言みたいだな』

そら 『班長!余計なこと言ってないで!』

瑞貴 『ちゃんと○○さんへの愛の言葉を吹きこんでくださいよ!』

桂木 『あ、ああ・・・・』

小さくそらさんと瑞貴さんの声が入っている。

主人公「そらさんたちが撮影した桂木さんのビデオ・・・?」

桂木 『あ、ああ。大切な誕生日を一緒に過ごせなくてすまない。けれど、心から○○を大事に思っている。それだけは信じてほしい』

主人公「そんなの・・・信じるに決まってます・・・」

寝る間もないほど忙しかった桂木さん。

それなのに、私の誕生日のために、こんなにいろいろと考えてくれていたなんて・・・。

桂木 『○○、誕生日おめでとう』

主人公「桂木さん・・・」

目頭が熱くなるのを感じた。

溢れそうな涙をぬぐうと、玄関の鍵が開く音がする。

バタバタという足音がして、リビングに姿を見せた桂木さんは肩で息をしていた。

桂木 「はぁ・・・なんとか、誕生日当日に間に合ったか・・・」

主人公「桂木さん・・・」

桂木さんは大きなバラに花束を持っていた。

桂木 「間に合わないかと思ってブルーレイをセットしておいたが、間に合ってよかった。海司もちゃんと時間通りに○○を送り届けてくれたんだな」

主人公「え?海司が?」

桂木 「ああ。仕事が入った時は、海司に日付が変わる少し前にオレの部屋まで送ってくれるように頼んでおいたんだ」

(あ・・・だから、海司はいつもと違う道を走って時間を調整してたんだ・・・)

桂木 「遅くなって悪かった。あらためて、誕生日おめでとう、○○」

主人公「ありがとうございます!」

バラの花束を受け取って、私はそのまま桂木さんに抱きついてしまう。

桂木 「ど、どうした?○○」

主人公「会いたかった・・・会いたかったんです・・」

桂木 「○○・・・」

桂木さんは私の手から花束を取ってテーブルに置くと、きつく抱きしめてくれる。

桂木 「オレだって、仕事をしている間ずっと○○の顔が見たくてたまらなかった。今日ほど、最速で仕事を終わらそうと思ったことはない」

主人公「桂木さん、身体は大丈夫なんですか?最近、ずっと無理してるって・・・」

桂木 「オレは丈夫なのが取柄でね。多少の忙しさはかえって体調がよくなる」

桂木 「それに・・・○○のためだったらどんなことでも苦にならないよ」

私の髪をなでて、桂木さんはそっとおでこにキスを落とす。

桂木 「オレからの誕生日プレゼントを渡さないと。・・・もらってくれるかい?」

桂木さんは一本のバラの花と小箱を私の手に乗せた。

主人公「このバラ・・・花びらに”HAPPY BIRTHDAY”って書いてある!」

桂木 「メッセージローズというらしいんだ。少しでも○○が喜んでくれればと思って・・・」

主人公「はい!こんなにステキなバラをもらったのは初めてです・・・ありがとう、桂木さん」

桂木 「こっちも開けてみてくれ」

小箱のラッピングを解いて開けると、中には懐中時計が入っていた。

主人公「キレイな懐中時計・・・お花と動物たちが彫刻されてる・・・」

桂木 「懐中時計なんて、君たちはあまり持たないかもしれないが・・・最初は指輪を買おうと思って、宝石店にいったんだ」

けど・・・桂木さんが懐中時計に視線を移す。

桂木 「指輪は・・・その、もっと大事な時に渡したいなと思ったんだ」

主人公「桂木さん・・・」

桂木 「他に何かないかと見ていたら・・・この懐中時計がやけに気になってしまってな。この時計なら○○に似合うような気がして・・・古臭かったか?」

主人公「すごく嬉しいです!ずっと大切にしますね」

桂木 「そうか?それならいいんだが・・・」

桂木 「部屋に飾ってもいいらしいから、一緒に暮らしたら飾ろうか」

懐中時計を開けてみると、中には ”I take thought all of me and love you.” と刻印がされていた。

主人公「これは・・・」

桂木 「”私の想いすべてをかけてあなたを愛している”・・・オレの○○への気持ちだ」

桂木さんの気持ちが、伝わってくる想いが嬉しくて・・・

私は堪えきれずに涙を滲ませてしまった。

桂木 「ど、どうした?○○。何か気に入らない事でもあったか?」

主人公「そうじゃなくて・・・桂木さんが優しすぎるから・・・」

桂木 「○○・・・」

桂木さんは少し困ったように笑って、キスで涙を拭ってくれた。

桂木 「部屋が暗いままだったな。電気を点けよう」

主人公「あ、そういえば、蛍光灯が切れてるみたいで点かなかったんです」

桂木 「ああ、それはテレビを見てもらうために、わざと点かないようにしておいたんだ」

桂木さんがスイッチを入れると、リビングに明かりが灯った。

主人公「本当だ。あ・・・!」

明るくなった部屋を見ると、折り紙で作った輪っかや花で部屋が飾られていた。

桂木 「せっかくの誕生日だから、少しでも賑やかに・・・と思ったんだ。昴ほど器用じゃないから、不格好でも許してくれよな」

主人公「お誕生日の飾り付けって感じで、とっても可愛いです」

桂木 「できることは全部しようと思ったら、いくら時間があっても足りなかったよ」

主人公「こんなに素敵な誕生日は初めてです・・・」

桂木 「○○・・・」

桂木さんが私の頬に触れた時・・・テレビからそらさん達の声がしてきた。

主人公「あれ?桂木さんからのメッセージは終ったんじゃ・・・」

桂木 「ああ・・・こんな映像はオレも知らないぞ・・・」

顔を見合わせて、ソファに座ってビデオを観てみることにした。

テレビには『桂木警部・とある一日』というタイトルが出てくる。

桂木 「なっ!何だ、コレは!」

主人公「この映ってる場所って・・・SPルームですよね」

桂木 「ああ・・・いつの間にこんなもの撮ったんだ・・・」

SPルームでは。桂木班のみんなが書類を整理している姿が映っていた。

そら 『班長、誕生日パーティの準備は順調ですか?』

桂木 『ああ。当日のタイムスケジュールも決めてある。あとは仕事が入らないのを祈るばかりだな』

昴  『ところで・・・桂木さんは○○のどんなところが好きなんですか?』

桂木 『と、突然なんだ?お前がそんなこと聞くなてめずらしいな、昴』

昴  『いえ、仕事の鬼だった桂木さんも女の誕生日に一生懸命になるんだなって、新鮮で。何がそこまで桂木さんを惹きつけるんだろうって思ったんです』

桂木 『そうだな・・・一番好きなのは・・・笑顔だ。○○の笑顔は・・・』

桂木さんが昴さんからの質問に答えていると、徐々に桂木さんの顔がアップになっていく。

話ながら、桂木さんの表情が優しくなっていくのがわかった。

桂木さんはSPのみんなからの質問に次々と答えている。

桂木 「やれやら・・・やたら○○の事を聞いてくると想ったら、こういう事だったのか。隠し撮りに気が付かないとは、オレもまだまだだな・・・・」

主人公「あ!桂木さん見てください。最後に”制作・撮影、藤咲&黒澤”って・・・」

桂木 「なるほど・・・きっと黒澤がオレの死角にカメラを設置して瑞貴が編集したんだろう」

二人の名前が出て終わりかと思うと、SPのみんなが画面に現れた。

SP  『誕生日おめでとう!○○!班長といつまでも幸せに!』

桂木 「アイツら・・・」

主人公「これが本当のサプライズプレゼントかもしれませんね」

桂木 「ああ・・・ったく、こんなふうに締められると、叱るものも叱れなくなるな・・・」

微苦笑を浮かべて、桂木さんはテレビを消した。

主人公「でも・・・私は嬉しかったです。桂木さんが私のことを、あんなふうに思っててくれたなんて・・・こういうのって、なかなか聞けないから・・・」

桂木 「・・・そんなに嬉しい顔をしてくれるなら、いくらでも言うよ。○○を困らせるんじゃないかと思って・・・言わなかっただけだから」

主人公「困ったりなんかしませんよ?嬉しい気持ちがいっぱいになるだけです」

桂木 「そうか・・・それじゃあ、これからは○○が嫌って言うほど、甘い言葉を囁こう」

桂木さんはクスッと笑って、私の手を引くと背中なら抱きしめた。

そして、アゴを肩に乗せる。

主人公「桂木さん・・・?」

桂木 「今日は君が人気者過ぎて・・・ちょっと妬いた」

主人公「ふふっ、どうしたんですか?子供みたいな言い方をして」

桂木 「オレだって、好きな子と一緒の時くらい甘えるさ。嫌か・・・?」

主人公「いっぱい甘えてください。桂木さんはいつも一人でいろんなものを背負ってるんですから」

桂木 「そうだな・・・時々、こういう時間があると人生は変わるんだって○○に会って知ったよ」

桂木 「もう二人きりなんだ・・・オレが独り占めする」

主人公「桂木さん・・・」

桂木さんがゆっくりと私をソファに寝かせた。

そして、優しい手で髪を梳いてくれる。

桂木 「何度言っても足りない。誕生日おめでとう。○○。君が生まれて来てくれて本当に嬉しい」

主人公「桂木さん・・・」

桂木さんの真剣で温かい目が私を見つめている。

桂木 「君が生まれた日に隣にいさせてくれてありがとう・・・」

私の頬を桂木さんの手が包んで・・・そっと唇が重ねられる。

抱きしめる強い力に私は桂木さんの背に腕を回した。

一番大好きな人の腕の中で、私は一番素敵な誕生日の夜を過ごした・・・。




*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:


いやー、桂木さんにすっごく愛されてるな・・・私 ← って、(^▽^;)



今回のBirthday桂木さんが一番好きだわ