以下ネタバレです
流輝さんに一緒に行くことを告げる。
流輝 「明日一番で、出るから泊まってくんだろ?」
ってことで、今日は黒狐にお泊り。
翌朝目覚めると、すでに流輝さんは出かける支度を整えていた。
慌てて支度をしようとする私に流輝さんは、蘭子と話がしたいという。
私は蘭子に連絡を取り、喫茶店で落ち合うことになった。
喫茶店で蘭子がくるまでの間に朝食をとることにして、私は盗まれた絵巻物の資料を取りだした。
主人公「あんまり時間がないので、簡単に絵巻物に関して説明しますね」
流輝 「戦国時代の巻物で、ある有名武将が送った手紙」
主人公「・・・当たってます。どうしてそれを?」
流輝 「プランを立てる上で下調べをするのは当然だろ?オレを誰だと思ってんだよ」
主人公「いつの間に・・・・。そんな暇、昨日ありましたか?」
流輝 「おまえが眠った後に、調べたんだよ」
主人公「・・・そうだったんですか」
流輝 「謝るなよ?」
主人公「えっ?なんでですか?」
流輝 「いちいち謝られたらキリがない。おまえの彼氏なんだから、素直に頼ってればいーんだよ」
主人公「昨日のうちに、説明しておくべきでしたね」
流輝 「いや、先入観を持たずに、自分が気になるところを調べたかった。○○が気にすることじゃない」
主人公「・・・はい。絶対に取り戻しましょうね」
流輝 「取り戻しましょう、じゃなくて、取り戻すんだよ。オレがミスするはずないだろ」
主人公「ふふっ、そうですね」
自信に満ちた流輝さんの笑みに、元気が湧いてきた。
流輝 「それで、今回、取り戻したらお前は何をくれるんだ?」
主人公「・・・へっ?」
流輝 「なんだよ、その声は。まさかタダ働きさせる気じゃないだろーな?」
思わぬ流輝さんの言葉に、なんて答えればいいのか迷ってしまう。
流輝 「仕方ねーな、ここで、前金をもらっておくか」
主人公「ま、前金って・・・えっ!?」
私のあごに流輝さんは触れ、心臓がドキッと跳ねる。
何が起こるのか、なんとなく想像がついて逃げようとするけれど・・・。
流輝 「逃げるな」
射抜くような強い視線に、体が止まってしまった。
流輝 「そのままいればいいんだ」
主人公「あ、あの・・・!ここ、お店で・・・」
グイッとあごを持ち上げられ、抵抗するにも見つめられて緊張してしまう。
流輝 「見せつけるように、すごいキスしてやるよ。○○も頑張れよ?」
流輝さんの顔が近づいてくる。
周囲の様子は見えないが、静まり返っている気がした。
(ダ、ダメ!逃げられない・・・)
流輝さんの唇が私の唇に触れると思った・・・その時。
店員 「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
蘭子 「ごめんなさい。連れが先に・・・」
蘭子 「あっ!」
流輝 「ちっ」
流輝さんは瞬時に爽やかな笑みに切り替えて、私から離れた。
(素早い!)
主人公「蘭子!ここ、ここ」
蘭子が席に着くのを確認してから頭を下げた。
主人公「ごめんね、朝早くから呼び出して」
蘭子 「ううん、全然、気にしないでよ。それより、用ってなに?」
主人公「あ、それは流輝さんから・・・」
隣に座っている流輝さんは、居住まいを正し蘭子に話し始めた。
流輝 「僕が○○さんに呼び出してもらうように頼んだんです」
蘭子 「あ、そうだったんですか?」
(この態度の切り替えの早さ・・・)
(いつか見習いたいものだな・・・) ( ´艸`)
流輝 「最近、全国で巻物を狙った盗難事件が起きていますけど、何か詳細を知りませんか?」
主人公「え、そんな事件があったんですか!?」
流輝さんは、私に向かい神妙な面持ちで頷いた。
流輝 「優秀な記者である蘭子さんなら、一般に知られてないネタを知っているのではと思っての事なんですが・・・」
蘭子 「そんな!優秀なんて私はまだまだです」
主人公「どんなことでもいいの。知ってることがあったら、教えて!」
蘭子 「○○でどうしたのよ」
流輝 「少し、個人的に興味がありまして」
蘭子 「興味ね・・・。まあいいわ」
蘭子 「盗まれた現場には、謎の白いタヌキが置かれているらしいの」
主人公「なんでそんなもの・・・」
蘭子 「ブラックフォックスみたいなものじゃない?予告状的な?」
主人公「・・・たぶんタヌキと一緒にしないで欲しいと思うよ」
蘭子 「そこは、ほら。センスの違いじゃない?」
流輝 「・・・タヌキね・・・」
流輝さんのほうをちらっと見ると、何かを考えるような真剣な表情をしていた。
蘭子にお礼を言って、私達は黒狐へと向かっていた。
流輝 「・・・タヌキね・・・」
主人公「白いタヌキですよね」
流輝 「白いタヌキ・・・もしかして・・・でもな・・・」
主人公「心当たりがあるんですか?」
流輝 「裏社会でそんな怪盗がいた気がしたな」
主人公「それは同業者ってことですか?」
流輝 「まあ・・・一緒にされるのは、癪だがそうなるな。同業者ってことになると、めんどくさいことになってきたな」
それっきり、流輝さんは口を閉ざしてしまった。
流輝 「よし。白いタヌキが次に現れそうな場所を割り出すぞ」
流輝さんはポケットから地図を取りだし、そこには赤丸と青丸が付いていた。
赤が盗まれた場所、青が盗まれていない場所だという。
流輝 「盗まれた巻物の内容は全部バラバラだが、傾向としてはどんどん名前が知れたところを狙っている」
流輝 「おそらく、次はここ・・・。この美術館を狙う可能性が高い」
流輝さんが示した場所は、私の博物館よりも歴史がある。
主人公「でも、白いタヌキが犯人で間違いないんですかね?」
流輝 「待ってろ」
携帯を取りだし、流輝さんはブログを私に見せてきた。
白いタヌキがやっているというブログ。
主人公「え、怪盗なのにブログなんてやってるんですか?」
流輝 「よっぽど自己顕示欲が強いんだろうな。ここ読んでみろ」
主人公「・・・『博物館なう』って、この日は盗まれた日じゃないですか!」
流輝 「他の日にも書いてあるだろ」
言われたように、ブログを見ていくと『骨董品屋なう』と書いてある。
それも深夜2時に。
主人公「この人って・・・もしかして残念な感じなんですか・・・」
(なんか全然知性とかを感じないんですけど・・・)
流輝 「残念ついでに、怪盗としての引導も渡してやるか。同業者にうろちょろされるのも目障りだからな」
主人公「はい」
その晩。
流輝さんと2人で美術館に潜入し、いつ現れるかもわからないので、物陰に隠れている。
主人公「同業者から奪い返すなんて、なんだか緊張しますね・・・」
流輝 「余裕だろ。オレを誰だと思ってんだよ」
主人公「そ、そうですよね・・・」
(流輝さんがいるんだから、大丈夫なんだろうけど・・・邪魔だけはしないようにしないと・・・)
流輝 「・・・ったく」
呆れたようなセリフを言いながら、流輝さんは顔を近づけてきた。
流輝さんの唇が軽く私の口に触れた。
流輝 「お前はオレの後ろにいればいーんだよ。だからそんな緊張すんな」
流輝さんは私の肩を抱き寄せた。
流輝 「なあ、ボソボソ話されると、なんかこう刺激されるな」
主人公「もう、それしか頭にないんですか?」
流輝 「人の事言えるのかよ?」
指が伸びてきて、渡井の頬をつつく。
流輝 「顔が赤い。それにオレが傍にいるのに、考えないわけがない」
主人公「どこまで自信家なんですか・・・はぁ・・・」
???「ふふ~ん、オレ様の登場だZE★」
(この下手な歌は・・・)
流輝 「ったく、空気が読めない泥棒だな」
流輝さんは私の体から離れ、渋々といった様子で出て行く。
???「な、何者だ?」
焦ったように、周囲にライトを照らした。
流輝 「お前が盗んだ巻物を返してもらおうか?」
???「何?」
ホワイトラクーン「くー、このホワイトラクーン様の完璧な犯行がバレてしまうとは!」
(あんなに証拠、残してたくせに・・・逆によく今まで捕まらなかったわね)
流輝 「いいから、巻物を返せ。ついでに今まで盗んだもの、全部な」
ホワイトラクーン「ぬぬっ、まさかオレ様のファンで後を追ってきたのか!」
主人公「違います。巻物を返してください」
ホワイトラクーン「女っ!?お前達、こんなところで逢引か!」
流輝 「どうしてそうなるんだよ」
ホワイトラクーン「おお、そうだったな。オレ様のファンだった。ちょっと待ってろ、今サインを書いてやるから・・・」
主人公「あの・・・大丈夫ですか?」
ホワイトラクーン「何がだ?」
(なにって言われても困るんだけど・・・)
主人公「まあ、色々なんですけど・・・」
流輝 「こいつ・・・もしかしてバカか・・・」
ホワイトラクーン「なに!この世紀の大怪盗ホワイトラクーン様をバカ呼ばわりしたな!お前達にはこの巻物の意味をわかるまい!」
主人公「集めるとなんかいいことあるんですか?」
ホワイトラクーン「ふふんっ。オレ様の考察をよーく聞くといい」
流輝 「何を偉そうに」
主人公「流輝さん、話が進まなくなるので、ぐっと我慢してください」
流輝 「・・・ちっ、ほら、さっさと話せ」
ホワイトラクーン「最初から、素直にそういう態度をとればいいものを」
(話したくて仕方がないんだな・・・)
適当にあしらわれていることに気付きもせず、ホワイトラクーンはべらべらとしゃべりだす。
ホワイトラクーン「ってなわけで巻物を七つ集めると、財宝の場所を教えてもらえるんだ!」
流輝 「そんなもんあるわけないだろ・・・漫画の見すぎだ」
ホワイトラクーン「ある!オレが長年調べた結果だ!」
流輝 「長年って・・・おまえが巻物を狙い始めたのなんて、ごく最近だろ」
ホワイトラクーン「ぐぐぐぐ、こうなったら、勝負だ!」
流輝 「ばーか、何がどうなったらなのか、ちゃんと説明しろ」
ホワイトラクーン「よし、勝負方法を説明するぞ」
流輝 「お前な・・・人の話を聞くところから出直して来い」
(もう、何がなんだか・・・)
どうやら夜の美術館で、巻物を巡って対決することになってしまったみたいだ。
はたして勝負の行方は・・・。
つづく---