以下ネタバレです
カジノにはいつものメンバー。
皐月 「やっぱり二人で一緒にいたんですね」
千早 「ふふ、邪魔しちゃったかな」
ノエル「凄く、邪魔・・・」
主人公「ノ、ノエル!」
しれっと言い放ったノエルの口を慌てて押さえると、悠月さんの笑い声が響いた。
悠月 「まあ、そう言うなって、ノエル」
主人公「えっ」
後ろから現れた悠月さんと廣瀬さんに右手と左手をそれぞれ取られる。
(右手の若手大物俳優と、左手の人気作家とか・・!)
主人公「お、恐れ多いから離してください・・・!」
遼一 「まあそう言うなって。それとも、オレ達には触られるのが嫌なわけ?」
悠月 「何だよ。すげー傷つくんだけど」
主人公「そ、そういう意味じゃありません!恐れ多いからって言ってるじゃないですか」
悠月 「プッ・・・」
遼一 「ハハッ」
主人公「あ・・・」
未来 「ふふ、○○ちゃん手からかい甲斐があるよね」
主人公「皆して、私で遊ぶのは勘弁してくださいよ・・・」
千早 「しょうがないよ、○○さん」
皐月 「そうそう。愛ゆえですからね」
主人公「あ、愛・・!」
壮大な単語にクラリと眩暈を感じていると、ノエルがわざとらしく咳ばらいをした。
ノエル「悠月も遼一も手、離して。それ、オレの」
(///∇//)
千早 「おやおや」
ノエル「皐月さんも、愛とか禁止」
皐月 「ふふ、怒られてしまいました」
悠月 「何だよ?いっちょまえにヤキモチか、ノエル」
ノエル「そうだよ」
(〃∇〃)
悠月 「!」
遼一 「ははっ、こりゃ一本取られた」
遼一 「オレ達のシンデレラ姫が絡むと直球だな、ノエルは」
ノエル「オレ達のじゃなくて、オレのだから」
未来 「はいはい。わかってるよ、ノエル」
千早 「ほらみんな、それくらいにして」
皐月 「それが賢明です」
(はぁ・・・)
賑やかなカジノのメンバーに囲まれて、嬉しいため息をつく。
世界選手権を控えているノエルに・・・
千早 「調子はどう?」
ノエル「調子はいい方、かも」
悠月「ま、そんな感じだな。外から見てても」
主人公「あ、やっぱりそう思いますよね!私も最近の練習風景見てたら、それをひしひしと感じて・・・」
皐月 「ふふ、食いつきが凄いですね。記者魂ですか?」
悠月 「壮大なノロケだろ」
主人公「の、のろけ・・・」
悠月 「何だよ、間違ってねーだろ」
(ま、まぁ否定はできないんだけど)
未来 「何はともあれ、ノエルも○○ちゃんも、公私ともに充実してるみたいで良かった」
千早 「確かに、二人ともいい波に乗れている感じだね」
素直な応援の気持ちを感じて、なんだか私まで嬉しくなってしまった。
その後、ノエルの検討を祈ってみんなで飲んだ。
帰りの車を用意してくれると言う皐月さんの申し出を断って、二人で夜道を歩く。
涼やかな夜風が、酔いに火照った体に心地よい。
主人公「でも、応援してくれる仲間がいるのっていいね」
ノエル「まあね」
主人公「たくさん激励されちゃったしさ。世界選手権に向けて気合入れないと」
ノエル「・・・」
主人公「ノエル?」
ノエル「ああ、ごめん」
主人公「・・・何か、悩みでもあるの?」
ノエル「○○の家に行って思ったんだけど。・・・父さんと話してみようかと思う」
主人公「!」
ノエル「ハッキリさせたいんだ、母さんの事」
月明りに照らされたノエルの頬が白い。
だけどその眼差しは、いつになく強いものだった。
ノエル「今から、家に行く」
主人公「え、でも」
ノエル「大丈夫、酔ってない。むしろ頭は冴えてるくらい」
(本気なんだね・・・)
主人公「それじゃ、私も行く」
ノエル「えっ」
主人公「ダメって言われてもついて行くからね」
ノエル「ああ・・・」
どちらからともなく手を繋ぐ。
手の平に伝わる熱い体温は、ノエルの決意の重さを表している気がした。
ノエルの家に行くと俊くんが1人でいた。
お父さんは留守で、お母さんも友達と旅行に行っていると言う。
藍島家の大きな液晶テレビには見知ったサーキットの映像。
猛スピードで駆け抜けていくマシンの中には、ノエルのそれもあった。
俊 「色んな選手を見たけど、やっぱりノエルは凄いよ」
映像を見ながらノエルの技術力の高さを熱く語る俊くん。
ちょっと恥ずかしそうなノエルを見比べて、小さく笑う。
なんだか微笑ましい光景に見えた。
・・・多分二人はあんまり兄弟らしい時間を過ごしてこなかったのかもしれない。
だけどきっと、今からそういう時間を持つのだって、遅すぎることはない。
俊 「はあ、満足・・・」
主人公「俊くんって、今日道にレースのDVD見ることが多いの?」
俊 「はい、好きなんで。オレにも走る才能があったらって、いつも思ってますよ」
ノエル「・・・」
俊 「まあスピードに関する事とか心肺機能とか、オレじゃちょっと無理なんですけどね」
(レーサーって身体能力も判断能力も、物凄いレベル高いもんね・・・)
俊 「どこで差が付いたかな?父親は一緒だし、やっぱり母親?」
俊くんの言葉に、ノエルの肩がピクリと反応する。
それに気が付かないまま、俊くんが言葉を続けた。
俊 「あ、でも違うか。だってノエルのお母さんはあんまり丈夫って言い難いし」
ノエル「どういう事だ・・・?」
俊 「え?」
ノエル「丈夫と言い難いってどういう意味だよ。お前は何か知ってるのか?」
主人公「ノ、ノエル・・・」
俊 「まさかノエル、お母さんの病気の事知らないの・・・?」
ノエル「病気・・・」
俊 「ご、ごめん。大事なことだし、父さんがちゃんと話していると・・・」
主人公「俊くん、どういう事?ノエルのお母さんが病気なの?」
俊 「オレも随分前に父さんの部屋で偶然手紙を見つけて知っただけですけど・・・」
幼い当時の俊くんには難しい病名だったが、ノエルのお母さんが患っているというのは、不治の病と呼ばれるものだった。
手紙には重い病ゆえに長い闘病生活が始まること、それゆえ、ノエルを手元に置けなくなってしまったことが書かれていたという。
俊 「いつか必ず良くなって会いに行く。だからそれまで、ノエルの事をよろしくって書いてあって」
ノエル「そんな・・・」
主人公「ノエル・・・」
掠れた声が切れ切れに紡がれる。
大きく目を見開いたノエルの呼吸は乱れていた。
ノエル「なん・・・だよ・・・何だよそれ・・・」
主人公「ノエル・・・!?」
(ノエルの手、凄く冷たい・・・!)
俊 「こんな伝え方になってごめん。オレ、ノエルは全部知ってて日本にいるんだと思ってた」
ノエル「・・・」
放心したようなノエルを、思わず抱きしめる。
ショックが大きすぎるのだと容易に想像できた。
主人公「俊くん・・・私、ノエルを連れて帰るね」
俊 「△△さん」
主人公「もう今日は、話のできる状態じゃないと思うから」
俊 「じゃあオレ、車を」
主人公「ううん大丈夫。遅い時間に押しかけてごめん。・・・ゆっくり休んで」
俊 「・・・」
苦虫をかみつぶしたような表情の俊くんに別れを告げ、ノエルを支える。
呆然としているノエルの体は、いつになく重たいものだった。
カジノからの道とは違い、今の足取りは重い。
葬列を進むような深い悲しみが、体にまとわりつく気がした。
(会えない理由が、不治の病のせいだなんて・・・)
何と声をかけたらよいのかわからず、ただ彼の手を握りしめる。
こぼれおちそうな夜空の星が、ただただ美しい。
ノエル「・・・オレ、父さんがオレを日本に呼んだのは商売のためだって思ってた」
主人公「・・・」
ノエル「オレに対する愛情なんてなくて・・・母さんだって、もしかしたらオレのことが邪魔になったのかもしれないって考えたこともあった」
主人公「ノエル・・・」
ノエルの心情が、胸に痛い。
あまりにも辛くて、思わず唇をかみしめる。
(泣きたいのは、私じゃない)
震える呼吸を整えて、ノエルの背をさする。
主人公「思いがけない形に、なっちゃったけどさ」
ノエル「・・・」
主人公「真実が知れた事、それだけは」
(良かったじゃない、って言葉を繋げても良いのかな・・・)
だって彼のお母さんは、不治の病。
不治、なのだ。
(でも、私達が立ち止まって嘆いていても仕方ない。それだけは確かだ)
主人公「・・・会いに行こうよ、ノエル」
ノエル「・・・」
主人公「本当の事を知ったんだもん。お母さんに、会いに行こう」
ノエル「そんな・・・簡単な問題じゃない・・・」
絞り出すような声だった。
ノエル「オレは今まで、勝手に全部を父さんのせいにしてきて・・・母さんの病気だって知らずに・・・」
主人公「知りようがなかったんだもん、ノエルが悪いんじゃ」
ノエル「だとしても、オレは自分が許せない。知らないじゃ済まされない」
主人公「ノエル・・・」
突き放すような声色とは裏腹に、ノエルが私の手を握りしめる。
彼は一言もそんなことを言わなかったけど、助けを求められている気がした。
主人公「私が、いるよ。そばにいるよ」
ノエル「○○・・・」
美しい星月夜に、掠れたノエルの声が響いていた。
選択肢
・顔をそむける
・照れてるの?
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そうなんだ・・・・
あのお父さん最低な親父かと思ってたけど
やはり子供に愛情を持っていたってことだ
それに今まで気付かずにいたノエルは辛いよね・・・
逆に恨んでいたくらいだしなぁ
主人公じゃないけど・・・胸が痛い (_ _。)