やっと最後の皐月さん!
間に合った・・・ (;^ω^A
以下ネタバレです
翌日、私は皐月さんと一緒に行動をする事に。
今夜、宿泊するホテルの部屋に入ると皐月さんは、楽しそうな笑みを浮かべていた。
主人公「どうかしたんですか?」
皐月 「明日のことを考えると、楽しみで仕方がないんです」
主人公「なるほど、私もです。皐月さんの思い出の地を案内してください」
皐月 「ええ。○○さんに気に入って頂けるよう、プランを練っておきますね」
皐月 「ということで明日のために、早めに眠ることにしましょうか」
主人公「はい」
キングサイズのベッドに潜りこむ。
皐月さんの腕が伸びてきて、胸に顔を埋め抱きしめられる形でその日は眠りについた。
皐月 「おやすみなさい、○○さん」
良く晴れた青空を見上げると、子供のようにはしゃぎたい気持ちになる。
(昨日はよく眠れたし、今日は1日思いっきり楽しもうっと・・・ん?)
ロビーに到着してから、皐月さんとホテルの係りの人が話し込んでいた。
それが終わり、皐月さんは戻ってくるけれどその顔は冴えない。
主人公「どうかしたんですか?」
皐月 「ええ、手違いで車の手配されていなかったんです。今から手配となると時間が、かかるようです」
主人公「そうなんですね」
(皐月さんが申し訳ない顔をする必要ないのに・・・)
何か良い案がないか考えていると、ホテルの関係者が近づいてきた。
支配人「申し訳ございません」
片言の日本語で、男性は謝罪している。
表情だけでも十分、彼が恐縮しているのが伝わってきた。
主人公「そんなに謝らないでください。待つのは平気ですし、別の交通手段もありますよね?」
皐月 「・・・あることはありますが、あまりお勧めはできません」
主人公「どんな手段なんです?」
皐月 「観光用の自転車に乗っての移動です」
主人公「自転車!?なるほど・・・」
楽しそうなんだけど・・・?
主人公「自転車でいいんじゃないですか?」
皐月 「え・・・?」
皐月さんは一瞬驚いた表情をしたけれど、私を説得してきた。
皐月 「距離的には問題ありませんが、やはり女性には体力的にも辛いと思います」
ずっと上り坂・・・とか?
主人公「私なら大丈夫です。普段から自転車に乗ってますし、体力にも自信があるんです」
皐月 「けれど、事故にあった時に・・・」
主人公「事故は車でも起こるときは起きます」
皐月 「ですが、○○さんにもしものことがあった時のことを考えると、車の方が対処しやすいです」
そうですよね・・・
でも、お天気もいいんだし、自転車でサイクリングでもいいと思うんだけどなぁ
何かあったら皐月さんが守ってくれればいいし (*^-^)b
主人公「私、以前旅行雑誌でみたんですが、スイスでは自転車での観光も有名なんですよね?せっかくなんできれいな空気を吸いながらサイクリングしてみたいです」
皐月 「それは、そうですが・・・」
ここまで言っても皐月さんの顔が晴れることはない。
主人公「やっぱり、駄目ですか?」
(皐月さんとのサイクリング、気持ちよさそうだったのに・・・)
気落ちしていると、頭上で小さなため息が聞こえてきた。
皐月 「・・・はぁ、そんな顔をされたら、嫌とは言えません」
(そんな顔ってどんな顔だろう?)
首を傾げると、頬に皐月さんの親指が触れてくる。
皐月 「少しでも辛くなったら、私にすぐに言う事。約束してもらえますか?」
主人公「はい、できます。・・・なんだか、無理言ってすみません」
皐月さんは一度だけ頬を擦ると、小さく笑った。
皐月 「ふう・・・。○○さんには負けました。では、自転車を借りてきます」
主人公「ありがとうございます!」
皐月さんは苦笑しながら、ホテルの担当者に話をしに行った。
そして・・・。
ベルンの街中を2人で自転車を走らせた。
皐月 「今日は自転車にして正解でしたね。風が気持ちよくて、素晴らしいです」
主人公「皐月さんの言う通りですね!」
見る風景、全てが珍しくつい、視線を巡らせてしまう。
(なにより、皐月さんの自転車姿に違和感を感じない・・・乗り慣れてるのかな?)
そんなことを考えながら、進んでいくと皐月さんがポツリとこぼした。
皐月 「こうして自転車に乗っていると、学生時代を思い出します」
主人公「・・・え!?皐月さん、自転車を使っていたんですか?」
てっきり、リムジンで送迎かとおもってました(^▽^;)
皐月 「ええ、楽でしたから移動は自転車でしたね」
皐月 「それに、1人になりたいときなど便利でしたから」
(1人になりたい時か・・・)
(当然あるんだろうけど、妙に引っかかるな)
皐月 「○○さん、予定のコースから少し離れてしまうんですが寄って行ってもいいでしょうか?」
主人公「もちろんです!寄り道するの好きです!」
にっこりと皐月さんは笑い、自転車の向きを変えた。
ついた先はベルンの街並みには、少し合わない駄菓子屋のようなお店だった。
主人公「あの、ここは・・・駄菓子屋ですか?」
皐月 「ええ、スイス在住の日本の方がやられているお店なんです」
お店の中には、見慣れた商品が並べられている。
(あ、このお菓子知ってる。出店とかでよく見る。こっちもだ・・・)
(たっちゃんイカだ!懐かしいな・・・小学生の時、よく食べたっけ)
皐月 「学生時代によく通っていたお店なんです」
主人公「・・・もしかして、駄菓子を買いにですか?」
皐月 「はい。取り寄せるよりも、お店で数ある駄菓子を選んだりするのが好きでしたから」
(好き、とかじゃなくて、取り寄せはコスト面を考えると私はナシだな・・・)
皐月さんは楽しそうにお菓子を選び始めた時、奥からおばあさんが出てきた。
ヨシ子さん「誰かと思えば・・・立派になって!皐月ぼっちゃん、ご無沙汰しております」
(・・・え、知り合い!?)
ってか、「ぼっちゃん」って呼ばれてたの?
皐月 「お久しぶりです。立派だなんて、私はまだまだですよ。ヨシ子さんは相変わらずお若いですね」
ヨシ子さん「まあ、皐月ぼっちゃんは口がお上手ですね」
主人公「ぼ、ぼっちゃま!?」
思わず叫んでしまう。
いやいや、「ぼっちゃん」だから!
皐月 「ヨシ子さん、何度もお願いしていますがぼっちゃんは・・・」
気恥ずかしそうに皐月さんは言うが、ヨシ子さんは、ただ笑うだけだった。
ヨシ子さん「まぁまぁ、皐月ぼっちゃんたら、こんな素敵なお嬢さんを連れてきて・・・私も年をとる筈ですねぇ」
皐月 「よ、ヨシ子さん、私の話を聞いてくださいよ」
(皐月さんがタジタジになってる)
(珍しい光景だけど・・・皐月さんがお孫さんに見えるな・・・)
ヨシ子さん「ふふっ、もちろん聞いていますよ。でも、私からしたらいくつになってもぼっちゃんは可愛いぼっちゃんのままなんですよ」
皐月 「ヨシ子さん・・・」
(ヨシ子さんは、皐月さんのことを本当のお孫さんのように思ってるんだな・・・)
皐月 「負けました。やっぱりいくつになってもヨシ子さんには敵いませんね」
年を重ねた女性にはかないませんよ ( ´艸`)
ヨシ子さん「ふふっ、分かって頂ければなによりですよ」
ヨシ子さん「ところで、こちらのお嬢さんを紹介して頂いてもよろしいかしら?」
皐月 「あぁ、そうでした。△△○○さん、私の大切な人です」
主人公「あ・・・」
(皐月さん・・・)
大切な人と言う言葉は、ちょっとくすぐったかった。
妙に嬉しいです (*^.^*)
主人公「初めまして、△△○○です。今は皐月さんにスイスを案内してもらっているんです」
ヨシ子さん「そうだったのね。学生の頃、贔屓にしてもらっていてね、よくおしゃべりしたわね」
皐月 「本当に・・・懐かしいですね」
主人公「皐月さんの思い出の詰まったお店なんですね・・・」
皐月 「退屈ですか?」
主人公「その逆です。連れて来てもらって、嬉しいです、素敵な方とも知り合えたし」
ヨシ子さん「ふふ、ありがとう。皐月ぼっちゃんにはとってもお似合いの方ね」
皐月 「はい」
主人公「皐月さん・・・」
キッパリと言い切る皐月さんに驚き、顔を見てしまう。
皐月 「ふふっ、照れないでください」
主人公「む、無理そうです・・・」
(まさか人前で・・・それも今日初めて会った人の前で言われて・・・恥ずかしい)
ヨシ子さん「ふふっ、この様子じゃご結婚されてから、早そうね」
(早そう?)
質問しようとするが、ヨシ子さんに遮られてしまった。
ヨシ子さん「お二人の赤ちゃんならさぞかわいいでしょうねぇ」
ヨシ子さん「・・・それまで元気だと良いのだけれど」
皐月 「ヨシ子さん、そんな悲しいこと言わないでください。将来、私達の子供が産まれたら真っ先に見せに来ます。それまで絶対お元気でいてください」
皐月 「ね、○○さん」
主人公「皐月さんの言う通りですよ。赤ちゃんを抱くまで元気でいてください」
ヨシ子さん「まあまあ、○○さんに言って頂くと、現実味が増しますね」
皐月 「本当です。私も楽しみで仕方ありません」
ヨシ子さん「皐月ぼっちゃんは、男の子と女の子どちらがいいのかしら?」
皐月 「そうですね・・・」
この話、まだふくらます?
皐月 「男の子なら悠月に似てほしいですし、女の子なら○○さんでしょうか」
なぜ、悠月?
ヨシ子さん「ふふっ、自分よりも弟さん似だなんて、皐月さんらしいわね」
主人公「ホントですね」
返事をして、冷静に考えてみると何かがおかしい。
(・・・あれ、なんだか温度差が)
2人は明るい話題を心から楽しんでいる。
ヨシ子さん「まあ!けれど、そう先のことではない気がしますね」
皐月 「ええ、そんなにお待たせすることはないと思います」
(早そう・・・って、そういうこと!?)
(そもそも、結婚する事前提で2人が話してるし・・・)
誰と誰のことを言っているのかわかってしまう。
(もちろん可能性はゼロじゃないだろうけど・・・)
(私は皐月さんが大好きだし・・・)
だからと言って、結婚の話なんてしたこともない。
なのに2人は、疑うことなくすぐ近い未来の話をするかのように、会話を続けている。
(は、恥ずかしい・・・)
今更・・・ですか?
皐月 「それでは名残惜しいですが、そろそろ失礼させていただきますね」
ヨシ子さん「寂しけれど、次の再開がとっても楽しみですわ」
皐月さんは駄菓子を選ぶため、商品を見始めた。
(どこまで本気なんだろう・・・)
(聞きたいけれど、聞けないよな・・・)
皐月さんの背中を見ていると、おばあさんが近づいてきた。
ヨシ子さん「○○さん。皐月ぼっちゃんと仲良くね」
主人公「は、はい・・・!」
普通のセリフなのに、なぜか大きく胸が脈打つ。
心臓の音が聞こえないか不安になってしまった。
駄菓子を買い、ヨシ子さんに別れの挨拶をして、自転車を目的地へと走らせる。
市街地を抜けると、そこには緑溢れる風景が広がっていた。
主人公「皐月さん!見てください」
皐月 「ふふっ、見てますよ。○○さんは、私の顔ではなく前を見てくださいね」
主人公「あ、そうですよね」
(風景があまりにも綺麗で・・・)
気持ちのいい景色の中、自転車を走らせどんどんテンションが上がっていくのを感じた。
皐月 「○○さんに気に入って頂けたようで、私も嬉しいです」
主人公「とっても気に入りました。皐月さんはこの風景を見ながら、生活していたんですね」
広々とした道を自分のペースで自転車を走らせていると・・・。
パンッ!
破裂音が響き、自転車がでこぼこ道を走っているように不安定になった。
つづく---