以下ネタバレです
主人公「遼一さんと一緒に行きますね」
遼一 「おー。じゃあ、行くか」
皐月 「おや、残念ですね」
遼一 「オイオイ、皐月さんまで何言ってるんだ・・・」
皐月 「ふふっ、冗談だよ。○○さん、楽しんできてくださいね」
主人公「ありがとうございます!」
?? 「遼一!」
声の方を振り向くと、チャールズさんが手を振っている。
遼一 「チャールズ、大丈夫なのか?お前、今日の準主役みたいなもんだろ」
チャールズ「あくまで準主役だから問題ないよ。小説、順調みたいだな?」
遼一 「まあ、ぼちぼちな」
?? 「あれ?もしかして遼一?」
ん?この女性は誰?
女性が遼一さんに話しかけてきた。
(び、美人さんだぁ・・・)
遼一 「リンか!久しぶり」
リン 「元気よ元気!・・・・ん?」
リンさんが遼一さんの傍らに立ち私をじっと見つめる。
(な、何!?何なの!?)
リン 「か・・・」
リンさんの次の言葉に身構えるように、私はごくりと息を呑む。
リン 「可愛い!!ちょっと遼一、この子可愛いんだけど!!」
主人公「きゃあ!?」
リンさんが目をキラキラさせながら私を抱きしめてくる。
(展開について行けてないんだけど・・・これはどういうことなのー!)
遼一 「リン、ウチのヨメから離れなさい」
嬉しいんですけど・・・ (〃∇〃)
リン 「えっヨメ?なに遼一こんな可愛い子と結婚したの!?」
なかなか離れないリンさんに、遼一さんが私を引きはがす。
遼一 「いや、まだ結婚してないけど」
近々・・・ね ♪(*^ ・^)ノ⌒☆
遼一 「それにしても、なんでお前ココにいるんだ・・・」
リン 「チャールズから遼一も来るって聞いてついてきちゃった」
遼一 「チャールズ、お前何してくれるんだ」
チャールズ「いいだろ、楽しいだろ?」
リンさんは私に向き直ると、優しく尋ねてくれる。
リン 「あなた、英語話せるのかしら」
主人公「日常会話程度ならできますが・・・探り探りですね」
リン 「じゃあ日本語で話しましょうか。チャールズもいいわよね?」
チャールズ「ああ、いいよ」
主人公「えっ、日本語話せるんですか!?」
リン 「話せるわよー。日本語の勉強もした事あるの。どんと来いよ!」
やっぱ、セレブはちゃんと勉強してるのね・・・(ノ゚ο゚)ノ
チャールズ「君が遼一の彼女だったんだね。色々話は聞いてたんだけど・・・よろしく、○○」
主人公「あっ・・・こちらこそ、よろしくお願いします」
チャールズさんに差し出された手を、私は握り返す。
遼一 「リンは、オレらの学校の姉妹校に通っててな。時々文化祭みたいなのがあって、そこで知り合ったんだ」
チャールズ「今は中華料理店やってるんだよね」
リン 「ええ。よかったら、来てね。ご馳走するわ!」
チャールズ「じゃあ、明日行こうか。遼一も○○も、もし用事がなければ」
遼一 「明日か・・・」
遼一 「寮に行こうかと思ってるから、夜ならいいぜ?」
チャールズ「寮に?・・・○○と一緒に行くの?」
遼一 「ああ。女子禁制だけど、お前の許可があればいいだろ」
チャールズ「だったらオレも行く。リン、よかったら君も行かない?あ・・・でもお店があるから難しいかな」
リン 「いえ、せっかくの機会だもの。お店のコたちにワガママ言っちゃうわ!あ・・・今夜はそろそろ帰らなくちゃいけないわね。じゃあ、明日は必ず行くから!またね、○○」
主人公「はい、リンさん」
リンさんは笑ってみせると、颯爽と帰っていった」
遼一 「・・・なあ、チャールズ。リン、離婚したって本当か?」
チャールズ「ああ。スッパリ離婚したって、晴々したカオで言われたよ」
遼一 「なるほど」
(そっか、リンさん結婚してたんだ・・・)
ひと目しか見てないし、会話も少ししかしてないけれど。
明るくハッキリとした物言いをするリンさんのことが好きだなと思う。
遼一 「さて、オレ達もホテルに戻るか」
主人公「え、いいんですか?」
遼一 「ああ。あんまり今日構ってやれてないからな」
遼一 「ちゃんと構わないと、どっかの誰かさんはすぐすねる」
主人公「うーん・・・そうですね。すねます」
遼一 「ハハッ、開き直るのかお前は」
チャールズさんが、私達を見て微笑んでいる。
遼一 「じゃあ、明日な。チャールズ」
チャールズ「ああ。また明日」
私達は寝る準備を終え、二人でベッドに横になっていた。
遼一 「明日、二人で行けなくて悪いな」
主人公「いえ、チャールズさんもリンさんもいい人そうだし・・・明日楽しみです」
遼一 「そうか?アイツらが一緒にいても、うるさいだけだけどな」
そんなふうに言いながらも、遼一さんはどこか楽しそう。
(遼一さん、チャールズさんとリンさんに会えてうれしいんだろうな)
遼一 「・・・何だ、○○」
主人公「いえ。何でもないです」
遼一 「変なヤツ」
遼一 「さーて、そろそろ・・・」
主人公「そうですね、明日も早いですし・・・」
遼一さんが私にのしかかってくる。
主人公「・・・あの、さっき寝る流れじゃありませんでした?」
遼一 「寝るさ。お前で遊んでからな」
主人公「・・・っ、もう・・・」
遼一さんが私に触れる。触れられたところが熱を帯びて、ため息が出る。
遼一 「お前って、遊び甲斐があるよな。いつまでたっても開拓し甲斐がある」
ちょっと、恥ずかしいけど・・・嬉しっо(ж>▽<)y ☆
主人公「それは私じゃなくて、遼一さんがすごいからじゃ・・・」
遼一 「・・・なるほど。相性がいいってことだな」
そう言うと、遼一さんはニッと笑って指を優しく動かした。
そこは、中世のクラシカルな建物をイメージしたような学校だった。
鉄格子のような門は、重厚で・・・なんだか威圧感がある。
主人公「すごいですね・・・」
リン 「女子校もすごいけど、やっぱり男子校もすごいわよね。脱走者いたでしょ?」
遼一 「ああ」
遼一 「脱走回数歴代1位は、誰だと思う?」
主人公「・・・なんとなくわかりました。未来くんですね」
遼一 「当たり」
遼一 「しかもアイツは絶対バレないようにやるからな・・・」
主人公「遼一さん自身はどうだったんです?」
チャールズ「○○、遼一は優等生じゃないけど、面倒くさがって動かないことが多くてねぇ」
主人公「ああ、そんな感じですね!」
遼一 「どんな感じだよ」
遼一 「そうそう、オレは腹が減ったら誰かに買いに行かせてたからな」
チャールズ「そうだね。主に僕にね・・・」
遼一 「ハハッ、チャールズなんで泣いてるんだよ」
(・・・な、なんだか二人の学生時代の関係性が見えてきた気がする)
見ると、リンさんがくすくす笑っている。
主人公「どうしたんですか?リンさん」
リン 「楽しいよね、こういうの。学生時代の友達って、かけかえないなーって思う」
主人公「・・・はい、そうですよね」
リン 「そうだ。遼一の学生時代の話で、何か聞きたいことはある?私が知ってる範囲で答えるわよ!」
主人公「遼一さんの失敗話が聞きたいんですけど」
リン 「○○、弱みを握りたいのね」
主人公&私「はい、切実に」
リン 「わかったわ。これはチャールズから聞いた話なんだけど、彼、実は小さい頃オバケが苦手だったらしくて」
主人公「えっ、そうなんですか!?」
リン 「うん。10歳くらいの時に、チャールズが他の友達と一緒にオバケを演出したら本気で驚いてしまって、あの遼一が本気で泣きながら怒ったっていう話よ」
主人公「なんだか今からは想像がつきませんね・・・」
遼一 「なーにオレの話で勝手に盛り上がってるんだよ」
リン 「知らなーい。ね、○○?」
主人公「ですよね、リンさん?」
私達がくすくす笑うと、遼一さんが私の頭をコツンと叩いた。
まず、私達は図書室へやって来た。
遼一 「チャールズと本についてよく語ったんだよな。この窓際のテーブルあたりで」
リン 「どんな本について語ってたの?」
チャールズ「源氏物語や、古今和歌集・・・日本の古典について語ってたなぁ」
リン 「そう言えば、あの頃二人してそんな話をしてたことがあったわね」
チャールズ「そうだろ?そう言えば・・・卒業アルバムがあるんだけど、見る?」
主人公&私「見たいです!」
遼一 「お前は見なくていい」
主人公&私「えっ、ひどい!」
チャールズさんは私に微笑んで、卒業アルバムを見せてくれた。
チャールズ「・・・ほら、コレが遼一」
制服姿の遼一さんは・・・まぎれもなく、美少年だった。
(これはっ・・・これは本気でカッコイイんですけど!)
あの・・・見たいんですけど?
遼一 「お前、どういう反応なんだそれ」
主人公「可愛すぎて・・・死にそうです」
遼一 「ったく・・・」
チャールズ「当時の遼一はギャップが激しかったよな。見た目はこんなだけど、口を開けば毒舌!」
遼一 「まー若かったよなぁ」
チャールズ「でも熱心に勉強して、卒業する頃には各国語の原書まで読めるようになってたじゃない」
主人公「すごいですね、遼一さん」
チャールズ「そう言えば・・・あ、ここだ」
チャールズさんは、壁に飾られた額縁を指さす。
遼一 「あっ、お前・・・」
チャールズ「これはね、遼一の詩なの。『恋』をテーマにした詩を書く課題だったかな、先生が気に入ってここに飾ったんだ」
主人公「どういう意味なんですか?」
チャールズ「『桜散れども樹は残る 雲ちぎれども空はある されば恋せよ清水のごとく 振り返る日の夢も見ず』・・・だっだっけ?遼一」
遼一 「お前・・・」
遼一 「まあ合ってるけど」
チャールズ「中学の時だよね、コレ書いたの」
主人公「そうなんですか?遼一さん、すごいですね。こんな詩が書けるなんて」
遼一 「いやどう考えても青いだろ・・・ストレートすぎるだろ・・・大体あの頃は恋なんてもんより本の方が・・・」
(あ、遼一さんが落ち込んじゃった・・・)
遼一 「これ以上お前と一緒にいたら何を言われるかわからん。オレは今から自由行動をとるから、後で合流しよう」
遼一さんに腕を掴まれる。
主人公「えっ、遼一さん!?」
呆気にとられているチャールズさんとリンさんに見送られ、私達は図書室から出た。
遼一 「ここが、オレとチャールズが使ってた部屋。まさか、空き部屋になってるとはな」
寮の部屋と言うから狭そうな印象だったのだけれど、意外に広々としていた。
遼一さんが部屋の壁についたキズにそっと触れる。
遼一 「・・・コレ、チャールズと取っ組み合いをしてできたキズ」
主人公「取っ組み合い?」
遼一 「アイツがオレのアイスを食いやがってな・・・」
主人公「アイス・・・ああ、ありますよね。よく兄弟ゲンカとかであるパターンですよね」
遼一 「まあそんなことがあったり・・・消灯後に部屋を脱出して、繁華街に遊びに行ったりな」
主人公「脱走しなかったワケじゃなかったんですね」
なんか想像できるかも・・・二人ともホントに仲良かったんだね (*^▽^*)
遼一 「面白そうな企画には率先して乗ってたさ。大体、一度も脱走しなかったヤツなんていないんじゃない?」
遼一さんがベッドに座ると、私に手招きをしてくれる。
私がベッドに座ると、遼一さんは私をベッドに押し付けた。
主人公「・・・遼一さん?」
遼一 「ここにいた頃は、将来こんなふうにお前と来るなんて思わなかったな」
主人公「厳しそうですもんね」
遼一 「禁断の寄宿舎で・・・・・って、そそるシチュエーションだと思わないか」
ええ・・まぁ (//・_・//)
遼一さんが楽しそうに私の髪に触れてくる。
遼一 「・・・どうする?」
主人公「チャールズさんとリンさんが来ちゃいますよ?」
遼一 「そんなモンしらばっくれればよろしい」
主人公「な、なに言ってるんですか」
コンコン
ノックの音が聞こえてくる。
主人公「ほら、来ましたよ」
遼一 「聞こえない」
主人公「えっ、ちょっ・・・」
遼一さんが私をベッドに押し付けてくる。
主人公「ちょっと待って・・・っ」
遼一 「待ちません」
ガチャガチャ
ドアのカギを開ける音がして、遼一さんが振り向く。
チャールズ「はーい、お楽しみのトコ悪いけど開けるぞー」
遼一 「分かってるなら開けるなよ・・・」
遼一さんが不機嫌になって起き上がる。
ドアが開いて、チャールズさんとリンさんが入ってきた。
チャールズ「悪いなー。ちょっとお前に会いたいって子たちがいてな」
チャールズさんが促すと、部屋に数人の生徒たちが入ってくる。
生徒A「すみません、リョーイチ・ヒロセのファンなんです」
生徒B「サインもらえますか?」
遼一 「もちろん」
遼一さんは生徒たちから色紙を受け取ると、軽く談笑しながらサインを書いていく。
(すごいな、遼一さん。こっちでも読まれてるんだ・・・)
生徒C「あの、僕もリョーイチのような作家になりたいんですけど、どうやったらなれますか?」
遼一さんは少し考えてからこう言った。
遼一 「読書だとか文章修業をやって・・・あとはお前がやってみたいって思うことをやってみなさい」
生徒C「はい・・・、ありがとうございました!頑張ります!」
生徒たちが行ってしまってから、私は遼一さんをじっと見つめる。
(遼一さん、努力する人に対してはやさしいのよね・・・)
遼一 「・・・なんだよ。らしくないか?」
主人公「いえ、そんなことないですよ?」
遼一 「言ってろよ」
遼一さんはそう言って、楽しげに笑った。
つづく---