以下ネタバレです








(悠月さん、さっきの花屋の女の子・・・もしかして)

悠月さんの横顔を見ていると、スクリーンの映像が切り替わった。

(あれ?誰もいなくなって悠月さんが一人でこっち見てる・・・)

悠月 『未来の僕へ』

  あー!!子供の頃のゆづくんだ~!!かわいいー!!! (≧▽≦)

主人公「え?」

悠月 「あっ!」

悠月 『未来の僕は今何してる?僕はずっと役者を続けていきたいんだ。だから未来の僕もがんばれ!』

  やーん!!かわいすぎ~!!(≧▽≦)

悠月 「うわーー!!!」

主人公「未来の自分にメッセージ!?」

悠月 「笑うなよ!」

主人公&私「だって・・・悠月さん、かわいい

悠月 「言わされてるんだよ!本心じゃねーっつの!」

  いやいやいや・・・( ´艸`)

主人公「えっ、これ絶対本心だよ。だって今も役者続けてるし」

悠月 「うるせーな。誇張して言わされてんだって」

主人公「この頃は素直だったんだね、悠月さん」

悠月 「うるせー」

照れてる悠月さんと一緒に、映画館を後にした。


主人公「あれ?ここって映画の中で出てきた?なんとなく雰囲気が・・・」

悠月 「ああ。あれ見て思い出してさ」

主人公「ベンチがあるね。座ろっか」

(悠月さん・・・映画館を出てからいつもとちょっと違う。何考えてるのかな・・・)

悠月 「・・・こっちにいた頃にさ」

主人公「え?」

悠月 「昔・・・兄貴と取り合った女がいたって・・・おまえも知ってるよな」

主人公「う、うん・・・マーシャさんから聞いて」

悠月 「それ・・・さっき映ってた、花屋の子」

主人公「うん・・・そうじゃないかなって思った」

悠月 「そうか・・・」

悠月 「あの映画で共演した後にも、撮影でもちょくちょく会う機会もあってな。兄貴と一緒によくつるんでた」

悠月 「で、俺が高校生ぐらいの時に、アイツのことが好きなことに気が付いたんだ」

主人公「・・・」

悠月 「でも・・・」

悠月 「あいつ、兄貴のことが好きだったんだ」

悠月 「けど兄貴は俺の気持ち知って、俺に譲った」

  譲るとかって問題じゃないと思うんだけどな・・・(・_・;)

悠月 「あいつも乗り気じゃなかったけど、仕方なくって感じで俺と付き合って」

  付き合っちゃう彼女も彼女だけど・・・

主人公「仕方なくなんて・・・」

悠月 「実際そうだったんだよ」

悠月 「俺と付き合ってても兄貴のこと諦められないのは見ててわかった」

  ゆづくん、辛かったね (iДi)

悠月 「それで結局親戚の家に身を寄せるために、フランスに帰って・・・」

主人公「・・・その時、何か言われたりしたの?」

悠月 「・・・兄貴のことが好きだったって。諦められなかったって」

悠月 「俺もそのあとしばらくして、兄貴があいつのこと好きだったの知って・・・ショックだった」

悠月 「俺一人、子供だったんだな・・・兄貴は自分の気持ち押し殺して俺に譲って」

主人公「悠月さん・・・」

悠月 「だから俺はいつまで経っても兄貴に敵わない」

悠月 「あの時からずっと強がってるけど・・・」

悠月 「結局兄貴はいつまでも俺の前に立ちはだかる存在なんだよ」

(でも・・・いつまでも越えられない人がいるのって、きっと悠月さんにとってはいいことだと思うんだけど、悠月さんとしては、悔しいし辛いんだろうな・・・)

悠月 「・・・おまえのこともそうだし」

主人公「え?私?」

悠月 「兄貴・・・おまえのこと好きだっただろ。でも結局俺に譲った」

  譲られたわけじゃないよ?自分で選んだんだもん!!

主人公「だけど・・・私はあの花屋の人とは違うよ」

(ちゃんと素直に自分の気持ちを言えば・・・・悠月さんに伝わるかな)

主人公「私は、悠月さんも皐月さんも違った魅力があると思ってるから」

主人公「悠月さんは子供っぽいのに優しくて、でも強引で、それなのに思いやりがあって」

悠月 「どういう人間だ、俺は」

主人公「皐月さんは大人なのにお茶目で、周りにきちんと気を配れて・・・」

主人公「北大路兄弟のことは好きだけど・・・でも悠月さんのことは大好き」

悠月 「○○・・・」

主人公「皐月さんに気持ちを伝えられた時、傾きかけたこともあったけど」

主人公「それは、悠月さんの気持ちが分からなかったからだから」

主人公「もし最初から悠月さんが私のこと想ってくれてるってわかってたら、揺らいだりしなかった」

悠月 「俺、おまえに素直になるの、遅かったもんな・・・」

主人公「だけど、それも全部ひっくるめて悠月さんで・・・」

主人公「小さい頃の映像を見てもそんな悠月さんっぽいし、やっぱり私、悠月さんが好きだな」

悠月 「・・・○○、ありがとな」

主人公「えっ!悠月さんが素直にお礼言うなんて、らしくないよ」

悠月 「ははっ、だな」

(悠月さん・・・やっぱりちょっと元気ない?)

(せっかく2人でスイスに来てるんだから、なんとか楽しい思い出になるようにしたいな)

主人公「あ!見て見て悠月さん、ヤギのミルクのアイスクリームだって」

主人公「私、ちょっと買ってくる!悠月さんはやっぱりイチゴ味だよね」

悠月 「ああ・・・」

主人公「ラルフ、行こう!」

悠月さんをベンチに置いて、ラルフと一緒にアイスを買いに行く。

主人公「はい、悠月さん!」

悠月 「サンキュ」

主人公「ヤギのミルクってクセがありそうなイメージだけど・・・いただきまーす」

一口、食べようとした時・・・

ラルフ「バフッ!」

主人公「あっ!ラルフがアイス食べちゃった!」

ラルフ「バフバフッ!」

主人公「『おいしい!』じゃないよラルフ・・・私のアイスが」

  ((゚m゚;) お腹壊すよ、ラルフ

悠月 「おまえ、ラルフの言葉わかんのかよ」

主人公「なんとなく・・・雰囲気で。今絶対『おいしい!』って言ったよね・・・」

悠月 「ほら、俺のやるよ」

  いいの? イチゴ味だよ? ≧(´▽`)≦

主人公「ありがとう」

(少し笑顔が戻ったかな・・・?)

(だけどやっぱりこっちに来ると色々思い出すのかも)

主人公「そういえば向こうに、お土産の屋台が出てたんだけど」

悠月 「ああ、大量に鈴が売ってただろ」

主人公「うん、あれって何?」

悠月 「牛につけるベルのミニチュア版だよ。こっちでは有名な土産」

主人公「へえ、見てみてもいい?」

悠月 「どうすんだよ、あんなの」

屋台まで行って、ひとつを手に取る。

主人公「見て、ラルフにぴったり!」

悠月 「ラルフかよ」

主人公「でもカワイイよ!ベルが鳴るからどこかに行っちゃってもすぐに見つかるよね」

ラルフ「バフッ!」

その時・・・突然、後ろから抱きしめられた。

主人公「悠月さん・・・?」

悠月 「それならおまえにもベルつけなきゃな。いなくならないように」

(もしかしてあの花屋の人のこと、思い出してる?)

(自分の元から去っちゃったから・・・)

(それで私もいなくなると思って、不安になってるんだ)

悠月 「・・・おまえは、どこにも行くな」

主人公「うん・・・行かないよ、どこにも。ずっと悠月さんの傍にいる」

悠月 「ああ・・・」

主人公「今までだって、悠月さんの傍から離れた事、ないでしょ?」

悠月 「・・・そうだよな」

主人公「ゆ、悠月さん、そろそろ・・・」

悠月 「やだ。離れたくない」

主人公「もー!恥ずかしいから行こうよ」

悠月 「んじゃ、手、つなぐ」

笑いながら指を絡めて、私達は公園を出た。


悠月 「そろそろ腹減ったな。どっか入るか」

主人公「あ・・・花の売り子がいるよ。まだ小さいね」

女の子が、悠月さんに花を差し出す。

悠月 「ん」

(あれ、悠月さんが渡したお金・・・かなりの大金!?花一輪で・・・)

(気前良いけど・・・もしかしてあの花屋の人のこと、思い出したのかな)

悠月 「ほら。やる」

主人公「あ、ありがとう・・・」

(もう昔のことだってわかってるけど、こうやってあちこちで昔好きだった人の影が見えると、複雑・・・)

じっと花を見て考え込んでいると、コツンと小突かれた。

悠月 「おまえの考えてること、わかったぞ。バーカ」

主人公「ば、バカって・・・」

悠月 「いーからほら、入るぞ」


主人公「意外と歩き回っちゃったね」

悠月 「そーだな。でも車で移動ばっかもつまんねーし」

(どうしても気にしちゃいそうになるけど・・・)

(でももう考え込まないようにしよう。昔のことだし・・・)

(せっかく悠月さんと2人でいるんだから、落ち込んでたっておもしろくない)

(がんばって盛り上げなきゃ!)

主人公「だけど、悠月さんのデビュー作が観られると思わなかったな」

悠月 「オレだって思わなかったよ」

主人公「ああいう、女の子とキャッキャして遊んでるのとか、未来の自分にメッセージとかって、日本でも段取りが決まってたりするの?」

悠月 「そりゃそうだ。それが事務所の戦略だからな」

主人公「そう思うと、かわいいと思ってた子役もみんな、あの小学生も悠月さんみたいに見える・・・」

悠月 「あのことはもう忘れろよ!」

(よかった、悠月さんも楽しそう)

(やっぱり悠月さんと一緒にいるときは、お互い笑っていたいよね)

悠月 「・・・俺さ、10代の頃はわがままばっかで、好き放題してて・・・ほんとガキだった」

主人公「あれ?わがままと好き放題は今もだよ」

悠月 「うるせーよ」

悠月 「けどさ、おまえに会うまではずっと、女って弱くて自分より力がなくて、それを男が守るもんなのかなって思ってて」

主人公&私「そういう考え、ステキだと思うけど

悠月 「もちろん今も、そうあるべきって思ってるところもあるけど・・・」

悠月 「なんか、おまえと付き合ってて思った」

悠月 「女の方がよっぽど強かったり優しかったりするし・・・」

悠月 「おまえが俺の力になることの方が多いなって」

主人公「ど、どうしたの急に・・・私、そんなたいそうなことは」

悠月 「俺、おまえの行動見ててだいたい気持ちがわかるようになってきたんだわ」

悠月 「だから・・・今日は連続でサンキューって思ってる」

主人公「悠月さん・・・」

悠月 「はは、だからあんまヨコシマなこと考えて行動しない方がいいぜ。バレバレだから」

主人公「こわっ・・・」

悠月 「冗談だよ。けどおまえが気をつかってくれてるのはずっと感じてる」

悠月 「おかげで今夜は楽しいーわ。マジでありがとな」

主人公「ううん・・・悠月さんにそう言ってもらえただけで、悠月さんが笑顔になってくれただけで・・・充分だよ」

(こうやってお互いの気持ちを少しずつ理解していけるようになった)

(この1年で私達・・・ずっとずっと恋人らしくなったよね)

主人公「そういえばずっと気になってたんだけど・・・悠月さんって、こっちで先にデビューしてるんだよね?」

悠月 「そうだな。俺の母親、昔女優だったって言ったよな」

主人公「うん。キレイなお母様だもんね」

悠月 「昔、その撮影現場に興味半分でついていって、そこでスカウトされたのがきっかけ」

主人公「スカウト・・・さすがだね」

悠月 「親父は、男がそんな無知性な仕事に就くなって大反対してたけど」

主人公「でも、お母様は喜んでくれたんでしょ?」

悠月 「そうだな。自分と同じ仕事を子供がするってのは、やっぱ嬉しいって、親父からかばってくれたりもしたけど・・・」

悠月 「親父はやっぱりいつでも兄貴が一番だった」

(それは、お父様の望む仕事に皐月さんが就いているから・・・)

(それに皐月さんが優秀だから?)

(だけど、悠月さんだって・・・)

悠月 「ま、結局は今も役者続けてるけどな」

主人公「悠月さん、演技するの好きだもんね」

悠月 「おー。さっきみたいにキャッキャ無邪気なところ見せて、それに世間が騙されるとかな」

主人公「だからそういう黒いこと言わないでよ」

悠月 「そういやさ、こっちにいるときからずっと犬飼ってるんだけど」

主人公「全部プードル?」

悠月 「そー。最初に飼ったのがシルバーの毛並みのマイケルで、すげーおっとりしてて、何に対しても無関心なの」

主人公「なんか・・・ノエルさんみたいだね」

悠月 「あ、そう言われりゃそうかも」

悠月 「で、次もシルバーで、ベベっつーんだけど、わがままでアクティブな奴でさ」

悠月 「レッドのウリ坊はちょっとネクラで、魚より肉が好きだったな」

悠月 「アプリコットのジャックはおとなしくて優しい奴」

悠月 「ホワイトで唯一のメスだったララ・ヴァニラは寂しがり屋でよく鳴いてた」

主人公「それ・・・悠月さんみたい」

悠月 「泣いてねーし」

悠月 「で、今のラルフ。あいつはひょうきんだな。明るいし」

主人公「あと、天才だしね」

悠月 「そーだよ。俺みたいだろ?」

主人公「ふふ・・・」

主人公「すごいね悠月さん、そんなにたくさんの子がいたのに、全部覚えてるなんて」

悠月 「自分で世話した、自分の子供みたいなもんだからな。みんなかわいいし」

(いろんな個性を持った子がいて・・・みんなかわいくて)

(だけど、それって・・・もしかして、悠月さんのお父様も)

悠月 「・・・俺は、兄貴みたいになれないからさ」

主人公「え?」

悠月 「兄貴みたいなのが、天才って言うんだろうな。でも俺はそれにはなれない」

悠月 「親父に認めてもらいたいってずっと思ってたけど、それなのに何しても兄貴には勝てねーんだ」

悠月 「俺が唯一、兄貴に僅差で勝てたのが容姿だった」

悠月 「だから役者を選んだのかもな。兄貴に勝つために」

主人公「もしかして、悠月さんの中にはそういう気持ちもあったのかもだけど・・・」

主人公「だけど今日観た映画・・・あのスクリーンの中の小学生の悠月くん、本当にお芝居が好きって言うのが伝わってきたよ」

悠月 「悠月くん言うな」

主人公「ふふ・・・私みたいな素人が言っても説得力ないかもしれないけど・・・すごい存在感だった」

主人公「悠月さんが出てくると周りの雰囲気が変わっちゃうっていうか、アジア人じゃないみたいで。なんか・・・少年の妖精みたいな?」

悠月 「なんだそれ、キモイな」

主人公「そんなことないよ!東洋のトパーズなんて言われるのも、納得って感じで」

主人公「それに悠月さんは正直だし、天才じゃないかもしれないけど努力家だし」

主人公「それに・・・優しいし」

悠月 「ベタ褒めだな」

主人公「だって、本当にそう思ってるんだもん」

悠月 「だもん、っておまえ・・・なんだそのかわいい言い方」

主人公「でも悠月さん、たまにわがままになるけどね」

悠月 「それはおまえにだけだよ」

主人公「だから・・・」

主人公「悠月さんが自分のことをどう思おうと、コンプレックスがあろうとも、私の中では、そういうの全部ひっくるめて、最高の彼氏だよ」

悠月 「○○・・・」

主人公「それに・・・お父様もちゃんとわかってると思う。悠月さんには悠月さんの、皐月さんには皐月さんのいいところがあるって、ちゃんと認めてるよ。親なんだから」

主人公「悠月さんが歴代プードルちゃんのいいところを全部把握してたのと一緒」

悠月 「一緒にすんな」

悠月 「でも・・・そうだよな」

悠月さんはそれ以上、何も言わなかったけど・・・

(いつもの悠月さんに戻ってくれたみたい・・・よかった)



主人公「悠月さん、色々連れて行ってくれてありがとう」

悠月 「なんか今日は俺の方がおまえに甘えっぱなしだったな」

主人公「でも、悠月さんのルーツがわかったような気がしてすごく楽しかったよ」

ベッドに座るなり、悠月さんが唇を重ねる。愛しそうに頬を撫でられて・・・

悠月 「・・・離れるなよ」

主人公「離れないってば。それに悠月さんも、ずっとそばにいてね」

悠月 「当たり前だろ」

押し倒されて、悠月さんの首に腕を巻きつけた時・・・

ラルフ「バフッ!」

主人公「わっ!ラルフに舐められた」

悠月 「おまえ・・・いいところで邪魔してくるよな、いつも!」

悠月 「ラルフ!ハウスだハウス!後でたっぷり遊んでやるから、それまで我慢しろ」

ラルフ「バフッ!」

ラルフは『わかった!』と言わんばかりにあっさりとゲージに戻っていく。

主人公「絶対タイミング見計ってるよね」

悠月 「こいつ、俺のことももおまえのことも大好きだからな」

主人公「私達の子供みたいだね」

ラルフが眠っているのを見た後、笑い合ってまたキスをした。

やがてお互いの声が吐息に変わるまで、私達は何度も何度も、唇を重ねた。





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成長した元カノ出てくるのかと思ってました (^▽^;)

それはそれで面白そうだったのに~


北大路兄弟、好きだけど・・・

女性を譲るとか譲らないとか・・・相手の女性の気持ちは確かめないのか?

そこの考え方には、ゴメン・・・ひっかかる (-"-;A


ラルフ以下歴代のプードルちゃんたちのこと初めて聞いたけどみんなかわいかったんだろうね~

我が家にはトイプーさんがいるけど、やっぱり可愛いもん!

小さすぎて抱きしめらないけど、あのもこもこの毛並みはほんと気持ちいい ( ´艸`)

レポしてる時はたいい私の膝の上で寝てる (@ ̄ρ ̄@)zzzz

今もね (≡^∇^≡)


プードルって頭いいから、ホントにタイミングを計って来てるんだろうな ( ´艸`)

ラルフにはこの先も思いやられるね~(^▽^;)