以下ネタバレです






カジノで飲んだ翌朝。

コンコン

部屋がノックされ、遼一さんが開けると、未来くんが立っていた。

遼一 「未来。どうした?」

未来 「うん。いろいろ考えてみたんだけど、あの小説ネットに載っけてみない?」

  それ、賛成!!

遼一さんは一瞬考えてから、ひとつ頷く。

遼一 「なるほどな。告知はどうする?」

未来 「大々的にプロモーションをかけると言うより、今回はクチコミで広める作戦をとったほうがいいんじゃないかな。マスコミにね、思い知らせた方がいいんだよ。廣瀬遼一がどれだけ人気のある作家かっていうのをね」

(み、未来くんが怖い・・・・)

  そう?この未来くんすっごくカッコいいと思うんだけどなぁ

未来 「問題ないでしょ?一応、穏便な方法を選んでみたんだけど」

遼一 「まあな。問題ないだろう」

未来 「じゃあ、この作戦でいくね。後は好意的な記事を載せてもらえるよう、地道に営業活動しておくから」

遼一 「任せた。だが、くれぐれも余計なことはしてくれるなよ?」

未来 「はーい!じゃあね~」

主人公「あ・・・」

(私にも、何か手伝えることはないのかな)

主人公「遼一さん、私未来くんに仕事の話を伝え忘れたので、ちょっと追いかけてきますね」

遼一 「ハイハイ」

未来くんの姿を見つけて、私は何か手伝えることが無いか聞いてみる。

未来 「遼くん、いいなぁ。ちょっと本気で羨ましい」

主人公「・・・未来くん?」

未来 「なんでもない。あるよ、○○ちゃんにも出来ること」

未来くんは楽しそうに笑って言った。


遼一さんの作品『月灯りの夜』がブログに掲載されて数日。

未来くんと私は、うちの会社で出している書籍情報誌の副編集長と話をしていた。

掲載をお願いするも、スキャンダルのすぐあとということもあり、いい返事はもらえずにいた。

未来 「では、どうでしょう。今日から一週間以内に、廣瀬遼一の新作がブームになるよう仕掛けます。3日様子を見て頂いて、利益が見込めれば掲載するというのは」

副編集長「・・・それなら大丈夫です。返事は3日後に」

未来 「・・・さて!僕はこれからいろいろ仕掛けてくるから。またね、○○ちゃん」

そう言って未来くんは去っていく。

(ホント、未来くんって頼りになるなぁ)


その日の夜。

帰宅してベッドに横になって、昼間の副編集長とのやり取りを思い出す。

そして明日『シンデレラ』の編集長にも話をしてみようと思う。

部屋のドアがノックされ、風子が入ってくる。

悠月さんのラジオで遼一さんの小説について話をしているから一緒に聞こうとやってきてくれた。

風子はベッドに寝転ぶ私の隣に横たわって、ポータブルラジオを枕の片隅に置く。

DJが『月灯りの夜』を読んだというリスナーからのメッセージを読みあげる。

悠月さんがラジオで取り上げてくれたことを嬉しく感じる。

風子 「○○、知ってる?廣瀬先生の作品、ネットでかなり評判高いんだよ」

主人公「そうなの?」

風子 「私も読んだけど、泣いちゃった。ホントに大切な人がいるって幸せだなって思える、素敵なお話だったよ。題材に問題があるとか、廣瀬先生の人間性に問題があるとか・・・いろいろ言われてたけど、本当に問題があるのは、あの時のマスコミの取った行動だったんじゃないかなって思う」

  風子・・・いいこと言うねぇ~

風子が珍しく神妙な面持ちになっていった。

なんだか涙が出てしまいそうだった。

ラジオでは、まだ遼一さんの小説の話が続いていた。

DJ 『悠月さん、廣瀬先生は今回の作品にどんな思いを込めたんでしょうね』

悠月 『オレの口から言うと怒られてしまうので言えませんけど・・・遼一はオレに対して素直に本音を言うタイプじゃないんですよ。ただ、読んでで・・・どんな困難な時でも、身近な人を大切に思い合う気持ちを書きたかったのかもしれませんね』

悠月 『っつーか・・・あ!アイツへのラブレターなんじゃねーのかコレ』

悠月さんは、一瞬地に戻ってぽつりと呟く。

(えっ。アイツって・・・)

  きゃっ!(●´ω`●)ゞ

風子 「ああ、なーるほどっ!○○へのラブレターだったのか」

主人公「は!?な、なに言ってるの!」

風子 「納得~。さっすが悠月さん。長いこと廣瀬さんと一緒にいるだけあるわよね」

風子は一人でうんうん頷いている。

DJ 『悠月さん・・・あの。誰へのラブレターなのか、すごく気になるんですが・・・聞いても大丈夫なんですかね』

悠月 『決まってるじゃないですか。遼一のファンに対してのラブレターですよ』

風子&私「悠月さん、ナイス返し

主人公「ほら、私じゃないって」

風子 「ちょっと~。本気で言ってるの?」

本当は、悠月さんが言っている意味もちゃんとわかっていたけれど。

なんだか恥ずかしくて、シーツに潜り込んだ。


翌日、仕事が早く終わったので、私は遼一さんの家にやって来た。

チャイムを鳴らそうとしていたところに、遼一さんからの着信。

後1時間くらいで戻るから先に部屋に入っていて欲しいとの連絡。

私は、次号の『シンデレラ』で遼一さんのインタビューを載せたいことを遼一さんに伝える。

今日編集長にお願いして了解を得た。

これもネットで評判になっているおかげだった。

通話を切ってから、遼一さんにもらった合鍵を取り出す。

少し緊張しながら、合鍵を使って遼一さんの家に入った。


簡単なご飯を作って、私は遼一さんの帰りを待つ。

ソファに座ると、テーブルに以前一緒に行った展示会で遼一さんがリリアンさんからもらった本が置いてあった。

本を手に取ると、本に挟まれていた髪がひらりと落ちた。

その紙を取り上げて、思わず目を疑った。

それは、ずっと前に遼一さんと出かけた先で撮ってもらった・・・私の写真。

(ど、どうしてこんなトコに私の写真が!?)

ガチャッ

玄関のドアが開く音がして、驚くあまりビクッと体が震えた。

(早く元に戻さないと・・・)

テーブルに本を戻すと同時に、遼一さんがリビングに入ってくる。

主人公「おかえりなさい、遼一さん」

遼一 「おーおー。いいねぇ」

遼一さんが私を抱き寄せる。

(こうされるのはうれしいんだけど、今近づかれると見ちゃったことがバレそうで怖い・・・!)

でも、察しのいい遼一さんには気付かれてしまい・・・

遼一さんは私の頭をポンポンと撫でて、本を手に取った。

主人公「あの、それ・・・」

遼一 「オレのお守り」

主人公「えっ・・・」

(リリアンさんの本がお守りっていうのはわかるけど、私の写真まで?)

主人公「冗談、ですか?」

遼一 「・・・お前、そこは素直に受け取れって。今回は冗談で言ってない」

主人公「なっ・・・なんでそういう時だけ本音ぽろっと出しちゃうんですか」

遼一 「いや。どうせバレたなら、お前を恥ずかしがらせようかと思って」

主人公「・・・っ」

トゥルル・・・

遼一さんの家の電話が鳴る。

遼一 「チッ、いいところで・・・」

その時、ちょうど私の携帯のバイブ音が聞こえた。

携帯を確認すると、書籍情報誌の副編集長からの電話だった。

私は副編集長の一存で遼一さんの書籍を情報誌に取り上げることが決定したことの報告を受けた。

電話が終わると、ちょうど遼一さんの電話も終わったところ。

遼一さんの電話は、理香子さんから。

理香子さんの出版社から許可が下り、本として出版できることが決まったとの連絡だった。

主人公「遼一さん、よかたですね!」

遼一 「お前も・・・オレの小説広めようとしてくれたんだよな。ありがとな」

主人公「いえ、私ができるのって本当に些細なことだけなので・・・」

遼一 「いや。そうやって、お前もアイツらも、走り回ってくれたんだろ」

遼一 「・・・感謝してもしきれない」

(遼一さん・・・)

遼一さんは、私を引き寄せて抱きしめてくれる。

遼一 「本当に・・・ありがとうな」

彼のほっとしたような声が降ってきて、自然と笑顔がこぼれる。

私も、彼の体をやさしく抱きしめ返した。







選択肢

・見た

・よかったですね!




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ホッとしました・・・(^~^)