以下ネタバレです







舞台では、ジャグリングやトランポリンなど巧みな技が披露される。

なかには可愛いライオンの赤ちゃんたちのショーもある。

照明などの舞台演出も美しくて、私は舞台に釘付けになっていた。

(キレイ・・・こんなにすごいショー、日本じゃ見れないよ)

舞台が暗転し、赤ちゃんライオンたちがいなくなる。

先ほどまでショーの演出で使われていたドライアイスが舞台に近いVIP席に流れ込んでくる。

そのとき、未来くんが私の肩にストールをかけてくれた。

主人公「・・・未来くん?」

未来 「ちょっと寒いでしょ?」

  未来くんってば・・・(〃∇〃)

  おねーさん、嬉しいよっ!

ショーに夢中になっていて気が付かなかったけれど、そう言えば肌寒い。

(優しいなぁ・・・未来くんだって夢中で観てたのに、ちゃんと私のことも気にかけてくれてたんだ)

再び照明が焚かれ、舞台が明るくなる。

主人公「ありがとう、未来くん」

未来 「どういたしまして」

未来 「○○ちゃん、知ってる?このサーカスの目玉はね、巨大ライオンのマジックショーなんだよ。僕、これが一番観たかったんだー!」

主人公「ふふっ、そうなんだ。楽しみだね!」

未来 「あっ、そろそろ始まるよ」

マジシャンがステージの真ん中で優雅に礼をする。

大きくて獰猛なライオンの入った檻がステージに運び込まれ、マジシャンは大きな布を檻にかける。

すると次の瞬間、布をかけた檻がふわふわと空中に浮きあがり、観客の頭上を一周して、舞台に戻っていく。

マジシャン「3,2,1・・・オープン!」

マジシャンが布を外すと、ライオンは檻から消えていた。

会場は大きな拍手に包まれる。

マジシャンが檻にもう一度布をかけると、おもむろに布を外す。

けれど檻には何の変化もない。

失敗したのかと話していると・・・・

その時、会場全体が急に真っ暗になり、会場の客たちがざわめく。

この停電が演出なのかどうなのかわからず、戸惑っているようだった。

主人公「未来くん、これって演出だと思う?」

未来 「ううん、思わない」

主人公「だよね。どうしたんだろ・・・」

未来 「○○ちゃん、怖くない?」

未来くんは私を気遣って、手を握りしめてくれる。

温かな手から、彼の優しさが伝わってくる。

主人公「うん、怖くないよ。未来くんがいるから平気」

私の言葉に、未来くんが笑う。

未来 「僕、○○ちゃんのそういうところ好きだよ」

その時、場内の電気が点灯する。

未来くんの顔を見ると・・・

彼の笑顔がハッとするほどキレイな表情だったから、私は思わずうつむく。

主人公「・・・う、うん。ありがと」

未来 「さてと。○○ちゃん、久しぶりに出番かもよ」

その時会場のアナウンスが流れる。

未来 「・・・なるほど。ライオンが逃げ出しちゃったって」

会場はパニックになって、会場の出口に人が殺到している。

主人公「わ、私達も早く逃げた方がいいんじゃ・・・!」

未来 「うーん、でもあのライオンは・・・」

主人公「ちょっ、何でそんな落ち着いて・・・」

未来くんが口を開きかけたところで、私の足に何かが触れた。

足に、ふさふさした動くものが当たっている。

恐る恐る足元を見ると、そこには金色の毛をもつ動物がいた。

主人公「きゃあっ!!」

未来 「○○ちゃん!?」

未来くんが咄嗟に私を抱き上げる。

  о(ж>▽<)y ☆

二人して見てみると、さっきの赤ちゃんライオンだった。

未来くんは私を地面に下ろすと、ライオンの赤ちゃんを抱き上げる。

人になれているようで、喉をゴロゴロ鳴らしながら未来くんに甘えている。

すると、スタッフが未来くんに駆け寄って、何か話してる。

未来 「舞台裏からこの子が逃げちゃって、その後を追って親ライオンが逃げちゃったんだって」

主人公「そうだったんだ。じゃあ、親ライオンはどこに・・・」

そのとき、グルルと唸るような声が聞こえる。

未来くんの背後に、さっきステージにいた大きなライオンがいた。

ライオンは今にも飛びかかってきそうな目で、未来くんを睨みつけている。

(もしかして、自分の子どもを盗られたって思ってる・・・!?)

(大変、このままじゃ未来くんが危ない!!)

ライオンは屈んで勢いをつけてから、未来くんに向かって飛びかかる。

主人公「未来くん!!」

ドンッ!

未来くんを突き飛ばして、親ライオンから離そうとしたのだけれど・・。

親ライオンは一度着地してから、再び倒れた未来くんに飛びかかった。

(間に合わない・・・・!)

思わず、私は目を閉じる。

未来 「よーしよしよし」

未来くんの呑気な声が聞こえてくる。

(えっ・・・・!?)

未来 「うん?あ、ほら、皐月さんとこの虎太朗で慣れてるから。ライオンって案外カワイイんだよね~」

主人公「あ・・・」

(よかった・・・でも、未来くん相変わらず凄すぎる)

その時、周囲の客から歓声と指笛が飛び、拍手が沸き起こった。

私達はようやく、客の注目を集めていたことにきがつく。

主人公「未来くん、もしかしてなんかのショーの一部だって勘違いされてない?」

未来 「そうみたい。でもいいんじゃない?パニックも収まったみたいだし」

子供のライオンが、私の足にそっと体を摺り寄せてくる。

抱き上げると、大きなあくびをして眠そうに顔をこすった。

愛らしい仕草に、ほのぼのした気持ちになっていると・・・。

小太りの男性が未来くんに近づいて話しかける。

どうやらこの男性はサーカス団の団長。

未来くんをスカウトしにやって来たようだった。

団長からしつこく誘われているけど、未来くんは頑として首を縦に振らない。

(未来くん、ちょっと困ってるみたい)

抱き上げていたライオンをスタッフに手渡すと、私は2人に近付いた。

(うーん。もうこうなったら・・・)

未来くんの手をとると、彼に笑いかける。

主人公「未来くん、逃げちゃおっか」

一瞬驚いたような表情になって、未来くんは心底楽しそうに笑う。

未来 「○○ちゃんって、ホント面白いこと考えるよね」

主人公「もう。ここ、笑うとこじゃないよ?」

未来 「そうだね。逃げよっか、○○ちゃん」

未来くんは私の手を掴むと、走ってその場から逃げる。

団長がなにか叫んでいたけれど、未来くんは聞こえないふりをしていた。


未来くんと一緒に、今日宿泊するホテルへと向かった。

全室オーシャンフロントのラグジュアリーホテルだった。

シャワーで汗を流してからリビングに戻ると、未来くんが見当たらない。

主人公「未来く・・・」

ベッドルームを覗くと、彼が気持ちよさそうに眠っていた。

未来くんのそばに腰かけると、規則正しい彼の寝息が聞こえてくる。

(今日はいろいろあったから、疲れちゃったのかな)

未来くんの頬に、そっと自分の手の甲をあててみる。

主人公「おやすみ、未来くん」

未来 「・・・おかえり、○○ちゃん」

彼は突然私の手をぐっと引っ張り、シーツで私をくるむ。

未来 「○○ちゃん、捕まえた」

主人公「未来くん、起きてたの?」

未来 「ちょっと寝たからもう元気だよ」

彼はぎゅっと抱きしめてくれる。

未来くんの温かさが伝わってきて、なんだか幸せな気分になる。

未来 「○○ちゃん、今日は楽しかった?」

主人公「うん、もちろん。未来くんは?」

未来 「僕も楽しかったけど・・・ちょっとショックだった」

主人公「え?どうして」

未来 「昼間、○○ちゃんの弟に間違われたでしょ?あれは、ホントにショックだった・・・」

今日一日でいろんなコトがありすぎて、すっかり忘れていたけれど。

未来くんもショックだったかもしれないけれど、私も少しショックだったなと思い返してみる。

未来 「もう、なんで僕ってこんなに童顔なんだろう!」

  そこがいいんだけどなぁー(〃∇〃)

主人公「でも、未来くんって雰囲気を変えることも出来るじゃない?」

未来 「そうなんだけど。でも、なんかくやしい」

主人公「今、一緒にいてくれてるのは・・・素の未来くんなんでしょ?」

未来 「うん、そうだよ」

主人公「私、そのままの未来くんが好きだよ。なにがどうであれ、未来くんが好き。だから、他人になんて言われても、素のままでいて欲しいんだけどな」

未来 「・・・そうかな」

主人公「そうだよ」

主人公「それに・・・未来くんが素の状態でいるのって、気を許している人の前でだけじゃない?だから、私は飾らない今の未来くんと一緒にいられるのがうれしいの」

未来 「○○ちゃんって、いつも僕がたまんなくなるようなこと言うよね」

主人公「本音を言ってるだけなんだけど・・・」

未来 「ふふっ、じゃあ・・・」

彼はニヤリと笑って、私の上に覆いかぶさるような体勢をとり、私を見下ろして言う。

未来 「○○ちゃん、今夜は何して遊ぼうか」

主人公「・・・未来くんは、何をして遊びたいの」

未来 「○○ちゃんとなら、どんなことでもいいよ」

未来くんは笑みを浮かべながら、じっと私を見つめている。

未来 「・・・○○ちゃん」

主人公「・・・なに?」

未来 「質問の答えは?」

主人公「はぐらかそうと思ってるのに」

未来 「ダーメ」

主人公「ずるいよ、未来くん」

未来 「僕はいつだってずるいの。もうよく分かってるはずでしょ?」

言葉の代わりに、未来くんの頬に手の平をあてる。

彼が、私の手に自分の手を重ねた。

ふっと笑みをこぼして、未来くんは艶やかな表情を浮かべる。

未来 「仕方ないなぁ。今日は許してあげる」

そう言って、未来くんは私の唇に自分の唇を重ねる。

柔らかくて、温かくて・・・

夢の中にいるみたいなキス。

私は目を閉じて、まどろむように2人の時間を味わった。



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久しぶりの未来くん。

若いのに気が利くし、やっぱ、いいわー!!

って完全おばさん目線じゃん(T▽T;)


実は、時々怪盗の宙くんと被るのよね・・・

どっちも可愛いから好きなんだけど(*^.^*)