以下ネタバレです




翌日---

春香ちゃんは来た時のようにリュックサックを抱えてお母さんに手を引かれていた。

春香 「じゃあね、パパ」

千早 「ああ。春香ちゃん、また遊びにおいで」

春香 「今度は冬香と一緒に来るから」

春香ちゃんは私をちらりと見る。

主人公「春香ちゃん、またね」

春香 「ふんっ」

彼女は私の側によると、私の脚を蹴ってくる。

主人公「いっ・・・」

春香 「さっさとパパと別れてよね。ばぁか!」

  ご両親・・・注意しなきゃ!

春香ちゃんの頭をぽんぽんと撫でると、彼女がいつもみたいに嫌がって手足をばたつかせる。

主人公「本当に、また遊びに来てね」

春香 「すごーく暇だったら遊びに来るわ」

主人公「うん、それでいいから」

春香 「しかたないな~」

春香ちゃんのご両親が彼女の背中を押す。

春香母「さ、そろそろ行きましょうか」

春香父「それでは、またご連絡しますので」

春香ちゃんは一瞬振り返って、手を振ってくれる。

春香 「じゃあねっ!バイバイ!」

主人公「春香ちゃん、またね!」

千早さんと二人で、手を振って応える。

すると、彼女は今までに見せた事のないような笑顔を見せる。

その笑顔はどこか勝気で、周囲にいる人たちにも元気をくれそうなものだった。

春香ちゃんが行ってしまってから、千早さんは私の頭にぽんと手を置いた。

千早 「大丈夫かい?」

主人公「・・・はい」

春香ちゃんがいなくなってしまって、急に静かになった。

千早 「さびしくなるね」

主人公「そうですね・・・」

春香ちゃんの幸せを祈りながら、私達は家へと戻った。


春香ちゃんが行ってしまってから一ヵ月。

仕事は順調。

編集長は片山さんとのことを心配してくれていた。

片山さんの件も、彼が移動になってから接触する機会もない。

今回の異動は片山さんの希望であったことを教えてもらい、少しほっとした。

仕事に戻ると携帯のバイブが鳴った。

ディスプレイを見ると千早さんからだった。

明日の予定の確認。

休みであることを伝えると、電話口で誰かと話してる・・・?

そして明日朝10時ごろ迎えに来てくれることに。

ただ、誰とどこにいくかは内緒だと。


翌日---

少し早起きして、お出かけ準備。

部屋にやって来た風子に、着ていく洋服を決めてもらう。

風子 「・・・今日は元気だね」

主人公「え?」

風子 「春香ちゃん、だっけ。彼女がいなくなってから、ちょっと元気なかったじゃん」

(・・・風子、気遣ってくれてたんだ)

主人公「風子、ありがと」

風子 「なーによ。礼なんて言われるようなことなんにもしてないし」

主人公「風子の気持ちがうれしいよ。だからありがと!」

風子 「へへへ~。そんなふうに言われるとうれしいけどねっ!」

ピーンポーン・・・・

チャイムが鳴る。

主人公「あ、千早さんかな」

風子 「そうかも。出てくるね」

主人公「ありがと」

風子が出て行ってから、私は選んでもらったレースワンピを着る。

鏡の前でチェックしていると・・・

風子 「きゃぁぁぁぁぁぁあああ!!」

玄関の方から風子の悲鳴が聞こえてきた。

主人公「風子!?」

考える間もなく、玄関へ走ると・・・

主人公「どうしたの風子!」

風子 「な、なんて豪華なラインナップ・・・っ!」

玄関には、千早さんの他、カジノのみんなが勢ぞろいしていた。

朝日がみんなの背後にあって、ちょっと神々しい・・・。

風子 「夢でもみてるような気がするわ・・・これ、ちょっと写真撮ってもいいかな」

  私も・・・いいですか?

主人公「うん。っていうか・・・あの。まさか今日って」

千早 「ああ。みんなで遊園地に行こうと思ってね。よかったら、風子さんも来ます?」

風子 「今日は取材があって・・・本当は仕事放ってでも行きたいんですけど・・・」

千早 「そうか、残念だな」

遼一 「○○、お前メーク途中じゃないの」

主人公「・・・はっ」

前髪をピンで留めたままだったので、慌ててピンを外す。

主人公「す、すみません。お見苦しい所を・・・」

未来 「大丈夫。そんな○○ちゃんも可愛いよ」

ノエル「未来の好みってよくわからない」

未来 「えー、ノエルの女性の好みの方がよくわからないよ」

皐月 「ほらほら。あまり騒がしくしては○○さんを困らせてしまいますよ。私達は下で待っていましょう」

悠月 「だな。○○、さっさと用意して来いよ?メシは車内にあるから」

  もちろん千早さんのお手製?

主人公「は、はいっ」

千早 「僕はここで待っていようかな」

千早 「みんなは先に車に戻っていてくれるかい」

未来 「じゃあ僕も待つ!」

悠月 「お前はちょっと気ィ遣え!ほら行くぞ」

未来 「えー、つまんない!」

未来くんが悠月さんに、文字通り首根っこをつかまれて、連れて行かれてしまった。

風子 「○○~、写真を撮って来てね!今日のハナシ、たくさん聞かせてね!」

主人公「うん、もちろんだよ!」

いつもみんなとはカジノっていう限られた空間でしか会っていなかったから感覚が麻痺していたのだけれど・・・。

(やっぱりあの人たちってすごいオーラ・・・)

風子 「うう、うらやましいっ・・・」

風子は本当に泣きそうになりながら、私を見送ってくれた。


遊園地に到着すると、私達の他にお客さんがいなかった。

(これって・・・もしかして、もしかしなくても・・・・)

主人公「ち、千早さん。まさかまた・・・」

千早 「ああ。僕達が全員で遊ぶとなると、さすがに貸切にしないとまずいかなと思ってね」

悠月 「オレら、一応有名人だからな。一般人と一緒だと、思いっきり遊べねェしな」

未来 「○○ちゃん、一緒にジェットコースターに乗ろう!」

主人公「う、うん・・・」

未来 「今日は何かい乗ろうかなぁ、んー・・・・」

ノエル「今日はやめた方が・・・ジェットコースターだけじゃもったいない・・・」

未来 「そうだね・・・。それもそうかな」

主人公「千早さん、これからどうします?」

千早 「さて、どうするかな」

千早 「とりあえず未来のリクエストもあったことだし、ジェットコースターに乗るかい」

悠月 「オレは兄貴とフリーホールに行くか」

(えっ、そうなの!?)

(北大路兄弟がフリーホールって・・・編集長が喜びそうな題材だな・・・)

千早 「今、仕事のこと考えたでしょう」

心を見透かされてしまい、私は千早さんからそっと目を逸らした。

主人公「そ、そんなことないですよ?」

千早 「本当に、君は仕事が好きだね」

遼一 「オイ、○○」

主人公「はい?」

遼一 「お前が一番苦手なアトラクションは?」

遼一さんから園内マップを手渡されて、私は指をさす。

主人公「オバケ屋敷でしょうか。ここのは人間がオバケ役をやっててすごく怖いらしいんですよね・・・・」

遼一 「決まりだな。それに行くぞ」

私は遼一さんから手を引っ張られる。

主人公「ちょっ、本気でイヤですっ!」

千早 「遼一、行くのは構わないけど手を離しなさい」

遼一 「こうしないと絶対来ないでしょが」

千早 「じゃあ、僕が連れて行こう。それでいいね?」

主人公「えっ、千早さん!?本当にニガテで・・・逃げちゃいますよ!?」

千早 「そんな君を見るのも、一興だな」

千早さんはにこやかな笑みをうかべる。

(どうしよう・・・逆に千早さんを喜ばせてしまった・・・)

彼は私の手をぐいと引っ張ると、オバケ屋敷へ颯爽と向かおうとする。

でも颯爽と向かわれても・・・

私は意固地にその場に留まろうと抵抗する。

主人公「ちょっと!」

主人公「ホント、ああいう場所って霊が集まりやすいとか言うし、やっぱりやめませんか?」

千早 「大丈夫だよ。こんなところに集まる幽霊なら、きっとお茶目さんだよ」

主人公「お茶目って・・・」

遼一 「お前ら、見てるだけで面白いな・・・いつもこんななの?」

千早 「そうなんだよ。本当に彼女は面白くてね」

主人公「ちっ、違います!私じゃなくて千早さんが面白いんですッ!」

遼一 「オレからしたら二人とも愉快なことこの上ないがね・・・」

未来 「えー、じゃ僕も行く。ノエルも行こうっ」

ノエル「オバケ、オレも怖い・・・」

未来 「大丈夫、大丈夫。僕も驚かしてあげるから」

主人公「それのどこが大丈夫なの、未来くん・・・・」

その後、結局千早さんに、無理矢理オバケ屋敷へ連れて行かれた。

オバケ屋敷には私の情けない悲鳴が響き渡っていた・・・。


へとへとのなるまで遊んで、私はうんと背伸びをした。

主人公「ずいぶん思いっきり遊びましたね。今日は誘って頂いてありがとうございました」

ぺこりとお辞儀をすると、皐月さんがにこやかに言う。

皐月 「それはよかったですね。千早がずっと心配していましたので」

千早 「・・・皐月さん、そのことは」

皐月 「ふふ、わざと言いました」

皐月 「・・・今日のことは千早が計画したことですよ」

遼一 「春香がいなくなってから、お前元気なかっただろ。それで思いっきり騒ごうってことになったんだよ」

主人公「えっ、そうだったんですか?」

千早さんはもちろんのこと、みんなの優しさに胸が暖かくなる。

主人公「ありがとうございます。本当に、うれしい・・・」

悠月 「いや。・・・ま、オレ達も楽しかったしな。こんなトコで、こんなメンツで遊ぶなんてめったにねぇし」

遼一 「そうだな。遊園地なんて行くガラでもないし」

ノエル「○○が元気ないって、千早さんも元気なかったよね・・・」

未来 「そうそう。○○ちゃんも心配だけど、千早さんこそ大丈夫じゃないよねって心配してたんだ」

千早 「全く。君たちはどうしてそう口が軽いんだい・・・」

皐月 「ちはやは不器用なところがあるからね。私達でこういう部分はフォローしないと。○○さんに愛想を尽かされてしまっては困りますから」

千早 「・・・さて、そろそろ帰ろうか」

千早さんは有無を言わさないような雰囲気を醸し出して、話を終わらせる。

でも、その顔は真っ赤になっていて、私はふっと笑みをうかべる。

(千早さん、恥ずかしがってる・・・)

遼一 「くわばら、くわばら。 じゃ帰るか」

皐月 「では、私達はこれで」

主人公「あ、今日はありがとうございました」

みんなはハイヤーに乗って帰っていった。

主人公「・・・千早さん、照れてますね」

千早 「こんな恥ずかしいことはないな・・・もう」

千早さんは肩を落として、落ち込んでいるようだった。

その姿に思わず笑みがこぼれてしまった。


千早さんの家に着くと、私達はソファに腰掛けて休憩していた。

主人公「へとへとですね。今日、本当にありがとうございました」

千早 「よかった。本当に、元気が戻ってきたみたいだね」

主人公「こんなことしてもらって、元気が出ない人なんていませんよ」

千早 「春香ちゃんは、元気だよ。冬香ちゃんも手術が成功したと連絡があったから」

主人公「そうですか」

(よかった・・・)

主人公「久しぶりでしたね。遊園地」

主人公「初めて、千早さんが『好き』って言ってくれた場所です」

千早 「そうだね」

千早 「・・・今はもっと、君のことが好きだけれど」

主人公「え・・・」

千早さんが、私の頬を手の平で包み込んで、そっと唇を重ねる。

千早 「今回のことで、○○さんのことがもっと好きだと思えるようになったよ」

主人公「なんだか、ご迷惑ばかりおかけしたような・・・」

千早 「○○さんのお世話なら、いくらでもさせてもらうよ」

千早さんは私の手首をそっと掴んで、そのままソファに押し倒す。

主人公「・・・じゃあ、よろしくお願いします」

千早 「承知しました、姫君」

千早さんは私の手首をくすぐる様に、キスをする。

主人公「・・・っ」

千早 「声、聞かせて?」

主人公「もう・・・」

私は千早さんを抱きしめると、彼の首筋にキスマークを付けた。

主人公「これで、首・・・しばらく出せませんね」

千早 「全く」

千早 「・・・ああ、そうだ。おそろいにしようか?」

主人公「あっ、ちょっ・・・!」

首に軽い痛みが走って、声が漏れそうになるのを押さえる。

千早 「・・・これで、おそろいだな」

そう言って、千早さんは私に口づける。

私達はそれから、二人きりでとろけそうな甘い夜を過ごした。




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グドエンでもやっぱり甘いのよね・・・

千早さん!(〃∇〃)


心を鬼にして、選択したのよー!!

何度か千早さんを悲しませてしまって・・・ (ノДT)

心が痛んだわ(TωT)



次はゆづくんのグドエンにいこうかしら・・・?

遼一が配信になる前に終わらせておきたいからねー