以下ネタバレです
健至に頼まれたものを渡し、仕事に戻ってからも、気分は晴れなかった。
(可愛いクセ字だったよね。いかにも女の子が書いた字・・・みたいな・・・)
(しかも、宛名がなかったってことは、郵送じゃなくて、直接健至に手渡したってことだよね?)
(もしかして、元カノとか・・・?)
(そうじゃなかったら、手紙なんて、あんまり取っておかないよね・・・?)
黒狐に次のミッションのミーティングのためみんな集まる。
依頼主はフランスで義賊をしているポール。
獲物はフランス王家がある貴族に与えたティアラ。
場所は新東京博物館。
決行日は今週の金曜日。
健至は当番日のため、ミッションには参加できない。
流輝 「確認するぞ。実行するのは、オレと拓斗。現場付近の見張りを○○。宙は、車の中で支持を出してもらう」
ボス 「そして、オレは応援団・・・っと」
主人公「あ・・・マスター、いたんですね」
ボス 「ちょ・・・ひどいよ!ここ、オレの店だよ?」
宙 「存在感が薄いから忘れてたよ」
拓斗 「同感」
ボス 「ひどいっ。無料でこの場を提供してるのに」
流輝 「・・・おい。オッサンに構ってないで、こっちに集中しろ」
なにげにみんなボスの事下に見てる~ ( ´艸`)
健至 「・・・ルートはどうなてるんだ?」
宙 「今日、たっくんと遺書に調べて来たから大丈夫」
流輝 「木曜にティアラが倉庫に入って、土曜の夕方には展示される。なんとしても、金曜中にケリをつけたい。いいな?」
拓斗 「了解」
宙 「まかせて」
主人公「がんばります!」
ボス 「お守りも全員分作ったから♪」
一同 「それはいらない」
ボス 「なんでぇ!?」
健至 「・・・」
(・・・健至?なんか、途中から全然喋ってないような・・・)
帰り道、今回のミッション私一人では心配だと言う健至に、
嬉しいような、信用されていないような複雑な気持ちになる。
健至 「・・・おい、○○?」
主人公「なんでもない。本当に大丈夫だよ」
答えながら、私は健至の腕に手を絡ませる。
主人公「健至がこれまで好きになったコたちよりも、私、ずっと頑丈なんだから。だから、心配いらないよ」
(たぶん、山内さんよりも、ずっと・・・)
健至 「・・・そうやって、すぐに無理しようとするから、よけいに気になるんだろうが」
主人公「え?なに?」
健至 「なんでもねーよ」
健至は、一つため息をつく。
健至 「とにかく、絶対に無理はするなよ。頼んだぞ?」
主人公「うん、わかった」
(でも、見張り役で無理することなんて、そうないと思うけどな・・・)
ミッション当日---
見張りをしていた私の側に警備員らしき人が近づいてくる。
私は柳瀬さんに促されるまま、窓から逃げることになった。
柳瀬さんが、ぐいっと私を引き寄せる。
流輝 「捕まってろよ?」
主人公「はいっ」
私を抱えたまま柳瀬さんは、すぐそばの木へと移り・・・地面へ向かって飛び降りる!
その時・・・
しがみついていたはずの手が、わずかに滑って・・・
ドスンッ!
主人公「痛たた・・・」
流輝 「おいっ、大丈夫か!?」
主人公「はい、平気で・・・痛っ」
流輝 「どうした?」
主人公「足、少しひねったかも・・・」
黒狐に戻ってマスターから処置を受ける。
心配した健至から電話が入り、仕事明け朝一で黒狐に来てくれることになった。
(結局、健至に心配かけちゃった・・・)
(そういうの、イヤなんだけどな・・・)
少し熱の出てきた私をみんなが交代で看病してくれることになった。
主人公「・・・すいません」
流輝 「謝るな。もともとはオレのミスだ」
主人公「違います・・・私が、手を滑らせたから・・・私が、もっとしっかりしていれば・・・」
流輝 「バカ。お前はちゃんとしてるって。新入りにしては上出来じゃねーの?」
主人公「・・・」
流輝 「まぁ、でも、怪盗をやめたくなったらいつでも言えよ?もともとお前とは、設計図を盗み出すまでの約束だったんだし・・・」
主人公「・・・一緒にいたいんです、健至と」
流輝 「ん?」
主人公「健至のみている世界を、一緒に見ていたいんです」
流輝 「だからって、なにもこっちの世界にまで・・・」
主人公「こっちの世界に自分から踏み込んでいかないと、健至の事、分からない気がするんです」
流輝 「△△・・・」
主人公「健至、カッコつけだから・・・こういう危険なこと、すぐに隠そうとするじゃないですか」
流輝 「・・・まあな」
主人公「それじゃあ、イヤなんです。私、ちゃんと知りたいんです」
流輝 「・・・」
主人公「隠されたら・・・元カノと同じになっちゃう・・・山内・・・桃絵さんとか・・・」
流輝 「・・・桃絵?」
主人公「たぶん、健至の元カノです・・・健至・・・机の引き出しに、その人の手紙を大切そうに取っておいてあるんです」
流輝 「・・・」
主人公「その人と、どういうお付き合いをしてたのかわからないし、今はどう思ってるのか、分からない・・・でも、健至・・・元カノには、怪盗をやってることを話せなかったって言ってた・・・それなら、そのことを知ってる私がちゃんと全部受け止めたいんです」
流輝 「・・・そうか」
何かを考え込むかのように、柳瀬さんが俯く。
そこへ・・
ボスがぬれタオルと葱を持ってやって来た。
流輝 「・・・なにかあったら、声かけろよ。オレ達の誰かが、傍にいるから」
主人公「ありがとうございます・・・おやすみなさい・・・」
葱の匂いが気になりながら、そのわりに、疲れのせいか、すぐに眠気が襲ってきて・・・私はそのまま眠りについた。
どのくらい眠っただろうか・・・
健至と蛭川さんの話す声で目が覚める。
健至と軽い挨拶のようなキスをする。
健至 「・・・どうする?起きる?それとも、もう一眠りする?」
主人公「眠ろうかな・・・。いい?」
健至 「ああ。じゃあ、10時になったら起こすからな。それから、一緒に病院いこうぜ?」
主人公「うん」
健至の大きな手が、私の額に触れる。
主人公「・・・前にも、こうしてもらったことあったね」
健至 「だな」
主人公「どう?今は、ちゃんと女の子に見えてる?」
健至 「・・・バカ」
健至 「いつだって、見えてるに決まってるだろ」
主人公「ハハッ」
主人公「じゃあ、おやすみなさい」
健至 「おやすみ・・・」
健至のあたたかな手を感じたまま、私はもう一度眠りについた。
つづく---